【ヨーロッパ旅行記】スイスのツェルマット【10/12】

この記事を読むのにかかる時間: 5

3度目のヨーロッパ、2度目の独り旅(2016年)の思い出を振り返る。

今回はスイスのツェルマットでの滞在をサクッと要約し、印象的な出来事をシェアしようと思う。

筆者が初めてヨーロッパを独りで旅したのは2014年の初旬。あの時の驚きや発見は今でも鮮明に覚えている。

今回の旅では、ヨーロッパの面白さや基礎知識に絞ってお届けする。無駄な話は極力省いて、ガイドブックには載っていないこと、実際に見たものや感じたことに焦点を当てる。

前回の記事はこちら。

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ツェルマット滞在記

では、アルプスの少女とヤギと牛と夕焼けの町マイエンフェルトを後にし、次なる目的地クール(Chur)へと向かうことにする。

驚くべきことに、この移動時間――たったの12分である。

「え、もう?感傷に浸る間もなく着いちゃうの?(´・ω・`)」

マイエンフェルトの標高を下界と勘違いしていた私にとって、クールはまさにあっという間の都会であった(いや、言うほど都会でもないが)。

そしてここからが本題だ。

このクールという町、ただの乗り換え地点と思うことなかれ。

なんとここからは、世界で最も遅い特急として一部界隈に名高いあの有名列車…

\ドドン!!/

氷河特急(Glacier Express)が出発するのである。

※始発はサンモリッツだが、ここクールからも乗車可能

筆者はこの特急のチケットを日本にいる間に予約していた。

以下、当時のメモより。

Churから今回の旅のメインであるZermattに向かいます。

列車は【氷河特急】と呼ばれ、なななんと一等車を予約してたようで…最高!

Ryo is at Bahnhof Chur

April 21, 2016 · Chur, Switzerland

ということで、いよいよ次は氷河特急に乗り込み、スイスの真骨頂ツェルマットへと旅立つ。

あの名峰マッターホルンとの邂逅が、すぐそこに待っている――。

世界で最も遅い特急?【氷河特急】

今回、どういうわけか知らぬ間に一等車を予約していた。

…というと聞こえはいいが、ただ単に何も考えず予約したら一等だっただけである。

「え、二等車?あっ…そんなのあったんだ〜。」

「いつも一番高いの選んじゃうから、気づかなかったよ(ドヤッ)」

そんなセリフ、一度でいいから自然に言いたい。

それはさておき、クール駅は実は箱根登山鉄道と姉妹鉄道になっており、なんと日本語の案内まで見つけた。

異国で見かける母国語は、なぜこうも嬉しいのか。

不意に感じる帰属意識に、ちょっと泣きそうになる。

そしてクールでの乗り換え時間は約1時間半。

このスキマ時間を有効活用すべく、スイス人の味方であり貧乏旅行者の救世主、MIGROS(ミグロス)へ直行する。

スイスの中では比較的安いスーパーという位置づけである(←重要なポイント)。

筆者「ミグロスが無ければこの旅は終わっていた(真顔)」

ここでお昼ご飯と、氷河特急車内で食すためのおやつを入手。

袋いっぱいに買い込んでレジで冷や汗をかくのがスイス式である。

さて、準備万端で向かうは本日のメインイベント――

\ 氷河特急、乗車ッッ!!! /

もちろん、一等車である。

筆者「貧乏人は二等車に乗ってなさい(高笑い)」

ハハハハハ!

……と調子に乗ってはみたが、スイスで一等車なんて選んだら、そのあと数日はミグロスのパンだけで生きる羽目になる。

贅沢と節約のギリギリを攻めるのが旅人の美学である。

↑ミグロスで購入したおやつの一部。
日本のコンビニなら全部で600円くらい、スイスではたぶん2,000円超える。

氷河特急は「乗車券」と「特急券」に分かれていた!!!

出発直前、颯爽とした制服姿の車掌がやってきた。

いよいよ検札の時間である。

「1等の切符?当然、持ってますとも」

とポケットからチケットを取り出し、ドヤ顔で差し出す。

筆者「はい、これ」

中学生英語で応戦。

これはもうセレブ対応である。

しかし次の瞬間、車掌の口から信じられない言葉が発せられた。

車掌はチケットをちらっと見て言った。

車掌「これはただの予約したという証拠のチケットです。席代は別途25フラン(3,300円くらい)必要です。払わないなら今すぐ2等車に移ってください。

筆者「え・・・。うそん(;・∀・)」

どうやらこの切符、「座席予約の予約券」のような扱いであり、肝心の「一等車使用料」的なものは別らしい。

日本で言うところの、特急券と乗車券が別々みたいな感覚だろうか。

そんな説明を受けながら、筆者の脳内ではこんな思考がグルグルしていた。

「俺はもうセレブなんだ…!一等車に座っているというだけで、すでに上流階級の空気を吸っているんだ…!ここで引いたら何もかも台無しじゃないか…!」

車掌の視線が突き刺さる。

こちらの決断を待って、一歩も動かない。

完全に圧である。

まるで払うまで立ち去らない圧。

筆者「は…払いますッ!!」

すっかり財布の口がゆるくなった貧乏セレブ、潔く25スイスフランを支払った。

これにて、正式に一等車の人間として認められたのである。

まるで上流階級の通行証をようやく手に入れた感があった。

筆者「ありがとう、車掌さん…!追い出されずにすんだ…!」(心の声)

こうして、追加料金と引き換えに得たゆとりの座席と大きな窓。

一等車の旅は、高くついたが…
いや、高くてこそ味わえる贅沢なのだ(強がり)。

氷河特急内での食事が高過ぎた

さて、しばらくすると、優雅な制服姿の乗務員が現れ、にこやかに言った。

乗務員「こちらが本日の昼食メニューでございます」

筆者「おぉ、ありがとうござ…ん?は?」

目の前に差し出されたメニューを見た瞬間、目玉がフライング気味に飛び出しそうになった。

コース料理 85スイスフラン(11,000円くらい)

単品サラダ 35スイスフラン(4,500円くらい)

単品メインディッシュ 60フラン(7,800円くらい)

(当時のレートでこれ、現在のレートならさらに1.5倍ほど高くなっている)

筆者「え、一桁間違ってないですか?これ、宇宙船の食事メニューですか?」

完全に庶民の感覚を置き去りにしたラインナップが、堂々と筆者の目の前で踊っていた。

周囲を見渡せば、その伝説のコース料理を当然のように人数分頼むファミリー層があちこちに。

パパは上機嫌にワインをくいっ。
ママは白ワイン片手ににっこり。
そして子どもは、両手で大きめのグラスを抱えつつ「オレンジジュース的な何か」をごくごく。

筆者(心の声)「え、みんな貴族なん?今日って王族限定デーとかやったっけ?」

でもまあ……別にうらやましくなんかない。

筆者「俺には俺の道がある。俺には俺のメニューがある!!」

そう、筆者は庶民の希望=スーパーミグロスで購入したピザとシリアルヨーグルトセットとナゲットを持っているのだ。

これがあれば何も怖くない。
…たぶん。

列車のテーブルにミグロスの袋を広げ、慎ましくシリアルをもぐもぐ。
高級コースの香りがふわりと漂ってくるのは気のせい、そう信じてやまない。

筆者(心の声)「食費を浮かせたぶん、また旅ができる…はず…」
(※そっと遠くを見つめながら)

氷河特急の感想(レビュー)

さて、ここからは残念ながら当時のメモと写真が謎の蒸発を遂げてしまったため、筆者の記憶ベースで振り返る。

氷河特急に実際乗ってみて感じたことを、メリットとデメリットに分けてまとめてみた。

氷河特急のメリット

・車内は非常に清潔で快適
シートはしっかりしており、見た目も高級感がある。
ケツにやさしい。

・席も広く、窮屈さは皆無
大の字で座っても文句言われないレベル(たぶん)。

・なんと言ってもパノラマガラス!
上下左右の視界がばっちり開けていて、映画のスクリーンみたいな景色が流れていく。
「さすが車窓命の観光列車」と思わず感心。

デメリット

・乗車時間が長い(ツェルマットまで約8時間)
中盤からは「この景色、3回目くらいじゃね?」という déjà vu 状態に陥る可能性あり。

・窓が開かない
これは致命的だった。
旅の醍醐味である“風を感じる”という体験が一切できない。

・何かと高い
乗るだけで何千円、席代も別、コース料理は一人11,000円超え。
「財布が氷河期突入」という言葉がよぎる。

特に筆者としては、「窓が開かない」=風が感じられないという一点がかなり引っかかった。

筆者「いやいや、俺はエアコンの風じゃなくて、アルプスの風を浴びたいんや」

電車が高原を抜けようが、谷間を通ろうが、窓はピクリとも開かない。

この透明な巨大ガラスは、まるで「見てるだけで満足しろ」と言わんばかりの無言の圧力。


その点、スイスの鈍行列車は最高だった。

窓ががらりと開き、顔を出せば自然の風がそのまま飛び込んでくる。

「寒ッ!!」と思っても、数分後には「これやこれ、旅ってこうやんな」と思える不思議な体験。

ということで、結論。

氷河特急、たしかにすごい。
でも筆者は「もう一回は…まあええか」派である。

ただし感じ方は人それぞれ。

「乗らずに後悔するより、乗ってネタにする」

これ、旅人の鉄則。

と言っても、感じ方は人それぞれなので一度乗ってみるのもありだと思った。
RhB Erlebnisplattform

On the panoramic journey through the Swiss Alps from St. Mor…

ゴルナーグラード鉄道で3089mへ

ついにツェルマット駅に到着した。

駅を降りた瞬間、出迎えてくれたのは町のマスコット・ヴォリーちゃんである。

羊の姿をしたキャラクターだが、どことなく“中に誰か入ってる感”が拭えない。

このヴォリーちゃん、ツェルマット中に生息しており、あちこちで遭遇する。

もはやツェルマットの顔役である。

ゴルナーグラート鉄道

1898年に開通した登山鉄道でツェルマットと結ばれる。

この鉄道は長さはわずか9kmだが、標高1620mのツェルマットから標高3089mのゴルナーグラートまで一気に登るアプト式の鉄道である。

マッターホルンをはじめモンテローザ、リスカムなど、4000m級のスイスアルプスの山々を間近に眺めることができる国内屈指の展望地で、展望台にはレストランも併設されている。

つまり何が言いたいかというと――

ロマンのかたまりでっす!

宿はもちろん去年と同じ、その名も「マッターホルンホステル」。

もはや名前だけで予約したくなるレベルのネーミングセンスである。

しかも安いし安いし安い。

大事なことなので3回言った。

ちなみに去年は受付の女性に一目惚れするという事故(いや事件?)が発生したが、今年は残念ながらお姿は見当たらず。

その時のエピソードはこちら。

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もはやこれはストーカー行為と言って差し支えない。

わざわざスイスまで足を運ぶ自分の執念深さには、もはや恐怖すら覚える。

恋は儚い、だが旅は続く。

そして翌朝、珍しく早起きに成功。

6時半にはホステルを出て、ゴルナーグラート鉄道の駅へ向かった。

完全に目覚めの魔法が解けていた。

7時発の列車、時間を知らずに行ったが奇跡的にタッチの差で乗車成功。

これはもう運命レベル。

「これ逃してたらマッターホルン一生見れんかったんちゃう?」という焦燥感に一瞬包まれるも、間一髪でセーフ。

「マッターホルン! ゴッダルドバーン! ばーーーーーん!」

…などとテンション高く心の中で唱えながら登山鉄道は進んでいく。

通常ならスキー客でパンパンになるこの列車も、朝が早いからか車内はかなり空いていた。

これまたラッキーである。

がしかし。

途中、雲行きがみるみる怪しくなる。

これはもう「おいおい、肝心のマッターホルン見えへんパターンちゃうの!?」と内心大焦り。

しかし、持っている男は違う。

ゴルナーグラート駅に着いた瞬間、青空ドーン!

マッターホルン見え放題!!

天は筆者を見放さなかった。

標高は3089m。

空気はうまいが、なにせ寒い(ガチ)。

一緒にいたヴォリーちゃんも、どことなく防寒装備がガチめである。

意外に体格の良いヴォリーちゃん、ラグビーでもやってたのかな?

しかし上半身に比べて脚が細すぎる、空手では負けないよ?(空手家の意地)

滞在時間はざっと1時間ほど。

風が吹くたびに「いててて」ってなるレベルの寒さに耐えながら、マッターホルン漬けの3日間が静かに始まったのだった。

時間があれば1駅ずつ降りましょう

この登山鉄道、下り方向に限り何度でも乗車可能という太っ腹システムである。

よって、まずは終着駅であるGornergrat駅(標高3089m)まで一気に登頂し、そこから各駅ごとに順次下っていくという物理的にも精神的にも下り坂作戦を決行することにした。

Gornergrat(3089m)
➞Rotenboden(2815m)
➞Riffelberg(2582m)
➞Riffelalp(2211m)
➞Landtunnel(2060m)
➞Findelbach(1774m)
➞Zermatt(1620m)

全部で7駅である。

しかしながら――

この日もまた例の悲劇が起こる。

写真・動画ともに、残っているのはたった一枚。

旅人の一日を象徴する一枚、それがこの写真である。

どれだけシャッターを切ったつもりでも、帰国後にSDカードを見てみればこの有様。

旅とはかくも儚いものである。

ちなみに、各駅で一度降車すると次の電車が来るのは30分後である。

「ちょっと下りて写真でも撮ろっかな~」などと軽いノリで飛び降りようものなら、そこは氷点下の極寒地獄。

防寒具なしで30分も待てば、もはやアイスキャンディーである。

登山鉄道の鉄則→「降りるならダウンジャケットを忘れるな」

軽率な下車が、文字通り命取りになりかねないのだ。

歩いてスネガ展望台へ

翌朝、筆者は気合を入れてスネガ展望台まで徒歩で向かうことにした。

天気?うん、良くない。むしろ悪い。

だが、他にやることもない。

天気に文句を言ったところで雲がどくわけでもないし、ここまで来てゴロゴロしているのも癪だったので、とりあえず出発。

当時のメモがこちら。

(前略)

去年ロープウェイで上がったSunnega展望台(2288m)まで標高差680mを登山しました。

展望台着いた瞬間に雪…一日中天気悪いし寒い。

俺の白Converseちゃんはもう白じゃ無い。と言うより既に靴じゃ無い。笑

明日から仏伊瑞3カ国にまたがる仏領のchamonix Mont Blancというモンブラン山の麓の町に行ってまいります。

※これ全部霧ですわ

April 24, 2016 · Zermatt, Switzerland

Google Mapでルートを調べてみたが、まるで「わざと遠回りさせてるのか?」というような不思議な道しか出てこない。

よって、自力でハイキングルートの始点を突き止め、そこから一本道をひたすら進む。

たどり着くまでおよそ90分。

道中はまぁ、気持ち良いハイキング日和・・・

のはずだったが、後方には分厚い雲。

マッターホルン? どこ? それ、美味しいの?

本当は後ろにマッターホルンが見えるはずだが、分厚い雲しか見えましぇん。

そしてスネガ展望台に着いた瞬間、神の悪戯かのように雪、雪、雪。

おい、誰だよ「スイスはどこ行っても綺麗」って言ったやつ。

なんのために登ってきたのか、己の存在意義すら疑い始める。

もうね、マッターホルンが見えないと、スイスなんてただの坂の多い国ですよ(暴言)

というわけで、予定を2日早めてツェルマットを出ることを決意。

マッターホルンが見えねぇツェルマットに用はねぇ。

山の天気は変わりやすいので待ちましょう

…と思った矢先、翌朝まさかの快晴である。

いや、昨日の吹雪はなんだったのだ。

気まぐれすぎるぞアルプスの天気。

ツンデレにも程がある。

となれば、やることは一つ。

再びスネガ展望台へ歩くのである。

二日連続で同じ道を登るなど、正気の沙汰ではないと思われるかもしれないが、そこにマッターホルンがある限り、わたしは歩く。

天気が良ければ全てが許される。それがスイス。

昨日の灰色の景色を塗り替えるべく、今こそ晴れた空の下でマッターホルンと再会を果たす時である。

(前略)

今日は登る気なかったけど、朝起きて久々の快晴に心踊り即着替えて登山。

何かここ最近テンション上がらんかったけど、全て吹っ切れたぜよ。

ありがとう神様!!!見事天気予報を覆してくれた!

去年と同じく、マッターホルン見ながら色々考えて、今はもう心の整理ついた( ^ω^ )

お前は1年前と変わらずいい顔してくれるな、ほんま。笑

#Matterhornらぶ
#永遠にさよならZermatt

Apr 24, 2016, 9:34 PM

FBのタグに「永遠にさよならZermatt」と書たのはいいが、「2017年2月、2017年大晦日、2023年5月」と実はそれから3回も訪れることになるとは誰が想像しただろうか。

そして、ここからは【番外編】である。

【番外編】マッターホルンそっくりの石

スネガ展望台を目指す際、筆者はある「聖なる石」を携えていた。

それは大学時代、研究に疲れた筆者がフリスビー中に草むらで偶然発見した、運命の一石である。

その石はマッターホルンに、驚くほど似ていた。

筆者のマッターホルン好きは研究室でも有名で、その聖なる石をみんなに見せびらかしたところ…見事にバカにされた。

↑ちなみにこれは敬愛する空手の後輩からもらったマッターホルンのペーパークラフトである。(本場スイスで買ったやつ)

その子も元は自分のために買ったものだが、筆者のマッターホルン好きに共感し、わざわざ福岡から発払いで送ってくれたものだ。

(大学時代の話に戻る)基本筆者はいじられキャラのため、聖なる石にも危害が及ぶ可能性を考慮し「お前ら絶対いたずらすんなよ。なんかしたらマジで骨折るからな。」という威圧に成功し、卒業まで研究室の机の上に神々しく鎮座していた。

また、ある時リヒテンシュタイン公国(スイスと接する小さな国)から研究者の方が講演に来られたことがあった。

講演後、思わず石と共にマッターホルンについて話をしに行ったところ(本当は研究内容の話をすべきだが)

研究者「あ、マッターホルンね!ぼくも登ったことあるよ」

筆者「お、先輩!!!!!!!!さすがです」

研究者「おー確かにマッターホルンに似てるね! 」

ということで、意味不明だがサインをもらった。


という思い入れのある石を携えて再びスネガ展望台へ向かったのである。

やはりマッターホルンは最高でした

本日は晴天なり!!

空はまるで洗濯仕立ての青シャツのように澄みわたり、気分は一気に高揚した。

マッターホルンを背にしながら、木組みのオシャレハウスを抜け、ふと振り返れば――

じゃじゃーーーーーーん。

なんということであろうか。

前日には完全に厚化粧の雲に覆われていた空が、まさかのスッピン美人で登場。

しかも風は澄みきっており、マッターホルンは凛とした佇まいでその存在感を全身に漂わせていた。

神か。

どの角度から見ても美しい。

これはもはや山岳界のトップモデルである。

昨日と同じ石(マッターホルンに似ていると私が勝手に言っているやつ)をポケットから取り出して比べてみたが、石のほうが明らかに照れていた。

少し形が違うようにも見えるが、それはもう「角度」という便利な言葉で済ませるとしよう。

そして撮れたのだ。
人生ベストショットの称号を惜しげもなく授けたい一枚。

マッターホルン、君はいつも僕を裏切らない。

ちなみにこの写真を撮って以降、筆者のスマホの待ち受け画面は永久にマッターホルンで固定されている。

待ち受け画面↓

ロック解除後の画面↓

ホーム画面もマッターホルン、ロック解除後もマッターホルン、もはやスマホというよりマッターホルン端末である。

ここまで来ると、プライバシーなんぞ霞む。

むしろこの写真を見せびらかすためにロック画面にしているようなものである。

美しさとは、かくも自信を与えるのだと実感した一日であった。

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スキーリゾート、シャモニーモンブランへ

というわけで、スイスのツェルマットで素晴らしい想い出を胸に、いざ最後の目的地、フランスのシャモニーモンブランへ向かうことになった。

モンブランと言えば、あの甘くて美味しい「モンブランケーキ」を思い浮かべる人も多いかもしれない。

しかし、モンブランの本来の意味はフランス語で「白い山」。

要するに、ケーキを食べるだけでなく、その名の通り、山岳信仰も忘れないのである。

マイエンフェルトやツェルマットに負けず劣らず、シャモニーもまた美しい町だ。

景色が素晴らしいのはもちろん、街並みも心地よく、どこを切り取っても絵になる。

これから向かうモンブランは、もちろんケーキでも美味しいが、むしろその標高に圧倒されるほどの白い山そのものが、次の冒険の舞台なのである。

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