日本の常識は世界の非常識である。
これは日本では非常に一般的な表現であり、概ね正しいと思う。
これから筆者がアルメニアで見たこと感じたことを紹介していこうと思う。
アルメニアについてより詳しく知りたい方は、一問一答形式で100問用意したこちらの記事をお読み頂きたい。
今回はアルメニアに訪れる前に知っておくべき基本知識を一問一答形式で100個紹介しようと思う。 これから「アルメニアに行こう」もしくは「アルメニアで暮らそう」と思っている方は是非参考にして頂きたい。 そんな筆者は何者なのか[…]
本記事は筆者の主観的な経験談、言い換えれば旅行記みたいなものである。
今後アルメニアの首都エレバンに旅行を考えている人は是非参考にして頂きたい。
アルメニア到着まで
筆者はスペインの大都市バルセロナ郊外の友人宅に妻子と共に約1週間弱滞在し、それから単身アルメニアの首都エレバンに向かった。
それにしても、、、
- イスタンブール→サビハ・ギョクチェン空港
- アルメニア→ズヴァルトノッツ空港
- モスクワ→シュレメーチェヴォ空港
- ブダペスト→リストフェレンツ空港
世界の空港はどうしてこんなに難しい呼び名ばかりなのだ。
日本では地名がそのまま空港名になっているのに…
それぞれイスタンブール空港、エレバン空港、モスクワ空港、ブダペスト空港にしたらいいのにƪ(˘⌣˘)ʃ
さて、話を戻して筆者は今回wizz air(ウィズエアー)という格安航空券(以降LCCと呼ぶ)を使ったため、バルセロナ空港(BCN)から一度オーストリアの首都ウィーン国際空港(VIE)で乗り継ぎを挟まなければならなかった。
LCCの最大のメリットはなんと言っても安いことだ。
しかし同時に座席下に入るサイズの荷物(←かなり小さい)以外は追加料金であり、さらにサイズや重さのチェックも厳しい。
これが筆者のLCCに対する一般的な理解である。
サイズや重さの確認は時と場合による
バルセロナ空港からウィーン空港に向かう際、実は筆者は搭乗口での荷物チェックにビクビクしていた。
(出典:Wizz air 公式HP)
上記のようにWizz airの規定サイズは【40cm×30cm×20cm】でありカバン自体は規定内のサイズだったが、なんせカメラやら着替えやらでパンパンに膨らんでおり、規定サイズを大きく超過していた。
Macbookを腹の下に隠して、着用していたジャケットのポケットに膨らみがわからない程度に水筒やらなんやらを隠し、ズボンのポケットには本を隠して臨んだ。
バルセロナ空港の搭乗口
が、案外カバンのサイズはチェックされずにすんなりと飛行機に乗れた。
お、まじか。
荷物のサイズチェックなしで普通に乗れた
窓から見えるバルセロナの夜景もきれいだ。
よし、中継地である音楽の都ウィーンに到着。
ウィーンは音楽の都
日本人はウィーンと呼ぶが、ウィーン(wien)は実はドイツ語読みで英語ではヴィエナ(vienna)と呼ぶ。
筆者もドヤ顔で”I went to ウィーン”と言って大恥をかいたことがあるので気を付けよう。
相手に「え、Viennaのことでしょ?」と訊かれ、「Vienna?ナニソレ ノーノー、ウィーン!」と言ってしまったことが昨日のことのように思い出せる。
ウィーン空港に到着するとそのまま再びセキュリティゲートを通り出発ターミナルへ向かう。
Jerewanはドイツ語で書いたYerevanかな
ズヴァット空港行きの搭乗が始まった。
Wizz airはチェックゆるいから大丈夫っしょ。
そう思っていたがなんと。荷物のサイズが超過しているっぽい人間はことごとく指名されチェックを受けさせられている。
ぬおおぉぉぉ、まじかぁぁ(つД`)ノ
金属製のアミカごにフィットしない場合、75€(12,000円)の罰金である。
wizz airのサイズ検査用のカゴ
おそらくみんなwizz airの検査を甘く見ていたのだろう。
筆者が見た限り15人くらいは荷物のサイズ超過で列を出されてしまった。
完全に網カゴに入らない大きさなのに、鬼のような形相の職員の前で向きを変えて何度もトライして「あれ?おかしいなぁ〜」と首を傾げてるわざとらしい姿がなんとも痛ましい。
「いや、ファーストトライで完全に無理なのわかったでしょ(笑)」と、見ているこっちは思う。
しかし筆者も同じ立場になればきっと同じことをやるに違いない、コナン君のようなわざとらしい顔で「あっれれー?」と言うのだろう。
そんなことを考えていると、だんだんと筆者の番が近づいている(;´д`)ドキドキ
筆者のカバンもおそらく検査には合格しないだろう。
しかし迫真の演技でドキドキを隠し、なおかつあくびをして余裕な感じを出した。
通った。
これはきっと運が良かっただけである。
しかし毎回厳密にチェックするわけではないということがわかって良かった。
今回の旅で筆者は6回もLCCを利用したが、結果的には一度も荷物のサイズや重さをチェックされることはなかった。
だからと言って「LCCはチェックなし」と結論付けてはいけない、これは長い話になりそうなので別記事で紹介しようと思う。
機内に乗り込む
そしてウィーン国際空港の搭乗口から歩いて飛行機に乗り込む。
座席は真ん中、最悪だ。
しかし3時間程度のフライトだったので助かった、不幸中の幸いである。
LCCでは座席の選択も有料なことが多いので基本はランダム席になる。
「ランダムに選ばれた結果、疲れが残りやすい真ん中の席になりましたが有料で座席変更しなくても大丈夫ですか?」とヤクザ並みの嫌がらせ通知を航空会社から受けることもある。
席に座ると窓際の頭にターバン巻いたおばさんが「チャイニーズ?」と聞いてきた。
「ノー、アイムジャパニーズ」と答えるとニッコリした。
なんのニッコリかは全くわからないが。
機内ではほぼずっと「イギリス人はおかしい(2001年発売)」という、現代では問題になりそうなタイトルの本を読んでいた。
現地時刻は真夜中。
みんなぐっすりの中で筆者だけ頭上のライトを点けて読書していたので、前後左右の人はさぞ鬱陶しく思ったことだろう。
機内での飲酒は下界より酔いやすい
加えてある事件が起こった、当時の状況はこうだ。
読書をしている最中に急にドタアァァァァァァンと大きな音がした。
驚いて音の方を振り向いて見てみると、初老を過ぎた体の大きなおじさんが通路を移動中に急に倒れたのだ。
筆者の真横で、である。
FAさんが驚いて飛んできて「大丈夫ですか!!?」とおじさんに声をかけると「大丈夫です」と応えた。
そして立ち上がろうとした瞬間、再びくらーっと倒れそうになったので近くにいた男性たちが彼の体を支える。
するとFAさんが
「この中にお医者様はいらっしゃいませんか!!!??」
と叫ぶ。それと同時に機長のアナウンスも「この中にお医者様がいらっしゃったら力を貸してください」的なことを言った。
そして偶然にも乗客の中に医者がいたようで、横の空いてる席におじさんを座らせ彼の容態をチェックし出したのだ。
結果的には何事もなかったようで程なくして一人で自分の席に帰って行ったが…。
筆者の予想では、おじさんはおそらく機内で相当お酒を召しておられたのだろう。
画像生成AIにて作成
機内は約0.8気圧に保たれており、標高2,000mにいるのと同じである。
「機内での飲酒は酔いやすい」説は本当なのか CAが講じる乗客の「飲みすぎ」防止策はによると飛行機の中では地上の2倍程度酔いやすいとの報告もあるようだ。
皆さんも機内での飲酒には気をつけたほうが良い。
そうして飛行機はアルメニアの首都エレバンにあるズヴァット空港へ到着したのであった。
エレバン市内へ
ズヴァット空港に着いた。
早速目に飛び込んでくる意味不明のアルメニア語、うむ素晴らしい。
飛行機を降り、歩いてパスポートコントロールに向かう。
パスポートコントロールとは、いわゆる入国審査である。
画像はイメージ
入国審査とはつまり、その人間の入国を許可するかを最終的に判断する場所である。
パスポートで国籍を確認し、時には入国要件の書類の提出を求められる。
ここでの英語の会話が筆者はめちゃくちゃ嫌いである。
ガラスの向こうにいるスタッフはボソボソと小さな声で話すので、筆者のように中学英語を駆使してなんとかギリ生き残っているような人間には「ん、ソーリー?」と聞き返すことが多々ある。
相手の声が小さいこともその一因なのだが、多くの場合「おまえ英語わかる?笑」とバカにされる。
もしくはニコニコ笑顔で「アーユージャパニーズ?コンニチハー」と言われる。
ソ連時代の名残りかな?
筆者を担当した女性(アルメニアの警察官)の制服を見て驚いた。
肩に金色の星がいくつか付いた緑色の軍服みたいなのを着ている。
「ブレジネフ大先生と同じ制服じゃねーか!!」
ブレジネフ大先生を画像生成AIで作ってみた
ちなみにブレジネフは自分自身にに大量の勲章を与えたというナルシスト極太眉毛野郎である。
当時率直に感じたことなので実際には正確ではないが、今まであんな緑の軍服の制服を見たことがなかったので瞬間的にブレジネフ大先生を思い出してしまった。
筆者も完全には覚えていないが、おそらく下の画像のおじさんと同じ制服だったと思う。
(出典:Lt Gen. Kamo Kochunts named Acting Chief of General Staff of Armenian Armed Forces)
パスポートコントロールにいる全ての人間が、両肩に計4つの金の星を載せたこの緑の軍服を着ている姿はまさに筆者にソ連時代を彷彿とさせた。
いかにもソ連時代にタイムスリップしたような気分であった。
筆者が生まれた年にソ連が崩壊したのでソ連時代がどんなだったかは知らないが。
パスポートの余白欄にアルメニアの空港印をガチャンと押されて、そのままパスポートを捨てるかのように投げられた。
まあこれはアルメニアに限らず外国では非常によくあることだ、今さら驚きもしない。
日本の空港職員がこんな態度をしたらすぐにクレームが入って頭を下げるハメになるだろう。
トイレを確認する
まずは空港のトイレを確認する。
これは筆者の癖だが、だいたい空港のトイレの清潔さを見てそのお国柄を推測できると考えている。
あれは汚かった、思い出すだけで鳥肌が立つ。
うむ、十分に汚い、特に便座は意味不明な黄ばみがある。
世界でもかなり清潔感の高いジャポンから来た、軽く潔癖症な筆者は当然座れない。
それ以外の清潔感は10点中4点というところだ。
まあ便蓋が自動で開かない時点で-3点、便座の汚さが-3点である。
筆者は世界40ヵ国以上を旅した末に、日本が世界に誇るべき技術の最上位にトイレを挙げる。
筆者宅のトイレはもちろん自動開閉、自動洗浄、自動脱臭機能が付いており満足度100点である。
ありがとうTOTO。
空港でSIMの購入が可能
荷物の受け取り場所(baggage claim)ではSIMの業者に頻繁に声をかけられた。
しかし少なくとも空港内はWi-Fiがあるので大丈夫。
回線速度は130Mbps出ているのでとりあえずなんとかなるだろう。
さすがIT大国のアルメニアである。
筆者は基本、海外でSIMは利用しない。
スマホがあるとなんでもスマホに頼ってしまい動物としての勘が鈍るような気がするからだ。
海外だからこそ、不便に生きたい。
道に迷ったら現地人に聞くし、街中の看板で現在地を確認したりもする。
言葉が通じず同じ道を行ったり来たりするのも旅の思い出である。
アルメニアは美人が多いことで有名
現在時刻5時40分。
これからアルメニアは朝を迎える。
バルセロナ空港を出発してから約24時間ほとんど寝ていない状態でこれから再び朝を迎えるのは甚だしんどい。
とりあえず空港内の椅子で仮眠を取る、4〜5時間ほど寝れたら上出来だ。
そう思って椅子に腰かけ寝る準備をしていた。
すると、目の前を通った空港職員の女性がとても美人なことに気付いた。
画像生成AIにて作成(もう少しヨーロッパ色が強かったが)
身長が少し高めでスラっとしており、顔も小さくバランスの良い彫りの深さ、長髪ですらっとした凛々しい立ち姿で、足も長くお尻もまるで陸上選手のように引き締まっている。
わかる人はわかるが、漫画「愛と誠」に出てくるハーフ美少女アリスに雰囲気がそっくりである。
そうか!
アルメニアを含むコーカサス三国はアジアとヨーロッパの中間地域ということもあり、美人が多いと世界でも有名なのであった。
これは楽しみだ٩( ‘ω’ )و
・・・。
いや、筆者は妻子をイタリアの実家に残して一人で旅をしている身である。
「これは楽しみだ」については完全に冗談であることを付け加えておく。
リリーちゃんには「そんなことないよ」と真っ向から否定されたが。
美人は空港職員に?
これはアルメニアと隣国ジョージアを旅して気付いたことだが、街中には筆者が想像していたほど美人は多くない。
いや、むしろあまりいないと言ってもいい。
まあ筆者の好みもあるのでなんとも言えないが、「あれ、美人さんどこ?世界で最も美人が多い・・・はず。え、、、?」となった。
しかしアルメニアの空港でもジョージアの空港でも、かなりの美人を何度も発見している!
完全に筆者の憶測だが、この地域では空港職員(?)が理想の職業的な感じでありスタイルも顔も良い美人さんが多く集まるのではないか。
日本でも昔はCAさんが女性の憧れの職業であり、日本中の美人がCAさんになりたがった時代があると聞いたことがある。
リリーちゃん
預け荷物の受取場所の椅子で寝る準備をしていると「外に出てから寝ろ」とスタッフに注意されてしまった。
隣の欧米人の男性も同様に注意されていた。
とりあえず到着ゲートを抜けてから寝てくれ、とのことだ。
到着ゲートを抜けた場所ということは一般人が普通に出入りできる場所である、そこで寝るのは正直怖かった。
なんせここは旧ソ連圏、ソ連と言えば「レーニン」に「スターリン」に「ブレジネフ」とヤバイやつ揃いである。
粛清で有名なスターリン大先生
アルメニアも旧ソ連圏なのでなんとなくヤバイやつで溢れているようなイメージがあった、ただのイメージだが。
しかし寝不足で顔が浮腫んだままリリーちゃんに会うのは嫌だったため、椅子に座ったまま荷物を抱えて3時間ほどだけでも寝ることにした。
なんせ第一印象は6秒で決まるからだ。
おっと、ここで「リリーちゃん」について軽く紹介しなくてはならない。
頂き女子リリちゃんとは無関係であることを先に明言しておく。
リリーちゃんは2017年の夏に言語交換サイトで知り合ったエレバンに住む女性で、彼女は本当に日本が大好きだ。
アルメニア人のリリーちゃん
我々は歳も近くお互いの日常の悩み(筆者の壮絶な失恋🇨🇭🇸🇮🇫🇷など)や人生の価値観を共有できる良き友として7年半もの間少しずつ関係性を築いていった。
対面では一度も会ったことがないいわゆるオンライン友達ではあったが、お互いを知るには十分な時間だった。
彼女はユーモアセンスがあり可愛くかつ聡明な女性で、シンプルに尊敬できる部分が多い。
また彼女の言葉は非常に真っ直ぐで胸熱なものも多く、いくつかの彼女の言葉は生涯忘れないだろう。
彼女の数ある胸熱ワードのうち2つ紹介する。
(一度も会ったことがない人間は友達とは呼べないとたとえ誰かに言われても、そんな言葉は信用するな)
(友情とは距離や境遇や時間で制限されるものではない。お互いの興味関心や共有した情熱によって作り上げられるものである。)
なんと美しい言葉であろうか。
歴史上の偉人が残した名言かな、と思いきやこれらは全てproduced by リリーちゃんである。
発した言葉がそのまま名言になる名言メーカー
※他にも彼女の名言を聞きたいという人はコメントしてもらえたらリリーちゃんに許可を取った上で別の名言も紹介する。
彼女との最終日、公園のベンチで軽食を食べながらこれらの胸熱ワードについて改めて7年半越しに感謝の気持ちを述べようと思ったのだが「えー、そんなの言ったなんて覚えてない(笑)」と言われ思わず頭が真っ白になり驚きの声が漏れてしまった。
幼少期に親友とタイムカプセルを埋めて「大人になったら絶対に一緒に掘り返そうぜ」と熱く誓い合ったものの、自分だけが何年もその日を心待ちにしており、いざ大人になってから相手に「え、そんなこと言ってたっけ?へー、タイムカプセルなんて埋めてたんやな〜。で、どこに埋めたん?」と言われるのと同じような気持ちである。
その他の胸熱ワードについても「覚えてない」と言われたら流石にショックが大きいので胸熱ワードの感動スピーチはそこでやめた。
逆に筆者はどのアプリで最初に出会ったかという情報を全く覚えていなかった(笑)
結局7年半もの間、筆者はヨーロッパやアメリカ大陸に何度も旅行したが一度としてアルメニアには行かなかった。
8回ほどアルメニアをスキップした薄情な筆者を温かく迎え入れてくれたリリーちゃん
今考えるともっと早く行ける時に行っておくべきだったが、後悔先に立たずである。
日本から行こうと思えば往復15万くらいで片道18時間の旅である、正直余裕だ。
往復10万で片道28時間という選択肢もある。
18時間の旅が実現するまでに、7年半以上かかった。
余談だがこの表現はオバマ元大統領がキューバとの国交を回復し現職大統領として88年ぶりにキューバの国際空港に降り立った際に発した、筆者のお気に入りの言葉「飛行機で3時間の旅が実現するまでに、50年以上かかった」をもじっている。
バス代値上げと返金不能の謎
さて、そういうわけで少しでも顔の浮腫み・疲れを取らなければならない。
安全のためなるべく角っこの椅子に座り就寝を心がけるも、椅子は金属製で手すりもあるため寝心地は最低。
バッグを守りながらウトウトしては起きてを2時間ほど繰り返し9時になった。
一応の急速充電を済ましたので、まずはトイレで顔を洗って歯を磨き、大きなあくびと背伸びをしてからいざ市内行きのバスを探した。
あらかじめ100番のバスが市内行きだと下調べしていたので特に迷わなかったが、300AMDだと思っていた運賃が500AMDになっていた。
市内行きの切符を購入できるチケットマシーン
ちなみにバスのチケットはこの赤い機械で買える、が購入にはクレカが使えず現金が必要なので空港で最低限の両替をする必要がある。
アルメニアでは市内ほぼ全ての施設でクレカが当然のように使える、空港のチケットマシーンのみクレカが使えないのは両替による手数料収入を確保するためだろう。
こう言ってはなんだが、なんとも卑怯なやり方である。
仕方ないのでとりあえず20€(約3,200円)を両替する、8000AMD+小銭を手に入れた。
バス代に1000AMDを使った後の残金
結局500AMDで市内行きのバスの切符を買った筆者。
1000AMD入れて500AMDのお釣りが来ると思ったら謎のQRコードが書かれた紙が2枚。
「ん、これは?」と思いインフォメーションのお姉さんに聞いた。
お姉さん「お釣りの払い戻しはないの、もう1枚は帰りに使えるんじゃない?」
旅行者にしてみれば非常に迷惑な話である。
話を元に戻そう。
なるほど、1000AMD入れたから500AMDのバスチケットが2枚出てきたってわけだ。
2枚とも同じ内容には見えないが…
しかしエレバンからジョージアには陸路で向かう予定だったので復路のバスの切符は必要ない。
ここから意味不明な会話になる。
筆者「いや、空港には戻らないんで返金してほしいっす」
お姉さん「バスの中で他の乗客に帰りのチケットいらない?って聞いて誰かに売って500AMDを取り戻したら?」
筆者「え?言ってる意味わかんないっす。お金返して…」
お姉さん「もしかしたらバスの運転手が返金してくれるかもよ、行ってらっしゃい」
筆者「いや、(長年の経験でわかるんすけど)絶対にバスの運転手は英語話せないし返金もしてくれないっす…」
お姉さん「とりあえず私に言っても返金はされないから、バスに行ってらっしゃい!」
筆者「・・・うす!」
2025年1月29日午前10時、外に出ると寒すぎるではないか。
ようやく筆者のNANGAのダウンジャケットの本領発揮のようである。
スペインとポルトガルでは暑すぎて10日間で5分くらいしか着ていないただのお荷物だったが、ここに来てようやく仕事をしてくれた。
そして空港のすぐ外に停まっている100番のバス、そのすぐ横でタバコを吸っている運転手っぽい人に事情を話す。
(QRコードを見せながら)「ハロー、キャンユーペイミーバック500AMD?」
500AMD返金してと英語で近づいたところ、
Հը, ի՞նչ եղավ
Ի՞նչ լեզվով ես խոսում։ Անգլերեն չեմ խոսում
Մի խանգարիր ծխելիս
筆者「なるほど、なるほど〜。全くわからん!!!」
焦るなおれ、英語が通じないのは初めてではない。
運転手は筆者が持つQRコードが書かれた紙の一枚を勝手に取り、バス車内の読み取り部にかざし「これで乗車完了だ、解決!」と言わんばかりのドヤ顔をしている。
バス車内のQRコードリーダー
筆者「いや、返金して欲しいんす…」
結局、言葉が通じないのでこれ以上のコミュニケーションは無理だった。
日本なら小銭が出ない機械があったとしても、別の返金装置にQRコードをかざせば返金されるだろう。
しかしこの国の「小銭は出ません」とはつまり、「超過分は返金できません」と同義なのだとこの時初めて知った。
一応レシートをよく見てみる。
いやいや、めちゃくちゃ英語で書かれてるじゃねーか!!!
そしてTelcall Walletアプリをダウンロードしてください。
なんかよくわからんが、とてつもなくめんどくさそうなことが書いてある。
500AMDとは日本円にしてわずか200円である、そんな少額を取り戻すために旅の大事な時間を費やすわけにはいかない。
「めんどくさそうだから返金手続きをしない」というアルメニア政府の思う壺だと理解しながらも仕方がない。
500AMDは諦めた。
ふんっ、たかが200円足らずさ。
そしてバスに揺られること約1時間、ついにエレバン市内に到着した。
サランラップぐるぐる巻き機
画像生成AIにて作成
ズヴァルトなんとか空港からエレバン市内までバスに乗っている最中、おもしろいものをいくつか発見した。
まずはサランラップぐるぐる巻き機である。
これは空港職員が荷物の中から貴重品を抜き取る行為(中抜き行為)を防止するためによく空港に設置してあるやつだ。
リズボン空港にて撮影
こんな感じになる
筆者はこの機械を空港外で見かけたことはなかったが、アルメニアでは空港近くの主要道路沿いに民間のサランラップ業者がわんさかいた。
日本の成田空港では三辺合計160cm未満で1,500円、それ以上で2,000円くらいが相場だった。
ポルトガルの首都リズボンの空港では最低限のラッピングが12€ということでやはり2,000円くらいである。
リズボン空港にて
一応エレバン市内の相場を確認してみたが「Yerevan luggage wrapping」で検索結果は0だった、まだネット進出はしていないようだ。
バスの乗車中にたまたま見かけたので値段までは確認できなかったが、次回エレバンに行く際は是非使ってみようと思う。
余談だが自動サランラップぐるぐる巻き機を購入しようと思うと、5,880,699AMDということで日本円にすると約235万円ということになる。
副業としてはかなり投資効率が悪そうだが彼らは一体…?
日本車が意外と多い
そしてアルメニアは意外と日本車が多い。
日本車の中ではトヨタ、レクサスが最も多かったが、その他にも日産、ホンダ、マツダ、三菱、スバルと一通り日本車が揃っていた。
そして当然、販売店もあった。
別に日本車は世界中のどこの国にもあるが(イスタンブルーでは4日間の滞在で日本車は一台も目にしなかったが)、アルメニアは旧ソ連構成国ということでもう少しロシアの息のかかった車種が多いと勝手に思っていた。
しかしBMWやフォルクスワーゲン、ベンツなどのドイツ車があったり、KIAや現代といった韓国車も多く車種のるつぼ状態であった。
いずれにしろ日本車が走っているのは単純に日本人として嬉しいし誇らしい。
大気汚染を感じさせる霞空
1時間もバスに乗っていると正直暇である。
暇なので車窓を眺めるしかない。
車窓を眺めているとサランラップ機や日本車の存在に気付く。
と同時に空が霞んでいることにも気付く。
名所「カスケード」からの眺望
筆者は直感した。
これは大気汚染、か?
そう、日本では冬の空は霞など一切なく澄み渡っているがエレバンの空は霞んでいた。
実は外務省が公表しているアルメニア旅行者への注意喚起にも同様のことが書かれていた。
エレバンは大気汚染がひどい、マスクの持参が必須である、と。
敬愛なるリリーちゃんの母国を悪く言いたくはないのだが、筆者は翌朝、起床と同時になんの前触れもなく鼻血が出始め5分ほど止まらなかった。
それにエレバンで日本語を教えている日本人男性の方(以降Tさん)と知り合いになり、エレバンの大気汚染について伺ったところ「エレバンの大気汚染はそりゃあもうヒドいもんですよ」とやはり同じことを言っておられた。
まあだからと言って生まれも育ちもエレバンのネイティブエレバン市民の多くが呼吸器疾患を患っているということはないようなので、まあ気になる人には気になるくらいで考えてもらっていいと思う。
ちなみに日本とヨーロッパの気候の違いもあると考えている。
夏 | 冬 | |
日本 | ジメジメしておりサウナ状態 | 乾燥がひどく加湿器必須 |
ヨーロッパ | ジメジメが一切なくサラッと快適 | 湿度が高く空気が重い |
ヨーロッパの夏はサラッと涼しく非常に快適なので筆者は毎年夏はヨーロッパで過ごせればな〜と考えている。
逆にヨーロッパの冬は(日本と真逆で)湿度が高いので空気が重い。
公共バスを私物化する運転手
もう一つおもしろい現象を目撃した。
バスが空港を出てから30分後くらいだろうか、バスの運転手がスマホで誰かと連絡を取り始めたのが非常に気になった。
筆者は勝手に「きっと業務連絡だろう」と思いあまり注目していなかったが、ある時バスがバス停ではないところで急に停まったのだ。
画像はイメージ
前方の扉が開きおじさんが乗ってくると、バスの運転手になにかを渡して20秒ほど談笑してから再び降りたのだ。
筆者は直感した。
これはきっと運転手の個人的な待ち合わせである、と。
ちなみに乗客はみんな無視しているのでそんなに珍しいことではないのかもしれない。
さて市内に到着後スーパーマーケットで買ったバナナとパンを食べ、ホテルに早めにチェックインしてシャワーを浴びて7年半の時を経て午後1時にリリーちゃんと対面した。
おわりに
ガルニ神殿にて
さて、こんな感じで4日分の行動を全て書くと長くなり過ぎるので前編はここまでとし、中編では特に紹介したいと思ったことだけピックアップして紹介していくことにする。
アルメニアは決して大きな国ではないし日本と比べても不便な点はいくつもある。
しかし、次の中編で紹介するがアルメニアにも日本に優っている部分はもちろんあった。
こういう言い方自体が失礼ではあるが…
アルメニアと日本は、歴史、文化、経済規模、政治体制など、多くの面で異なる国である。
日本は経済大国であり、技術革新と国際的な影響力を持っている。
一方アルメニアは小さな国ながら独自の歴史と文化を持ち、近年はITの分野でも成長著しい。
そんな両国が互いに刺激を与えながら共に発展することを祈っている。
では中編に続く。
本記事では筆者がアルメニアで見たこと感じたことを紹介している。 アルメニアについてより詳しく知りたい方は、一問一答形式で100問用意したこちらの記事をお読み頂きたい。 [sitecard subtitle=関連記事 ur[…]