【おもしろいヨーロッパ旅行記】オーストリアのザルツブルク【9/10】

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2014年の驚きと発見の連続だった1ヶ月間を振り返りつつ、今回はオーストリアの古都ザルツブルク滞在について語る。

今思えば、右も左も分からない状態でよくそんな大胆な決断をしたものだが、この旅が人生において多くの発見や学びをもたらしたことは間違いない。

一応、前回の記事も載せておく。

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2014年の驚きと発見の連続だった1ヶ月間を振り返りつつ、今回はオーストリアの首都ウィーン滞在について語る。今思えば、右も左も分からない状態でよくそんな大胆な決断をしたものだが、この旅が人生において多くの発見や学びをもたらしたことは[…]

オーストリア ウィーン 旅行記

ザルツブルク滞在記

ウィーンを後にして、次に向かうのはザルツブルクである。

ザルツブルクはその名の通り、「塩の町」として知られ、かつては白い宝石とも称された塩の産出で栄えた場所だ。

塩はかつて非常に貴重な資源であり、その交易によってザルツブルクは繁栄を極め、今もその歴史が町の至る所に色濃く残っている。

HBFを見逃すな

オーストリアの首都ウィーン駅から、無事にザルツブルク中央駅(Salzburg Hbf)へ到着した。

ちなみに以前にも触れたが、”Hbf”とは「中央駅(Hauptbahnhof)」の略である。

ザルツブルク市内には似たような駅名が複数存在するが、ドイツ語圏では“Hbf”のついた駅が最も大きく、主要な駅となっている。

旅慣れている方も油断せず、下車駅を間違えないように注意が必要である。

言葉が通じなくても大丈夫、焦らないで

ザルツブルクHbf(中央駅)から、まずはホステルの最寄りまでバスで移動。

事前にしっかり調べていたおかげで、スムーズに乗車できた。

ヾ(≧▽≦)ノ ←こういう時の自分を褒めてあげたい。

だが、バスを降りた瞬間から完全に迷子(笑)

地図はあれど、道がわからず、方向感覚ゼロモード突入。

こういう時は迷わず「地元民に訊く」戦法だ。

周囲を見渡すと、散歩中のおばあちゃんを発見。

さっそく声をかけてみる。

が、英語が通じない。
まあ、そりゃそうか。地元のおばあちゃんやし。

ってことは…

ドイツ語で行くしかない!
(大学でドイツ語かじっててよかった~~~!)

Guten tag ! Ich heisse RYO, ich bin japane.

(こんちはーRYOって言います、日本人です)

まずは自己紹介。警戒されないのが第一歩。

そして本題。
「Wo ist hier?」
(ここ、どこっすか?)

…完璧。

5W1Hを教えてくれた当時の教授に感謝です。

竹内先生、吉村先生ありがとうございます。

だがここで最大の難所が待ち受けていた。

聞き取りが、まったくできない。

話しかけることはできるが、返答は宇宙語。
語学あるあるすぎて泣けてくる。

でも、ジェスチャーと雰囲気でなんとなく伝わったっぽい。
おばあちゃんの指差す方向に賭けてみたら、
……着いた。

そう、重要なのは聞き取りではなく目的を言うことなのだ。

文法的に合っているかどうかは関係ない。

案内された部屋がこちら↓

この6人部屋に筆者一人、広い!

これぞ冬のヨーロッパホステルあるある。

プライベート空間ゲット(笑)

冬のヨーロッパ旅行では、ホステルの1部屋に自分1人という状況が多々あります(笑)

ヨーロッパのバスは結構ベンツ多い

ヨーロッパを旅していると、街中や高速道路を走るバスのやたら高確率でベンツ率が高いことに気が付く。そ

う、あの高級車の代名詞メルセデスベンツである。

「えっ、ベンツってバス作ってんの!?」

と思うかもしれないが、実は欧州ではバスもガチでベンツ製が多いのです。
(日本でいうところの“トヨタが路線バスも出してる”みたいな感覚)

バスの正面をよく見ると、あのベンツのスリーポインテッド・スターがドーーンと輝いている。高級感ゼロの長距離バスに、このエンブレムだけが異様に誇らしげ。

ちなみに、日本でもよく見かけるHINO(日野自動車)のバスもたまにヨーロッパに潜んでいる。

グローバル日野、侮れない。

ぜひ、バスを見かけたらベンツかどうかチェックしてみよう。

妙に誇らしげなエンブレムが、今日もちょっとシュールです。

ウンタースベルグ

ザルツブルクに着いたらまずやるべきことがひとつ!!

そう、「ザルツブルクカードを買う」である(力説)

ザルツブルクカードとは、市内の美術館・博物館・お城・ロープウェイ・バス・船までなんでもかんでも無料or割引になるという、もはや魔法のような最強カードなのです。

※観光案内所(Info)で購入可能

で、さっそくこのカードを使って向かったのが、郊外にある標高1,776mの山・ウンタースベルク(Untersberg)。

ここ、実はロープウェイで山頂まで一気に行けるのである!

さすがに外が寒すぎたので、まずはロープウェイ発着場で腹ごしらえ。

さーて、腹ごしらえも済んだし、山頂までちょっくら軽くハイキングでもしよっと。

と思ったら…

\ 完 全 に な め て ま し た /

画像中央にある赤いポールの横の雪道、あれを普通のスニーカーで登るハメになるとは。

いやいや、アイゼン無しで行く道ちゃうて!!!

雪は膝下までモフモフ、靴はぐっしょぐしょ、息はゼェゼェ、でもなぜかテンションはMAX(笑)

雪山、舐め過ぎていた。

でも最高の体験だった(筋肉痛込みで)。

オーストリア ザルツブルグ

ちなみに雪の上にはこの通り、見事に筆者の足型化石を残してきた(記念)

モーツァルトの生家

ザルツブルクでは、ついに行ってきた――モーツァルトの生家(Mozarts Geburtshaus)!

あ、ちなみにドイツ語講座。

「Geburt」=バース(birth)
「Haus」=ハウス(house)

ってことは…

「Geburtshaus」=生家!!

なるほど。(ここテストに出るぞ~)

ちなみにウィーンでは「モーツァルトの住居(Wohnhaus)」に訪れたので、彼の人生の「スタート地点」と「拠点」の両方をコンプリートしたことになる。

↑Wienはドイツ語、Viennaは英語。

以前、チェスキークルムロフで出会った中国人の女性と会話してたときのこと。

筆者「I’m gonna be in Wien for 4 days!」

彼女「…ウィーン?…え?Viennaのこと?」

筆者「いや、ウィーーン!!」

彼女「…ヴィエナでしょ?」

筆者「(あ、この人ウィーン知らないんだ…)オーストリアの首都はウィーンという名前で~…」

彼女「いや、だからViennaでしょ?そこViennaって呼ぶのよ?」

筆者「いや、だからWienやん!あの、モーツァルトとかザッハトルテとかオペラとかの!!」

って感じで、完全に話が噛み合わなかった記憶がよみがえる。

ヨーロッパ旅あるある:都市の名前、現地語と英語で全然違う問題。

覚えておくと、ちょっとだけスマートに旅できるかも。

ヨーロッパの観光地によくいるあの人たち

ヨーロッパの観光地あるある、「どうやって浮いてんのか選手権」がこちら↓

いやマジで、物理法則どこいった?レベルで浮いている。

ある程度タネはわかってはいるが、一瞬魔法かと思ったほどだ。

中には、銅像のフリして一ミリも動かない人たちもいる。

そして、周囲の観光客が「え、これホンマに人なん?銅像なん?」ってザワザワし始めた頃に…

うぉああああああああああ

って急に動いて驚かすのが彼らの“本業”。

でもさ、それ知ってたら怖すぎて近づけへんのよ(笑)

「チップ入れたろ!」って思っても、「うわ、来るぞ、来るぞ、今にも来るぞ…!!」って構えてしまって近寄れない。

観光地のエンタメ力、すごい。けど怖い。

ほんで結局チップ入れ損ねる。

人生で初めて腰が抜けた

そしてやってきた——ザルツブルグ動物園!!

…ここで筆者は、人生で初めて腰を抜かした。

※ほんとに腰が抜けて立てなくなるって、あれマジであるんすね

ここもザルツブルグカードで無料で入場可能である!

入り口↓

外から見ただけでも、観光客はあまりおらず、お世辞にも「賑わっている」とは言えない。

入り口は…うーん、正直ちょっと寂れ気味。

観光客もまばらで、「え、ここホンマに大丈夫?営業してる?餌ちゃんとあげてる?」って感じの雰囲気である。

エヴェレストまで7895kmか、なかなか遠い。

でも意外や意外、冬眠中のクマに始まり、フラミンゴ、ワニ、オオカミと…けっこう動物の種類は豊富!

貧相な動物園のくせして結構色んな種類の動物がいる、さすが動物園!!

ワニもいるし。

「へー結構頑張ってるやん」とか思いながら30分ほど見て回ると、ついに肉食動物ゾーンへ突入。

途中、藪で道が左右に分かれていて、「右は何もなさそうやし、そら左でしょ」と、檻沿いの道を選択。

図で言うとこんな感じ(雑)↓
※青点あたりで事件は起こる。

ザルツブルク動物園

肉食動物の檻を見ながら体を左側に向けて歩いていると、図の青点くらいで藪の向こう側から

ゔぅぅーー

という重低音のクマの咆哮のようなものが聞こえ、思わず(かなりデカめの)声が出た。

うおお!!???え???Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)

頭の中に「この動物園、管理とか大丈夫か…..」が常にあったからだろう。

その重低音はクマではなく、外国人のおっさんが咳払いしていただけだった。

「チッ、紛らわしいことすんなよ」

そう思いそのまま歩いていると↓

まあまあ落ち着いて、歩き出すと…今度は白いトラが登場。

檻の中だけど、何か寂しそう。お腹空いてる? 目合ってる?てか狙われてる? こっち来る?

もう完全に顔だけ左にロックオン状態で、体は前に進んでるけど前見てないっていう、不自然極まりない歩行スタイル。

つまり

体は前に進んでるけど視線は動物たちに固定されて顔だけ左に捻って歩いてる感じ=つまり前を見ていない

そして何気なくふっと正面を向いたその瞬間!!!!

ゔぉぉおおおおおおお!!!!!!!

ライオン脱走してるやんけ!!!!!!!

完全にそう思って腰が抜けたのだ。

心臓麻痺で死んでもおかしくなかったと思われる、あれは!

ビックリし過ぎた。あかん

ほんまに地面にドサッとへたり込んで、数秒動けず。

その横で、ブロンドヘアのお母さんと可愛い幼女が不思議そうに私を見つめていた。

その視線が逆に刺さる、恥ずかしさで冷や汗と涙が出た。

32年間の人生で腰を抜かしたのはあの一度きりである。

なかなか良い経験をさせてもらった。

欧米人の陽気さに振り回された男の話

さて、ザルツブルクの楽しい3日間が終わり、とうとうミュンヘンに帰る朝になってしまった。

早朝、ザルツブルク中央駅のホームで、ミュンヘン行きの電車を待っていた。
気温は氷点下近く、吐く息が白い。

電車は遅れていて、ホームには十数人の乗客がぽつぽつと寒そうに立っているだけ。

その中に…

めっちゃくちゃ可愛いヨーロピアン女子、発見。

この日の朝…

ザルツブルグ中央駅で…

筆者はほんまに…

めっちゃ可愛いヨーロッパの女の子と…

まじでいい感じなると思った…

状況はこうだ。

ザルツブルク中央駅で、ミュンヘン行きの電車を待っていた。

ホームはPlatform 1a, 1b, 2a, 2b…と続き、11、12、13……と、ざっと18ほど存在していた。

ホームには筆者同様、電車を待つ人々がちらほらと立っていた。

» 続きを読む(ちょっと長いですよ?)

その中に、とても可愛らしい女の子がいた。

「ああ、やはりヨーロッパの女性は美しいな」と感じた筆者、「年齢も近そうだな」などと心の中で勝手に盛り上がっていた。

だが、電車は到着予定時刻を過ぎても一向に来ない。

周囲の人々も、筆者と同様に電光掲示板を再確認したり、スマートフォンで情報を確認している様子。

筆者は彼らの気持ちが手に取るようにわかった。

「おそらく電車は別のホームに到着しているのだろう。これもヨーロッパでは“あるある”である」

筆者もつい先日、ポーランドでの乗り換えに失敗したばかりだ(勝手に到着ホームが変更されており乗り過ごした)。

そんなことを考えながら、次の便にするか移動するか悩んでいた時――

アナウンスが何か言い始めた、がドイツ語なので内容は全くわからない。

しかし周りの同志たちが続々と階段を下りて違うホームに移動している。

筆者は冷静に考えた。

そのホームに急いで行くか、もう少しこの駅でゆっくりして次発に乗るか・・・

すると、その可愛い女の子が急に筆者に話しかけてきてくれたのだ\(゜ロ\)(/ロ゜)/

「あなたもミュンヘン行きの電車待ってたわよね!?

ホームが変わったってアナウンスで言ってるわ!

さあ一緒に行きましょう、急がないと!

すぐ出発するから」

と言って筆者の手を引っ張って階段を下り始めたのである。

およよよよよ(;・∀・)?

アルメニア 基本知識 エレバン
画像はイメージ

人生で初めての“ヨーロッパ美女に手を引かれる”という体験に、心臓がバクバクするのを感じた。

「おれって、もしかしてヨーロッパではモテるタイプなのか……?」

そんな甘い幻想を抱きつつ、向かいのホームに着いた二人は、タッチの差でなんとかギリ電車に間に合った。

吊り橋効果的な何かも手伝ってか、筆者はドキドキしながらお礼を言った。

筆者「いっやー危なかったーありがとーー」

彼女「あなたどこから来たの?」

筆者「JAPAN(ちょっとドヤ顔)」

彼女「あら素敵(*´ω`*)」

ここまでは完璧だった・・・ 。

え、その後どうなったかですって?

正直にお話しよう。

無事に電車に乗れたので、普通なら一緒にミュンヘンまで仲良くお話しして、電話番号でも交換して次いつ会おうか?などと約束し・・・

だが現実は無常であり、>いつも理想とはかけ離れている。

わりと満席気味の中、その子が「一緒に座れる席を探しましょう」と言ったので筆者が先頭に立って3車両分くらい座席を探しながら通路を歩いていたのだ。

お、2人で座れる席見つけた!!!奇跡!

そう思って振り向いたらその子はいなかったのである。

「え、なんで?どこ?おれの後ろにいたはず…どっかで一人で座ったのか…?」

どうする?もう一度あの子を探しに車両を戻るか?

いや、さすがにそれは気持ち悪いやつなので、そのまま着席した。

» 折りたたむ

それ以降その子と出会うことはなかった。

あれは切なかった…。

まあ最低限、好感を持てる雰囲気があったのは間違いないと思われる。

しかしここはヨーロッパ!

そんなことでいちいちドキドキしていては寿命が縮んでばかりである。

ミュンヘンにカムバック

ドイツ ミュンヘン

そして、旅の出発点であるミュンヘンへと戻る。

ザルツブルクでの3日間は、短いながらも非常に濃密で、数えきれないほどの出会いと驚きが詰まっていた。

雪山のハイキング、腰砕きの動物園、思いがけない美女との出会い──それらすべてが、筆者の旅を彩った。

そして、2014年の旅は次でラストを迎える。

これまでの道のりを思い返しつつ、少し名残惜しい気持ちを胸に、ミュンヘンの街へと列車は進んでいく。

旅は終わる、だが、経験は終わらない。

次回、いよいよ旅の締めくくり――。

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