4000万人以上が犠牲になった、毛沢東の「大躍進政策」とは?

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今回は中華人民共和国(現在の中国)の初代国家主席の「毛沢東」が行った大躍進政策(だいやくしんせいさく)を簡単にまとめようと思います。

わかりやすくまとめてあるので是非最後までご覧ください(´っ・ω・)っ

毛沢東の台頭

筆者
ところで皆さん、毛沢東って知ってますか?

読み方は「もうたくとう」なので「けさわひがし」と思った方は残念です。

↑このおでこの広さ、見たことありますよね?

彼は中国の初代国家主席です。

けさわひが、いや、毛沢東率いる"中国共産党軍"は日中戦争で、「敵の敵は味方」理論でライバルである蒋介石率いる"国民党軍"と手を組んで日本軍を追い払いました。

まあ中国国内で勢力争いをしていたところに、日本軍という共通の敵が現れたので「とりあえず日本軍追っ払ってから喧嘩再開すっか?ww」と手を組んだ感じです。

戦後、"中国共産党軍"は国民党軍も中国本土から台湾に追い払って、1949年に中華人民共和国の成立を宣言しました↓

中華人民共和国建国前の毛沢東と蒋介石の戦いについてはこちらを参考にしてください↓

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実は建国当初は民主的な国家運営をしていた毛沢東でしたが、1950年に起きた朝鮮戦争を機に、中国を共産党の一党独裁国家体制に方針転換しました。

けさわ
やっぱさ、戦争の際に臨機応変に国を動かすためには一党独裁がベストアンサーですわ

その後、様々な政策(主に㋐大躍進政策と㋑文化大革命)によって自国民4,000万人以上を・・・(察し)と言われています。

中国は社会主義国家

まず大前提として中国は社会主義国家です。

社会主義とは何かを詳しく知りたい方はこちらの記事で↓(別タブで開きます)

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社会主義を簡単に説明すると、

㋐国民全員平等を目指す主義

→「社長+社員」という上下関係はぶっ潰す

㋑国民は自由な経済活動ができない

→国のトップが全て計画した通りに物を生産して売る
→利益は全て国のもので、全国民に平等に分配される
→全員が平等にハッピー

という理想を実現しようとする考えで、国家の利益/資源が全て国のトップに任されるという「独裁者が生まれやすい国家運営」と言えます。

つまり当時の国家主席「毛沢東」が国のトップであり、毛沢東が立てた計画に従って中国経済は運営されていました。

毛沢東が無能なら中国は衰退していきますし、毛沢東が有能なら中国は発展していきます。

毛沢東の『大躍進政策』

1958年(建国から9年後)、けさわひがしは宣言しました。

毛沢東
我が中国は15年以内に鉄鋼でイギリスを追い越す!!

これが歴史的大飢饉の始まりで、この政策を『大躍進政策』と呼びます。

まあ漢字そのままですが、「中国を大躍進させる政策」というわけですね。

なぜ毛沢東が鉄鋼に注目したかと言うと、鉄はあらゆる産業に必要だからでした。

毛沢東
この世の中、何をするにもまず鉄がいる。

毛沢東はそう考えました。

と同時に、ソ連のスターリンが「農業の集団化は大成功だった」と世界に公言したのを毛沢東は信じており、「農業の集団化(後述します)」による農産物の大量生産も目指しました。

つまり、

・鉄の大量生産

・農産物の大量生産

の2つの政策を同時に始めたのです。

農業の集団化についてわからない方はこちらをご覧ください↓(別タブで開きます)

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農業の集団化を超簡単に説明すると、

自然が相手の農業を、時間勤務制にして集団で機械的に農産物を生産しようとした政策

といった感じです。

筆者
そりゃあ、機械化した方が時間効率が圧倒的に上がることも多いですが、農業を機械的にってのもね~

もちろん自然が相手なのに時間外は働かないので大失敗しました。

大躍進政策以降、中国の農村は「石器時代」に戻ったのでした。

鉄の大量生産を始める

中国には鉄を作るための熔鉱炉があまり無かったので、まずは手作りの熔鉱炉を大量に中国全土に造らせました。

筆者
と言っても、土を盛り上げて造ったただの土高炉(どこうろ)でしたが

そしてあらゆる職業の人間が鉄生産に駆り出されました。

医者も教師も農夫も靴職人もバスの運転手も、男女構わず鉄作りに励みました。

毛沢東

中国には大量の人間がいる。

【大量の人間+大量の熔鉱炉=大量の鉄】なのだ!!

もっともっとじゃんじゃん熔鉱炉を作って鉄を生産しろー

なんせ建国の父(英雄)の方針なので誰も逆らえません。

後に中国は次の3つのせいで大飢饉に陥ります。

➀鉄を作るために鉄が無くなる

②中国全土から木が無くなる

③労働意欲の低下

一つずつ説明します。

➀鉄を作るために鉄が無くなる

良質な鉄を作るには高度な技術が必要です。

筆者
しかし所詮は手作りの土高炉(どこうろ)、質の良い鉄ができるわけがありません。

しかし役人からは、

毛沢東様が計画された通りの生産量を納めろ‼

とノルマばかり押し付けられ、中国全土で人民は身の回りの日用品(やかん/バケツ/鍋など)や農機具(スキやクワ)まで熔かして鉄を作り続けました。

農業のためのスキやクワまで熔かして、後に「農産物の生産量をあげろ」と言われたらどうなると思いますか?

つまり良質な鉄製品を溶かして、使い道のない質の低いクズ鉄を大量生産したのです。

②中国全土から木が無くなる

鉄の融点は1538℃

当然、熔鉱炉内を高温に保つためには大量の薪が必要です。

その薪はどこから持ってくるんですか?

そうです。

中国全土で木が切り倒され、はげ山だらけになりました。

すると、よくあるお話ですよね。

木を切り倒す → はげ山になる → 洪水が頻発する → 農業に大ダメージ

という桶屋方式で、農業生産にも大ダメージを与えました。

ちょうどこの頃、農村では「人民公社」という組織が農民を管理し始めました。

農民にとっては「あっちで農産物を育てながらこっちで鉄を作り続ける」という超スパルタ時代が訪れたのです。

ほら、Dr.STONEでも同じような話がありましたよね( ゚д゚)

「くくく、そそるぜ〜!」とか言いながら手作りで鉄を作るために交代しながら一晩中酸素(空気)を窯に送り続けて疲労困憊した千空ちゃんたちの話が。

③労働意欲の低下

社会主義の大きな欠陥がここで浮き彫りになりました。

「農産物を作りながら鉄も作り続ける」という超重労働の中で、隣のあいつは休んでるし、その隣のあいつは全く仕事をしていない。

でも一律で全員給料が一緒。

こんな環境でやる気出ますか?

はい、当然ながらサボっても一生懸命仕事してももらえる給料が一緒なら誰も一生懸命やりません。

自分の利益になると思って初めて力が湧くんですね、人間は。

嘘の報告が相次ぐ

さて、中国全土で行われたこの大躍進政策の成果を毛沢東はどうやって知るのでしょうか?

実際に農村を周って自分の目で見て鉄に触れて?

そんなわけ無いですよね。あんなに広い中国で。

ってことは・・・?

そう、人民公社からの報告が大躍進政策の成果を知る唯一の方法だったんです。

当然「毛沢東様の計画のおかげでこんなに農産物が穫れて鉄も生産できました」と言えば「よしよし」と昇進できるわけです↓

結果、中国全土で嘘の報告が相次ぎました。

これらの嘘の報告により毛沢東は

毛沢東

よーし大躍進政策は大成功だー。

次はもっと高い目標を設定しよう

と、更に厳しいノルマを課し、その後中国全土で大飢饉が起きました。

大飢饉で4000万人の餓死者が出る

その他にも毛沢東は「密植」や「農地深耕」「スズメ退治」など農業初心者丸出しの超おバカ政策をどんどん展開し、中国全土での餓死者は4000万人とも言われていますが、「もっといただろう」という専門家もいるようです。

数だけで言えば「歴史上最悪の大飢饉」とも言えます。

たとえば、その超おバカ政策の一つが四害駆除運動です。

四害駆除運動とは

四害駆除運動とは、毛沢東が1958年から1962年にかけて推進した衛生運動の一環で、

  • マラリアの原因となる蚊
  • ペストを蔓延させるネズミ
  • 空気中に蔓延するハエ
  • 伝染病を媒介し穀物の種子や果実を食害するスズメ

以上4種の害獣を駆除することを目的としていました。

特にスズメが最大の標的にされ、当時の中国では絶滅寸前にまで追い込まれました。

市民は鍋・フライパン・バケツ・洗面器といった音の鳴る物を叩いて、スズメが木の枝で休む隙を与えず、空から死んで落ちるようにした[1][4]。

スズメの巣も破壊され、卵は割られ、雛が殺された。

これらの戦術に加えて、市民はまた、飛んでいる鳥の射殺も実施した[5][6]。

(出典:四害駆除運動


スズメにとってはホラー以外の何者でもない…

そうしてスズメの個体数が激減すると、桶屋方式で大飢饉に発展したのです。

  1. スズメほぼ絶滅
  2. 生態バランスが崩れる
  3. 害虫が大量発生
  4. でもスズメはいない
  5. 穀物が喰い荒らされる
  6. 収穫量激減
  7. でも毛沢東は農作物を納めろと命令をする
  8. 自分たちの食料を削ってまで上納する
  9. 結果、餓死者が大発生

「いやいやいや(笑)餓死する前に自分らで食べろやʅ(◞‿◟)ʃッタク」

と思ったかもしれませんが、そんなに甘くはありません。

  1. まず、毛沢東の報復が怖過ぎて自分たちの食事を優先できない。
  2. そして、毛沢東は建国の父で彼のやることは結果的に全て上手くいくと信じていた人も多かった。
  3. そもそも、共産主義は「とりあえず全部集めてからみんなに等しく配分する」という考えだったから

けさわひがし政権下がどれほど恐ろしかったか、想像に難くありませんよね。

結果、生態バランスが崩れ天敵のいなくなった害虫が大繁殖し農作物を荒らすことに気づいたけさわは、

1960年代後半から1970年代初頭にかけて、スズメを含む野鳥を再び尊重し、保護する必要性を強調しました。

しかし時すでに遅し。

数千万人という信じられない規模の国民が犠牲になったのでした。

毛沢東は国民の窮状をずっと知らなかったのか?

そして一番気になるのはこれでは無いでしょうか。

人民公社が嘘の報告をあげていたのは事実ですが、果たして毛沢東は「大飢饉」を本当に知らなかったのでしょうか?

数千万人単位の人間が犠牲になればさすがに何か行動するだろう、そう思いますか?

筆者
大躍進政策前の1957年5月17日の党大会で毛沢東はこう言っています。

世界大戦だといって大騒ぎすることはない。

せいぜい人が死ぬだけだ。

人口の半分が死滅する程度のことは中国の歴史では何度も起こっている。

と。


一応おまけとして言っておくと、大躍進政策が始まった1958年と翌年の1959年の2年間、穀物だけでも700万トンもの量が中国から世界に輸出されていました国内では大量の餓死者が出ていたのに

なぜなら毛沢東は、

毛沢東

私が計画して指導した大躍進政策は大成功だよん。

穫れた農産物は国民全体が満足するくらい分配しても、まだまだ残っちゃうから余った分は世界に輸出しまーす♡

という、ソ連のスターリンと同じように事実を嘘で塗り固めて「農業の集団化」と「五ヵ年計画」を大絶賛して世界に宣伝しました。

※あ、五ヵ年計画(ごかねんけいかく)というのは「五年ごとに達成すべき目標を設定し、その通りに経済を進めよう」って感じの政策です。

それを信じ、同じように五ヵ年計画と農業の集団化を行った国がいくつもあり、現在では世界中の様々な国がソ連や中国の真似をして大飢饉に陥っていま(した)。

おわりに

1958年~1962年までで、4000万人前後の餓死者を出した毛沢東の『大躍進政策』は①中国の重工業化②大量の農産物確保を目指していましたが、結果的には「質の悪い鉄の大量生産」と「中国全土での大飢饉」を招いてしまいました。

しかし中国では未だに毛沢東を「建国の父」とか「頼れる指導者」として崇拝しています。

それはやはり

建国の父『毛沢東』様の時代にとてつもない天災によって大勢が亡くなった

とする中国の教育に原因があるのかもしれません。

ここまでお読み頂いてありがとうございました。

もう一つのポンコツ政策、文化大革命の詳細はこちら↓(別タブで開きます)

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