さて、本記事ではユダヤ人の聖書(=物語)である旧約聖書をなるべくわかりやすく解説してみました。
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さて、遂にこの単元にやってきたかという感じです。世界を周るうえで必ず知っておくべき知識の一つ、それは宗教の基礎知識で宗教上のルール違反等を勉強せずに世界を旅することは危ないし勿体ないです。今回はユダヤ教の歴史をわかり[…]
さて、本記事ではユダヤ人の聖書(=物語)である旧約聖書をなるべくわかりやすく解説してみました。大まかなお話は以下の記事で既に言及していますので、興味があればこちらからご覧ください↓[sitecard subtitle[…]
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では早速始めます(”◇”)ゞ
"神との戦い"に勝利!「イスラエルの祖」になったヤコブ
旧約聖書のおもしろさはなんと言っても、人間の弱さやズルさについて赤裸々に記されている点でしょう。
アブラハムの息子イサクから繋がる系譜にしてもそうなのです。
四十歳になったイサクは、ナホルに住む親族の娘リベカと結婚をします。
※どう見ても40歳には見えませんがご容赦ください。
リベカもなかなか子供を授かりませんでしたが、神に祈りを捧げ続け、二十年後、双子の男の子を身ごもりました。
しかしこの兄弟、母の胎内にいた時からいさかいが絶えなかったようです。
先を争い、弟は兄のかかとをつかんで出てきたほどで、そのため弟は「かかとをつかむ人」という意味のヤコブと名付けられました。
「率直で短絡的な兄エサウ」と「知的でずる賢い弟ヤコブ」
(出典:JACOB AND ESAU)
兄エサウと弟ヤコブは、見た目も性質も正反対でした。
- エサウ:体が赤く毛深い、率直で短絡的
- ヤコブ:色白で肌が滑らか、知的でずる賢い
活発で野を駆け回る狩人に成長したエサウに対し、ヤコブは穏やかで家にいることを好みました。
そんな二人の性格の違いはこんなエピソードからも垣間見ることができます。
ある日のこと、ヤコブが煮物料理を作っていると、狩りを終えお腹を空かせたエサウが帰ってきました。
目の前の美味しそうな料理を見て、エサウは、
「頼む、食べさせてくれ」
と懇願します。するとヤコブはすかさず、
「それなら兄さんの長子権を譲ってください」
と交換条件を出しました。
とにかく空腹を満たしたかったエサウは、
「長子の権利などどうでもよい」
と豆の煮物とパンにありつきました。
長子権とは、祝福の言葉とともに父親の財産や家長の地位を受け継ぐ権利で、その一族の全てを手に入れる権利と言ってもいいのです。
口約束とはいえ、そんな強大な権利を空腹を理由に「譲る」と口にしてしまうような単純さがエサウにはあったのです。
さてそんな兄弟でしたが、父のイサクはエサウをかわいがり、母のリベカはヤコブを溺愛していました。
イサクは伝統にそって当然エサウに家督を譲るつもりでいましたが、リベカは「ヤコブこそ家督を継ぐべき」だと考え一計を案じます。
ある日イサクはエサウを呼び寄せ、
「死ぬ前にお前に祝福を与えたい。狩りで仕留めた獲物でまず料理を作ってくれないか」
と頼みました。エサウが野に出たのを見計らったリベカは、
「その肌を隠し、エサウのふりをして料理を届けに行きなさい」
とヤコブに入れ知恵をしました。
年を取ったイサクは目がほとんど見えなくなっていたので、毛皮を着たヤコブをエサウだと勘違いし
「多くの民がお前に仕え、多くの国民がお前にひれ伏す。お前は兄弟たちの主人となり、母の子らもお前にひれ伏す」
と祝福を与えたのでした。
一度与えた祝福は取り消すことができないため、財産も名誉も横取りされたエサウは激怒し、ヤコブを殺そうとします。
激怒しちゃった兄エサウ
そのためヤコブは母の兄ラバンの元へ逃亡を図りました。
ラバンも新たな働き手が来たとばかりに大喜びでヤコブを迎えましたが、そのうちヤコブはラバンの次女ラケルに好意を持つようになりました。
ラケルが好きでたまらないヤコブおじさん
「ラケルを妻に欲しい」
というヤコブに、ラバンは
「七年間無償で働いたら結婚を許そう」
(え?ブラック過ぎる…)
と約束をしました。
そんなこと言うやつが約束守るわけねぇぇぇ(゚Д゚;)
↑これは筆者の個人的な感想です。
「旧約聖書」の中で「12」という数字が"完璧"とされる理由
七年が経ち、結婚のための祝宴が開かれました。
ラバン、ちゃんと約束守るやつやったんかいΣ(゚Д゚)
しかしその夜ヤコブの寝室に入ってきたのは、ラケルではなく姉のレア。
姉のレアが新婚初夜のお相手だった
ヤコブは、働き手の欲しいラバンの策略にまんまと引っかかったのでした。
やっぱりか!!!
ヤコブは猛烈に抗議するも、
「この土地には姉から先に嫁ぐ習慣がある」
と巧みに言いくるめられたヤコブは、結局ラケルを得るためにさらに七年間、ラバンに酷使されました。
ラバン、鬼すぎる!!!
しかしその間ヤコブは4人の女性と交わり、とんでもない数の息子をもうけるのでした…。
- 姉レアとの間に
- ルベン
- シメオン
- レビ
- ユダ
- イサカル
- ゼブルン
- 本命ラケルとの間に
- ヨセフ
- ベニヤミン
- レアの女奴隷ジルパとの間に
- ガド
- アシェル
- ラケルの女奴隷ビルハとの間に
- ダン
- ナフタリ
こうして計12人の息子をもうけたのです。
そしてこの12人の息子のうちの10人と、11男ヨセフの子である「マナセ」と「エフライム」がイスラエル十二部族の祖だとされているのです。
「イスラエル12部族」の家系図がこちらです↓
ちなみに、ここから12という数字は旧約聖書において「完璧を表す数字」とされるようになりました。
このようにラバンに散々こき使われたヤコブでしたが、持ち前の策略で着実に財産を増やし、二十年ぶりに家族とともに故郷に戻ることになりました。
しかし気になるのは兄エサウの存在…。
幼いヤコブ「兄さんっっ!ははは」
幼いエサウ「ヤコブ!ほらほら(*´▽`*)」
もうあの頃のような二人には戻れないでしょう。
なんせ激怒して自分を殺そうとした程です。
「復讐されるのではないか」とヤコブは道中散々思い悩みましたが、エサウは想像以上にサッパリとした性格だったようです。
弟ヤコブを許す兄エサウ
地にひれ伏して謝るヤコブを迎え入れ、二人は和解を果たすのでした。
"天使との格闘"の後、名実ともに「イスラエルの祖」になったヤコブ
そんな二人の再会の前日、ヤコブは不思議な体験をしています。
夜、ヤコブが一人でいると、どこからともなく正体不明の見知らぬ男がやってきて突然組みかかってきたのです。
格闘は夜通し終わらず、夜明け近くになっても続きました。
てめぇ、なんだいきなり!!!!ハアハア
体力の限界を超えてもなお向かってくるヤコブに、相手は
もうよい。
お前は神と戦って勝ったのだから、これからはヤコブではなく、イスラエルと呼ばれる。
と告げ立ち去っていったのです。
なんと格闘の相手は天使だったんです。
格闘の相手はまさかの天使だった
ここに至るまでヤコブの人生は騙し騙されの連続でした。
ヤコブの行為は決して褒められたものではなく、どちらかと言えば兄エサウの方が善人に見えます。
しかしヤコブはどんな苦境に陥っても決して諦めることをせず、それは全てにおいて過酷なこの地で権力者として生き抜くためには重要な資質だったのです。
それゆえ神はヤコブにこそ祝福を与えたのです。
こうしてヤコブは名実ともに「イスラエルの祖」となったのでした。
では次ページでは「「苦難」はヤコブ一家の"エジプト移住"から始まった!」についてご紹介します。
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