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【図解でわかる】ビザンティン建築ってなに?

RYOです

各建築様式の少し詳しい部分まで掘り下げようという狙いで、今回はビザンティン建築について説明します。

※明言しますが、西洋建築の勉強をしてからヨーロッパに行けば無学で行くより100倍楽しめます。5回にわたってヨーロッパ30ヵ国以上を完全無学で周ってきた僕が言うので間違いありません(笑)

参考文書:「西洋建築様式史」

こちら↓を読んで頂いていることをある程度前提に話を進める部分もあるので、まずはこちらをお読みください。

【図解でわかる】初期キリスト教建築とはどんなもの?

※「この部分がわかりにくいです」とか「これはどうなんですか?」などの質問やコメント等ありましたら遠慮なく下部のコメント欄からお問い合わせください!

では始めます。

東西ローマの分裂と東方教会

330年5月11日、コンスタンティヌス帝が都をローマから現在のトルコのイスタンブールであるコンスタンティノープルに移し、新首都建設のための大がかりな建築活動が開始されました。

これ以降東ローマ帝国の地域を中心に発展した建築様式をビザンティン建築と呼びます。

この東ローマ帝国に広がったキリスト教は、ローマを中心とした西ヨーロッパのローマン・カトリックとは異なり、現在のギリシア正教とかロシア正教と呼ばれる東方教会です。

この東方教会では、神の表現についてきわめて厳格であり、天国の階層序列がハッキリ決まっています。例えば、

最上位はもちろんイエス

→次にマリア(イエスのママ)

» 以下、興味のある方は↓

→次いで大天使ミカエルとガブリエル(神の言葉を伝える天使)

→福音史家(イエスの言行録「福音書」の著者たち)

→使徒たち(イエス・キリストの12人の高弟)

→旧約の預言者(本書には「旧訳の予言者」と書かれていますが、恐らく誤字だと思われます)

→聖者(殉教者や偉大な使徒)

→初期キリスト教時代の教父(カトリック教会に公認された聖なる神学者)

» 折りたたむ

の順に定められていました。(イエス=神の子=神)

また、初期キリスト教のバシリカ式教会堂のアプス上の半ドームにキリスト教の勝利と栄光を図像学的表現としてきた伝統をさらに押し進めて、神の座としてのドームの象徴的意味がますます強く意識されることとなっていき、東方教会の教会堂にドームが重要な要素となっていきました。

「え、アプス?バシリカ式?」

と思った方、初期キリスト教建築のやつ読んでないでしょ!!ぼくわかるんですよ(笑)

一応もう一度貼っておきます↓

【図解でわかる】初期キリスト教建築とはどんなもの?

これ↑読んでから戻って来てください。じゃないとこの記事読む意味無いです(-_-メ)

まあ一応アプス上の半ドームについて説明しましょうか。

アプスとは教会堂の奥にある聖職者の専用空間のことです↓

ロマネスク建築

このアプスの上部には大抵半ドームがあります↓

つまり、要約すると

東方教会では西ヨーロッパのカトリック教会よりもドームが重要になった

ということですね。

また、アプスへ向かう典礼行進が見栄えするような細長い広間の方向性と神の座を象徴するドームの垂直性をうまく組み合わせることがビザンティン建築の課題につながっていきます。

意味わかりますか?

初期キリスト教建築編でも紹介しましたが、教会堂の平面形式を以下のように仮定すると↓

↑赤色矢印は信者がアプスまで歩く方向性を示し、青色矢印はアプス上部の半ドームを見上げる際の垂直性になります。

この典礼行進の方向性とドームの垂直性をどうするかというのが課題で残ります。

つまり!

初期キリスト教以来の伝統的バシリカ式プランと神の座を象徴するドームの結合

という大きな課題を抱えて、これから様々な構造的実験を繰り返していくのです。

ビザンティン建築の課題

ではビザンティン建築の課題を紹介します。それは

細長のプランの上にドームをかけるということは、ドームを立ち上げるための円形プランの基礎を矩形(くけい=四角形)プランの上にどう築くかという問題に帰結する

ということです。わかりませんよね、その気持ち非常にわかります(笑)

これに関して本書には、重要な用語として

・スキンチ

・トロンプ

・ペンデンティブ

が紹介されています。では、小学生でもわかるくらい簡単に説明しましょう↓

そもそも、円柱にドームを架けるのはそんなに難しくありませんよね?

とてもスムーズにドームを架けることができます。

しかし、正方形にドームを架けるならどうでしょう?

なんかうまく載らないですよね。それが先ほど出てきた、

ドームを立ち上げるための円形プランの基礎を矩形(くけい=四角形)プランの上にどう築くかという問題

なのです。つまり

四角形の上に円形を載せるのは難しい!

ということなんです。

これを克服するための技術がスキンチ/トロンプ/ペンデンティブ」でした。

スキンチ

スキンチ(別名「火打ち梁」)とは、正方形平面の上に円形のドームを載せる技術で、四角形の上面を八角形ないしはより円に近い多角形として接続する方法です。

これだけ聞いてもわからないと思うので、図解します↓

このスキンチは木組みで家などを建てる際にも使われる技術で、建物の水平方向のひずみを抑える役割があります。

まあ何となくイメージできますよね。

このスキンチを架けることで、平面的には正八角形になりますよね↓

ではこの正八角形にさらにもう一度スキンチをかけるとどうなるでしょうか?↓

正16角形になり、より円形に近付きました。

こういうように、スキンチをかけていけばだんだんと円形に近付いていき、ドームを架けやすくなるのです↓

このスキンチの方法は、長くて大きな石材が採れない地方では用いることはできず、煉瓦や小割石でしか建築を建てられない地方では、このスキンチをアーチに代えることでそれを解決しました。

このスキンチ・アーチの方法をさらに押し進めて扇状にアーチを重ねて隅の部分を処理したのがトロンプです。

・・・。

全く意味が分かりません(笑)

トロンプ

スキンチの派生形としてトロンプがありますが、まあ正直そんなに重要では無いです。

でもまあ一応説明するとこんな感じになります。

要はクインチを架けた後のこの四隅の角っこの黄色の部分↓をどうするかが問題なんです。

先ほどの図↓では、土台とドームが全くスムーズに繋がっていないのです!!!!

なぜならこの四隅の無駄な部分のせいで、地上からドームの頂点までのスムースな流動感が中断されてしまうからです。

これを克服したのがトロンプです↓

こんなんとか、

こんなんですね。でも正直、

「努力は認めるけど、そないスムーズに繋がってないよ(;´・ω・)」

と思いますよね。それをさらに改良したのがペンデンティブなんです。

ペンデンティブ

ペンデンティブのイメージについて、写真を見せる前にちょっと想像してみましょう↓

とても真面目な内容の本書の中で、珍しくこの部分だけ饅頭を使って例えています(笑)

➀正方形の壁体の上端に外接する半球形の饅頭をまず想定し、4つの壁からはみ出ている部分を包丁で垂直に切り落とします。

②切断された切り口は半円形となり、上に載っている半球の荷重が四隅に集中し、正方形の四つ角にそのまま力を伝えることができます。

③次に半円形の切り口の頂部に接するように饅頭を水平に切ると、その切り口は円になり、その円を基礎としたもう一つ半球形の饅頭を載せて、この方法は完成する。

④二段に積み上げられたドームの下の方は四隅に球形三角形だけが結局残るわけで、この部分が二重のドームの全ての荷重を受けることになり、この球形三角形をペンデンティブと呼んでいる。

わかりましたか?

最後らへんはやっぱり難しいので、上の説明を図で表したいと思います。が、ぼくの未熟なパワポ技術では上手に図が描けなかったので、今回はミカオ建築館様のブログから図を引用致しました↓

出典:Q ペンデンティブとは?

このミカオ建築館の著者は、建築に関する大学教授でありながら不動産投資を行っている方らしいです。

スゴイわかりやすいですよね~

まあとにかく、このペンデンティブの方法によって、荷重は四隅に集中され、それ以外の部分は構造的に解放されるので大きな開口部がとれるようになり、ドームの壮大な空間の中に明るい光を採り入れることができるようになったのです。

(↓ペンデンティブNo. 2)

めでたしめでたし

ビザンティン建築の奇跡「アヤ・ソフィア」

ではこれからビザンティン建築の奇跡と呼ばれる「アヤ・ソフィア」を紹介します。

初めに言っておくと、著者はアヤ・ソフィアが大好きなようでめっちゃ褒めまくります(笑)

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