ユダヤ教 キリスト教 イスラム教徒

『ユダヤ教/キリスト教/イスラム教』についてまとめました【総集編】

ユダヤ教 旧約聖書 歴史

さて、遂にこの単元にやってきたかという感じです。

世界を周るうえで必ず知っておくべき知識の一つ、それは宗教の基礎知識で宗教上のルール違反等を勉強せずに世界を旅することは危ないし勿体ないです。

今まで色んな本とか論文とか読んで自分なりになるべく簡単にまとめたつもりですが、それでも難しかったらすみません。

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ユダヤ教・キリスト教・イスラム教

世界の三大宗教と言えば

・キリスト教

・イスラム教

・仏教

になります。

しかし今回のシリーズでお話するのは

・ユダヤ教

・キリスト教

・イスラム教

の3つです。

なぜか。

後で出てきますが、この3つの宗教は同じ神、同じ聖地を持つからです。ちなみにこの3つは三大一神教と呼ばれています。

※「ヤハウェ(ヘブライ語)」「ゴッド(英語)」「アッラー(アラビア語)」はそれぞれの言葉で「神」を意味するからです。

多くの日本人は「宗教=コワイ」というイメージがあると思います。別に間違ってはいないと思います。なぜなら古代から世界の紛争/戦争のほとんどは宗教戦争と言えるからです。ここまで言うと大げさですが「宗教が関わっていない戦争なんてこの世にあったのでしょうか?」と言えるくらい、宗教と戦争/紛争はセットで考えられます。

各宗教の歴史を簡単にまとめましたので、読んでおられない方は先にそちらを読んだ方が断然理解が早いと思います↓

『ユダヤ教』についてできる限り簡単にまとめました

『キリスト教』についてできる限り簡単にまとめました

『イスラム教』についてできる限り簡単にまとめました

3宗教それぞれが信じる神

まずは3宗教がそれぞれ信じる神様を見ていきましょう。

【ユダヤ教】

ユダヤ教徒にとっての神はヤハウェー(ヘブライ語)

【キリスト教】

キリスト教徒にとっての神もゴッド(英語)

【イスラム教】

イスラム教徒にとっての神はアッラー(アラビア語)

ここで注意したいのは、3宗教とも同じ神様を信仰しているという事です。

3宗教の信仰する神が同じ理由

簡単です。

日本語で神を表す言葉は「かみ」、英語では「ゴッド」、ヘブライ語では「ヤハウェー」、アラビア語では「アッラー」だからです。

つまり、ゴッドもヤハウェーもアッラーも訳せば全て「」なのです。

神が世界を作り、神がモーセに十戒を授け、神が処女マリアのお腹にイエスを宿し、神がムハンマドに啓示を与えたのです。

3宗教それぞれが信じる聖典

【ユダヤ教】

ユダヤ教徒にとっての聖典はタナハ(≒旧約聖書(下に説明あり))

【キリスト教】

キリスト教徒にとっての聖典は新約聖書

【イスラム教】

イスラム教徒にとっての聖典はコーラン(=クルアーン/コラーンとも)

タナハと旧約聖書は同じもの

基本的に「タナハ=旧約聖書」と思ってもらってもいいのですが、実は少し違います。

神(=ヤハウェ)とユダヤ人との間の契約について書かれた、ユダヤ人の物語が『タナハ』です。もちろんユダヤ人の言葉、ヘブライ語で書かれています。

しかしキリスト教徒からみたユダヤ人の物語『旧約聖書』はギリシャ語で書かれているので、ヘブライ語とギリシャ語の間の翻訳時の差がどうしても出てきます。

例えば「乙女であった(聖母)マリア」というヘブライ語をギリシャ語にすると「処女だった(聖母)マリア」と訳されます。しかしヘブライ語では「乙女=処女」とはかぎりません。

この訳し方の違いで、キリスト教徒が信仰の拠り所としている「聖母マリアは処女なのに懐妊した」という奇跡のエピソードが全くのデタラメになってしまいます。

タナハ:ヘブライ語で書かれたユダヤ人と神との物語(オリジナル)

旧約聖書:ギリシャ語で書かれたユダヤ人と神との物語(オリジナルをギリシャ語に訳したもの)

ですので『旧約聖書』はあくまでもキリスト教から見たユダヤ人のエピソードで、完全なオリジナルでは無いんです。

なのでオリジナルのユダヤ教典はタナハと呼びましょう

旧約聖書と新約聖書の違い

ユダヤ教徒と神との歴史が綴られたのが「旧約聖書」、キリスト教徒と神との契約が綴られたのが「新約聖書」です。

「旧約聖書」の呼び方はキリスト教からの視点であり不公平

旧約聖書/新約聖書と聞くと一瞬

旧約聖書の方が昔で新約聖書の方が新しい

と思う方が多いと思います。物語の年代だけみればその通りですが実はこの「新旧」の呼び方はキリスト教徒が一方的に世間に広めた不公平な呼び方なんです。

ここで再びおさらいですが、ユダヤ教徒は「現在も救世主(メシア)の登場を待ち望んでいる」という立場です。これがタナハの最終章の内容です。つまりユダヤ人にとってはタナハの歴史は今も続いており、まだ救世主は現れていません。

しかしキリスト教徒は「イエスこそが救世主メシアなので、ユダヤ人が待ち望んでいるメシアなる人物はもう出てこない。タナハはもう完結している!」という立場を取っています。『ユダヤ人の歴史編ー完ー』の状態です。

そこでタナハの物語は既に終わっているという事を強調するために

ユダヤ人の歴史はもう終わった→古い契約→旧約聖書

新しくイエスの歴史が始まった→新たな契約→新約聖書

と名付けたのです。

ですので「イエス・キリスト」と呼ぶ時点で「イエスが救世主」と認めていることになり、「旧約聖書」と呼ぶ時点で「ユダヤ教の話は終わっている」と認めていることになります。

救世主の捉え方

3宗教で救世主の捉え方は違います。しつこいようですが本当に重要なことなのでもう一度言っておきます

【ユダヤ教】

世界の終わりが近付くと救世主(メシア)が現れ、敬虔なユダヤ教徒のみ救われます。

しかしメシアは未だ現れてはいません!

【キリスト教】

処女であるマリアに神が宿した子がイエス。

一度死んだが復活して各地で奇跡を起こして周ったので、イエスこそがキリスト(救世主)であると信じる人が続出。

世界の終わりが近付くと神を信じる者は全員イエスと共に天国に行けます

【イスラム教】

救世主という概念はありません

世界の終わりが来ると、神(アッラー)が直々にこの世に降りてきて全員を一度復活させます。

その中で前世の行いが書かれた札を持たされ、善い行いの方が多いものは天国へ、悪い行いの方が多いものは地獄へ行きます。

3宗教の聖地

さて、3宗教の聖地は偶然か必然か、一緒です。

そうエルサレムです。では各宗教でどのような経緯があったのでしょうか。

このように3つの聖地はとても近く、3カ所とも楽々歩いて周れる距離なんです。

ユダヤ教徒にとってのエルサレム

ユダヤ人の父アブラハムが神から与えられた土地がパレスチナの中心都市エルサレムで、息子のイサクを神に生贄にしようと寝かせた岩が『聖なる岩』として現在も残っています。

また、神の啓示を記したモーセの十戒を祀った神殿をソロモン王がエルサレムに建てましたが後に新バビロニアに破壊され、数百年後にヘロデ王が再び神殿を再建しましたがローマ帝国に再び完全に潰され、ユダヤ人が世界中に離散(ディアスポラ)することになりました。

そのソロモン神殿の一部が嘆きの壁として現在のユダヤ教徒の聖地となっています。

先ほどの聖なる岩はどうなったかと言うと、後にイスラム教の始祖ムハンマドがメッカの地から一夜で大天使ガブリエルと瞬間移動してこの岩にタッチしたので、以降その岩はイスラム教徒によってドームをが造られ守られたので、イスラム教の聖地となった。

完全に私見ですが、ムハンマドが都合よくユダヤ教の聖なる岩を上書きして勝手にイスラム教徒の聖地にした、という気がします(笑)

キリスト教徒にとってのエルサレム

処女であるマリアが大天使ガブリエルから受胎告知を受けてこの世に生を受けたイエス

イエスは数々の神がかり的な奇跡を起こしながらも、ローマ帝国に捕まりエルサレムにあるゴルゴダの丘に建てられた十字架で磔刑にかけられました。

しかし磔刑から3日後、各地でイエスが奇跡を復活して起こしているとの目撃情報が寄せられ墓を確認するとそこにイエスの遺体はありません。

それからイエスこそが救世主であるとの考えが世界に広がりました。

そのイエスが磔刑にかけられ復活した場所こそがエルサレムの聖墳墓教会で世界中のキリスト教徒の聖地です。

イスラム教徒にとってのエルサレム

お金持ちの商人の家に生まれたムハンマドという男がいました。

彼は40歳くらいの時に山で瞑想をするのが日課だったのですが、突然、大天使ガブリエルがムハンマドに神の啓示を与えました。

これによってムハンマドが最後で最大の預言者と信者から呼ばれるようになり(自らもそう宣言していた)、彼はガブリエルと共に一夜にしてエルサレムに飛び、ユダヤ人の聖なる岩に足跡と手形を付けて昇天したと言われています。

それから聖なる岩はユダヤ人のものと言うよりはイスラム教徒の聖なる岩になりました。

その後、岩を保存するために『岩のドーム』と呼ばれるドームを建造し、これがイスラム教徒の聖地となりました。

※しかしイスラム教徒は岩のドーム以外にも「ムハンマドの生まれ故郷メッカ」と「イスラム教布教に失敗して再起を図った地メディナ」も聖地となっています。

3宗教の主な戒律

3宗教はとても似ていると言いましたが、戒律(禁じられていること)も結構似ています。

ではそれも一緒に確認しましょう。

ユダヤ教の戒律

戒律は厳しく、その厳しい戒律を守ったユダヤ教徒だけが神に救われるという考え。

基本はモーセの十戒という通り、10個の戒律があります。

1.ヤハウェが唯一の神である

2.偶像を作ってはならない

3.神の名をむやみに唱えてはならない

4.安息日を取ること

5.父と母を敬うこと

6.人を殺してはならない

7.姦淫(不倫/浮気)してはならない

8.盗みはダメ

9.嘘はダメ

10.隣人の家や畑、奴隷や家畜を欲しがってはいけない

まあいくつかは当然のことですね。ユダヤ教徒の皆さん、これ破ったら世界の終わりが来た時に救われませんよー

また、食事に関しても

・血抜きせずに食べてはならない

・昆虫はイナゴ、バッタは食べてもよい

・肉類と乳製品を一緒に食べてはいけない

などあります。

キリスト教の戒律

神を信じる者は全員救われる、という結構戒律甘めな宗教。たとえ罪を犯しても神を信じていさえすれば救われる可能性が高い。

一応イエスの教えが残っています。

 

1.殺すな

2.浮気/不倫するな

3.盗むな

4.嘘をつくな

5.父と母を敬え

6.隣人を愛せ

7.金銭を愛するな

8.酒は飲んでも飲まれるな

 

などです。

キリスト教信者のくせに浮気・不倫する人間は、口では「私は罪深い人間です(´;ω;`)」とか言いながら「神様、こんな私も救って頂けるなんて夢のようです(∩´∀`)∩」という超自分勝手な思考を持っているということです。

一度興味あれば以下の記事も読んでみてください↓

一度でも浮気・不倫した人間は信用すべきでない、と思う理由

イスラム教の戒律

イスラム教の戒律もユダヤ教と同じく厳しいです。

イスラム教では六信五行と呼ばれる「イスラム教徒として信仰しなければならない6つの事柄」と「それを裏付ける具体的な5つの行い」が義務付けられています。

六信(イスラム教徒として信仰しなければならない6つの事柄)

1.神(アッラー)

2.天使(マライーカ)

3.経典(クトゥプ)

4.預言者(ルスル)

5.来世(アーヒラ)

6.天命(カダル)

五行(それを裏付ける具体的な5つの行い)

1.信仰の告白(「アッラーの他に神は無い、ムハンマドはその使徒である」と声に出して言わなければならない)

2.礼拝(毎日五回礼拝を行わなければならない)

3.喜捨(貧しい人や旅人に自分の財を与えなければならない)

4.断食(ラマダーンという断食をしなければならない)

5.巡礼(聖地メッカ/メディナへ行き、ムハンマドのお墓にお参りしなければならない)

その他の戒律として

・両親には親切な言葉で話しなさい

・アッラーが尊いとされた生き物の生命を奪ってはならない

・豚肉は食べてはいけない

・盗みをしたら報いとして両手を切断しなさい

などがあります。

各宗教同士の認識

最後に各宗教同士、お互いをどう認識しているのか確認しておきましょう。

ユダヤ教キリスト教イスラム教
タナハ
新約聖書認められない
コーラン認められない認められない

ユダヤ教→キリスト教&イスラム教

イエスはユダヤ人が待ち望んでいるメシアでは無いので、キリスト教は断固反対

そしてイエスを預言者として扱い、ムハンマドを最後で最大の預言者として扱っているイスラム教にも不満あり。

ユダヤ教はキリスト教もイスラム教も認めない!

キリスト教→ユダヤ教&イスラム教

ユダヤ人が待ち望んでいる救世主(メシア)こそ、イエスなのだ!ユダヤ教徒の皆さん、もうどんだけ待っても救世主は現れませんよー

イエスは救世主では無く預言者?しかも最後で最大の預言者はムハンマド?イスラム教ふざけんな!

キリスト教はユダヤ教を認めます。ユダヤ教ありきのキリスト教なのだから。ただ救世主に関しては認識が違います。

イスラム教は認められません、イエスは救世主であり神の子なので決して預言者なんかでは無いんだよ!

イスラム教→ユダヤ教&キリスト教

我々は救世主が誰かなんて興味がありません。

でもタナハと新約聖書の両方ありきの我々イスラム教なので、どちらも支持します。

でもイエスは救世主というよりはただの預言者で、もっと偉大な最後の預言者はムハンマドです。

おわりに

ユダヤ教 キリスト教 イスラム教徒

という事で、今回は真面目に3宗教についての総集編としました。

結局どの宗教が間違っているとか、どれが一番正しいとかはわかりません。

しかし現実問題として、これらの宗教が世界の戦争や紛争の元になっているのは事実です。

もっと世界の宗教に目を向けて、今この世界で何が起こっているのか、そしてその原因は何なのかを詳しく知ることは非常に重要だと思います。

皆さんも常日頃アンテナを張ってなるべく偏らずに公平に世界を見てください。

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