ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回は古代メソポタミア建築について説明します。
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※明言しますが、西洋建築の勉強をしてからヨーロッパに行けば無学で行くより100倍楽しめます。
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本記事は「ジッグラトの凄さ」を解説しています。
「ジッグラト」の各部説明と控え壁
この章の特に重要な点を挙げると以下の3点になります↓
➀ジッグラトとは
②ジッグラトの各部説明
③革新的な建築技術『控え壁』
それぞれ解説します。
➀ジッグラトとは
ジッグラトとは「高い所」を意味し、階段状の建物で「聖塔」とも呼ばれますが、機能的には不明な点が多くあります。
↑代表的な遺構はウル(という地域にある)ジッグラトで、ウル第三王朝期、紀元前2100年頃の建造と見られています。
世界史年表でも、ウル第三王朝がメソポタミア南部に存在していたことが確認できます↓
このジッグラトは古代メソポタミア建築の傑作と呼ばれています。
何がスゴイのか、これから説明します(笑)
②ジッグラトの各部説明
本書にはこのウルのジッグラトの各部の説明が載っていますが、字面だとわかりづらいので下に図で示しました↓
» テキストの説明↓
各基部がほぼ東西南北に向けられた矩形(くけい)の平面をもち、
規模は第1層が底面62.5m×43m、高さ11m、第2層が底面38.2m×26.4m、高さ5.7mで、
壁面は上方へいくにつれ後退し、全体では上面が底面よりも小さい側面が梯形の箱を重ねたようになっています。
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まあ百聞は一見に如かずですので、とりあえず何となくの形だけ認識してもらったら十分です。
ウルのジッグラトを上から見たら↓のようになっています↓
↑そしてこの四隅がちょうど東西南北の四方向を向いているということです。
③革新的な建築技術『控え壁』
また、ジッグラトには控え壁(ひかえかべ)という技術が使われています。
控え壁
控え壁(ひかえかべ)またはバットレス (Buttress) は、建築構造の一つであり、
建物本体を構成する主壁に対して直角方向に突き出した補助的な壁を作ることで、
適切な支柱を持たない屋根の重量によって主壁に生じる横荷重を受け止めて、
主壁を支持・補強する役割を果たす。
(引用:Wikipediaより)
字面ではわかりにくいので、こちらも図で解説します。
まず、建物に控え壁が無いと天井の重さに柱が耐えきれずに崩れる可能性があります↓
これは日常生活でも様々な場面で見ることができます。
例えばこれです↓
以前、どこかで強い地震が起こった際に控え壁が無い学校の壁沿いを通学路として歩いていた小学生が倒れてきた壁の下敷きになり死亡した、という痛ましい事件が話題になりました。
控え壁は、主壁の強度補強としてとても重要な役割を果たしているのです。
では、先ほどのウルのジッグラトに付いている控え壁を見つけてみましょう↓
↑それが、この黄色矢印で示した壁面に付けられた凹凸の凸の部分です。
煉瓦をただ並べただけでは単調になりがちな外観に、バットレスは陰影のある表情を与えています。
また、底面の各辺や壁体の稜線は中央で膨らみがつけられ、全体は引き締まってみえます。
このように、(紀元前2100年には)すでに視覚的な補正効果をねらったとみられる表現も見出されていました。
では続いて「古代メソポタミア建築で使用されていたレンガの種類」を解説していきます↓
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