ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回はルネサンス建築について説明します。
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※明言しますが、西洋建築の勉強をしてからヨーロッパに行けば無学で行くより100倍楽しめます。
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本記事は「中期ルネサンス建築」を解説しています。
中期ルネサンス建築
この章の特に重要な点を挙げると以下の2点になります↓
➀パラッツォ・メディチ
②パラッツォ・ルチェルラーイ
初期ルネサンス建築が完成した頃に、新たなルネサンス建築が生まれ始めました。
それが、
➀アルベルティによる「パラッツォ・メディチ」(1444~1459)
➁「パラッツォ・ルチェルラーイ」(1446~1451)
です。
それぞれ解説します。
➀パラッツォ・メディチ
パラッツォ・メディチ(1444~1459)ではルスティカ(粗石積み)が全面的に採用されていますが、オーダーそのものはまだ使用されていません。
(※ルスティカについては後述します)
え、円柱は(。´・ω・)?
初期ルネサンス建築編で紹介した捨子養育院よりも古典系建築感を失っています。
(↑捨子養育院)
初期ルネサンスより中期ルネサンスの方がより攻めたということなんでしょうかね?
中期ルネサンスはそもそもオーダーの大原則、円柱が一本も無いので古典系建築とは全く言えませんね。
やっぱり円柱が無いとねぇ、そもそも古典系って呼んじゃダメですよね〜。
↑我々はこんなんを求めてるんですよね!
確かに窓とかは結構統一的に配置されてるし、何となく調和を大事にしている感はあるけどまだまだ足りません。
「ローマ建築を模範に・・・ってほんまか?(゚д゚)!」と思える仕上がりですね。
②パラッツォ・ルチェルラーイ
パラッツォ・ルチェルラーイ(1446~1451)になると、ピラスター(←円柱の代わり)もあってエンタブラチュアもありますし↓
窓の配置などはオーダーの原理(つまり比例調和的)に従って決められているのがわかります、よね?
このパラッツォ・ルチェルラーイ、実はコロッセオの立面を適用しているのです。
「立面を適用している」とはどういうことかと言うと、「コロッセオの構成をそのままパクってる」ってことなんです。
これもローマ建築編で紹介しましたが、コロッセオは4階建てで各階のデザイン(柱頭装飾)が違うんです↓
そのコロッセオの各階のデザインをそのままパクっている(オマージュしている?)ということです↓
パラッツォ・ルチェルラーイの各階の柱頭は、
1階:ドリス式ピラスター
2階:イオニア式ピラスター
3階:コリント式ピラスター
なのです。
コロッセオの立面も半円柱とピラスターの違いはありますが、構成は同じです。
コロッセオについては別記事で説明しているので参考にして下さい↓
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なのでパラッツォ・ルチェルラーイはローマ建築のより深い理解を示しています。
そこにはあるメッセージが込められています↓
コロッセオの立面を適用するあたり、確かにローマ建築に敬意を払っている感は伝わりますが、まだ古典系建築と呼べるほどではありませんね。
だって大前提のオーダーが無いのですから。
もう嫌ってほど繰り返しますが、オーダーの大原則はあくまで「円柱の上にエンタブラチュア」です!!!!
そう、これ、これなんです!!!
中期ルネサンス建築家は円柱の代わりにピラスターを使ってオーダー感を残そうとしましたが、やっぱりオーダーとは呼べないのです!!!!
すみません、アツくなっちゃいました( ˘ω˘ )
まあ今は「古典建築に敬意を払いながらも、自分たちで考え出した新たな建築様式を模索している最中」ですから仕方ないのかもしれません。
では盛期ルネサンス建築の解説に移ります↓
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