紀伊山地 熊野古道 世界遺産

【紀伊山地の霊場と参詣道】~日本の宗教文化の歴史を伝える文化的景観~

はじめに

RYOです。

このシリーズでは世界遺産検定1級合格のために、まずは日本の世界遺産を全て勉強しようという企画です。

今回は「紀伊山地の霊場と参詣道」についてです。

紀伊山地の霊場と参詣道(2004年登録)

和歌山県を中心に3県にまたがる紀伊山地には古代から信仰を集めた霊場が点在しており、世界遺産には吉野・大峯、熊野三山、高野山の3つの霊場と、それらを結ぶ参詣道が登録されています。

紀伊山地は古くから聖地として崇められてきたため、各霊場の神社や仏教寺院などの建造物と、周辺の森林や小川、滝といった自然環境とが一体となった景観を形成しています。

この景観が1,000年以上保存されている点が高く評価され、日本で初めて文化的景観が認められる遺産となりました。

1992年に採択された「文化的景観」は、人間が自然と共に作り上げた景観を指す概念で、文化遺産に分類されるものの、文化遺産と自然遺産の境界に位置する遺産と言えます。

つまりこの遺産は単なる「社寺と道」ではなく、あくまで「山岳信仰の霊場と山岳修行の道」であり、紀伊山地の自然があってこそ成立しているのです。

神仏習合

これらの霊場と参詣道は、日本古来の自然崇拝から生まれた神道と、大陸伝来の仏教が融合した神仏習合の思想をよくあらわしています。

古来紀伊山地は神々が宿る特別な地と考えられてきましたが、大陸から仏教が伝来して以来紀伊山地の山々は浄土に見立てられ、特殊な能力を得るための山岳修行の霊場となりました。

熊野三山

熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社を中心とする熊野三山は神仏習合の典型の地で、平安時代には天皇や貴族による「熊野詣」が行われ、以降も歴代天皇や貴族の崇拝を受けてき、江戸時代以降は庶民の間にも広まりました。

吉野・大峯

金峯山寺(きんぷせんじ)や大峰山寺(おおみねさんじ)などがある吉野・大峯には山岳修行者が集まり、次第に修験道(しゅげんどう)の聖地となっていきました。

高野山

高野山は9世紀初め、真言密教を日本にもたらした僧空海によって開かれ、山上には金剛峯寺(こんごうぶじ)を中心に多くの子院が立ち並び、宗教都市としての性格を帯びるようになりました。

紀伊山地の霊場の主な構成資産

下に紀伊山地の世界遺産の地図を示します。

和歌山世界遺産センターより引用)

吉野・大峯

吉野山(よしのやま)

青根ヶ峰(あおねがみね)を頂点とした山稜一帯。「千本桜」で知られる桜の名所

金峯山寺(きんぷせんじ)

7世紀に役行者(えんのぎょうじゃ)が開山したと伝わる修験道の根本道場

大峰山寺(おおみねさんじ)

標高1,719mの山上ヶ岳の山頂に立つ修験道の聖地

吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)

水をつかさどる天水分命(あまのみくまりのみこと)などを祀る。

吉水神社(よしみずじんじゃ)

源義経、後醍醐天皇ゆかりの古寺

明治期の神仏分離令で神社に。

金峯神社(きんぷじんじゃ)

金など鉱物信仰が起源で、吉野山の最奥に建つ。祭神は金山毘古神(かなやまびこのかみ)

熊野三山

熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)

かつては「熊野坐神社(くまのにますじんじゃ)」と呼ばれ、紀元は古代にまで遡る。

熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)

原始信仰を受け継ぐ祭礼「熊野お灯祭り」で知られる。

熊野那智大社(くまのなちたいしゃ)

那智大滝に対する自然信仰を起源とする。

祭礼「那智の火祭」が有名

那智大滝(なちおおたき)

高さ133mの滝で、古代より神が宿るとして信仰された。

青岸渡寺(せいがんとじ)

5世紀にインドから熊野に漂着した僧によって開山されたと伝わる。

補陀洛山寺(ふだらくさんじ)

小船で観音浄土を目指す「補陀落渡海(ふだらくとかい)」ゆかりの寺

那智原始林(なちげんしりん)

那智大滝の東に広がる約33万㎡の森林。固有の植生が見られる。

高野山

金剛峯寺(こんごうぶじ)

816年に空海によって開山された寺院で、高野山真言宗の総本山

丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ)

高野山一帯の地主神をまつる神社。金剛峯寺の鎮守神でもある

慈尊院(じそんいん)

空海の母ゆかりの寺院。女人禁制の高野山で、女性の参拝が許された。

紀伊山地の参詣道の構成資産

大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)

吉野・大峯と熊野三山を結ぶ約170kmの山道

熊野参詣道(くまのさんけいみち)

奈良や京都などの各都市から、熊野三山へ至る参詣道の総称

高野山町石道(こうやさんちょういしみち)

慈尊院を起点に奥の院へと至る道。一町ごとに「町石(ちょういし)」が立つ。

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