ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回は古代エジプト建築について説明します。
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※明言しますが、西洋建築の勉強をしてからヨーロッパに行けば無学で行くより100倍楽しめます。
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本記事は「ピラミッドの歴史と形の移り変わり」を解説しています。
ピラミッドの歴史と形の移り変わり
この章の特に重要な点を挙げると以下の2点になります↓
➀ピラミッドは形が変わっていった
②世界最初の石造の柱頭
それぞれ解説します。
➀ピラミッドは形が変わっていった
あまり知られていませんが、古王朝時代を象徴するピラミッドは大きく3種類存在します。
➀階段状の形態から始まり、続いて➁屈折ピラミッドと呼ばれる稜線が中途で折れ曲がる形を経て、③四角錘のものへと展開しました↓
と、わかりやすく並べたのですが、
「いや、そんなんええねん!単独ででっかい写真見せろや」
っていう口の悪い人のために下に3枚とも写真載せますね↓
» ピラミッド3種類
➀階段状ピラミッド↓
➁屈折ピラミッド↓
③四角錘ピラミッド↓
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この時代、国王と神は同格とみなされ、霊魂の不滅と来世の確信という宗教にもとづき、ピラミッドを築き死体をミイラとして残し、副葬品を伴わせ、そこで、ピラミッドは通常様々な施設とともに一つの複合体を形成していました。
こんな記事「 ピラミッドはなぜ4 角錐になっているの」も見つけたので興味あればご覧ください!
マスタバと階段状ピラミッド
サッカラの階段状ピラミッド複合体は、第三王朝(紀元前2620-前2600)の遺構で、墓廟建築としてはもともとマスタバがありました↓
マスタバ
腰掛けを意味するアラビア語で、マスタバとは平面が矩形(くけい)で壁面が上方に向かい内側に傾斜した台状の構築物のこと。
いわゆるこんなん↓
階段状ピラミッドは、いわばこのマスタバを拡張とともに積み重ねていったとみられ、マスタバからピラミッドへの移行過程が示されています↓
規模は底面で約121m×109m、高さが約60mです。
この複合体は、階段状ピラミッドに葬祭神殿(北側)や王のパヴィリオンや神殿群、2つの宮殿(東側)などが設けられています。
この複合体に使われている柱にはパピルスの花の形をした柱頭が用いられておりますので、次の項目で解説します。
ギザの三大ピラミッド
ピラミッドで著名な実例は、ナイル川の河口付近、下エジプトのギザにある第四王朝(紀元前2545~前2450年頃)の3つのピラミッドです↓
クフ王の第一ピラミッドは最大規模のピラミッドで、カフラー王の第二ピラミッド、メンカウワー王の第三ピラミッドを合わせて、ピラミッドが形式として完成されます。
クフのピラミッド:底辺230.364m、高さ137.18m
カフラーのピラミッド:底辺215.8m、高さ143.5m
メンカウワーのピラミッド:底辺約108.5m、高さ約66.5m
クフのピラミッドは各辺が正しく東西南北を向き、また各辺の長さがほぼ等しく、工事の精確さが示されています。
さらにピラミッドは東側に葬祭神殿をもち、そこからナイル川まで長い廊下が設けられ、その先に河岸神殿(流域神殿)が建てられていました。
この構成を最もよく残すのはカフラーのピラミッド複合体で、材料は、内部は石灰岩で表面の仕上げは白色石灰岩を張っています。
この白色石灰岩は上部から張られていったので、
「ピラミッドは上から作られた」
と言われ、この後これほど大規模なピラミッドが構築されることはありませんでした。
ギザのピラミッドの近くにあるスフィンクス像は、
「神の化身ファラオ」の顔と「百獣の王ライオン」の体をもつ王の守護神として造られました。
②世界最初の石造の柱頭
また先ほど出てきたサッカラの階段状ピラミッドの複合体に使われている柱には、パピルスの花の形をした世界で最初の石像の柱頭が用いられており、これはのちのギリシア古典建築を想起させます。
うおぉぉぉぉ
めっちゃ実物見てえぇぇぇぇぇ
柱頭(キャピタル)
柱頭とは、柱の頂部に載せられる装飾のこと。
以下、ギリシャ建築編より↓
ギリシャ建築の「コリント式」の柱頭はアカンサスという多年草の葉をモチーフにしているのですが、これもパピルスの柱頭を真似しているととれますね。
このピラミッド複合体は最古の建築家イムホテップによるものです。
では次に、ギリシャ建築に影響を与えた古代エジプトの建築物についてお話したいと思います。
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