インダス文明その後
さて、前回(インダス文明~紀元前3000-前1000年~)に続いてインドの歴史は至って簡単です(笑)
インダス文明が滅びた後、紀元前1000~前500年の間にある文字は「十六王国時代」のみです↓
これもすぐ終わりますが、重要なワードは多いですよ~
前回までのあらすじ(前2500~前1000年)
インドでは紀元前2500年頃、インダス川流域でインダス文明が興りました。
代表的な遺跡はハラッパーとモヘンジョ・ダロで、原因不明ですが紀元前1800年頃に滅びました。
代わって紀元前2000年頃からインドのパンジャーブ地方に定住していたのがアーリヤ人で、彼らはインダス文明が滅びた後に同地域で勢力を増し、宗教的儀式を執り行う貴族バラモンの下で発展していきました。
バラモンは複雑な宗教的儀式を創り上げ、それらを独占的に行うことで自分たちの権力・地位を不動のものにしました。
そして紀元前1200年頃にはガンジス川方面へも進出し、自分たちの下位としてクシャトリア・バイシャ・シュードラの3つの階級(ヴァルナ)も成立させ、これがカースト制の起源になりました。
身分は世襲制で、異なる身分同士の結婚を禁止するなどの法(?)もつくり、ここにバラモンをトップとする超差別的な宗教バラモン教が成立しました。
ウパニシャッド(前700~)
バラモン教は儀式を中心とする宗教でしたが、それに飽き足りずに真理を探究する人たちが現れます。
彼らの思想をまとめたものがウパニシャッド(奥義書)で、これはインド哲学の源流となります。
紀元前600~前500年頃になると、ガンジス川流域にアーリヤ人の都市国家が数多く生まれ、これらの国が戦争をしたり、交易を行ったりするようになるとクシャトリアやヴァイシャが社会的・経済的に力をもつようになります。
十六王国時代(前600~前500年)
さて、もう字面からして想像できると思いますが、この時代はインダス川からガンジス川ににかけて16もの王国が乱立している時代です。
アーリヤ人がインダス川からガンジス川へ進出する過程で、彼らの農耕社会は成熟し、生産力が向上して商工業が興り、貨幣が普及しました。
その中で、インダス川からガンジス川にかけて多くの都市国家が生まれ、前4世紀末にマウリヤ朝が統一するまで十六王国と呼ばれる諸国に分裂しており、その中でも特に有力だったのがガンジス川中流のコーサラ国↓とガンジス川下流にかけてのマガダ国↓でした。
ジャイナ教の誕生(前6世紀)
(話はバラモン教に戻り)こうした時代の中から超差別的なヴァルナ(種姓)を否定する新しい宗教が生まれます。
その一つがジャイナ教です。
開祖はクシャトリアのヴァルダマーナ(尊称はマハーヴィーラ)
苦行や徹底した不殺生が特徴で、特にヴァイシャの支持を得ました。
仏教の誕生(前6世紀)
もう一つが仏教です。
開祖はシャカ族のガウタマ=シッダールタ(尊称は仏陀)です。
彼はこの世のものは一時も同じでないという無常観のもとに、欲望を捨てて無我の境地に至れば心の平安が得られること、八正道を行えば人生の四苦から解脱できること、悟りの道は誰にでも平等に開かれていることを説きました。
仏教はクシャトリアやヴァイシャの間に広がります。
続く・・・