【図解でわかる】初期ルネサンス建築の解説【3/7】

こちらは西洋建築のルネサンス建築を理解するために必要な、初期ルネサンス建築を解説している記事です。

初期ルネサンス建築の代表例って言えば、やはり捨子養育院だよね~

はい、そうです!(この人まさか学者?(;・∀・))

初期ルネサンス建築

この章の特に重要な点を挙げると以下の2点になります↓

この記事のPOINT

➀捨子養育院(spedale degli innocenti)

②ロマネスクにもゴシックにもない革新

それぞれ解説します。

➀捨子養育院(spedale degli innocenti)

まず最初期のルネサンス建築はブルネレスキによるフィレンツェの「捨子養育院(spedale degli innocenti)」 (1421~1445)とされています。

※「すてごよういくいん」と読みます。

捨子養育院(spedale degli innocenti)↓

ルネサンス最初期の特徴↓として、

円柱が支える半円アーチとその上に載るエンタブラチュアの組み合わせ

が挙げられます↓

例えば柱の一本を例にとってみましょう↓

まず柱礎(ベース)、円柱、コリント式柱頭、アーチ、エンタブラチュア・・

と、今まで見たことのないヤバい組み合わせになっていますね。

オーダーの大原則、覚えてますか?

柱の上に梁、です↓

ギリシア建築

なのにこれは柱の上にアーチです。

無茶苦茶です。

この建物は広場に面した下階をアーケードとし、上階を平滑な壁面とするファサード(建物正面)構成が特徴です。

ちなみに↓

Q. ↑このオーダーの種類はどれでしょうか?

A. 柱頭の下部にアカンサスの模様と上部に渦巻きがあるのでコンポジット式です。

※厳密に言えば柱の表面に浮き彫りが無いので「コンポジット式」から溝彫りを無くしたローマ人のオリジナルバージョンです。

捨子養育院の構成アゲイン↓

円柱と半円アーチによるアーケードは、古代末(ローマ建築以降)から中世初期(ロマネスク建築頃)にかけてよく用いられた形式ですが、特にフィレンツェを中心としたトスカナ地方ではこの伝統が強く残り、ロマネスク建築の全期間を通じて用いられ続けました↓

つまり捨子養育院のアーケードは、この地方のロマネスク建築の伝統を受け継いでいると言えるのです。

ぼく的には「いや、ローマ建築を模範としたのにロマネスク建築も参考にしてるやん。そこは徹底せえよ」と思いました(笑)

②ロマネスクにもゴシックにもない革新

初期ルネサンスの代表例である捨子養育院、前章の最後にちょっとディスりましたが、捨子養育院のファサード(建物正面)には

ロマネスクにもゴシックにも無い革

があるのです↓

それが

コリント式の円柱、下階と上階を分けるエンタブラチュア、四角い枠付きの窓、その上に載るペディメント

です。

» エンタブラチュアとかペディメント、わからない人にちょっと説明します

簡単に説明します。

くどいですけど、単純接触効果で徐々に覚えてきます。

エンタブラチュアとは円柱の上に載っている梁(はり)のことで、上階と下階を分けるものです。

ギリシア建築の場合↓、この円柱の上に載っている横に長い石の柱です。

ローマ建築にもエンタブラチュアは存在します↓

(↑パンテオン内部)

凱旋門にもエンタブラチュアがあります↓

ギリシャ建築でもローマ建築でもオーダーと言えば、円柱とエンタブラチュアが必ずセットで使われていました。

そしてペディメントとは、屋根の近くにあったり、入口や窓などの開口部の上にあったりする三角形の壁面↓です。

↑パンテオンの神殿正面にあるドデカイ三角形、こいつがペディメントです。

↑窓の上にあるコイツも小規模なペディメントですね。

» 折りたたむ

では捨子養育院のファサード(建物正面)に戻ります↓

確かに下階には円柱の上にエンタブラチュアが走り、その上の壁面に窓がありペディメントが載っています。

しかし『円柱と円柱が支えるエンタブラチュアの一連のセット』がオーダーなので、円柱の上にアーチを架けてその上にエンタブラチュアを載せるのはオーダーとは呼べません。

つまり初期ルネサンス建築は、古典建築の基本中の基本「オーダー」の原則から外れているのです。

これが最初のルネサンス建築です。

オリジナリティを出そうとし過ぎて、大原則を破ってしまった哀れな建築様式なのです(笑)

(※筆者の個人的な見解であり、特定の人物・建築様式を誹謗中傷する意図はございません)

では中期ルネサンス建築の解説に移ります↓

【図解でわかる】中期ルネサンス建築の解説

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