ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回はバロック・リヴァイヴァル建築について説明します。
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※明言しますが、西洋建築の勉強をしてからヨーロッパに行けば無学で行くより100倍楽しめます。
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本記事は「バロック・リヴァイヴァル建築」を解説しています。
バロック・リヴァイヴァル建築
この章の特に重要な点を挙げると以下の3点になります↓
➀バロック・リヴァイヴァル建築とは
②パリにあるオペラ座
それぞれ解説します。
➀バロック・リヴァイヴァル建築とは
バロック・リヴァイヴァル建築(若しくはネオ・バロック建築)はフランスを中心に発生し、バロック様式を復興して1874年に建てられた(パリの)オペラ座が世界を驚かせ、当時帝国主義的競争の渦中にあった先進諸国は、
国家の威信を最も的確に表現するものだ。
として各国が一斉に採用することになりました、とさ。
②パリにあるオペラ座
では、その世界を驚かせたパリのオペラ座を紹介していきますね。
パリにあるオペラ座は1671年に開設され、1875年に現在のバロック・リヴァイヴァル様式として完成しました。
一般的に「オペラ座」と言えば、パリのオペラ座を指すので、わざわざ「パリのオペラ座」と呼ぶ必要はありません。
※余談ですが、日本でも「神宮」と言えば伊勢神宮を指すので、わざわざ「伊勢神宮」と呼ぶ必要はありません。
まあどちらにしろ、親切に「パリのオペラ座」「伊勢神宮」と呼ぶ方が誤解は無いと思います(”◇”)ゞ
って事で、パリのオペラ座は重厚な下層の上に双柱を並べています。
これはルーヴル宮殿の東側ファサードに由来します。
(↑ルーヴル宮殿東側ファサード)
しかしオペラ座の双柱は独立円柱ではなく、壁に埋め込まれた半円柱です。
双柱を独立円柱ではなく壁付き柱とする構成は、元をたどればルネサンス期のブラマンテの作品「ラファエロの家(現存せず)」に由来します。
(↑ラファエロの家:ルスティカ(粗石積み)仕上げの1階にオーダーを載せた2層構成の外観)
(↑オペラ座)
両端部を少しだけ突出させ柱列を重層させる手法もルーヴルに倣っており、バロックの特徴ですね。
しかも柱を大オーダーとし、その間に小オーダーを挿入する手法は、ミケランジェロがカンピドリオで初めて用いた手法の応用です↓
それにアティックはローマ的で、全体の輪郭を引き締めています↓
ではオペラ座の内部も見てみましょう↓
オペラ座の内部は派手な装飾で彩られ、いかにもTHE BAROQUEって感じです。
周歩廊もコリント式の円柱が見えますが、柱頭が金色に塗られており、派手さが一層際立っています。