ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回はバロック建築について説明します。
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※明言しますが、西洋建築の勉強をしてからヨーロッパに行けば無学で行くより100倍楽しめます。

※「この部分がわかりにくいです」とか「これはどうなんですか?」などの質問やコメント等ありましたら遠慮なく下部のコメント欄からお問い合わせください!
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バロック建築で学ぶポイントは以下の6つです↓
・バロック建築とは
・バロック建築の特徴
・サンピエトロ正面
・サンピエトロ内部
・後期ルネサンスと初期バロック
・各地への伝播
全ての内容を書くとかなり長くなりますので、各章ごとに図解入りの詳細記事を用意していますので理解を深めるために是非お読みください!
今まで各章ごとに記事を分けていましたが、逆に何記事もまたいで読みにくいかと思い、試しに1ページに全てまとめました。
読みにくいようなら改めて記事を分けるので、その際はコメント欄をご活用ください。
バロック建築とは
まずはバロック建築の概要と背景について解説します。
バロック建築の概要
まずバロック建築の概要を説明します。
バロック建築は、反宗教改革を原動力として誕生し、民衆の心を掴むために絵画、彫刻、建築が混然一体となって典礼を劇的に盛り上げることに力を注いだ豪華さが売りの建築様式
です。長いんですが、言ってることはめちゃ単純です。
「キリスト教会のありがたみを最大限にしたい」
ってことです(笑)
豪華にしなければならなかった背景
上で「豪華さが売り」と書きましたが、なぜ教会を豪華にしなければいけなかったのか。
超簡単ですので、説明します。
中世ヨーロッパのこの頃、贖宥状(しょくゆうじょう=免罪符)という天国に行けるチケットを販売して悪逆非道な金儲けを始めたローマ・カトリック教会を痛烈に批判したルターによって宗教改革が始められました。
ルター「天国へ行けるチケットなんてありえない!!!みんな目を覚ませーーー」
宗教改革は16世紀のヨーロッパで強力に展開され「このままのキリスト教会でいいのか」と、民衆に教会の腐敗に批判の眼を向けさせました。
※まあこの頃のキリスト教会は本当に腐っていたんですが
ルターは「人間が正しい道を歩んでいるかどうかを判断するにあたって重要なのは典礼ではなく聖書だ」と主張しました。
典礼(=ミサ)とは教会で行われる儀式のことで、ミサは信仰生活の中心であり、そこへの出席は信者の義務です。
例えば毎日曜日に教会で賛美歌を歌ったり、神父の説教を聞いたりとかです。
なので「え、あなたミサに出席してないの?あーあー、敬虔なキリスト教徒とは言えないわね(笑)この非国民め!」という雰囲気がありました。
ルターは、教会で行われる儀式に律義に毎回出席することよりも聖書の教え通りに生きる事こそが大事だと考えました。(まあおれもそう思う)
この宗教改革によって、カトリック教会からプロテスタントという宗派が現れました。
※プロテスタントの特徴は、カトリック教会のように儀式を重視するのではなく、個人が直接神と契約できるとするところにある。
「このままでは大勢のカトリックがプロテスタントに改宗してしまう・・・( ゚Д゚)」
ピラミッド構造の最上位に位置するカトリック教会の幹部たち、かなり焦りました(;´・ω・)
ここにおいてカトリック教会は、
民衆の心を掴み、感覚に訴え情感に直接働きかけるような演出によりミサを劇的に盛り上げる演出が必要だったのです。
信者を逃さないために・・・
では次に、バロック建築の特徴についてお話したいと思います。