⑤【図解でわかりやすい】ギリシャ建築の3つのオーダー【4/7】

この記事を読むのにかかる時間: 4

ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回はギリシャ建築について説明します。

筆者もギリシャ建築の見学に、ギリシャの首都アテネにあるパルテノン神殿を見に行きましたが、それはそれはスゴかったです( ˘ω˘ )

また行きたいです…。

» 恒例の挨拶(飛ばしてください笑)

※明言しますが、西洋建築の勉強をしてからヨーロッパに行けば無学で行くより100倍楽しめます。

筆者
5回にわたってヨーロッパ30ヵ国以上を完全無学で周ってきた僕が言うので間違いありません(笑)

※「この部分がわかりにくいです」とか「これはどうなんですか?」などの質問やコメント等ありましたら遠慮なく下部のコメント欄からお問い合わせください!

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前回の記事はこちら↓

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本記事は「ギリシャ建築の3つのオーダー」を解説しています。

ギリシャ建築の3つのオーダー

この章の特に重要な点を挙げると以下の3点になります↓

この記事のPOINT

➀オーダーとは

②ギリシャ建築の3つのオーダー

③【補足】エンタブラチュアとペディメント

それぞれ解説します。

➀オーダーとは

まずは超重要ワードである「オーダー」の説明をします。

ギリシア建築、ローマ建築、ルネサンス建築などの古典系建築にはある共通の構造があります。

それがオーダーと呼ばれる、(床から屋根までの)柱と梁を中心とした秩序ある一連のセットです↓

要するに柱があってその上に載っている棒(梁=はり)を合わせて「オーダー」と呼びます。
たとえこの記事を途中で離脱しても、「オーダー」という言葉だけは忘れないでください(ノД`)・゜・。

この「オーダー」が超重要なのです、今後ルネサンス建築やバロック建築などの古典系建築を理解するにあたって絶対に知っておくべきワードです(о´∀`о)

「古典系建築」と「中世系建築」については前回の記事でも紹介しましたので、詳しくはそちらで↓

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②ギリシャ建築の3つのオーダー


パルテノン神殿(筆者撮影)

西洋建築のオーダーには、基本となる5つの種類があり、

ギリシャ建築が生み出した3つ

ローマ建築が生み出した2つ

となっています。

筆者

「柱-梁」という構造は変わりませんが、細部はちょっとずつ違うんです!

「細部が違う」がどれくらい違うかと言うと、(超ざっくりしたイメージですが)「椅子」で例えてみました。

  • 長椅子
  • パイプ椅子
  • 座椅子
  • アームチェア
  • ソファ

一口に「椅子」と言っても上記のように何種類も分かれる、みたいな感じです。

オーダーと一口に言っても、細かく分けると5種類に分かれるのです!!!

ではこれから、ギリシャ建築のオーダーの話に入りますね。

ギリシア建築の発展過程で発明されたのが、

  1. ドリス式
  2. イオニア式
  3. コリント式

の3つのオーダーです↓

細部が違うんです。

「細部?(´・ω・`)イミフ」って感じですよね、わかります。

筆者

大丈夫。

ちゃんと説明します。

各部分を説明する際に聞いたことのない専門用語が頻出しますが、今後の全ての建築様式に出てくる言葉なので是非覚えてください(^ω^)

繰り返しになりますが、本記事では下の➀➁③をご紹介します。


4と5はローマ建築編の記事で

3つの外観的な違いはこんな感じになります↓

まず、オーダーは簡単に言うと3つの部位に分かれます。

それが、

  1. 柱頭(ちゅうとう)
  2. 柱(はしら)
  3. 柱礎(ちゅうそ)

です。

人間で言えば、「頭」「身体」「足元」です↓

ではこれを元に実際のオーダー3種類を見ていきましょう!

【解説】ドリス式オーダー

ドリス式(ドーリア式とも呼ばれる)はパルテノン神殿にも使われている最もシンプルなオーダー(円柱と梁のセット)で、紀元前7世紀頃にギリシア本土で発明されました。

まずは円柱の頭の部分、キャピタル(柱頭)と呼ばれる部分を見ていきましょう。

人間で言うと頭の部分です↓

そもそもキャピタル(柱頭)と言ってもドリス式の場合、詳しくは更に2つの部分に分けられます。

読者

え、柱頭が更に2つに分かれるの?

もう無理なんですけど・・・

筆者

だだだだ大丈夫!!!!汗

すぐに理解できますから

その更に分かれる2つというのが、

・エキノス

・アバクス

です。

ドリス式の柱頭(キャピタル)は浅い鉢のような形をしたエキノスと、その上に載る正方形(=直方体)のアバクスからなります↓

柱(シャフト)の上にお鉢、その上に正方形(=直方体)

この時点で【THE 元祖】ドリス式です。

今なら皆さんも見えるはずです、ドリス式オーダーが↓

もう一つ、ドリス式は後に出てくるイオニア式やコリント式とは足元も違います。

柱(シャフト)が石の床(スタイロベート)の上に直接立っています!!

これもドリス式の特徴です。

そしてドリス式は溝彫り(=フルートとも呼ぶ)が20本あり、

溝彫りの間は稜線(=りょうせん)を形成して接しています↓

どうでしょうか↓


円柱のドアップ写真

稜線と溝彫りでしょ?

溝彫りとは、つまり、まあ、えぐれている。という感じです(。-∀-)

また、ドリス式の柱は上に行くほど細くなっていきます。

さあこれらを踏まえて、もう一度パルテノン神殿を見たらいかがでしょうか

三段のスタイロベート(石の床)の上には、20本のフルート(溝彫り)が刻まれているシャフト(柱)が載っており、上にいくほど徐々に細くなり、キャピタル(柱頭)はエキノス(鉢)の上にアバクス(正方形)が載っています。

さて、次の記事からイオニア式オーダーの説明に移ります!

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