本記事は、一条工務店のパワーモニターアプリの運転モードの選び方について解説しています。
運転モードの設定は4種類に分かれ、売電収入に直結するので非常に重要です。
運転モードは上記の4種類から選ぶ。
またこちらの運転モードは皆様方の電力契約によって最適解が変わってくるので、現在の設定を見直すいい機会だと思います。
一条工務店のパワーモニターアプリの設定でお困りの方はどうか本記事を参考にしてください(´っ・ω・)っ
先に結論から申し上げます。
- 【推奨】料金単価が時間帯に関わらず一定なら→節エネモード◎
- 料金単価が時間帯で変動し、とにかく売電収入を増やしたいなら→ノーマルモード〇
- 【推奨】料金単価が時間帯で変動し、とにかく買電を抑えたいなら→スマートモード◎
- 計画停電や突然の停電に備えたいなら→蓄電モード△
※自家消費分は発電で賄う、というのは4プランとも共通しています。
「ノーマルモード」と「スマートモード」の使い分けがわかりづらいですが、それもわかりやすく解説しています。
他の方の記事では「10年間は売電単価が高いので、なるべく売電量を増やしましょう」という意見もありましたが、筆者はそうは思いません。
まあそんな話もさせてもらいます。
各運転モードについて長々と説明していますが、「結局自分に合った運転モードはどれ?」を知りたい方はこちらをクリックしてジャンプしてください。
では始めます٩( ”ω” )و
一条工務店の太陽光発電システム
この記事を読まれている方はもれなく一条工務店の家に「住んでいる」もしくは「住む予定」の方々だと思うので、一条工務店自体の説明は不要かと思います。
が、少しだけ説明させて下さい。
一条工務店は「家は性能」をスローガンに掲げる日本最大手の建築会社(=ハウスメーカー)で、大手ハウスメーカーの中では高性能住宅業界トップの座を堅持し、独走しています。
そんな一条工務店では、屋根一体型の太陽光パネルを搭載しており、【最新年間で最も多くの太陽光搭載住宅を建てた会社】としてギネス記録にも載っています。
(参考URL:最新年間で最も多くの太陽光搭載住宅を建てた会社)
普通の住宅は屋根の一部にソラーパネルが載っていますが、
一般的な住宅
一条工務店では屋根一体型なので、光の当たるスペースを無駄なく利用でき発電容量が大きいのが特徴です。
一条工務店の太陽光パネル
太陽光パネルをそのまま屋根にしているんですね!
では続きまして「パワーモニターアプリ」のご紹介です。
パワーモニターアプリ
一条工務店は独自のアプリを提供しており、そのアプリ上でパワコンの様子をいつでも確認することができます。
Android版はこちらから、iPhone版はこちらからアプリをインストールできます。
もしくは「一条 パワーモニター」で検索してください。
アプリのロゴはこちらです↓
うむ、わかりやすい。
インストールすると、【接続確認中】の画面に映ります。
その後、問題がなければリアルタイムモニター画面に移ります↓
このリアルタイムモニターの画面が出ればとりあえず完了です。
よくできました(´っ・ω・)っ
運転モード
さて、これから説明する【運転モード】の設定は非常に重要です。
なぜなら売電収入に直結するからです。
【メニュー】→【設定】→【運転モード】の順
運転モードをクリックすると、
- ノーマル
- 節エネ
- 蓄電
- スマート
の4つの中から、ご自身の電力契約プランに合った好みのモードを選べます。
各運転モードの詳しい説明は、一条工務店の引渡し日に渡される以下の資料に載っています。
太陽光&蓄電池システムの取扱説明書
しかし、パッと見よくわからん!!!!
なので筆者が噛み砕いて説明しますᕦ(ò_óˇ)ᕤ
この記事でも各モードの説明資料を添付しますので是非ご活用ください。
ノーマルモード
まずはノーマルモード。
こちらが説明書の説明ですが、正直意味不明ですよね(-_-メ)
ノーマルモードは、時間帯によって電気料金単価が変動する方で、なおかつ売電収入を最大にしたい方にオススメです。
なぜかと言うと、ノーマルモードは電力プランに合わせてご自身で充電時間と放電時間を設定できるからです。
- 充電→蓄電池に電気を貯める
- 放電→蓄電池から電気を使う
充電の仕方は、㋐太陽光発電分で充電する方法と㋑電力会社から電気を買って充電する方法があります。
設定画面はこんな感じです↓
こんな感じで細かく充放電の時間を設定できる。
この時間設定によって、電気代が安い深夜に充電し、電気代が最も高い時間帯に放電するという技が可能なのです。
一番下の「使い切りレベル」とは、充電を残しておくレベルを設定できます。
たとえば「いつ地震が来て停電が起こるかわからない(゚Д゚)ノ」と怯えている方は、使い切りレベルをMAXの5(=50%)にするといつでも蓄電池容量の50%を温存してくれています。
いきなり大規模停電が起こっても蓄電池に貯まっている50%ぶんの電気を使って生活が続行できるわけです。
本題に戻ります。
筆者のように時間帯によって電気代が変わらないプランだと(=関西電力の従量電灯Aプラン)、別に充電時間と放電時間を設定する必要はありません。
こちらは筆者が契約している電力プランです↓
※筆者が契約している従量電灯Aプラン(出典;関西電力 公式HP)
※時間帯ではなく使用量で単価が変わる
↑ほら、別に時間帯で料金単価が変わるわけじゃないでしょ(^ω^)
しかし電力プランによっては「お昼が高くて夜は安い」といった料金設定もあります。
となると「お昼にはなるべく電気を買わず、夜に電気を買った方がよい」ということになりますよね。
たとえば関西なら、一条工務店が入居時にデフォルトで契約するはぴeタイムRというプランです。
はぴeタイムRプラン(出典;関西電力 公式HP)
はぴeタイムRは、ご覧のようにお昼の電気代がクソ高くて、逆に深夜はめちゃくちゃ安いです。
すると、ノーマルモードの設定としては
- 昼は充電より放電(自家消費)
(→昼の料金単価は高いのでなるべく電気を買いたくない) - 深夜は放電より充電(買電)
(→夜の料金単価は安いので蓄電池から電気を使うのはモッタイナイ)
にする方がいいですよね。
電気代が最も高い時間帯は積極的に放電する。
電気代が最も安い時間帯は、なるべく蓄電池の電気を使わず積極的に買電して蓄電池に充電します。
こういう作戦を立てることができるのです。
放電時間以外は蓄電池からの放電を一切行わず、太陽光発電で充電することもないので「売電か買電か」というかなり攻めの姿勢です(笑)
相手のパンチを避けるより先に当てればいいというラフファイター気質の方にオススメです(^ω^)
打って打たれてノーマルモード
打たれることを恐れず攻め続ける攻撃偏重型ファイターみたいな感じです。
スカッと晴れ渡るような発電量が多い日はひたすら売電できますが、曇りや雨のような発電量が少ない日はひたすら買電し続けます(笑)
100発打たれて150発打ち返している(100の電気を買いながら150の電気を売っている)ので結果的に収支はプラスになります(笑)
節エネモード
続いて節エネモードのご紹介です。
筆者が設定しているのがこの「節エネモード」です。
時間帯に関わらず電気料金が一定の方で、なおかつ買電量を減らしたい方にオススメのプランです。
設定画面はこんな感じです↓
節エネモードは「使い切りレベル」だけを決めるので至ってシンプルです。
朝日が昇ったら太陽光発電を開始し、蓄電池が満充電になっていない場合、発電量は(自家消費分を除いて)全て充電。
蓄電池が満タンになったらそれ以降は(自家消費分を除いて)全て売電。
消費電力が発電量を超えた場合は蓄電池から電気を使います。
陽が落ちて発電しなくなったら蓄電池から電気を使います。
充電が無くなったら以降は買電。
太陽の動静に身を任せ、できる限り買電しないスタイルです(笑)
筆者のような電気料金が一定の電力プランの方は、時間帯によって充電・放電を気にする必要が無いので節エネモードが良さそうです。
ただし蓄電池ユニットが空の状態が続いた場合は、蓄電池ユニット維持のために電力会社から買電して充電することがあります。
充電残量100%、発電量>消費電力の場合
蓄電池が100%になったのでそれ以上の発電量は売電しています。
もちろん自家消費分は発電量で賄っています。
では次です。
充電残量10%、発電量<消費電力の場合
家で使用している電力(消費電力)が大きく太陽光発電量だけじゃ賄えないので、電力会社から買電しています。
蓄電池は10%を残す設定にしているので、実質空っぽと同じです。
=蓄電池からはこれ以上電気を使いません。
蓄電池に10%以上電気が残っている場合は空っぽになるまで買電せずに蓄電池の電気を使います。
では次です。
充電残量10%以上、発電量<消費電力の場合
太陽光発電量だけでは使用電力量を賄えないので、蓄電池からも放電しています。
まあ蓄電池も11%なのでそろそろ充電残量が無くなって買電を始めると思います(笑)
では最後です。
充電残量10%以上、発電量>消費電力の場合
こちらは発電量から自家消費分を除いて残りを蓄電池に充電しています。
まずは蓄電池に充電です、そしてフル充電されたら売電です。
これはなに?
また、たまに意味不明な挙動をします。
3.8kW発電し、家で1.8kW使い、普通なら差分の2.0kW分が充電される、もしくは売電されます(←蓄電池が100%なら)。
しかし上の場合、無駄に0.1kWを買電しています。
はぁ(´゚д゚`)ナニシテンノ?
なぜこうなるかは不明ですが、たまにこういうことが起きます。
無駄に買電しやがって。
このように、「節エネモード」はなるべく買電量を抑えたシステムになっています。
なるべく買電量を抑えるモードなので、ボクサーで言えば「基本的には守りに徹し、チャンスがあれば打ち返す」タイプです。
基本は守りに徹するが、チャンスがあれば打ち返す
続いて「蓄電モード」のご紹介です。
蓄電モード
蓄電モードはその名の通り、非常用電源として備えるモードです。
設定画面はこんな感じです↓
「設定する?」というボタンだけです(笑)
蓄電池からは電気を使わず、常に100%をキープしているわけです。
計画停電などでお住まいの地域に「午前10時から午後16時までの6時間は計画停電します」みたいなお達しが届いた際には、予め蓄電モードに設定し蓄電池をフル充電しとくのです。
この場合6時間は電気が使えないので、冷蔵庫もダメ、IHで料理もできず、洗濯機も回せない、当然エアコンも使えない。
真夏にこんな状況になったらヤババババイですが、100%貯まった蓄電池があれば6時間なら余裕で乗り切れるわけです。
まあそれ以外の状況でわざわざ蓄電モードにする必要は無いと思います。
もうこれは「ひたすら守りに徹するボクサー」と同じで、相手のパンチでダウンする(=電池残量が0になる)ことは絶対にありません。
渾身の大振りパンチ(=停電)が来ても一日くらいなら耐えきってくれるでしょう。
では最後にスマートモードです。
スマートモード
スマートモードは時間帯によって電気料金単価が変動する方で、なおかつ買電を極力抑えたい方にオススメです。
ノーマルモード同様、安い深夜電力で夜中に蓄電池に充電し(深夜電力終了後の)朝の電気を蓄電池から賄います。
設定画面はこんな感じです↓
一番料金単価が安い時間帯(深夜電力)が23時~翌5時なら充電開始時間は23時、充電終了時間は5時に設定しましょう。
使い切りレベルは何度も言っているように突然の停電に備えるもので、筆者は突然の短時間の停電に備えてレベル1(=10%)にしています。
急に停電し、保険として残しておいた10%の充電残量が0%になった瞬間、筆者宅は本当の停電生活に入ります(笑)
充電レベルは充電する量を決めます、まあ一番安い時間帯に充電するのなら100%まで充電したらいいと思います。
充電時間以外は節エネモードと同じ動きをするので、太陽の動きに合わせて充放電を繰り返しながらなるべく買電を抑えてくれます。
※ノーマルモードでは設定時間以外は一切充放電を行わない
これはいわば、「バランス型」のボクサーと一緒です。
深夜の安い時間帯に電気を買って充電しておく、電気代が高い時間帯は太陽光発電と蓄電池からの放電で対応し、最悪買電する。
売電単価よりも買電単価が高い場合はなるべく買電を抑えたいのでスマートモードがベターです。
なぜなら売電単価は年々下落しているのに対し、買電単価は年々高騰しているからです。
(出典:太陽光発電の固定買取価格の推移)
一条工務店では最大容量13.75kWまで太陽光パネルを載せれますが、10kWを超えた分の売電単価はさらに低くなります。
2023年時点では10kW未満でも単価16円なので、2024年現在では売電で儲けるよりも買電を抑える方がよほど重要だと筆者は考えています。
しかも料金単価だけでなく、そこに「燃料費調整額」や「再エネ賦課金」「託送料金相当額」なども加算されるので、とにかく買電を抑えましょう。
自分に合った運転モードはどれ?
ここまで見てきたように運転モードは4種類に分かれており、それぞれが異なる電力契約にフィットするようにデザインされています。
結局どの運転モードにすべき?
と困った方、ご安心ください。
わかりやすく解説します。
まずは電力契約が㋐使えば使うほど料金単価が上がるのか、㋑毎日時間帯によって料金単価が変わるのかをご確認ください。
時間帯に関係なく、使用量で単価が変わる電力契約
㋐の場合、節エネモード一択です。
なぜなら料金単価は一日中一定なので「安い時間帯に買電して蓄電池に充電する」必要性が皆無だからです。
使用量に関係なく、時間帯で単価が変わる電力契約
逆に㋑の場合、買電をなるべく抑えたい方はスマートモードを(バランス型)、売電を最大化したい方はノーマルモードを(攻め重視型)お選びください。
しかし基本的には売電量を増やすより買電量を抑える方がトータルコストは安くなるので、スマートモードを優先すべきだと思います。
災害時の突然の停電が怖くて怖くてたまらない方は、是非蓄電モードをお選びください。
以上!
ここまでお読み頂きありがとうございました٩( ”ω” )و