【図解多め】世界遺産検定1級にも通じる「世界遺産の基礎知識」

この記事を読むのにかかる時間: 7

RYOです

今回は世界遺産の基礎知識について超わかりやすく紹介していこうと思います。

テキストは「くわしく学ぶ世界遺産300~世界遺産検定2級公式テキスト~」です。

この記事では世界遺産検定1級にも通じる基礎知識を一つずつ解説していきます。

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筆者
(本記事を読み終わってからでも、読む前でも構いませんが)
一度実際に出題された問題を解くのも面白いと思います。

興味があれば是非一度ご自身の世界遺産の知識を試してみませんか?

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パルテノン神殿

筆者は1級取得を目指していますが、本記事は世界遺産に関して包括的にまとめているので、初心者から中~上級者まで幅広くご覧になれると思います(^ω^)

世界遺産条約と世界遺産

世界遺産条約と世界遺産
アテネのパルテノン神殿

まずは「世界遺産」と「世界遺産条約」という2つの超基本用語を解説します。

世界遺産

人類や地球にとってかけがえのない価値をもつ記念建造物や遺跡、自然環境などの人類共通の財産

世界遺産条約

その「世界遺産」を保護し、次の世代へ確実に伝えてゆく世界的な取り組み

のことです。

この2つはセットで覚えましょう。

採択と発効

世界遺産条約は、1972年の第17回ユネスコ総会で採択(さいたく)され、3年後の1975年に正式発効(はっこう)しました。

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筆者
採択?発効?
わざわざ難しい言葉使うんじゃねーよ

ここで採択と発効の違いを確認しておきましょう↓

» 採択と発効の違い

採択

「世界遺産条約なるものを作ろう。みんなこんな内容でいいか?よし、決まりや」という方針が決まったということ

発効

「じゃあ今日から実際に条約が始まるからもう後戻りできないぞ」という実際に条約の内容が行使されること

» 折りたたむ

今後も出てくるので、その度にまた説明を挟もうと思います(”◇”)ゞ

世界遺産リスト

世界遺産条約には世界遺産リストというものがあり、実際に世界遺産に登録された物件が載っています。

1978年に最初の世界遺産12件が世界遺産リストに記載され、現在(2024年3月9日時点)では計1199件の世界遺産が世界遺産リストに登録されています↓

※前々回(2020年6月29日~7月9日)に開催される予定だった世界遺産委員会は新型コロナウイルスのために延期され、前回の開催はオンライン・ミーティングで2021年の7月に開催されました。

2022年はロシアのタタールスタン共和国カザンで6月中旬に開催される予定でしたが、ロシアのウクライナ侵攻を受け開催地変更の要望が高まり、結局2022年も延期されることになりました。

最新の世界遺産リストはUNESCOのホームページで確認できます↓

世界遺産条約

世界遺産条約
オランダのキンデルダイク

世界遺産条約は8章に分けられる全38条からなり、文化遺産と自然遺産を切り離すことのできない人類共通の財産として保護・保全することを目的としています。

条約では以下のように様々なことを定めています↓

  • 文化遺産や自然遺産の定義
  • 世界遺産リストと危機遺産リストの作成
  • 世界遺産委員会や世界遺産基金の設立
  • 遺産保護のための国内機関の設置や立法・行政措置の行使
  • 国際的援助
  • 世界遺産を保護・保全する義務や責任はまず保有国にあること
  • 世界遺産条約の締約国は国際社会全体の義務として、遺産の保護・保全に協力すべきであること

特に重要なのが「自分の国の世界遺産は自分の国で守る」ということです。

なので世界遺産を守るための法整備などが行われていないと世界遺産登録は難しいということでもあります。

※世界で最初に世界遺産条約を批准した国はアメリカ合衆国です。

ユネスコ(UNESCO)

ユネスコ
ポーランドのアウシュヴィッツ強制収容所

ユネスコ(UNESCO)とは"United Nations Educational Scientific and Cultural Organization"の略で、日本語では「国際連合教育科学文化機関」となります。

パリに本部を置く国連の専門機関で、教育や科学、文化などの活動を通して、国家や民族、人種、性別や宗教などの違いを超えた平和な世界の実現と福祉の促進を目指しています。

ユネスコ採択と批准、発効

ユネスコは、大きな被害と犠牲者を出した第二次世界大戦を教訓に、戦争終結直後の1945年11月に40カ国以上の国々がロンドンに集い、

二度とこのような戦争を起こさぬ平和な世界を築くための国際機関を設立する

ことで合意しました。

同月16日には「国際連合教育科学文化機関憲章(ユネスコ憲章)」が採択され、翌1946年には20カ国が同憲章を批准(ひじゅん)して、11月4日にユネスコ憲章が発効されました。

再出ですが「採択」「批准」「発効」の違いを載せておきます↓

» 3者の違い

採択

「国際平和のためにユネスコ憲章なるものを作ろう。みんないいか?よし、OK」という方針が決まったということ

批准

「じゃあ我が国はその条約を認めます」と公に宣言すること

※後から「いや、あいつが独断でしたことやん。おれはそんな条約しーらね」という個人の暴走を防ぎ、「あなたの国の代表が批准したんだから国民のあなたも当然守らないといけない」という効力があります。

発効

「じゃあ今日から実際に条約が始まります。もう後戻りできないぞ」という実際に条約の内容が行使されることです。

» 折りたたむ

ユネスコ憲章の前文には、

「戦争は人の心の中に生まれるものだから、人の心の中にこそ、平和のとりでを築かなければならない」

という一文(名文)があり、ユネスコが世界平和と安全に貢献することを目指す機関である、と示しています。

※ちなみにですが、ユネスコのシンボルマークはギリシャのパルテノン神殿をモデルにしています↓

パルテノン神殿

さて次ページでは「世界遺産誕生までの流れ」についてお話していこうと思います。

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