【新約聖書④】なぜ「山上の説教」は人の心を一瞬でとらえたのか

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さて、本記事ではユダヤ人の聖書(=物語)である「旧約聖書」の続き、新約聖書についてなるべくわかりやすく解説してみました。

新約聖書は旧約聖書の続編として書かれているので、先に旧約聖書の内容をチラ見したい方はこちらからご覧ください↓

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参考書は【眠れないほどおもしろい「聖書」の謎】【常識として知っておきたい世界の三大宗教】です。

では始めます(”◇”)ゞ

本記事に用いるイメージはほぼ全て画像生成AIで作成したものです。
新約聖書編では趣向を変えて漫画風のイラストで進めていこうと思います。

どうぞお楽しみください!

なぜ「山上の説教」は人の心を一瞬でとらえたのか

前回の記事ではイエスに洗礼を授けるヨハネとそのヨハネの悲劇的な死についてご紹介しました。

さて、四十日間の断食修行を行い悪魔の誘惑に打ち勝ったイエスは、ガリラヤ地方を中心に宣教活動を行うようになりました。

そこで起こした➀奇跡➁説教の評判は日に日に高まっていました。

イエスが起こした奇跡として有名なものに、母マリアや弟子たちとともに招かれた結婚式の宴で、水を葡萄酒に変えた話があります。

宴の最中、客のために振る舞うべき葡萄酒が足りなくなってしまい、台所を仕切っている女性たちが慌て始めたのです。

マリアがイエスにそっと告げると、イエスは召使を呼んで、清めのための水瓶六個を水で満たし、主賓の前に持って行くように告げました。

すると不思議なことに水は全て最高級の葡萄酒になっていて、主賓たちは


最高級のワインを飲んでご満悦の主賓

「最後まで一番いい葡萄酒を取って置くとは素晴らしい!!!」

と口々に花婿を褒め称えたという。

奇跡を目の当たりにした弟子たちは、イエスにますます傾倒するようになっていきました。


ザワザワ…ワイワイ…

他にもイエスは数々の奇跡を起こしています。

  • 湖を船で渡る最中、襲いかかってきた嵐を鎮めた
  • 湖の上を歩いた
  • わずかな魚とパンで大勢の人の空腹を満たしたなどなど

「ヨハネによる福音書」によると、

「イエスの偉業一つひとつを書くなら、世界もその書物を収めきれないほどだ」

ということらしいです。

中でも人々の心をしっかりと掴んだのは、病気の治療でした。

イエスのもとに皮膚のただれた患者がやってきた時のこと。

イエスは深く憐れみ、その人の身体に触れ、「清くなれ」と告げました。

すると、たちどころに男の皮膚は元のように戻ったのです。

他にも「人よ、あなたの罪は赦された」と告げられただけで、運ばれてきた担架を自らかついで帰るほど元気になった男性もいます。

十二年間も出血に悩まされ、蓄えていた富を治療のために全て使い果たして途方に暮れていたところ、イエスの衣に触れただけで治った女性もいます。

悪霊に憑りつかれ、口がきけなくなっていたところ、イエスに一喝されただけで瞬く間に回復した少年もいます。

ユダヤ教では「病人=罪人」だった?

中でも大きな奇跡は、死者を蘇らせたことでしょう。

ある日、エルサレム近郊のベタニアという村から二人の姉妹がやってきて、弟のラザロの病を治して欲しいと懇願してきました。

しかしイエスは、

「その病気は、死で終わるものでは無い」
※つまり「死ぬほどのことはない」という意味

と言い、二人を帰らせたのです。

ところが数日後、イエスが弟子たちと共に姉妹のもとを訪れると、ラザロは既に亡くなっていました。

しかしイエスが墓の前に立って天を仰ぎ、

「ラザロ、出てきなさい!!!!」

と大声で呼びかけると、なんと手と足を布で包まれたラザロが生きて出てきたのです。

さすが神の子イエスです。

「イエスの教え」と「ユダヤ教」の"決定的な違い"

イエスの病気治癒は、実は深い意味を持ちます。

当時のユダヤ人の間では、病気は犯した罪の報いだとされていたのです。

「皮膚の病は罪の結果」で、「心の病は悪霊の仕業」だったんです。

そのため、人々は病気になる人間は罪人だと考えていました。

イエスは言葉によって彼らを癒し、奇跡によって彼らの罪や悩みを担い、赦したのです。

そんなイエスの考えは、有名な「山上の説教」の一節からも垣間見られます。

心貧しい人は、幸いである。天の国はその人たちのものである。

悲しむ人々は、幸いである。その人たちは慰められる。

柔和な人々は、幸いである。その人たちは地を受け継ぐ

この世で悩み、苦しんでいる人こそ、天の国で救われるという。

イエスは続けます。

復習してはならない。

右の頬を打たれたら、左の頬を差し出しなさい。

敵を愛しなさい。

人を非難してはいけない。

求めなさい。そうすれば、与えられる。

探しなさい。そうすれば、見つかる

群衆たちはイエスの言葉を感激をもって迎え入れたと言われています。

というのも、律法が重視された当時、ユダヤ人が一日で守るべき条項は630項目もあり、ユダヤ教の祭司たちにそれを遵守させられていたからです。

これで病気にならないわけがありません。

イエスは彼らの気持ちをほぐし、解き放ったのです。

こうしてイエスの信者はますます増えていきました。


では次ページでは「使徒ペトロへの「受難予告」とエルサレム入城」についてご紹介します。

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