※注意
ぼくはプロカメラマンではありません。
さて、このフレーズから始まる本記事を果たして何人の方に読んで頂けるのか、甚だ疑問です(笑)
» 超簡単な自己紹介
しかし「やはり1から基本を勉強し、カメラを上手になりたい。一生付き合っていきたい」と考え、初めてカメラに関する本を買いました。
それが「写真のことが全部わかる本」でした↓
読んでみると、
わかっているようで知らなかったこと
曖昧だったこと
今まで気付かなかったこと
など多くのことを知ることができ、それらを自分の理解度をさらに深めるため、そして備忘録としてまとめるために本記事を書こうと思い立った次第です。
イラストも多く初心者向けなのでおススメです!
» 折りたたむ
さて、今回はSモードダイヤルの使い方です↓
シャッター速度優先モードは速度の表記に気を付ける
まず初めに、シャッター速度にはカメラに光を取り入れる『露出調整』と、被写体の『動感表現』の2つの役割があります。
この2つはきちんと分けて考えておくことが大事です。ややこしい露出調整と動感表現の2つのバランスを取り持ってくれるのがシャッター速度優先モードです。
シャッター優先モードでは撮影者がシャッター速度を自由に決定し、露出のバランスを保つようにカメラがF値とISO感度(ISOオートの場合)を自動で設定してくれます。
シャッター速度の表示はカメラによっては分子が省略されて、
「1/10秒」を「10」とする
ものがあるので注意が必要です。
また
「10秒」は「10″」
という表示になります。
限界値による点滅表記に注意!
極端なシャッター速度を設定するとモニターやファインダー内のシャッター速度値が点滅したり、色が変わって警告されたりすることがあります。
これはそのシャッター速度では適正な露出を確保できないことを知らせるものです。例えば、夜に1/1,000秒を指定しても、F値と感度をどんなに調整しても必要な光量が得られません。
上の例の場合、普通の室内でシャッター優先モードでシャッター速度を1/1000にした場合、明るさを左右する「F値」と「ISO感度」をどれだけ調整しても適正露出が得られないということになります。
「1/1000秒で撮りたかったら、F値をもっと下げないとダメだよ~。でもこれ以上下げられない(グハア…」とカメラが泣いているってことですね。
当然この状態でシャッターを切れば、光量が足りないので真っ暗な写真になります。
シャッター速度で「静」と「動」を表現する!
写真は静止画なのだから「静」の表現しかできない。
そう考えている人も少なくありませんが、ポイントを押さえれば「動」の表現も十分可能です。
露出の3要素である
・F値
・シャッター速度
・ISO感度
を思い出してみましょう。
「シャッター速度」の単位は「時間」なのです。1枚の写真を記録するための時間をキチンとコントロールすれば「静」と「動」どちらも表現することが可能です。
シャッター速度による写り方の違いを知る
まずはシャッター速度を変えると写真にどのようなことが起こるかを考えてみましょう。シャッター速度とはレンズを通った光をイメージセンサーに通しておく時間のことです。この時間の間に被写体が動いてしまうと、写真には「ブレ」として記録されます。
シャッター速度1/2秒↓
↑これだと水が滑らかに写っていますね。
シャッター速度1/50秒↓
↑これだと水が中途半端にブレていますね。
シャッター速度1/1600秒↓
↑このシャッター速度だと完全に水が止まっていますね。
シャッター速度を長くすると大きなブレができ、短くすると被写体がピタッと止まったような表現になります。
なぜか「速度」という表現で、時速〇kmといった速さを想像してしまいますが、〇秒という「時間」を扱うものだという認識を持っておくと理解が早くなります。
(1/2秒=0.5秒↓)
(1/5秒=0.2秒↓)
(1/1000秒=0.001秒↓)
(1/6400秒=0.00015625秒↓)
シャッター速度は写真に閉じ込める時間の表現
シャッター速度をうまくコントロールして撮影すると、普段目にも止まらぬ速さのものがピタッと止まった世界や、止まっていると認識しているものがぶれている様子を捉えることができます。
普段、動体を目にしたときのイメージに近いシャッター速度が1/50~1/100秒くらいだと思ってください。それよりも大幅に長く、あるいは短くシャッター速度を設定して撮影することで、普通の見え方とは異なって写真に写るため、日常では味わえない非現実的な世界を表現できます。
↑目視では捉えられない一瞬を写し撮るのが1/1,000秒の世界です。
↑街を歩く人を普通に撮影すると動きのない止まった写真になりますが、1/10秒を使うと適度にぶれた動きのある写真になります。
↑シャッター速度が秒単位になると目視を越えた非現実的な世界が見えてきます。車を撮ると明るいヘッドライトだけが光跡として写るようになりました。
手ブレ補正を使うと低速シャッターでも安心
シャッター速度が遅くなると手ブレが心配になってきます。そこで有効なのが手ブレ補正です。
手ブレ補正はレンズ側に搭載しているメーカーとボディ側に搭載している(あるいは両方に搭載している)メーカーがあります。手ブレ補正の効果は機種によって異なりますが、効果をうまく使えば、例えば1/15秒以下で手ブレしていたのが、1/4秒でもぶらさずに撮ることが可能になります。
高速な被写体を完全に止めたいなら1/1,000秒が目安
カメラで設定できるシャッター速度の幅は入門機でも1/4,000秒~30秒(カメラによって異なる)とF値の設定よりもかなり幅が広いため、どの値が適しているか悩んでしまいます。動きを止められる目安として、
・歩いている人で1/100秒
・街を走る車や走っている人で1/400秒
・水しぶきや動きの激しいスポーツ1/1,000秒
を覚えておくと良いでしょう。
ただし、シャッター速度を短くすると光量が減るので、それを補うために開放F値の小さなレンズや高いISO感度が必要になることがあります。
1/10秒でぶらしの表現に挑戦する
動いている被写体に対してシャッター速度を長く設定すれば被写体が「ブレ」として写ってきます。中途半端なブレは単なる失敗写真に見えるためブレを作画効果として取り入れるなら大胆に大きくぶらすことも大事です。
(中途半端な失敗写真↓)
そこでおすすめなのが「1/10秒」を使ってみること。1/10秒は人や水の流れなど大抵の動体を適度にぶらすことができ、手ブレを起こしにくいギリギリの設定だからです。
歩行者をぶらす
普段の街の中はそれほど高速な動きは存在しないため、絞り優先AEで撮影するとシャッター速度が速めに設定されて全体が止まってしまいます。
そこで、シャッター速度優先モードで1/10秒にすれば今まで止まっていた被写体が動き出します。
※オリンパスは強力な手ブレ補正が働くので、今回は1/4秒で撮影↓
これが1/60秒になると歩行者は完全に止まります↓
水の流れをぶらす
スローシャッター表現といえば水の流れでしょう。三脚を使った上級者向けの撮り方だと思う人もいますが、手持ちの1/10秒程度でも水の流れはかなり滑らかに見えてきます。
三脚がないからと諦めずに1/10秒で撮ってみましょう↓
手ブレと被写体ブレは違う!
ここまで被写体の動きに関するブレについて説明してきましたが、露光中にカメラが動いても写真はぶれます。意図せずカメラが動くと画面全体がブレてしまうため失敗写真につながります。日頃からカメラをしっかり構えて、手ブレ補正機能も活用しましょう。
逆に、被写体をぶらしたくない時は、手ブレを抑えるだけではだめで、必ずシャッター速度を上げる必要があります。
一見、手ブレ写真の方はブレてないように見えますが拡大すると全く違います。
被写体ブレ
横断歩道を歩いている人や自転車に乗っている人は動いているのでもちろんブレますが、肝心なのは動かない物です。例えば「葛野大路通り」と書いてある看板を見たらその差は歴然です。
手ブレ
こちらはカメラを持っている手がブレていたため、動かないはずの看板までブレていますね。これは完全な手ブレです。
おわりに
さてPモード、Aモードに続いてシャッター速度優先のSモードも解説してきました。
プロカメラマンは基本的に絞り優先モードを使うということですが、スローシャッターなどで動感を表現するにはやはりSモードを使うべきですよね。
スローシャッターを行うには、日中ならNDフィルターが必要なので一応購入を考えてみられたらいかがでしょうか。