はじめに
RYOです。
このシリーズでは世界遺産検定1級合格のために、まずは日本の世界遺産を全て勉強しようという企画です。
今回は「百舌鳥・古市古墳群」についてです。
百舌鳥・古市古墳群(2019年登録)
「百舌鳥・古市古墳群」は、古墳時代の最盛期(4世紀後半から5世紀後半)にかけて築造された、古代日本列島の王たちの墓群です。
古代日本の政治文化の中心地のひとつであり、大陸に向かう航路の出発点だった大阪平野に位置しています。
墳丘の長さはおよそ500mにおよぶものをはじめとし、世界でも独特な鍵穴型の前方後円墳が多数集まり、これらと多数の中小墳墓が密集して群を形成しています。
世界各地の多くの墳墓の墳丘が棺や室に盛土・積石しただけのものであるのに対し、古墳の墳丘は葬送儀礼の舞台として幾何学なデザインを施し、埴輪などの土製品で飾り立てた建築的な傑作でした。
古墳時代の文化の物証
百舌鳥・古市古墳群は、郡として築造された墳墓の規模と形によって当時の政治・社会の構造を表現した、古墳時代の文化を物語る傑出した証拠です。
本資産は、古墳時代において、社会階層の違いを示唆する高度な体系だった葬送文化が存在し、古墳築造が社会の秩序を表現していたことを物語っています。
百舌鳥・古市古墳群の特徴
本資産の2つのエリア(百舌鳥と古市)に密集する古墳には、多様な墳形と規模の差があります。
これらは同地域・同時代に多様な墳墓が営まれた日本列島の古墳の特徴を最も明瞭に示すものです。
4つの形式
本資産の古墳には前方後円墳、帆立貝形墳、円墳、方墳の4種類が存在します。
多数の古墳の密集
百舌鳥エリアにはおよそ21の古墳があり、種類は「前方後円墳」「帆立貝形墳」「円墳」「方墳」があります。
古市エリアにはおよそ24の古墳があり、種類は「前方後円墳」「円墳」「方墳」があります。
著しい規模の違い
構成資産の墳丘規模は、486mの巨大古墳から20mの小古墳まで極めて幅広い差があります。
さらに体積では最大の仁徳天皇陵古墳と小さな方墳との間には、500倍以上の違いがあるものとして考えられます。
埴輪
埴輪(はにわ)とは、古墳の表面を飾るために用いられた焼き物で、筒状の円筒埴輪とモノや生き物を象った形象埴輪の2種類があります。
圧倒的多数を占めるのは円筒埴輪で、特に巨大な仁徳天皇陵古墳や応神天皇陵古墳の場合、円筒埴輪が2万本以上焼かれ、墳丘上をおごそかに飾ったと考えられています。
入念で独特な葬送儀礼
日本列島の古墳の大きな特徴として、墳丘上で葬送儀礼が執り行われたことが挙げられます。
なので葬送の舞台として墳丘は埴輪などの装飾物で飾られました。