【子供でもわかる】スターリンの政策「農業の集団化」とは?

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RYOです。

本記事ではスターリンが行った五ヵ年計画のうち「農業の集団化」の内容を説明しています。


大粛清で有名なスターリン

ソ連のトップだったスターリンは自国(≒ソ連)の農業生産の爆発的な増加を望んでおり、五ヵ年計画によって農業の集団化を始めました。

しかしこれにより大規模な飢饉を発生させ、数百万人規模のウクライナ国民を餓死させるホロドモールを招きました。

スターリン
オレ ナニモ ワルクナイ
筆者
こいつマジでポンコツ独裁者なんです(※)
※筆者の個人的な見解であり、特定の個人を誹謗中傷するものではありません。

では始めます。

クラーク絶滅計画

クラークとは、「ドン・クラーク」のことではありません。

クラークとは、ロシア帝国やソ連国内における「自営農家」の総称です↓

社会主義・共産主義的には自営農家は富裕層と考えられ、弾圧の対象となりました。

なぜでしょうか?

理由は簡単です。

Q. なぜ自営農家は富裕層なのですか?

A. 自分の土地を自分で耕し、生産性を上げるために朝早くから夜遅くまで雨の日も風の日も働き、徐々に農地を拡げていった優れた農家は当然(いい意味で)裕福です。

家族だけでは管理しきれない土地は、当然労働者を雇って農業を教えながら少しずつ農地を拡大していきます。

これが万人平等主義を掲げる社会主義者には許せなかったのです。

社会主義者にとっては、

あの農家は所有農地も広く労働者も多い。
という事はそれだけ悪どいことをし、労働者を安くこき使っているからに違いない!
マジでけしからん!!

というマルクス主義に染まった幼稚な偏見からクラーク絶滅計画を経て、ソ連領内から優れた農耕技術を持った農家が姿を消しました。

農業の集団化

クラークを絶滅させた後、独裁者スターリンは考えました。

スターリン

工業化するためには、まずは国内での農業生産高を増やす必要がある。

その農産物を他国に売って外貨を得て、それをもとに国内の工業化を進めよう

と。

  1. 工業化したい
  2. でもお金がない
  3. お金を稼がなければ
  4. そうだ、農業生産高を倍増させよう
  5. その穀物を外国に売ってお金を稼ぐ
  6. そのお金で工業化達成
  7. おれまじ天才、優秀過ぎる♡

農業の集団化に伴って、ソ連の全農民が「コルホーズ(集団農場)」か「ソホーズ(国営農場)」のどちらかに分けられました。

※基本的にコルホーズもソホーズも同じもので、特に大きな違いはありません。

でもあえて違いを知りたい方はこちら↓


どちらも農場を指しますが、完全国営か半国営かで分類されます。

» 続きを読む

コルホーズ(集団農場)

個人経営の農家を全て集団で一括りにして国が管理
農民が育てた作物は様々な搾取を経て少し残り、それが実際に耕した彼らの取り分となる。

ソホーズ(国営農場)※ソフホーズとも

集団農場のお手本として作られた、一切私有地がない完全な国有地を用いた国営農場
土地、機械、農機具全てが国家のもの。
農民は国から給料をもらい雇用される形になっていた。

コルホーズとソホーズの違いをあえて言うなら↓

POINT

・コルホーズは組合が運営し、収穫物の大部分を国家に納めますが残りは自分たちで好きにして構いません。

・しかしソホーズは、完全に国有財産なので収穫物は全て国へ。育てた労働者には給料が支払われる。

という感じです。

» 折りたたむ


以上のようにスターリンは農業まで社会主義化したのです。

農業の社会主義化とは

農業の社会主義化とは、

畑を耕す役→種をまく役→水をやる役→・・・

という風に、まるで自動化が進んだ生産ラインをもつ工場のように、機械的に農業をやることです↓

畑を耕すこと「だけ」に特化した労働者や種をまくこと「だけ」に特化した労働者などが出来上がるのです(笑)

これにより、確かにソ連の農業生産高は増大します。

なぜなら単純に農地面積が急激に増大したからです(´・ω・`)

スターリン

シュウカクリョウ ゾウダイ

スバラシイ サスガ ワタシダ!!!

繰り返しますが、収穫の効率はともかく農地面積が急増したので収穫量も急増しました。

しかし忘れてはいけません。

優れた農業技術を持つクラークは既に絶滅させられています。

この絶滅させられた農家(=クラーク)が有していた土地を後にソホーズ(国営農場=給料払う方ね)としてソ連共産党が運用します。

残ったのは農業など初めてやったという人間たちだけ↓

しかもどれだけ働いても給料は一緒。

嵐が来ても無視、定時を過ぎれば働かない。

筆者
自然が相手の農業でこれはダメですよね。

ではなにが起きたか。

そう、大飢饉です。

ウクライナの大飢饉「ホロドモール」

特にウクライナでは「ホロドモール」と呼ばれる大規模な飢饉が起き、20世紀最大の悲劇の一つに数えられます。

ウクライナには「ヨーロッパのパンかご」と呼ばれるほど豊かな穀倉地帯が広がっており、そのウクライナで穫れる穀物はソ連の外貨獲得の大きな手段でした。


ウクライナ国旗

これがウクライナの国旗です。

金色の小麦畑の上に青空が広がっている様子を表しています。

まあこんな感じでしょうかね↓

筆者
余談ですがこのウクライナ国旗、筆者は世界中の国旗の中でもかなり上位で好きです(笑)

なのでスターリンはウクライナ人に大規模な穀物徴発(上納)を行い、様々な規制をします。

  • 農産物は全て人民のもの。パンの取引や収量の不達成などを行う者は全て「人民の敵」
  • ウクライナ国境は封鎖されて自由な出入りができない
  • ソ連共産党員から常に見張られている生活

1932~1933年の1年半で約600万人が餓死したと当時の新聞には書かれているみたいです。
(学者の間では400万人~1000万人とも言われている)

通りには餓死者が転がり山積みになっており、農民は食べ物が無くなったので馬や家族の肉さえも食べていたと言われています。

ウクライナ ホロドモール」とGoogle検索して頂ければ、死人が通りに転がっている写真がたくさんヒットします。

また「赤い闇(スターリンの冷たい大地で)」という映画も公開されており、筆者もまだ観ていませんがホロドモールについて描かれた映画のようです↓

農民たちがソヴィエトに苦しい現状を訴えたところ、スターリンは

スターリン

ウクライナ人はいつも文句ばっかり言っている。

このままでは五ヵ年計画に支障をきたす。

と言ったといわれています。

より詳しい情報はこちら↓(別タブで開きます)

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独裁者スターリンは世界中に「五ヵ年計画はうまくいっている」と大々的に宣伝していた(ウソ!)ので、その大飢饉は無視されました。

このホロドモールが、現在でも続くロシアとウクライナの対立のきっかけの一つなのは間違いないと言われています。

工業化は達成

以上のようにとてつもない犠牲を出しながらも、収穫物を売って外貨を獲得しソ連の重工業化は達成されました。

わずか五年でソ連は先進資本主義諸国と並ぶ工業大国になったと言われています。

あらかじめ定めたトンデモナイ目標に向かって、ソ連領民の食糧を奪ってまで他国に売ってお金を稼いだわけですからね。
筆者
凄まじい犠牲の上に成り立っていたわけです

また、五ヵ年計画で重視されたのは軍事産業であり、秘密裏に航空機と戦車の生産が進められたとも言われています。

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