【新約聖書➀】聖母マリアの処女懐胎

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さて、本記事ではユダヤ人の聖書(=物語)である「旧約聖書」の続き、新約聖書についてなるべくわかりやすく解説してみました。

新約聖書は旧約聖書の続編として書かれているので、先に旧約聖書の内容をチラ見したい方はこちらからご覧ください↓

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参考書は【眠れないほどおもしろい「聖書」の謎】【常識として知っておきたい世界の三大宗教】です。
本記事に用いるイメージはほぼ全て画像生成AIで作成したものです。
新約聖書編では趣向を変えて漫画風のイラストで進めていこうと思います。

どうぞお楽しみください!

では始めます٩( ”ω” )و

聖母マリアの処女懐胎

まずは前回までのおさらいです。

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もともとサウルを初代王とするヘブライ王国という統一国家がありましたが、北の「イスラエル王国」と南の「ユダ王国」に二分されたんですよね(・ω・)ノ

その後イスラエル王国はわずか200年で滅び、南のユダ王国も大国アッシリアやエジプトとの板挟みに遭い結局滅亡しました。


反乱を起こしたユダヤ人(結局返討ちに遭い国を失った)

そして新バビロニア王国がユダヤ人を捕虜・奴隷として大量に自国に連れ帰った事件をバビロン捕囚と呼ぶ、と説明しました。


新バビロニア帝国に捕虜として連れ去られたユダヤ人たち

これからのお話はその続きです。

アケメネス朝ペルシアの王キュロスの勅令により(おもんない話が続きますがしばし我慢ください)、紀元前538年にユダヤ人たちは「バビロン捕囚」から解放されましたが、それでもペルシアの支配に服していました。

その後、ユダヤの民はギリシア、エジプト、シリアなど、時の大国の支配下に置かれながらも神の教えを守り続けていました。


隠れキリシタン的に密かにユダヤ教を信仰する人々

ユダ王国滅亡(紀元前587年)後、ユダヤ人は国を失い、差別と圧迫の中から国家再建と民族の救世主(メシア)の来臨を待ち望むことになります。


いつしか救世主の出現を確信するようになったユダヤ人たち

「苦難の民である我々ユダヤ人を救ってくださる救世主が必ず現れる」

そう人々が切望していたということです。


「いつか救世主が我々をお救いくださる」そう思って苦難の日々を耐えたユダヤ人

ユダヤ教が成立したのは紀元前6世紀頃とされていますが、その特徴として国を失い、迫害される中から増幅された「選民思想」と戒律をひたすら守る「形式主義」が挙げられます。

  • 選民思想:「ユダヤ人は特別な民族だ」という排他主義
  • 形式主義:「戒律は絶対に守らなくてはならない」という律法主義

ユダヤ人たちがより強く救世主を切望し始めたのは紀元前60年頃でした。

当時ユダヤ地方は独立を果たすも、ローマ帝国の属州となっていました。


ローマ帝国民に虐げられていたユダヤの民

当時、ユダヤ地方を支配していたのはイドマヤ人のヘロデ大王(在位紀元前37~後4年)でした。


ヘロデ大王(ジョジョ風のタッチww)

圧政や重税はもちろん、町をローマ風にする改修や、異民族の王を掲げるという屈辱はユダヤ人にとって耐え難いものでした。

筆者
なんせ過去に「偶像崇拝」をしたり「唯一神以外の神に祈りを捧げる」などで、大量のユダヤ人の先祖が神に処刑されていますから…

記憶に新しいところで言えば、金の子牛の像を崇める人々3,000人を神が処刑するシーンもありましたよね。

神「また偶像崇拝じゃとぉ?ふん、人間というのは成長せんわい、神の裁きじゃぁぁ!!!!!!!!!!」

こうなったんですよね。

また、様々な文化が流入したことにより、一枚岩のようだったユダヤ教も解釈の違いによって分派し始めました。


ユダヤ教の解釈について議論する人々

律法を厳格に遵守することを強制する派閥も登場し、こうした中で人々は自分たちを解放してくれる「神の使い」、すなわち救世主を待ち望むようになったのです。

旧約聖書には救世主登場のシーンはありませんが、新約聖書では「そのユダヤ人が待ち続けた救世主こそがイエス・キリストなのである」という流れでお話が進んでいきます。

これから紹介するのは、救世主イエスの誕生から復活までを描いた「福音書」の中の物語です。

大天使ガブリエルからマリアへの「受胎告知」

さて、話はガラリと変わりますが。

ガリラヤ地方のナザレという町に、マリアという名の娘がいました。

「ヤコブ原福音書」という新約聖書の外典によると、マリアはナザレのヨキアムとアンナの間に生まれた子でした。


父ヨキアムと母アンナに抱かれる子マリア

長い間、夫婦は子宝に恵まれませんでしたが、神のお告げでようやく授かったのがマリアだったんです。

※マリアも当然ユダヤ人

喜んだアンナは神への奉仕として「我が子を生涯神に捧げよう」と決意し、13歳になったマリアを神殿に預けました。

ちなみに画像生成AIの"Stable Diffusion"に「新約聖書に登場する、13歳の聖母マリアを描いて」と命令したら、、、

こんな容姿の少女が生成されました。
リアル過ぎてコワイ…

さて、両親と離れたマリアは14歳になるまで神殿の中で神を賛美しながら日々を過ごしたという。

やがてマリアが年頃になると、祭司たちはマリアにふさわしい男性を探して結婚させようと決めました。

ちなみに「新約聖書に登場する、18歳の聖母マリアを描いて」と命令したら、、、

少し大人っぽくなったマリアが生成されました。
遊びはこれで終わりにします…すみません

一説によると、マリアのために大勢の独身男性が国中から集められたとされていますが、その中でマリアの許嫁と認められたのがヨセフでした。

マリアはダビデの血を継ぐ大工のヨセフと婚約し、結婚を控えていました。


大工のヨセフと小娘マリアの歳の差婚

そんなある日、マリアの元に大天使ガブリエルが現れます。

そして厳かに告知するのです。

あなたは神から恵みをいただきました。

あなたは身ごもり、男の子を産みます。

その子をイエスと名づけなさい。

しかし当時マリアは処女、男性を知らなかった少女なので恐れおののきました。

そんな彼女に天使は、

これは「聖霊のなせる業」で、産まれてくる子どもは後に「神の子」と呼ばれるであろう

と告げました。

大天使ガブリエル「マリアよ、お前のお腹に神の子を宿した。その子を産みなさい」

マリア「え、わたしはまだ処女なのですが…?なぜ急に子どもを!!?」

大天使ガブリエル「神の子だからです。」

この時の様子を描いたのが、レオナルドダヴィンチの「受胎告知」です↓


めちゃくちゃ有名な宗教画【受胎告知】

この話を聞いたヨセフは、マリアとの縁を切ろうかと考えました。


マリアと縁を切ろうか悩んでいるヨセフ

当時のユダヤの婚姻法では、婚約期間の1年間は性交をしてはいけないと定められており、ヨセフはそれを忠実に守っていました。

しかしマリアが妊娠したとなると、マリアが「婚約者がいながら他の男性と関係を持った」と姦淫の汚名を着せられてしまいます。


男をたぶらかすマリア(仮)

もしくは、実際にほかの男性と関係を持ったことを隠していた男たらしなマリアが自身の妊娠に気付き、「もはやこれ以上は隠し通せない」と悟って神からお告げを頂いたとウソをついたと邪推することもできるかもしれません。

が!!
「いや、そんなことはないだろう」と筆者は思っています。

筆者は処女のまま懐妊したという聖母マリア様の奇跡のエピソードも100%嘘とは言えないと考えています。
実際に男子禁制の女性用監獄に収監されていた囚人女性がなぜか牢獄で妊娠したという話も聞いたことがありますから。

しかし心配するヨセフの夢にも天使が出現します。

マリアの妊娠は聖霊の力によるものであるから、結婚を恐れてはいけない

目を覚ましたヨセフは、天使の言葉を受け入れ、マリアと結婚したのです。

ヨセフは身重のマリアを伴って、すぐに生まれ故郷ベツレヘムへと向かいました。

当時、ガリラヤ地方はローマ帝国の統治下にありましたが、皇帝の命令でそれぞれの出身地で出産をし、新生児はその地で戸籍の登録をする必要があったからです。

 

ヨセフとマリアはようやくベツレヘムの地を踏みましたが、あいにく宿屋は全て満員でした。

そこで町中を探し回った結果、一軒の馬小屋を見つけます。

筆者
なんかチョメチョメする場所を必死に探す若いカップルみたいですね(笑)

そこでマリアは無事に男の子を出産しました。

生まれた子はヨセフによって、イエスと名付けられました。
まあ神がそう名付けろと命じたんですけどね…

イエスとは「神は救いである」という意味を持つのです。


では次ページでは「待望の救世主「イエスの誕生」とヘロデ大王の迫害」についてご紹介します。

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