ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回は古代エジプト建築について説明します。
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※明言しますが、西洋建築の勉強をしてからヨーロッパに行けば無学で行くより100倍楽しめます。
※「この部分がわかりにくいです」とか「これはどうなんですか?」などの質問やコメント等ありましたら遠慮なく下部のコメント欄からお問い合わせください!
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本記事は「古代エジプト建築の特徴とギリシャ建築との共通点」を解説しています。
古代エジプト建築とは
この章の特に重要な点を挙げると以下の3点になります↓
➀古代エジプト建築はエジプト文明と共に発展した
②古代エジプト建築は非常に長い歴史がある
③古代エジプト建築はギリシャ建築に大きな影響を及ぼした
それぞれ解説します。
➀エジプト文明と共に発展した
エジプトも、メソポタミアと同様に世界四大文明のひとつでナイル川流域に展開し、その範囲は幅が10~20kmと狭いものの、長さは1000kmほどに及びます↓
エジプト文明が栄えたのがナイル川沿いの1,000kmくらい
ちなみにwikipediaにはナイル川について「長さは6650 km」との表記がありますし、ナイル川–地図の場所、長さ、幅、出典、概要には「6,853 kmの長さで、世界最長の川」と書いてあります。
人々が生活を始めるのは紀元前5000年紀頃のことで、毎年周期的に氾濫するナイル川を利用した農耕はエジプトを古代世界で最大の穀倉地帯とし、ここから「エジプトはナイルのたまもの」という言葉も生まれたほどです。
②非常に長い歴史がある
紀元前のエジプトの歴史は主に7つの時代に分けて語られます↓
➀先王朝時代(紀元前5000~前2950年頃)
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②初期王朝時代(前2950~前2654年頃)
③古王朝時代(前2654年~2145年頃)
→ピラミッドができたのがこの頃(後述します)
④中王朝時代(前2050年~前1786年頃)
⑤新王朝時代(前1567年~前1085年頃)
→ハトシェプスト女王葬祭殿ができたのがこの頃(後述します)
⑥末期王朝時代(前1085~前332年)
→ギリシャ建築が発展したのがこの紀元前700~600年くらいから
⑦プトレマイオス王朝時代(前305~前30年)
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(紀元前30年以降のエジプトは、かの古代ローマ帝国の属領時代が始まります。)
紀元前5,000年から初期の建築が始まり、ピラミッドやハトシェプスト女王葬祭殿の建築を経て、ギリシャ建築にその流れを受け継ぐことになります。
③ギリシャ建築に大きな影響を及ぼした
この時代、建築材料はもともとは日乾煉瓦(ひぼし/にっかんれんが)であり、住宅はやはり日乾煉瓦で作られていました。
古代メソポタミア建築編でやりましたよね?
覚えて、ます、か・・・?
まだ読んでいない方はこちら↓(別タブで開きます)
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他方で、モニュメンタルな建物、例えば王墓のピラミッドや王宮などの大構築物は石造で建てられるようになり、石灰岩、花崗岩や御影石、砂岩などが用いられていました。
そこで構造的には柱を立て、梁を渡すまぐさ構造(※)が採られ、大建築では梁も石材なので、スパンが短く柱の林立する空間となりました。
まぐさ構造とは
まぐさ構造とは、下の図のように↓
(出典:ミカオ建築館)
開口の上の石やレンガが落ちないように水平に入れる部材のことです。
ギリシャ建築編では梁(はり)と表現しています↓
スパンが短く柱の林立する空間
筆者は西洋建築を勉強するにあたって、初めにある一冊のテキストを買いその内容に沿って勉強を始めました。
そのテキストでは「西洋建築の基本はギリシャ建築」という前提で説明がなされていたのですが、今まさに別の参考書で「古代エジプト建築」を勉強してみて驚きました↓
↑これらは、エジプト建築の遺構「ルクソール神殿」や「カルナック神殿」に遺されていたものです。
「西洋建築の大元は古代メソポタミア・古代エジプト建築」というのが初めて理解できました。
ギリシャ建築の理解を深めるためにも、古代エジプト建築を学ぶ必要性がありそうですね(;・∀・)
では次に、古代メソポタミア建築との「軸線の明瞭さの違い」についてお話したいと思います。
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