【バロック建築】サン・ピエトロ大聖堂外観の解説【4/7】

ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回はバロック建築について説明します。

※明言しますが、西洋建築の勉強をしてからヨーロッパに行けば無学で行くより100倍楽しめます

キューバ 歴史
筆者
5回にわたってヨーロッパ30ヵ国以上を完全無学で周ってきた僕が言うので間違いありません(笑)

※「この部分がわかりにくいです」とか「これはどうなんですか?」などの質問やコメント等ありましたら遠慮なく下部のコメント欄からお問い合わせください!

今回は、「サン・ピエトロ大聖堂外観」を解説している記事です。

サン・ピエトロ大聖堂ってイタリアやっけ?

いいえ、違います!(イタリアじゃなく、バチカン市国な)

サンピエトロ正面

この章の特に重要な点を挙げると以下の4点になります↓

この記事のPOINT

➀中心軸の強調

②サン・ピエトロ正面

③神殿正面と神殿側面を合体

④段差を用いた中心軸の強調

それぞれ解説します。

➀中心軸の強調

バロック建築の傑作であるサン・ピエトロ大聖堂を紹介する前に、バロック建築の重要な要素である「中心軸の強調」を説明します。

(参考書曰く)

ミサの重視は、祭壇に向かう中心軸の強調を必然的に招くことになり、それが建物外部にも溢れ出て正面の構成に影響を与えています。

(゜-゜)?

はい、難しいと思います。

僕も何度も何度も本を読んでようやく理解できました。

前述した「中心軸の強調」とはどういうことか説明します↓

例えば、こういう↑教会があるとします。

恐らく手前に見えているのが教会の入り口で、教会の奥には祭壇とかがあると思います。

という事は、信者は入り口から入って真っ直ぐずーっと奥の祭壇↓まで歩いて礼拝することになりますよね。

ではこの教会で最も豪華にしなければならないのはどこでしょうか?

はい、答えは入り口から奥の祭壇までの直線的な部分を最も豪華にしなければいけないですよね?

これが「中心軸の強調」という意味なんです。

礼拝者はみんな入り口から奥の祭壇まで直線的に歩くので、この中心軸(直線)を強調するのが最も大事なんです。

※言い換えると「信者の眼に触れる部分が最も重要」という意味です(笑)

この「中心軸の強調」を理解するのが、バロック建築を理解する最大のポイントです。

②サン・ピエトロ正面

では実際にカトリック教会の頂点に位置するローマのサン・ピエトロ大聖堂のファサード(建物正面)をモデルに見ていきましょう。

サン・ピエトロ大聖堂自体は何度も再建されており、その一部としてファサード(建物正面)が1624年にバロック様式として完成しました↓

↑こちらがサン・ピエトロ大聖堂のファサード(建物正面)です。

こちらの図を見ながらバロック建築のファサードの特徴を見ていきましょう。

コリント式大オーダー

まず、ファサードで最も目を引くのがコリント式大オーダーです↓

上の写真のように、2階分の高さをもつオーダーを大オーダーと呼びます。

壮大な印象を与える大オーダー自体は後期ルネサンスの発明ですが、配列は全くもって異なります。

大オーダーについて詳しく知りたい方はこちら↓(別タブで開きます)

③神殿正面と神殿側面を合体

サン・ピエトロ大聖堂のファサード(建物正面)は大きく2つの構成に分けられます。

それが「神殿正面」と「神殿側面」です。

わかりにくい表現ですが、一緒に確認しましょう。

神殿正面

↑これは紛れもなく神殿正面ですね。

上に三角形のペディメントも載っていますし、「The 神殿」って感じです。

ローマのパンテオン↓と比べても大体同じでしょ?

しかしサン・ピエトロ大聖堂の場合、その玄関の左右を見てみると・・・

神殿側面

大聖堂のファサードには、神殿正面に神殿の側面部分まで貼り付けられています!!

下の図は、ギリシャ建築の最高峰パルテノン神殿を例に用いて「神殿正面」と「神殿正面」を説明しています↓

普通、神殿の正面は上の三角形のペディメントの幅で決まります。

しかしサン・ピエトロ大聖堂の場合、ペディメントの幅以上にもファサードが伸びています。

つまりこのファサードは古代の神殿側面に、ペディメントのある神殿正面を重ね合わせた構図であることがわかります。

これもバロック特有の表現なんです。

もう一度言いますよ?

過去の神殿建築はペディメント(三角形の底辺)の幅で建物がおさまっているのに↓

ローマ建築

バロック建築ではペディメントの幅以上にファサードが延長されています。

バロック建築

④段差を用いた中心軸の強調

さて、第一章で述べた「中心軸の強調」の応用が出てきますよ~

バロック建築では、中央を強調するために柱列を含む層を前後に重層させる方法を用いています。

前述しましたが、信者が入り口から奥の祭壇まで歩く直線(中心軸)が最も大事なんです。

サンピエトロ大聖堂では、正面中央のペディメントの幅を強調するために段差をつけて↓層自体を前にせり出させています。

しかも正面の端から

ピラスター
→半円柱
→3/4円柱
→完全円柱

というように、どんどん中央に近づくにつれて円柱もせり出させています。

このように、バロック建築はとにかく中心軸の強調に重きを置いたファサードをもちます。


では次に、サン・ピエトロ大聖堂の内部についてお話したいと思います。

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