アフリカ史上最悪の虐殺!「フツ族」と「ツチ族」の争いとは? in ルワンダ

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ルワンダ国内の様子

本記事では「アフリカ史上最悪の虐殺」と呼ばれるフツ族とツチ族の争いについて紹介しています。


ルワンダ国内の様子

図解多めでなるべく面白くわかりやすくまとめようと心がけました( ˘ω˘ )
※一応詳しく知りたい方もいると思うので、ある程度小難しい話も混ざっています。

途中で「やっぱ無理(・ω・)ノ」と思った方は遠慮せず別記事にでもワープしてってください(笑)

では早速始めます!

ルワンダの大虐殺


ルワンダ国内の様子

そもそもの話ですが、ルワンダは中東アフリカにある国です↓

めちゃくちゃ小さい国です↓

「ツチ族」とか「フツ族」って何となく耳にしたことがあると思います。

ルワンダでは1994年にこのフツ族とツチ族が争い、フツ族がツチ族を100万人近く虐殺したのです(=ルワンダ内戦

筆者
フツ族とツチ族、どっちが虐殺されたんやっけ?

と筆者はいつもわからなくなるので、ツの位置で覚えましょう↓

フツ⇒ツチ

フツ族がツチ族を、です。

ルワンダの歴史

ルワンダの歴史を超ざっくり説明しますが、無理なら遠慮せず途中で離脱してください(笑)

もともとルワンダには農耕民族のフツ族が暮らしていました↓

が、15世紀頃に北方から牛牧民のツチ族が移住して先住民のフツ族を支配してルワンダ王国を作りました。

元々その地に住んでいた民族(フツ族)が、後から移住してきた民族(ツチ族)に支配されたのです。

これも「フツ⇒ツチ」の順番ですね、元々フツ族がいる土地に後からツチ族がやって来たのです(;´Д`)

人口的には15%のツチ族が85%のフツ族を(平和的に共存しながらも)支配してきたのです!!

そしてツチ族がフツ族を支配するのが当たり前になり、反乱なども減り、またフツ族とツチ族同士も結婚したりと、従属関係に慣れてしまった両民族はある程度上手くやっていました。

時は経ち、第一次世界大戦後にルワンダはベルギーの委任統治領となり、ルワンダを統治する側のベルギーはどうすれば上手くルワンダを統治できるかを考えました。

ベルギー名物「小便小僧」
ルワンダを上手に統治したい。
一体どうすれば・・・?

当時としては既に平和に共存していたツチ族とフツ族、そこにベルギーという「新たな支配者」が現れたら敵の敵は味方理論で両者が結託して大規模な反乱が起きるのは目に見えています。
※歴史は繰り返しますからね。

フツ族とツチ族が力を合わせて、

ベルギーふざけんなあぁぁぁ!!!!

となります。

コワいコワい、恐ろし過ぎます。

そこで、ベルギーはある名案を思い付きました。

ん?

ツチ族とフツ族を再び人種的に区別して、少数派のツチ族を優遇したら「フツ族VSツチ族」になるから、属国として統治しやすいんじゃね!?

※これはよくある話ですが、一国に民族を多数作って対立させれば、片方が独立しようとしてももう片方がそれに反発していつまでも一つの国家として独立できないという状態になるのです。

支配側としては内乱が起きても放っておけばいいので楽、とにかく「植民地状態だからみんなで力を合わせて独立を勝ち取ろーぜ」という流れを最も嫌う。

一国に民族が一つだけで対立が無いなら、

「もう支配されるのはうんざりだ!我々のための国を作ろう

と独立運動に発展する可能性が高いので、ベルギーは人種&宗教&言語も同じツチ族とフツ族を外見の微妙な違いだけで区別したのです。

ベルギーは「ハム仮説」というイデオロギー(※)に従って少数派のツチ族を優遇し、人種が記されたIDカードを発行し、小学生にまで人種差別の思想を植え付けてフツ族を支配させました。

※ハム仮説とは、ヨーロッパ人によって開発された人種分割のモデルであり、植民地主義と奴隷制を支援するために、アフリカ東部・北部の人々に対してかつて使用されていました。

ユダヤ教の聖書に出てくるノア(←洪水から生き延びた人)の子孫であるハムの子孫をハム人種と呼び、要するにハム人種を高等民族、それ以外を下等民族として差別したのです。

ハム仮説はアフリカ人の奴隷化を正当化するために使用されていましたが、ハム仮説に科学的な信用・根拠は全くありません。

(参考資料:ハム仮説

と言うかそもそも、ノアの箱舟のお話は「箱舟に乗っていない生物は皆洪水にのまれて死に絶えた」というのが大前提なので、それを言うなら人類は全てハム人種ということになります。


フツ族はツチ族から激しい差別に遭っていた

ルワンダ国内では、ベルギーが期待した通りにツチ族とフツ族が再び憎しみ合ったので、「力を合わせてベルギーを追い出そう」的な動きは全く起きませんでした。

しかし第二次世界大戦後にはベルギーとツチ族の関係も徐々に悪化していったので、ベルギーとしても

なんか最近ツチ族も調子乗っちゃってきてるよね~
あいつらも何とかしないとだいぶダルくなってきたわ~

となってきたのです。

そんななか、1959年に当時のツチ族国王(支配する側)が急死したのをきっかけにフツ族(支配されている側)が反乱を起こしてツチ族政権を倒し(実はベルギーもフツ族を支援していた)、王政を廃止して共和国を作りました。

今まで偉そうにしていた少数派のツチ族は隣国のウガンダに逃げて武装組織(RPF)を結成したり、ルワンダに残った者は大人しくフツ族の言いなりになったりしていました。

フツ族「よくも今まで支配してきてくれたなあぁぁ、おぉぉぉ?少数民族のくせによおぉ」

ツチ族「ずびばせえぇぇぇん(´;ω;`)(いつか再びフツ族をぶっ潰して王制を復活させてやるうぅ)

ルワンダを平和的に立て直していこうと思っていたフツ族でしたが、その後もツチ族が王政復活を狙ってテロを起こしたのでなかなかルワンダの政情は安定しませんでした。

そんな状態が30年以上続いていたルワンダで、あるとんでもない事件が起きてしまいます・・・。

フツ族の大統領専用機がミサイルで撃墜される

1994年4月6日、フツ族の大統領が乗る大統領専用機が何者かの地対空ミサイル攻撃を受けて撃墜し、大統領が爆死しました。

これを受けて事態は急展開します!!

フツ族はこれをツチ族(RPF)の仕業と断定しラジオで連日「ツチ族を殺すか、自分が殺されるかだ」「年齢、性別にかかわらずツチ人を皆殺しにしろ」と放送し、ここからフツ族のツチ族大虐殺が始まりました。


フツ族の大行進

自分たちの大統領を殺されて復讐に燃えるフツ族が、斧やナタを用いて約3カ月で100万人を超えるツチ族を虐殺したのです。

当時のツチ族の7~8割が虐殺されたというデータもあるほどです。

RPFが全土を完全制圧し戦争終結

Embed from Getty Images

100万人のツチ族の死者を出したルワンダ内戦でしたが、結局隣国ウガンダに亡命していたRPF(ルワンダ愛国戦線)がウガンダ政府の支援を受けてカムバックし、近代的な武装でフツ族を制圧して戦争が終結しました。


原始的な武器で戦うフツ族

近代兵器(ツチ族) VS 斧やナタ(フツ族)

勝負になりませんでした。

それに伴い、逆にフツ族が隣国コンゴ民主共和国に逃亡し、フツ族政権復活の再起を図ります↓

悲しみの連鎖、憎しみの連鎖を断ち切らなければなりませんが、

現在のルワンダ

現在ルワンダは、RPFでルワンダ内戦をツチ族の勝利に導いたポール・カガメ大統領が就任し、2000年、2003年、2010年、2017年と立て続けに大統領選挙で当選し、その支持率は90%を超えているらしいです。

Wikipediaさんによると歴代大統領はこんな感じです↓


(出典:ルワンダの大統領一覧

現在は2034年まで大統領に選出されるように憲法を改正し、典型的な独裁政権を強いています。

過去の独裁者「ヒトラー」や「スターリン」と違う点は、カガメ大統領は開発独裁という独裁体制をとっていることです↓

※開発独裁

「貧困から脱却するためには工業化が必要である!!!
内戦したり数年ごとに大統領が変わるようでは工業化は一生実現しない!
なので私が独裁者として君臨しこの国を成功に導いてみせる!!!」

という感じの、(少なくとも外見上は)なんか上手くいきそうな予感の独裁体制を開発独裁と呼ぶ。

過去の開発独裁の例


カガメ大統領

最後に、過去に開発独裁を行った権力者がどうなったのかをみてみましょう↓

  1. 開発による国民生活の向上を訴える
  2. 圧倒的な民衆の支持を得る
  3. 開発政策は一部の親族企業や外国資本と癒着する
  4. 大部分の国民には利益は還元されない
  5. 逆に生活環境の悪化をもたらす

韓国の李承晩、フィリピンのマルコス、インドネシアのスハルト、イランのパフレヴィー政権などがその典型例とされています。

筆者
カガメ大統領率いるルワンダ・・・ほんとに大丈夫か?

おわりに

今回はルワンダでの「フツ族」と「ツチ族」の内戦に注目しました。

1994年と言ったらまだ約30年前の話であり、そこらの大人にとっては歴史というよりは思い出くらいのイメージだと思います。

将来ルワンダに行かれる方はくれぐれもお気をつけください(←筆者かな

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