➁古代エジプト建築の軸線の明瞭さ【3/6】

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ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回は古代エジプト建築について説明します。

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※明言しますが、西洋建築の勉強をしてからヨーロッパに行けば無学で行くより100倍楽しめます。

筆者
5回にわたってヨーロッパ30ヵ国以上を完全無学で周ってきた僕が言うので間違いありません(笑)

※「この部分がわかりにくいです」とか「これはどうなんですか?」などの質問やコメント等ありましたら遠慮なく下部のコメント欄からお問い合わせください!

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本記事は「古代エジプト建築の軸線の明瞭さ」を解説しています。

古代エジプト建築の軸線の明瞭さ

この章の特に重要な点を挙げると以下の2点になります↓

この記事のPOINT

➀古代文明では「王=神」

②軸線の明瞭さ・不明瞭さ

それぞれ解説します。

➀古代文明では「王=神」

古代は社会体制が王を中心とする専制体制で、さらにエジプトで顕著なように、王はすなわち神であり、大規模建造物はその王を象徴する意味を持っていました↓

読者
古代エジプトでは「王(ファラオ)=神」なんですね(笑)

建築的構成の目的は、この権力を表象するため実体のもつ力を表現することにおかれてあり、マッス(絵画・彫刻・建築作品において、全体の中で一つのまとまりとして把握される部分)が建築表現の中心となり、建物とその外部空間の関係が構成上重要でした。

筆者
まあつまり「なんかわからんけど、ピラミッドって統一感があってスゲエ。さすがファラオ!」と思わせる必要があったってことですね

エジプトでは数学の発展や抽象化への関心から、ピラミッドのような単純で精緻な造形が生まれました。

この「数学の発展」というのも、ギリシャ建築との関係性を語るうえで非常に重要なポイントです。

また、装飾への志向もすでに表れ、さらには建物をより印象的にみせる造形的な工夫(いわゆるリファインメントと呼ばれる、視覚的な矯正法)への意図も認められます。

※リファインメントについてはギリシャ建築編で詳しく見ていきたいと思います。

②軸線の明瞭さ・不明瞭さ

また、「軸線」という概念も後々とても重要になってきますので、せめて頭の片隅には置いておいてください。

古代エジプト建築は、古代メソポタミア建築と比べると軸線がかなり明瞭になっています

逆に言えば、古代メソポタミア建築の傑作であるジッグラトは軸線という概念からみるとかなり不明瞭なのです。

「じ、く、せん?(゜-゜)」

「軸線が明瞭」とは簡単に言うと「直線的な方向性がハッキリしている」ということです。

ピラミッドは直線的な単純な構造ですが、ジッグラトは「ごちゃごちゃしてる」って感じです↓

もちろん、屁理屈で「ジッグラトも軸線ばっかじゃん」と言えなくもないですが、そういう事ではないんです(笑)

筆者

早い話、子供でも絵を書きやすいくらい単純な軸線(ピラミッド)ってことです、たぶん。

この軸線という概念は後にギリシャ建築でも用いられますが、ピラミッドの形をそっくりそのままギリシャ建築でも真似たわけではないんです。

※軸については後で解説するハトシェプスト女王葬祭殿やアモン大神殿の方がよりギリシャ建築に近いので、今は「あーそんなもんか」とだけ思っておいてください。

では次に、ピラミッドの歴史と形の移り変わりについてお話したいと思います。

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