2015年のヨーロッパ旅、親友と一緒に訪れたチェコの首都プラハ。
美しい街並みと歴史的な建物が立ち並ぶこの都市で、私たちの旅はどんな思い出を作り上げたのだろうか。
街を歩きながら感じたこと、出会った人々、そして忘れられない出来事を振り返りながら、あの日々の思い出をつづっていこうと思う。
前回の記事はこちら。
2015年のヨーロッパ旅、親友と一緒に訪れたドイツの町フュッセン。 美しい街並みと歴史的な建物が立ち並ぶこの都市で、私たちの旅はどんな思い出を作り上げたのだろうか。 街を歩きながら感じたこと、出会った人々、そして忘れられない出来[…]
プラハ滞在記アゲイン
さて、ヨーロッパをぐるーっと一周し、ついに我々はプラハへ帰還した。
フュッセンからプラハまでは、なんと約10時間の鉄道旅。そんなことは完全に忘れていた。
「あれ?今日って、移動に10時間かかる日ちゃうかったっけ?」
出発して3時間後くらいにようやく気づいた。
そんな中、ドイツの誇る高速鉄道ICE(イーツェーエー)が突然ギアを上げて249km/hを記録。
これには車内の大学生ふたりも「うおおっ!!時速249キロ!?えぐ!!」とテンション爆上がり。
時速249kmに感動できるなんて、やはり旅先では些細なことでもエンタメである。
そして、長距離列車ともなると机の上は完全に「俺たちの部屋」と化す。
机の上には、濡れた靴下を乾かしながら、スナックを食べながら、ペットボトルを無造作に置いている。
もはや「ながら」の暴走である。
機能性と生活感が融合した空間は、もはや旅のアートと言っていい。
そうこうしているうちに、ついにプラハに到着。駅の名前は読めない。
だが駅がでかい、ということだけはビジュアルで理解できた。
乗り換えを一度挟み、我々は「HOSTEL MODRA」なる宿へ。
選んだ理由はひとつ。
「空港に近い」それだけである。
部屋のクオリティは、良くも悪くもない。
部屋のクオリティは、良くも悪くもない。壁も床も「まあまあ」感に満ちている。
ただ、到着したのが夜中だったにも関わらず、受付の眠そうなチェコ人のおばちゃんが対応してくれた。
表情は完全に「あと5秒で寝落ちします」だったが、対応は非常に丁寧であった。
そして翌朝——
我々は別々に起床した。
なぜか。
今日は「別行動デー」だったからである。
3週間近く四六時中一緒にいた親友と、ついに物理的距離を置く貴重な一日。
フュッセンでも別の宿に泊まっていたが…
「自由」と書いて「SANCTUARY(聖域)」と読む日である。
【日本に逆輸入】Superdry store(極度乾燥(しなさい))
ヨーロッパを歩いていると、ちょいちょい見かける「Superdry Store」なる店舗。
「super dry?…ふむ、日本語に訳すと『極度乾燥』…って、なんやこの訳!!!」
と声に出したいが、既にブランド側がそれを上回ってきた。
その正式な日本語訳は——
極度乾燥(しなさい)
命令形である。
なぜか急に怒られている。服に命令される時代がついに来た。
いや、ここは「速乾」でええやろ。
機能性を全面に出してきた結果、威圧感だけが残ってしまったようである。
しかもこの「極度乾燥(しなさい)」、ふざけた名前かと思いきや、実はイギリスの高級ファッションブランドであり、世界中で大流行しているというから驚きである。
筆者「ふざけてんのかと思ってたら、こっちがふざけられてたんかい。」
しかも街中では、普通にオシャレな若者が「極度乾燥(しなさい)」のロゴを背負って歩いている。
たとえばこれ↓
極度乾燥(しなさい)のリュック
見るたびに「しなさい」って言われてる気がして、心が少しだけ疲れる。
続いてこれ↓
極度乾燥(しなさい)のTシャツ
ちなみにこれ、30%オフで8,900円である。
筆者「オフしてそれかい。」
そして極めつけはこれ↓
極度乾燥(しなさい)の水着
イケメンが着てても、思わず笑ってしまう。
全力で海に飛び込んで、秒で乾けってことなのか。
プラハに留学中の後輩と食事
ここプラハには、別の大学に通う後輩が留学しており、せっかくなので会う約束をしていたのである。
半年か一年くらい留学しているらしく、「へえ~そうなんや~」と色々と話を聞いたはずだが、残念ながら内容はほぼ覚えていない。というか完全に忘れている。
とはいえ、たしかに「なに勉強してるの?」「なんでプラハ?」「チェコ語って喋れるん?」といった、ありがちな質問を一通り浴びせた記憶はある。
こちらが訊き手なのか尋問官なのか、もはや判然としない。
中でも印象深かったのは——
「チェコでは挨拶が命」 という教えである。
すなわち、何かあれば「ドブリーデン」(=こんにちは)と唱えるべし、とのこと。
もうこれは呪文である。
「ファイア!サンダー!ドブリーデン!」
みたいな。
あと、チェコのビールはめちゃくちゃ美味しい。これは本当に覚えている。忘れようがない。
さらに、彼女が頼んだ料理がやたら美味しそうで、しかも具材を自由に組み合わせて味を変えられるスタイルだった。
「一口ちょうだい」と言いたかったが、筆者は育ちがいいので心の中だけで唱えておいた。
ありがとう、可愛いNちゃん。
次に会うときまでにチェコ語の挨拶、もう一つくらい覚えておくよ。
ドブリーデン。
ヨーロッパでは街中のATMでお金を引き出す
現金は基本、街中にあまたあるこのATMで引き出すのである。
国によって使い勝手は様々だが、基本的に英語は必ずあるので、あまり怖がらずに使ってほしい。
ATMに「英語あります!」って書いてあるし、世界どこでも通じる英語ってマジ便利で最高。
しかも、ATMによっては引き出せる額が自由に設定できるものもあれば、「500, 1000, 5000, 10000」といった、なにか魔法の数字のように決まっているATMもある。
これはまるで、ATMが「君は一度にどれだけ引き出すのか?」と試してくるかのようである。挑戦的すぎて腹立たしい。
「君に任せるよ」と言われているのに、最終的に2,000コロナ(←コロナはチェコの通貨)に落ち着く。
長過ぎるエスカレーター
これは東欧あるあるである。
めちゃくちゃ長いエスカレーターが突然現れる。
乗り始めた瞬間、ゴールがどこか全く見えないという、人生の終わりを感じさせる瞬間。
ちなみに2025年2月初旬にジョージアの首都トビリシを訪れたのだが、そこで見たエスカレーターは過去イチで長かった。
それがこちら。
トビリシ市Avlabari駅にて
長過ぎる。
徐々に現実に戻る
翌朝、とうとう帰国の時間が近付いてきた。
ここら辺から現実に戻り、自分の研究室配属状況をめちゃくちゃ気にし始める筆者。
大学3年生として先輩の卒論発表をぶっちして、学問の世界から3週間も逃げ回っていた結果が今、恐ろしい形で迫ってきている。
「教授に黙って先輩の卒論発表を一方的にぶっちしてから、早3週間。」
大学3年生を棒に振る覚悟で挑んだヨーロッパ旅、これマジで留年かも…(震え声)。
トンデモナイ罪悪感と後悔、そして不安と恐怖が一気に押し寄せてきた。その瞬間、頭の中であの名曲が流れ出す——
Can you feel the love tonight~~♬
いや、なんやねん、愛どこにあんねん。こんなにも恐怖が支配しているのに。
さらばヨーロッパよ。
(↑汚い顔で申し訳ない、心の中は涙で溢れてる)
筆者「怖い。日本に帰るのが非常に怖い。」
「機内食は美味しくない」なんて誰が言ったんだ?
都市伝説的にまことしやかに語られる機内食の噂。それが、
「機内食はマズイ」ということ。
さて、果たして真実なのだろうか?
筆者は機内食がマズイと思ったことは一度もない!!!
いや、なかった(←過去形)
2025年2月下旬にローマから飛び立った中国・四川航空の機内食、あれは美味しくなかった。
初めての経験だった。
詳しくはこちら。
この記事では、中国の空飛ぶチャレンジャー企業「四川航空」について紹介する。 「中国の航空会社?」と聞いて、思わずパスポートを握りしめて一歩引いたあなた。 その反応、正解である。なぜなら―― 機内のエコノミークラスの[…]
「空の上で食べる食事がそんなに美味しいわけないだろ」と思う人もいるかもしれないが、それがANAなら話は別!
一度、飛行機の中で「これは外のレストランでも食べられるんじゃないか?」と思わせるような
美味しい機内食に出会ったことがある。
だからこそ、機内食の話をするときは、迷わずANA万歳!と胸を張って言えるわけだ。
食べ物の話にすると、なんだか無敵になった気分である。
おわりに
翌日、大学の教授の研究室を訪れ、一世一代の大謝罪をし、教授のご厚意で無事に留年せずに卒業研究が始められた。
M教授、本当にありがとうございました。
いや、ほんまに。
ちょっとした「ヨーロッパ旅」なんて言っていたが、人生の転機になるレベルで危機感を覚えていた。
留年したら親に言わなあかんし、就職も厳しくなるし、「お前、旅行に行き過ぎた結果がこれか」って言われるのも嫌やし、うん、ホントに大変だった。
で、こうして筆者の2015年ヨーロッパ大冒険が終わりましたとさ。
ここまで読んでくれたあなた、ありがとうございます!
恐らくこれがあなたの人生最大の無駄時間だったかもしれないが。
しかし実は2016年にもヨーロッパに行ってるので、もし余裕があればそちらも読んで欲しい。
2015年のヨーロッパ旅、親友と一緒に訪れたドイツの町フュッセン。 美しい街並みと歴史的な建物が立ち並ぶこの都市で、私たちの旅はどんな思い出を作り上げたのだろうか。 街を歩きながら感じたこと、出会った人々、そして忘れられない出来[…]