3度目のヨーロッパ、2度目の独り旅(2016年)の思い出を振り返る。
今回はチェコのチェスキークルムロフ地区での滞在をサクッと要約し、印象的な出来事をシェアしようと思う。
筆者が初めてヨーロッパを独りで旅したのは2014年の初旬。あの時の驚きや発見は今でも鮮明に覚えている。
今回の旅では、ヨーロッパの面白さや基礎知識に絞ってお届けする。無駄な話は極力省いて、ガイドブックには載っていないこと、実際に見たものや感じたことに焦点を当てる。
前回の記事はこちら。
3度目のヨーロッパ、2度目の独り旅(2016年)の思い出を振り返る。今回はドイツのハノーファーでの滞在をサクッと要約し、印象的な出来事をシェアしようと思う。筆者が初めてヨーロッパを独りで旅したのは2014年の初旬。あの時の驚[…]
チェスキークルムロフ滞在記
さて、ハノーファーを出発し、チェコのチェスキークルムロフ地区へ向かう。
……が、ここで驚愕の事実が発覚する。
今になってルートを確認したところ、始発で出ても最速で8時間かかるという。
あの頃の自分は一体どんな行程を組んでいたのだろうか。時間の感覚が壊れていたとしか思えない。遠足のしおりでも作っていたのだろうか。
まさに壊れたタイムトラベラーであった。
それでも行く。なぜならここは「世界一美しい町」とまで称される、静寂と景観が融合した町であるからだ。
この8時間の移動は、いわば美の前借りである。
耐えるしかない。己の過去の無計画さを呪いつつ。
チェコ語が難し過ぎる(笑)
以下、チェコ語に注目せよ↓↓
毎度のことながら、チェコ語はまったく分からぬ。
――だがしかし。
スロヴェニア語を血のにじむ思いで勉強した今のわたしにとって、チェコ語は「なんとなく読めるし、なんとなく意味が分かる」という、いわば「なんとなくの境地」に達している。
なにせ両者ともスラブ語派。チェコ語の「こんにちは」はドブリーデン、スロヴェニア語ではドーベルダン。
「ドブリー(Dobry)」も「ドーベル(Dober)」も“Good”。
「デン(den)」も「ダン(dan)」も“Day”。
なるほど、なるほど……と一人でうなずいているうちは楽しいが、話すのは無理である!(きっぱり)
とはいえ、発音や語感にある程度の共通点はある。
今からチェコ語を始めたら、「わかる風な人」には3週間でなれる気がする。
ただし「通じる人」になるには多分、7年くらいかかる。
……でもちょっとやってみようかな。
割といけそうな気がしてきたぞ(笑)
世界一美しい~♪・・・ま、ち?
ということで、ガラガラの車内でぐーたらしてたら、いつの間にか世界一美しい町の玄関口・チェスキークルムロフ駅に到着していた。ワクワク
2年前にも来ているので、駅からホステルまでのルートは完璧に記憶済み。
周りの観光客が「えー?市内ってどっち行けばいいの〜?」「これバス?歩き?え、坂?」とかザワザワしている中、筆者は「これが経験値の差やで」と言わんばかりに、ノールックで坂を下り始めたのであった。
(旅の終盤、これがけっこうメンタルにくる)
「……世界一美しい町を、独り占めしてる?」
そんな錯覚すら覚えるほど、その日は人が少なかった。
電車を降りた直後は観光客も何人かいたのだが、坂を下って町に着いた頃にはまさかの「ほぼ貸切状態」。
いやほんまに、ここまで人気ないことある?ってくらいの閑散っぷり。
(思わず「みんな大丈夫?ちゃんと観光してる?」って声かけたくなった)
そして今回もお世話になるのは、例のホステル『Hostel Havana』。
「いやほんでさ、なぜにハヴァナ?ハヴァナって、キューバの首都ですよ。共産主義の国ですよ。チェコと何かしらの縁があるんかと思ったけど……ないよな?(真顔)
完全にノリでつけたやろ。」
で、2年前に泊まったときはまぁまぁ清潔で「ええやん」って思ってたいたが、今回はなぜか同室に汚し屋たちが4~5人集結しており、トイレもシャワーもなんかもう……文化祭が終わった直後みたいな状態。
さすがにちょっとテンション下がったわ……(美しい町の魔法、早くも半減)
チェコの物価は神
2年前に訪れたときは、一月下旬で雪に覆われたチェスキークルムロフだったが、今回は緑が広がってるのがなんだか不思議な感じ。
(2年前の雪に覆われたチェスキークルムロフ)
でも、正直言うと…雪の方がよかったかも。
雪景色の中、白く静かな町並みを歩くのがあの町の魅力だったなーっと、今思い返すとちょっと名残惜しい。
さて、そんな中、今回の貧乏バッパー(バックパッカー)の頼みの綱はやっぱりCOOP!
日本にもあるあのコープ(スーパー)だが、チェコではめちゃくちゃ便利でお財布にも優しい。
チェコの物価、びっくりするぐらい安い。
ほんま、もはや「何これ?」って言いたくなるレベルで財布に優しい。
以下、当時のメモがこちら。
キッチン見つけた❤️チェコの物価は神
・お水4L
・ライス480g
・スパゲッティ1kg
・ソーセージ1kg
・パン1kg
・マカロニ500g
・きしめんみたいな麺500g
・その他(塩、ケチャップ、ステーキ用調味料など)
合わせて1650円くらい(((o(*゚▽゚*)o)))
素晴らしい…これであと5食は贅沢できる
April 11, 2016 · Cesky Krumlov, Czech Republic
みなさーん、チェコの物価は神ですよー(^ω^)
1650円、スイスならビール1本とパン2つを買ったら、それで終了っすわ…。
しかし、チェコではその金額で何食分も買えるというマジック!
これはもう物価のパラダイスである。
さて、スーパーのお肉コーナーの前に立ったもののソーセージの注文方法がわからなかった筆者。
とりあえずソーセージを指差しながら叫んでみた。
すると店員さんに呆れられながらも、無事にソーセージをキロ単位でゲット。
ソーセージの種類も白いソーセージ、黒いソーセージ、普通の茶色いソーセージと5種類くらいあり値段もバラバラだったので、無難に茶色いソーセージを選んだ。
この日の買い物で、五食分の贅沢ができた感じだ。
どんだけお得なんだよ、チェコ…。
世界一美しい町
そして、チェスキークルムロフの町をぶらぶら徘徊していると、なんとも言えない美しい景色に包まれる。
基本的には、チェスキークルムロフ城がこの町の一番の見どころで、町全体がその壮大な城を中心に広がっている。
しかも、その城を取り囲むように流れているのが、ヴルタヴァ川!
川が町をぐるっと囲んでいて、まるで絵画の中に入り込んだかのような美しい風景が広がっています。川沿いを歩くだけでも、ただただ感動。
そして、ちょっと立ち止まって景色を楽しんでいると、「ここが世界一美しい町というのは間違いないな…」と心の中で思わず納得してしまう。
町の静けさと、川の流れる音が心地よく、時間がゆっくりと流れている感じがする。
ほんまにここに住みたくなるような、落ち着いた町の魅力が溢れている。
チェスキークルムロフ地区の石畳は、まさに町の魅力の一つ。
石畳を歩くと、どこか懐かしい気分になり、なんだかタイムスリップしたような感覚が味わえる。
しかも、チェコの他の街でも石畳はよく見かけるが、チェスキークルムロフのそれは特に美しい!
さらに、町を歩いていると、ユーモアたっぷりの椅子たちが迎えてくれる。
なんとも言えないデザインが、思わず笑顔にさせてくれるんのだ。
これ、2年前にもあった。
チェスキークルムロフ城のてっぺんまで上るのは有料だが、お城の中腹くらいまでは自分で歩きさえすればタダで行ける。
その無料で上れる場所ですら、以下のような景色を見ることができるのだ。
絶対に心を奪われること間違いなしの美しい景色が広がっている。
歴史ある街並みと緑豊かな自然が織り交ざった風景、そこに流れるヴルタヴァ川がさらに絵画のような美しさを引き立てている。
「ザーメッカー庭園」は、まさに行って良かったと心から思える場所だった。
初訪問ながら、その圧倒的な美しさと開放感にびっくり。
庭園全体がまるで絵画の中に迷い込んだような空間で、歩くだけで自然と深呼吸したくなる。
植物や花の手入れが行き届いていて、どこを切り取っても画になる。観光地の喧騒から離れて、心のデトックスにも最適だ。
ストレスなんて一瞬で吹き飛ぶし、「来て良かったな」って何度も思わせてくれる場所。
万引き犯への報復
※万引きは犯罪です
チェスキークルムロフの土産物屋で、筆者は小ぶりなリュックを探していた。
そのときだった——事件が起きたのは。
目の前で、万引き犯を発見。
以下、その時のメモである。
俺の目の前でおっさんがベルト万引きした。
店主がブチ切れて追っかけて捕まえて、チェコ語叫びながら奪い返したベルトで万引き犯叩きのめしてた。
…怖い…ツライ…天気も悪い…
それから少しブラついてたら、白人幼女が「ドブリーデーンー」って笑顔で声かけてくれた。
生き返りました!復活ヾ(≧▽≦)ノ
#可愛い
#癒された
#世界一美しい町
April 12, 2016 · Cesky Krumlov, Czech Republic
気性の荒いおじさん店主が、奪い返したベルトで犯人をシバき倒す、筆者の目の前で。
(※繰り返しますが、万引きは立派な犯罪です)
その緊張感MAXの空気の中、さっきまでの修羅場を経たおじさんがニッコニコの笑顔で帰ってきて、
「コレとかいいよ!40L!丈夫!君にぴったり!」と
おすすめしてきたリュック……怖い。買いました。結局。
いや、買わざるを得んやろこの流れ!!
命と引き換えに買ったザック、それがこの旅の新たなサブバッグである。
寝ている熊さん
チェスキークルムロフ城のお堀には、今も昔も「熊」が飼育されている。
そう、城の堀で熊を飼うという中世的な文化が今もなお続いているのだ。
2年前の訪問は1月下旬だったため、熊は冬眠中。影も形も見えなかった。
だが今回は違う。寝てるけどちゃんと「居た」のである。
何熊なのかは不明。ただ、丸まって寝ている姿はやっぱり可愛い。
監禁飼育って聞くと少し物悲しいが、ここは歴史ある城、伝統として続いている面もある。
なお、筆者はとある本を読んでから熊に大きな恐怖心を抱いている。
筆者はこの事件に関する本を読んだことがあるが、もうその描写が恐ろしくてクマ怖し!!!と思い知らされた覚えがある。
興味ある方は「羆嵐」を参考に。
クマの生態を見事に描いている、まさに名作である。
筆者はこの本を読んでからクマ恐怖症になり、アラスカのフェアバンクスからカナダのナイアガラの滝までのレンタカー&テント泊ツアーという壮大な企画を――中止したほどだ(笑)
何と言っても北米はクマ大国である。
ブラックベア、グリズリー、場合によってはホッキョクグマすら現れる。
ただの「自然を楽しむロードトリップ」だと思っていたら命に関わる。
もちろん、正しく準備すればリスクは減らせる。
だが「正しく準備した上で遭遇してしまった場合」にどうするか。
そこを想像してしまって怖くなったのである。
ということで、今回のチェスキークルムロフで寝ていた熊も、筆者にとっては立派なトラウマの再来なのだった。
チェコのお土産はマリオネット
チェコと言えばやはりマリオネット。
そう、操り人形劇である。
これは単なる観光用のパフォーマンスではなく、チェコのれっきとした伝統文化のひとつであり、代々職人の手によって受け継がれてきた。
街中の土産屋や劇場前では、大小様々なマリオネットが吊るされているのを目にする。
特に有名なのが、ピノキオのマリオネット。
ピノキオちゃん あーそーぼー♬
ピノキオちゃん あーそーぼー♬
「はあ~~~~い…」
うわあああああああああ!!!(←なぜかホラー展開)
冗談はさておき、ひとしきり町を歩きまわったところで、一旦宿に戻ることにする。
外を歩いてると気付かぬうちにけっこうな体力を使っているものだ。
次に備えて少し休息を取らなければ…。
ヨーロッパの中料理屋はなぜあんなに美味しいのだ?
白人幼女の「ドブリーデン!」を思い出し、思わず頬が緩む。
あの一言には何か魔力があった。チェコ語を話せなくとも、心が通じたような、そんな不思議な安心感があった。
そのハッピーな余韻をそのままに、今夜の晩ご飯は中華料理に決定(←文脈ゼロ)
そしてここで再び、筆者の学説が提唱される。
ヨーロッパの中華料理は日本のより美味しい説
これは経験的に何度も感じてきたことだ。
たとえば、あの「油の香ばしさ」、野菜のシャキッと感、謎のスパイスの効いた旨味…。
一説には、日々パンやハム、チーズばかりの食生活を送っている旅人の舌が「アジアの味」に飢えているから、という説もある。
しかし、それだけでは説明できない。
明らかに「美味い」のである。
日本の町中華にはない、「なぜかガツンと来る感動」がそこにはある。
チェスキークルムロフは冬の方がおすすめ
※あくまで筆者の個人的な意見である。
正直に言えば――
冬、そして雪が残っている時期のチェスキークルムロフの方が、圧倒的に美しいと感じた。
(2014年1月24日)
もちろん、緑に包まれた春や夏のチェスキークルムロフも良い。
晴れた日の光に映えるカラフルな建物や、木々の息吹を感じながら歩く旧市街の石畳もそれなりに風情がある。
だが――筆者は雪が好きなのである。
静寂の中にしんしんと積もる雪、石畳に反射する白い光、凍てついた空気の中でしか味わえない、張り詰めた美しさ。
まるでおとぎ話の世界に迷い込んだような、そんな錯覚すら覚える冬のこの町は、筆者の中で「世界一美しい町」の称号にもっともふさわしい姿だったと思っている。
ヤベッ!飽きてきた~(‘Д’)
さーて、正直ちょっと飽きてきたぞー(笑)
なんせこのチェスキークルムロフ、町の規模が非常に小さい。
本気を出せば2~3時間あれば全体を歩いて回れてしまう程度である。
そんな町に2日も3日も滞在してしまえば、飽きが来るのも無理はない。
2年前に初めて来た時は「なんて美しい町だ、一生住める!」などと感動していたが、所詮は観光者。
言葉も通じない、暮らすわけでもない、移動手段も徒歩のみとなれば、やることも次第に限られてくる。
……ということで、次の目的地「ハルシュタット」に向かうことにした。
インフォメーションセンターで翌日の列車のスケジュールを確認したところ、なんと――
その日にハルシュタットまで到着できる列車は2本しかないとのこと。
筆者の選択肢はただひとつ。
「スーパー早起きするか、とても早起きするかのどちらか」
……要は、寝坊は許されないということだ。
数日前に購入した帽子を早くも失くす
全荷物を背負い、ホステル ハヴァナを後にした。
グッバイ、ホステル ハヴァナ。
グッバイ、チェスキークルムロフ城。
グッバイ、世界一美しい町。
グッバイ、チェコ共和国。
・・・と感傷的に旅立ちの詩でも詠もうとしていたその時、事件は起きた。
チェスキークルムロフ鉄道駅到着!
……そう、数日前にドイツ・ケルンの正規店で購入したばかりの帽子。
ブランドはヴィクトリノックス――
あのスイスの老舗、アーミーナイフでお馴染みのあのブランドである。
(出典:楽天市場)
旅人の持ち物の中でも、特に「旅の戦闘服」として重要な帽子。
それがない。
頭を巡るいくつかの可能性――
記憶をたどると、あの長く急な坂道と階段を下りきったあたりの石橋の上で何か違和感があった気がする。
落としたのは、きっとそこだ。
取りに帰るか、帰らないか――
今ならまだ間に合う。しかし、もう汗だく。
駅までの距離もある。列車の時間も刻一刻と迫る。
選択のときは、今。
オーストリアのハルシュタットへ
気が付くと、帽子はそこには無かった。
そして筆者は見ず知らずの駅のホームに立ち尽くしていた。
グッバイ、ヴィクトリノックス。
オマエとはもう少し長く旅したかったぜ……
いろんな国の空の下、汗と雨と埃にまみれていくはずだったのにな。
だが人生は常に、「手放すこと」と「出会うこと」の連続である。
(出典:進撃の巨人 21巻)
でも…わかっているだろ?
誰にだっていつかは
分かれる日が来るって
とてもじゃないけど受け入れられないよ
正気を保つことさえままならない…
辛い…辛いよ…わかってる
…それでも
前に進まなきゃいけない…(出典:進撃の巨人 21巻)
そしてその出会いは、次なる目的地――オーストリア・ハルシュタットで訪れる。
そこで出会ったのがNinaという一人の女性。
嵐の夜、予想外の展開、途切れた電車、濡れたバックパック、そして運命のイタズラ。
我々は、数々の苦難を乗り越えながら、
ついにはあるホテルの一室で一夜を共にすることとなる。
さあ、旅は続く。
帽子は失っても、何かが始まる予感がしていた。
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