ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回はギリシャ建築について説明します。
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※明言しますが、西洋建築の勉強をしてからヨーロッパに行けば無学で行くより100倍楽しめます。
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本記事は「オーダーと石造建築の矛盾」を解説しています。
オーダーと石造建築の矛盾
この章の特に重要な点を挙げると以下の2点になります↓
➀石造建築の矛盾
②石造建築に適した構造
それぞれ解説します。
➀石造建築の矛盾
しつこいですが、オーダーとは水平の梁を柱が支えるという構造方式です。
しかしギリシア建築やローマ建築を見て「いや、柱多すぎるやろ!!」って思ったことはありませんか?
柱が多いのにはちゃんと理由があります。
なぜなら、本来この構造方式は石造建築には向かないからです。
正直、「え?(゚Д゚;)」って感じですよね(笑)
たとえば、長い板を両端で支えただけの単純なベンチを想像して下さい↓
※柱と梁のイメージ図
このベンチに人が腰を下ろすと(重さがかかると)、板は下方にしなります。
重い人が腰掛ければ、湾曲が大きくなって板が折れてしまうかもしれません。
「え、石の方が丈夫でしょう?」と思ったあなた、違います。
板が下方に湾曲する際には上側では圧縮、下側では引っ張りの力が働いています。
石は圧縮には非常に強いですが、引っ張りには非常に弱いという性質があり、逆に木は圧縮も引っ張りも同程度に強いという性質があります。
石の重さは木の6倍なので、
石のベンチというのは自分自身の重さで潰れるという危険性を潜在的にはらんでいるのです、じーつーは!
これがギリシア建築やローマ建築の場合、梁の上に載る石材は全部で数十トンあるんですよ?
確実に崩壊しそうです。
なのでギリシア建築の神殿には驚くほどの狭い間隔で柱が建てられているのです。
②石造建築に適した構造
上で書いたように、本来「柱-梁」という構造方式は石造建築には適していないのです。
人間の体重程度ならともかく、梁の石材が最低でも10トン近くもあるギリシャ建築の神殿の場合は致命的です。
先述したように石は圧縮には非常に強く、この圧縮の強さを逆手に取ったのがローマ建築でした。
古代ローマ人が発展させたのが、アーチ構造やドーム構造なのです↓
詳しくはローマ建築編で説明しますが、「アーチは石造建築に適した構造である」という大原則は以降の建築でも常に意識すべきです。
では最後に、古代ギリシャのトンデモナイ技術についてお話したいと思います。
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