- 1 はじめに
- 2 中国の世界遺産55件
- 2.1 泰山(1987年)
- 2.2 万里の長城(1987年)
- 2.3 北京と瀋陽の明・清王朝皇宮(1987年)
- 2.4 莫高窟(1987年)
- 2.5 秦始皇帝陵及び兵馬俑坑(1987年)
- 2.6 周口店の北京原人遺跡(1987年)
- 2.7 黄山(1990年)
- 2.8 九寨溝の渓谷の景観と歴史地域(1992年)
- 2.9 黄龍の景観と歴史地域(1992年)
- 2.10 武陵源の自然景観と歴史地域(1992年)
- 2.11 承徳の避暑山荘と外八廟(1994年)
- 2.12 曲阜の孔廟、孔林、孔府(1994年)
- 2.13 武当山の古代建築(1994年)
- 2.14 ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群(1994年)
- 2.15 峨眉山と楽山大仏(1996年)
- 2.16 廬山国立公園(1996年)
- 2.17 麗江古城(1997年)
- 2.18 古都平遥(1997年)
- 2.19 蘇州古典園林(1997年)
- 2.20 頤和園(1998年)
- 2.21 天壇(1998年)
- 2.22 武夷山(1999年)
- 2.23 大足石刻(1999年)
- 2.24 青城山と都江堰(2000年)
- 2.25 安徽南部の古村落(2000年)
- 2.26 龍門石窟(2000年)
- 2.27 明・清王朝の皇帝墓群(2000年)
- 2.28 雲崗石窟(2001年)
- 2.29 雲南の三江併流保護区(2003年)
- 2.30 古代高句麗王国の首都と古墳群(2004年)
- 2.31 マカオ歴史地区(2005年)
- 2.32 四川ジャイアントパンダ保護区群(2006年)
- 2.33 殷墟(2006年)
- 2.34 中国南方カルスト(2007年)
- 2.35 開平の望楼群と村落(2007年)
- 2.36 三清山国立公園(2008年)
- 2.37 福建土楼(2008年)
- 2.38 五台山(2009年)
- 2.39 中国丹霞(2010年)
- 2.40 「天地の中央」にある登封の史跡群(2010年)
- 2.41 杭州西湖の文化的景観(2011年)
- 2.42 澄江の化石出土地域(2012年)
- 2.43 上都遺跡(2012年)
- 2.44 新疆天山(2013年)
- 2.45 紅河哈尼棚田群の文化的景観(2013年)
- 2.46 シルクロード:長安-天山回廊の交易路網(2014年)
- 2.47 中国大運河(2014年)
- 2.48 土司遺跡群(2015年)
- 2.49 湖北の神農架(2016年)
- 2.50 左江花山の岩絵の文化的景観(2016年)
- 2.51 歴史的共同租界、鼓浪嶼(2017年)
- 2.52 青海可可西里(2017年)
- 2.53 梵浄山(2018年)
- 2.54 良渚古城遺跡(2019年)
- 2.55 中国の黄海=渤海湾沿岸の渡り鳥保護区群(第1段階)(2019年)
- 3 おわりに
はじめに
RYOです
このシリーズでは世界遺産検定1級合格のために、世界遺産を広く浅く勉強しようという企画です。
今回は「中国の世界遺産」についてです。
中国の世界遺産55件
中国の世界遺産は、2020年3月現在で世界でイタリアと並んで最も世界遺産が多い国(55件)として有名です。
55件もあるので、キーワードや気になった事のみ記します。
中国の世界遺産を知るためのとっかかりとしてまとめただけなので、まとめの内容を見てその遺産を深く理解できるということは全くありません。
登録年が古い順に並べています。
では始めます。
泰山(1987年)
中国五岳のひとつ
五岳のうちでは最も東にあるので、東岳とも呼ばれる
秦の始皇帝から始まった封禅の礼(天使が行う天地の祭り)が行われた
碧霞(へきか)元君を祀る
万里の長城(1987年)
春秋・戦国時代に各国が外敵の侵入を防ぐために築いた長城を、紀元前214年に秦の始皇帝が北方の匈奴の侵入を防ぐために蒙恬(もうてん)に命じて繋げさせたもの
明代に従来の土城から煉瓦になった
北京と瀋陽の明・清王朝皇宮(1987年)
明、清時代の歴代皇帝の宮殿
現在は北京の故宮博物院として知られる
1420年に明朝の第3代皇帝が完成させ、清朝最後の溥儀が退位する1912年まで使われた
宮殿建築としては世界最大で、現存する中国最大の木造建築物である
莫高窟(1987年)
莫高窟(ばっこうくつ)は中国にある仏教遺跡
鳴沙山(めいさざん)の東の断崖に、掘られた洞窟がありその中に約2400の物塑像が安置されている
紀元前336年に、楽(らそく)和尚により創建された
秦始皇帝陵及び兵馬俑坑(1987年)
中国を初めて全国統一した始皇帝の墓
70万人が38年をかけてつくったらしい
兵馬俑坑はこの墓を取り巻くように配置され、出土した等身大の土偶はみな東を向いている
周口店の北京原人遺跡(1987年)
周口店(しゅうこうてん)遺跡は、およそ70万年前から20万年前のもと推定される北京原人の化石(骨)が発見された遺跡
北京原人の骨だけでなく、石器、鹿の角や骨製の道具なども発見された
この発掘から、北京原人は直立歩行し、洞穴をすみかとして集団生活を営み、斧などを用いて狩猟・採集を行い、獲物などを火で焼いて食べていたことが明らかになった
ここから発掘された頭蓋骨は、日中戦争のさなかにアメリカに搬送する途中で紛失し現在も行方不明
黄山(1990年)
中国で最初に国家重点風景名勝区に指定された
伝説の王黄帝が仙人になった場所
最高峰の蓮花峰(1865m)を中心に72の花崗岩の奇峰がそそりたつ
怪石、奇松、雲海、温泉は黄山の四絶(四奇)と呼ばれる
九寨溝の渓谷の景観と歴史地域(1992年)
岷山山脈の山中にある渓谷
周囲にチベット族の村が九つあることから九塞溝(きゅうさいこう)と名付けられた
ジャイアント・パンダや金絲猴(きんしこう)など多種類の希少動物が生息している
澄み切った湖沼と渓流、瀑布が有名
黄龍の景観と歴史地域(1992年)
九塞溝に近い場所にあり、九塞溝と同じようにカルスト地形から流れだした石灰分がつくりあげた独特な自然景観
エメラルドグリーンや黄金色
同じくジャイアント・パンダや金絲猴が生息している
2000年にMAB計画(人間と生物圏計画)の生物圏保護区に指定されている。
武陵源の自然景観と歴史地域(1992年)
武陵源(ぶりょうげん)は、長江(揚子江)中下流の山岳地帯にある
石英質の奇岩の柱が林立する
この一帯は豊かな動植物の生息地でもあり、センザンコウやチュウゴクオオサンショウウオなどの希少な動物、ミズスギやイチョウなどの植物が自生している。
承徳の避暑山荘と外八廟(1994年)
清朝の皇帝たちの離宮
清の第4代皇帝の康熙帝が1702年に建設を開始
中国に現存する最大の皇室庭園
ほとんどの外八廟(寺社や廟)はチベット仏教建築で、チベット仏教を信仰するチベット人やモンゴル人に対する懐柔策として建てられた、と言われている
曲阜の孔廟、孔林、孔府(1994年)
曲阜(きょくふ)市は、中国の春秋時代(紀元前770~前403年)に魯国の都が置かれていた
この町にある孔子ゆかりの建造物が孔廟(コンミャオ)、孔林(コンリン)、孔府(コンフー)で、「三孔」と総称される
孔子の神霊を祀る霊堂で、紀元前478年創建
※孔子は儒教の祖、春秋時代の学者、「論語」が有名で
太和殿、天貺殿(てんきょうでん)と並んで中国三大宮殿のひとつ
武当山の古代建築(1994年)
武当山(ぶとうさん)は太和山とも言う
道教の聖地
山中には32の道観(道教寺院)があり、中国武術の武当拳の発祥地
道観の大半は元の時代に焼失したが、15世紀前半に明の永楽帝が再建
ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群(1994年)
チベット自治区中央にあるラサ市は、かつて首都が置かれていた町で、吐蕃(とばん)の時代に国境となった仏教が独自の進化を遂げてチベット仏教になった
現在でもチベット仏教の中心地
そのチベット仏教の総本山が、標高3700mの紅山(マルポリ)の頂に築かれたポタラ宮で、チベット最大の建造物である
ダライ・ラマの居城でチベットの政治と宗教の中心
峨眉山と楽山大仏(1996年)
峨眉山(がびさん)は四川省の省都成都から少し離れた標高3099mの山
道教や仏教の聖地で中国三大霊山(五台山、天台山、峨眉山)のひとつ
樹齢1000年を超す樹木など約3000種と絶滅危惧種を含む2000種の動物が生息する
楽山(らくざん)市は観光都市で、郊外の凌雲山の断崖に世界最大の弥勒菩薩の磨崖仏(まがいぶつ)が刻まれている
※磨崖仏とは、自然の巨石や岩壁に彫刻した仏像のこと
この磨崖仏を楽山大仏と呼ぶ
廬山国立公園(1996年)
古来からの仏教の聖地
李白や白居易、清少納言が詩に残している
五老峰や九奇峰などがあり、霧が山々を覆う幻想的な景観
中国の浄土教(仏教)の発祥地なった東林寺がある
麗江古城(1997年)
中国雲南省麗江市の旧市街地
麗江市は四方を高山に囲まれた盆地で、中心部にある獅子山の麓に納西(ナシ)族によって建設された麗江古城がある
仏教や道教の仏像があり、麗江壁画が残る
東巴(トンバ)文字に代表される独自の文化を形成
旧市街のほとんどが木造
古都平遥(1997年)
14~19世紀の明清の時代に建設された町並み
紀元前8世紀に築かれた城壁が古い街並みを囲み、14世紀の明代に全面改修された
城内には明清時代の街路、楼閣、役所、商店、民家などが残る
平遥は金融業で活躍した山西商人の故郷
蘇州古典園林(1997年)
蘇州は古くから絹織物で発展した街
東洋のベネチアと称される
春秋時代(紀元前770~前843年)には呉の都が置かれた
蘇州古典園林は9つの庭園の総称で、蘇州最大の拙政園と留園は、北京の頤和園(いわえん)、承徳の避暑山荘とともに中国四大名園と呼ばれている
頤和園(1998年)
清朝西太后(せいたいこう)の離宮で知られる名園
頤和園(いわえん)は万寿山とその南麓にある昆明湖の総称
鮮やかな色彩で彩られた多くの楼閣、長廊、湖上に浮かぶ石舟、蘭花、柳など絶好の景勝地
天壇(1998年)
中国の皇帝が天を祀る儀式を行う壇とその付属設備
1534年の明の嘉靖帝による改築以来天壇と呼ぶ
1913年、中華民国憲法草案の審議が天壇祈年殿で行われ、天壇憲法草案と呼ばれた
武夷山(1999年)
長江水系などの大河の分水嶺
年間2000mmという多雨地域で、独特の美しい景観が生み出された
野生動物の宝庫
烏龍茶などの茶葉の産地として有名で、武夷(ぶい)岩茶はその代表
大足石刻(1999年)
仏教石窟
最古の石窟は劣山子磨崖造像で7世紀のもの
9世紀から13世紀が最盛期で、仏教、道教、儒教の造像が約5万体ある
宝頂山には仏陀の入滅を描いた釈迦涅槃像や千手観音像などがある
青城山と都江堰(2000年)
都江堰は四川省の省都成都にある都市
この一帯の平原は、肥沃な土壌と豊かな作物に恵まれた、古くからの農産物の供給地
戦国時代(紀元前3世紀頃)に建設された巨大な水利(灌漑)施設がある
この水利施設は、灌漑と干ばつ時の水流を自動制御できる仕組みをもつ
青城山は、都江堰の西にある山地で、環状に連なる緑豊かな峰々が城郭のようにみえるのでこの名が付いた
原始道教の一派である五斗米道の発祥地
安徽南部の古村落(2000年)
安徽(あんき)省南部にある集落
清時代に建てられた中国の伝統的な家屋がある
西逓村(せいていそん)には祠堂を中心に石畳の道が村を縦横に走り、漆喰の白い壁と濃灰色の瓦の家々が連なる
宏村には約400年前の水利施設と多くの伝統的な古民家が残る
龍門石窟(2000年)
石窟寺院
敦煌(とんこう)の莫高窟、大同の雲崗(うんこう)石窟と並ぶ中国三大石窟のひとつ
現存する石窟は1352カ所で、全長は1kmになる。
石窟寺院の造営は494年頃から開始され、唐時代末まで約400年続いた
明・清王朝の皇帝墓群(2000年)
明と後金(清の前身)、清の25人の皇帝及び皇后、妃たちの陵墓
雲崗石窟(2001年)
中国の仏教石窟
大同石窟とも言う
石窟の起源は、北魏の僧曇曜(どんよう)が文成帝に奏上してから
皇帝と釈迦を同一視させることで皇帝の権威を高めようとした
ガンダーラ仏像様式を受け継いだ彫法やシバ神などインドの影響を受けた仏像壁画が特色
雲南の三江併流保護区(2003年)
チベット高原を源流とする金沙江、瀾滄江(らんそうこう)、怒江の3つの川が平行して流れているこの地域には、美しい自然景観と多様な生物相がみられる
さらに氷山、氷河、高山帯、鍾乳洞、森林、平原、沼地など変化に富んだ自然環境がある
中国国内に生息する動物の50%、全世界の動物の25%がここに生息する
古代高句麗王国の首都と古墳群(2004年)
高句麗王国前~中期の遺跡
紀元前37年ごろに五女山城を築いて都城として建国された
百済、新羅とともに朝鮮半島の三国時代を構成した国
マカオ歴史地区(2005年)
16世紀半ば頃からポルトガルのアジア貿易の拠点となった街
19世紀末に清から割譲されてポルトガル領になったが、1999年に中国に返還された
日明貿易の中継点で、カトリック布教の拠点となってきた4世紀半の歴史がある
四川ジャイアントパンダ保護区群(2006年)
中国四川省の大渡河と岷江の間の山脈に挟まれたエリア
絶滅の危機にあるジャイアントパンダの30%以上が棲む、世界最大の生息地
他にも稀少動物のレッサーパンダ、ユキヒョウ、ウンピョウも暮らしている
また豊かな森林地帯で5000~6000種の植物が自生し、6430万~180万年前の第三紀の熱帯雨林によく似た植物相になっている
殷墟(2006年)
中国最古の王朝、殷(いん)時代の遺跡
紀元前14世紀~前11世紀、殷王朝後期紂王までの首都があった所
宮殿跡、大小の墳墓、竪穴式住居跡などが発見された
遺跡からは、神託などの結果を殷墟文字(甲骨文字)で記した亀の腹甲などが発見された
中国南方カルスト(2007年)
中国雲南省石林、貴州省茘波(れいは)、重慶市武隆の三地域のカルスト地形を指す
巨大な洞窟群や尖塔形の石林などの景観が有名
開平の望楼群と村落(2007年)
広東省の省都広州から南西の開平市の村落には、特異な高層の楼閣群があり、うち4村落の20棟が登録されている
この高層楼閣は、清王朝時代(1644年~1912年)の初めに建設が開始された
開平は14世紀頃から欧米への移住が盛んになった華僑の故郷でもある
三清山国立公園(2008年)
中国を代表する景勝地のひとつで、古くから道教の聖地
三清山は玉京峰、玉華峰、玉虚峰を指し、道教の始祖玉清、上清、太清が頂上に座る姿に見立てられる
三清山は花崗岩で出来ている
福建土楼(2008年)
中国福建省南西部にある独特な建築
客家(はっか)の人々が多く住むことから、客家土楼とも呼ばれる
通常、長方形(方楼)か円形(円楼)の集合住宅で、武装盗賊団からの防御を目的としたらしい
※客家とは華北から移住してきた漢民族の一部グループで、独自の言語や慣習をもつ
五台山(2009年)
仏教の聖山
5世紀頃から文殊菩薩(もんじゅぼさつ)の住地、清涼山に見立てられ霊地になった
峨眉山、普陀山、九華山とともに中国仏教四大名山と称されている
特に不空三蔵が朝廷の援助を受けて建てた金閣寺が有名
中国丹霞(2010年)
丹霞(たんか)とは、地球内部の隆起などの動きと、風化などの外的要因によって形成された赤い堆積層の景観をさす
赤い岩が多様な模様や形を生み出し、崖、石柱、塔、峡谷などを形成している
およそ400種の稀少種や絶滅危惧種を含む動植物が存在する
「天地の中央」にある登封の史跡群(2010年)
およそ40㎢におよぶ遺跡群
聖山の一つとして名高い嵩山(すうざん)の麓に、8つの建築物を含む数々の遺跡があり、中国最古の宗教建造物とされる嵩山三闕銘(すうざんさんけつめい)などが含まれる
天地の中心という思想、神聖な山への信仰などが、それぞれに異なる表現で反映されている
杭州西湖の文化的景観(2011年)
杭州市の中心部に位置する西湖(さいこ)の周辺一帯は、9世紀の唐代以来、風光明媚な景観が多くの文人墨客を引きつけてきた
中国の伝統的な美意識を代表する景観
西湖の周辺には、歴史ある寺廟や楼閣、庭園などが数多く存在する
澄江の化石出土地域(2012年)
生物の多様性が急速に拡大した5億3000万年前の古生代カンブリア紀前期の海洋生物の化石群が次々に発見された場所
少なくとも16門196種に及ぶ動物が確認されている
化石として発見された豊富な動物種は「澄江動物群」と総称されている
この地域の化石は種類が豊富なだけでなく、通常は化石として残らない軟組織なども確認でき、得られる情報が多大である
上都遺跡(2012年)
中国、内モンゴル(蒙古)自治区にある元の都城址
フビライ・ハンが1256年に居城として建築し、元朝歴代皇帝の避暑地
1265年に上都と改称
1363年紅巾軍の攻撃を受け(紅巾の乱)、元の滅亡とともに廃墟化した
新疆天山(2013年)
天山山脈は全長2500km、幅300kmの大山脈で中国とキルギスの国境にある
赤色岩層を特徴とする渓谷などが美しい
古来の植物の貴重な生息地で、絶滅危惧種も多い
南には、広大な砂丘と大規模な砂嵐で知られるタクラマカン砂漠が広がり、灼熱と寒冷、乾燥と湿潤、荒涼と豊穣が見事なコントラストをなしている
紅河哈尼棚田群の文化的景観(2013年)
哈尼(ハニ)族の棚田群は、傾斜のキツイ斜面に広がっており、3,000段を有する棚田は世界最大規模を誇る
農耕の難しい狭い山岳地帯で生活するハニ族は、自然環境を利用した独自の灌漑システムをもつ棚田群をつくり上げていた
棚田の耕作にかかわる祭礼を年中執り行うなど、棚田と結びついた独自の文化を形成している
伝統的な家屋は、きのこ形の形状が特徴である
シルクロード:長安-天山回廊の交易路網(2014年)
Whole_world_-_land_and_oceans_12000.jpg: NASA/Goddard Space Flight Center
derivative work: Splette (talk) – Whole_world_-_land_and_oceans_12000.jpg, パブリック・ドメイン, リンクによる
ヨーロッパと中国を結ぶ約8700kmのうち、中国の漢・唐王朝の首都であった洛陽・長安から天山回廊を経て、中央アジアのジェティス地域までの中国、カザフスタン、キルギスの3ヵ国にまたがる総延長約5000kmの部分
絹をはじめとする特産物の交易の他、政治、経済、宗教、思想、文化、芸術など広範囲の交流を結ぶ重要なルート
特に、玄奘(げんじょう)三蔵がインドから持ち帰った経典を納めたとされる大雁塔(だいがんとう)や麦積山(ばくせきざん)の石窟寺院などが構成資産に含まれる。
中国大運河(2014年)
江南の豊かな物資を華北にある首都に運ぶために利用された、全長1794kmの水路
また華北・華中を政治的に結合するためにも用いられた
起源は秦、漢にまで遡る
万里の長城とともに中国の二大土木事業といわれる
土司遺跡群(2015年)
中国の古代の土司制度の遺跡
土司とは、古代の中国王朝が周辺の部族の首長に授けた官職のこと
土司制度とは、皇帝が中南部や南西部の少数民族を統治するために採用した政治制度で、1000年に渡って用いられた
歴代皇帝は、少数民族の独自の慣習や生活様式をある程度認めながら国家統一を行った
湖北の神農架(2016年)
大巴(だいは)山脈の山間部に位置し、天然林が繁茂し、地下資源が豊富な地域
大神農架は大巴山脈東部の主峰で、原始林が繁茂し金絲猴(きんしこう)など珍しい動物が生息する。
左江花山の岩絵の文化的景観(2016年)
断崖に残るロックアートの芸術
中国の南西地域の国境にある険しい崖に、チワン族の祖先とされる駱越(らくえつ)族の生活や儀式の様子を描いた38カ所のロックアートがある
多くは人物像だが舞踊などの描写も見られる
これらはかつて中国南部で普及した銅鼓文化の儀式を表現していると解釈される
歴史的共同租界、鼓浪嶼(2017年)
鼓浪嶼(ころうしょ)はコロンス島とも呼ばれ、諸外国が共同で行政権を持っていた地域(共同疎開)だった
アヘン戦争後に締結された南京条約で開港されると、外国人居留地として発展した
鼓浪嶼は中国と西洋文化の交流の証で、他国の影響も受けつつ独自の建築文化を発展させたのが評価された
青海可可西里(2017年)
高原としては世界最大であるチベット高原のチベット人居住区
年間平均気温は0℃以下で、絶滅危惧種チベットアンテロープが生息しており、固有種の宝庫
梵浄山(2018年)
梵浄山(ぼんじょうざん)は、仏教の聖地で弥勒仏の道場でもある
奇岩や雲の上から眺める武陵山山脈が有名
豊かな生物多様性を間近で見ることができ、ハイイロシシバナザルなどの希少な固有種がいる
良渚古城遺跡(2019年)
良渚(りょうしょ)古城遺跡は、中国5,000年の歴史を証明する神聖な場所
良渚文化の中心遺跡で、アジア文明の発展に際立った意味を持っている
中国の黄海=渤海湾沿岸の渡り鳥保護区群(第1段階)(2019年)
東アジアからオーストラリアに至る水鳥の飛行ルートの中心部分に位置する
毎年ツルヤカモ、シギなど数多くの鳥が飛来して休息、越冬、繁殖する
世界的な絶滅危惧種に指定されているヘラシギの90%以上の個体群休息をとる場所、多いときで世界の80%のタンチョウの越冬地、絶滅危惧種のズグロカモメの繁殖地
おわりに
中国の世界遺産55件終わりました。
やはり中国は歴史が長いので各王朝時代の特異な遺構が多いイメージです
また、仏教とか道教といった宗教関連施設も多かったですね
行きたい所、結構ありました(笑)