ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回はルネサンス建築について説明します。
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※明言しますが、西洋建築の勉強をしてからヨーロッパに行けば無学で行くより100倍楽しめます。
※「この部分がわかりにくいです」とか「これはどうなんですか?」などの質問やコメント等ありましたら遠慮なく下部のコメント欄からお問い合わせください!
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本記事は「ルネサンスの意味と背景」を解説しています。
ルネサンスの意味と背景
この章の特に重要な点を挙げると以下の3点になります↓
➀ルネサンスの背景
②ルネサンス建築の課題
③ルネサンス建築の時期による分類
それぞれ解説します。
➀ルネサンスの背景
ルネサンスとは「文芸復興」を意味するフランス語で、もともとは古代文芸の復興を指しましたが、その本来の目的は「人間の価値の再発見」でした。
人間の?価値の?再発見?
はい、意味不明ですよね、筆者も初めはそう思いました。
ここで言う「人間の価値の再発見」とは、「物や金やルールに縛られて生きるのって、それほんとにあなたがやりたかったことなの?」という人間が生きる価値を再発見しようとしたってことなんです。
例えば、家族を養うために子どもの顔も見ずに毎日朝から晩まで重労働をこなしている人がふと「おれの人生って、なんなんだ・・・」と自分の人生を振り返る時ありますよね。
これも人間の価値の再発見ですよね。
中世ヨーロッパの人々は、教会の権威に護られた狭い宗教的世界の中に安心を見出していました。
つまり「信じる者は救われる」というキリスト教の教えにどっぷり浸かっているということですよね。
とりあえず教皇様の言うことに従って、とりあえず教会でのミサにも真面目に出席していれば、多少面倒で理不尽なルールはあるけど、とりあえずは一生安泰一生安心。
しかし中世末期になると、そういうキリスト教会のピラミッド構造を「束縛」と考え始める人々が現れ始めました。
彼らは人間が教会の庇護下に入る以前の、つまり
人間が自由に感情や思想を表現できていた古代
への回帰を強く望みました(古代がそんな時代だったかは不明ですが)
キリスト教の支配下にいるのが当然の中世ヨーロッパで、ある時からこういう人間が出てきました↓
キリスト教って結構ピラミッド社会だよねー。
毎日曜日、教会に行かないと「信徒失格」とか言われるし。
こっちも毎日色々と忙しいからキリスト教会が決めたルールを100%守るってのも難しいんだよね~。
キリスト教徒として数々のルールに縛られているのを「だるい」と感じ始めた人、その人たちがルネサンス時代を築いたのです。
このような一群の人々が初めて現れたのは、古代ローマの伝統が(1,000年経っても)完全に途絶えることなく存続していたイタリアの、なかでも商人が力をもち自由闊達な雰囲気が溢れていた都市フィレンツェにおいてでした。
つまり、
ルネサンスは、カトリック教会のピラミッド構造への不満から始まった
ということなのです。
②ルネサンス建築の課題
この時代、古典建築を模範とするなかで最も重要視されたのがオーダーでした。
いわゆる「柱」と「梁」の建築ですよね↓
オーダーは美の根源として神聖視されていました。
「オーダー?ペディメント?コリント式?意味不明過ぎワロタww」
という方!
ギリシャ建築編とローマ建築編を読まずにこの記事に辿り着かれましたね?
ルネサンス建築をしっかりと理解するには、ギリシャ建築編の記事を先に読まれる方が圧倒的に近道です。
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ルネサンス建築の課題は、ローマ建築の造形法を再発見し(←重要‼)、それを都市の新しい実力者たちの邸宅であるパラッツォ(邸館)や郊外のヴィラ(別荘)、または新たに意味づけし直された教会堂などに適用することでした。
皆さん、ここである疑問が湧きましたよね?
(ローマ建築よりもギリシャ建築の方が古いのに!)
そうなんです。
「柱ー梁」はギリシャ建築の象徴であり、ローマ建築はギリシャ建築のオーダーを丸パクリして公共施設の入り口にそのままドカーンと張り付けたりしていたのです↓
(ローマ建築のパンテオン)
筆者がルネサンス期の建築家なら、ローマ建築ではなくギリシャ建築をお手本にしたと思うんです。
しかしそうはなりませんでした。
実はこの時代、ローマ建築以前のギリシャ建築なんて誰も知らなかったんです。
古典建築=ローマ建築と考えられていた時代なんです。
ではここからルネサンス建築の紹介に入ろうと思います。
先ほど紹介した古典建築の記事(ギリシア建築とローマ建築)の内容を理解している人にとっては、ルネサンス建築はそんなに難しくないと思います٩( ”ω” )و
③ルネサンス建築の時期による分類
ルネサンス建築と一口に言っても、実際には(本書では)大きく以下の4つに分けられています。
➀初期ルネサンス建築
➁中期ルネサンス建築
③盛期ルネサンス建築
④後期ルネサンス建築(マニエリスム)
それぞれの概要を簡単に説明していますが、もう興味ない方はここまでで結構です(笑)
初期・中期・盛期・後期のそれぞれの建築がどのようなものだったのか、簡単に説明してみました↓
» 各時期の特徴を一言で表現↓
➀初期ルネサンス建築
→基本中の基本、オーダーの大原則を外した完全なオリジナル
➁中期ルネサンス建築
→古典建築に敬意を払いながらも、自分たち独自の新たな建築様式を模索している途中
③盛期ルネサンス建築
→オーダーの大原則である円柱をメインで用いず、古典系建築風を非常に醸し出した傑作
④後期ルネサンス建築(マニエリスム)
→オーダーを分解・融解する過激な傾向が現れる
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さて、難しい話ばっかりで嫌気がさしてくる頃なので、そろそろ写真と共に一つずつ見ていきましょう。
では次の記事から、初期ルネサンス建築の解説に移ります!
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