ベルギーの首都、ブリュッセル旅行記【5/16】

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2017年12月20日から2018年1月10日まで、カタール航空のモニター募集に合格し、ヨーロッパを無料で旅する機会を得た。

今回はその旅の中から、ベルギーの首都ブリュッセルでの滞在についてお伝えする。

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このモニター旅は、書類審査でヨーロッパ旅行にかける思いを綴るところから始まった。

そこから、カタール航空の関係者との面接までをクリアし、数々の制約もすべて了承した上で、ヨーロッパ行きが実現した。

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最もつらかったのは何だったか。

正直に言えば、「1日2回、指定されたハッシュタグ付きでSNSに近況報告を投稿する」という義務だった。

しかし、そのおかげで、今回の旅では全ての滞在地に自分の正直な感想が残されている。

それらの記録も参照しながら、本記事を書き進めていくことにする。

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ということで、モニターとしてヨーロッパに入った。

それでは、ブリュッセル滞在記をお楽しみいただきたい(∩´∀`)∩

ベルギーの首都ブリュッセルへ

さて、ドイツ・ハンブルク中央駅のマクドナルドにて、10時間にわたる徹夜耐久レースを華麗に完走した筆者。

ハンバーガーの香りに包まれつつ、夜を制し、始発列車にてベルギーの首都ブリュッセルを目指すこととなった。

ハンブルクからブリュッセルまでは電車で約7時間。

途中、あの「ケルン大聖堂」で有名なケルンにて乗り換えを挟む予定である。

では、行ってくる。

グローバルパス強すぎ

ちなみに筆者は現在、神の恩寵のごときチケットを所持している。

それが「ユーレイルグローバルパス1等」である。

これはカタール航空様のモニター特典として授かった、鉄道界のエクスカリバーとでも言うべき至高のアイテムだ。

この「グローバルパス」、ざっくり言えば「ヨーロッパ中の電車、乗り放題(期間限定)」という、旅人垂涎のスーパーアイテムである。

例えるなら、以下のような光景が日常茶飯事である。

筆者「ブリュッセルまで行きたいんすけど」

駅員「あ、おけ。切符は?」

筆者「はいこれ。」(グローバルパスを見せる)

駅員「ぬぁぁっっ、この眩しさはなんだ!!」

筆者「しかもこれ。」(一等の文字を強調する)

駅員「一等のお方と、こんな場所でお会いできるとは!!?」

筆者「もう乗っていいかな?ニヤリ」

駅員「ははああぁぁぁっ!!!」(地面にひれ伏す)

始発の一等車両は、実に快適であった。

人影まばら、静寂の極み。

まさに王の帰還である。

しかしながら、前夜の徹夜レースのダメージは深く、乗車と同時に睡魔が襲来。

筆者は意識をカフェインに預けながら、ハンブルクから約4時間の車窓の旅を経て、ようやくケルンに到着したのであった。

ケルン大聖堂


ケルンで下車

さて、筆者がケルン大聖堂を訪れるのはこれが2回目である。

初回は2016年4月。

つまり、約2年前のことだ。

あの時は夕暮れ時に訪れ、ホーエンツォレルン橋と双塔が織りなす圧巻の夜景をカメラに収めることに成功していた。

その写真は今でもフォルダの奥で燦然と輝いている(当社比)。


2016年撮影(有名なホーエンツォレルン橋と双塔そびえるケルン大聖堂)

だが、今回は少々事情が異なる。

昼前に到着したため、夜景どころか日差しが中途半端に眩しい、なんとも絵にならない時間帯での訪問となった。

とはいえ、「まあ昼でも一応撮っとくか」とカメラを取り出したのだが…。

SDカードに残っていた記録にはトンデモナイものが写っていた…。

消防隊員の集合写真である。

なぜかケルン大聖堂の前で、消防隊員たちが肩を組み、笑顔で記念撮影している写真が1枚、いや数枚、残されていた。

筆者は思わず呟いた。

「なにしとんねん。どけや」

いや、もちろん言葉には出していない。
心の中で、だ。

彼らのプロフェッショナルな笑顔を見て、むしろこちらが恐縮するレベルである。

とはいえ、大聖堂のど真ん前に消防戦隊がポーズを決められていては撮影どころではない。

時間も惜しいので、今回の荘厳なる大聖堂撮影は潔く断念した。

ブリュッセル到着

だが問題ない。

なぜなら、筆者には「グローバルパス」という神のカードがあるからだ。

このチケットの圧倒的利点は、途中下車が気まぐれにできること

思い立ったが降車日和。

「ちょっと寄ってくか」ぐらいの感覚で世界遺産に立ち寄れるのだ。

まさに旅人の錬金術。

今回もその恩恵にあずかり、ケルンにはほんの一瞬だけ立ち寄っただけ。

大聖堂の荘厳さに一礼し、消防隊員の筋肉美に敬意を表して、再び列車に乗り込んだ。

いざ、ケルン中央駅を出発しブリュッセルへ!

一等車はガラガラ、まさにVIPになった気分。

目的地はもちろん、ベルギーの首都ブリュッセル!

ケルンからは約2時間。

グローバルパスの1等車にふんぞり返りながら、国境を軽々と超えていくこの快感。

これがユーレイル旅の真骨頂である。

Youth Hostel

ブリュッセル中央駅を出て、まず向かうは今夜の宿、ユースホステルである。

が、その道のりは決して楽ではなかった。

背中には巨大なバックパック。

重さにしておおよそ10歳の三つ子を一度に背負ったかのような負荷が筆者の背筋を直撃していた。

まさに背骨クラッシャー仕様である。

「これはいかん。早急に荷物を地面に解き放たねば、私の背中が永久に水平線を描いてしまう」

そんな危機感とともに、筆者は石畳の道をゴリゴリと進んだ。

車輪付きのスーツケースなどという近代兵器を導入しなかった過去の自分を、今こそ反省すべきである。

ようやくたどり着いたのが、ブリュッセルの誇るユースホステル「BRUEGEL(ブリューゲル)」である。

この宿、さすがユースホステル協会公認だけあって、三拍子が完璧に揃っている。

  1. 清潔
  2. 安い
  3. 朝食付き

このクオリティで文句を言う旅人がいたら、その者は貴族の末裔であると断定して差し支えない。


チェックインの様子

部屋の中も実に良好。

シーツは白く、床にゴミ一つなし。

異臭もなく、妙な虫もいない。

筆者は以前オランダの首都アムステルダムの安宿に宿泊した際、スーパー南京虫のような虫が巣食うベッドで寝たことがある。
安かろう悪かろうの典型例である。

しかしこの施設はまさに「泊まれる安心感、ここに極まれり」である。

その他、廊下も

受付も、

玄関も申し分ない。

クリスマスマーケット巡り

さて、荷物を降ろし、背中の神経も無事に生還。

筆者はようやく軽やかな格好で市内散策へと繰り出すこととなった。

ちなみに、本日は2017年12月25日――そう、クリスマスである。

クリスマスの本場中の本場、ヨーロッパのど真ん中に今、筆者はいるのだ。

なお、筆者はこれまで「クリスマスデート」なる都市伝説を一度たりとも実体験したことがない。

カッパやネッシーと同じレベルのうさんくさい話だと思っている。

そのため、クリスマスとは「家でケンタッキーとケーキを食う日」として長らく認識してきた。

だが、今日ばかりは違う。

冬の空気に包まれた石畳、光きらめくマーケット、どこからか漂うホットワインの香り――

そう、これはもう「童話の世界に迷い込んだ俺」である。

たとえ隣に手をつなぐ相手がいなくても、雰囲気だけで胸が高鳴る。

クリスマス、恐るべし。

グランプラス

「で、どこ行けばいいん?」

そう疑問に思った読者諸君、安心してほしい。

今ここに、神の啓示を授けよう。

グランプラス周辺を歩くがよいぞよ。

グランプラスとは、ブリュッセルのど真ん中に位置する巨大な広場である。


(出典:世界遺産 グラン・プラス(ベルギー)

その美しさたるや、「世界一美しい広場」との異名を持つレベルであり、当然のごとく世界遺産にも登録されている。

もはや本物である。

美しさだけでなく、観光地としての完成度も非常に高い。

建物は金ピカ、雰囲気はゴージャス、鳩もなぜか貴族風。

そんな場所である。

ちなみに筆者は、今から約1年前――2017年2月某日――この神聖なるグランプラスでテント泊を決行している。


※2017年2月某日

あの時の己の行動は、さすがにやりすぎだったと今も反省している。

8年経った今でも、「あれは夢だったのか?」と記憶に深く刻まれているレベルである。(←自分でやったくせに)

なお、その時の珍妙な冒険譚は、こちらの記事に譲ることとする。

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さて、話を現代に戻そう。

現在のグランプラスは、まさにクリスマスマーケット(以下、クリマケ)の真っ只中である。

広場の周囲には、屋台、イルミネーション、ホットワイン、ワッフル、サンタ、謎のコスプレ、全部入りだ。

その場にいるだけで「自分、今、ヨーロッパ満喫してる!」という満足感が脳内で爆発する。

グランプラス周辺をうろつくだけで、腹も心もぱんぱんになるほど楽しめるのだ。

そのクリマケの輝きを、ここで言葉にしてもよいのだが――

ここは写真にすべてを託すこととする。


グランプラス内にはGODIVAの本店がある


クリマケで有名なグリューワイン(温かいワイン)


これはよく覚えてない、なんだこれは。


ま、こんな感じだ。

一応、小便小僧の元へ

そして筆者は、「せっかくブリュッセルまで来たんだし、一応寄っとくか」という軽いノリで、小便小僧の元へと足を運んだ。

この銅像、グランプラスから徒歩数分の位置にあるため、わざわざ行こうと思わなくても勝手に辿り着く仕組みになっている。

ブリュッセル市内を歩いていれば、気付けば小便されている、そんな感じである。

さて、現場に到着。

そこに立っていたのが、こちら――

サンタコスプレ中の小便小僧。

うむ、さすがはクリスマス本番。
抜かりない演出である。

小便しながら祝祭感を演出するこの銅像、ある意味プロフェッショナルだ。

ちなみにこの小僧、「世界三大がっかり」の称号を持っている。

シンガポールのマーライオン、デンマークの人魚姫と並ぶ、世界の「え?これだけ?」三銃士の一角なのである。

確かに、筆者が初めてこの銅像を目にした時、その小ささと周囲の盛り上がりのギャップに膝から崩れ落ちそうになった記憶がある。

正直、この銅像を目当てにブリュッセルを訪れることは、全くおすすめしない。

だが――筆者はブリュッセル訪問が今回で3回目。
すでに「小便小僧の正しい楽しみ方」を会得している。

それはズバリ――

「ガッカリしている観光客を観察して楽しむ」
という高度なエンタメ技法である。

小便小僧の周囲には、世界各国から集まった観光客が溢れており、皆が皆、目を見開きながらこう呟くのだ。

「え?これ…?」
「どこ?あっ、あった…小っさ!!」
「え、これがあの有名な小便小僧!!???」
と。

現場は軽いパニック状態。

  1. スマホを構えたまま動けなくなる人、
  2. 二度見する人、
  3. うっすら失望の表情を浮かべる人など、

リアクションも実にバリエーション豊かである。

筆者はその様子をそっと見守り、内心で爆笑している。

ある意味、これこそが“大人の楽しみ方”というやつかもしれない。

興味がある方は、ぜひこの「観察型エンタメ」を試してほしい。

君もきっと、小便小僧の真価に気づくことになるだろう。

その後、再びグランプラスへ寄った時の様子がこちら。

ブリュッセル、やはり好きだ。

フランスの都市リールへ

さて、筆者はクリスマス当日をベルギーの首都ブリュッセルにて優雅に過ごした。

世間では、独りで過ごすクリスマスを「クリぼっち」と呼び、まるで負け犬の称号のように扱う風潮があるらしい。

だがしかし――ヨーロッパでのクリぼっちは、もはや貴族のソロキャンである。

イルミネーションに包まれながら、ホットワイン片手に静かに街を歩くその時間は、誰にも邪魔されない大人の贅沢である。

孤独ではない、これは「静けさの極み」なのだ。

石畳とイルミネーション、そして小便小僧に見守られながら、欧州の聖夜を満喫したのである。


そして翌朝――

本来であれば、そのままフランスの首都パリへと向かう予定であった。

しかし、旅とは常に予想を超えてくる。

朝食の時間、ホステルの食堂でふとした出会いがあった。

「コンセントのアダプタ、貸してもらえる?」

そう声をかけてきたのは、同じ宿に泊まっていた旅人の一人であった。

あれはナンパだったのか?
それとも、単なる旅の縁だったのか?
筆者にもその判断はつかない。

だが一つ確かなことがある。

――その出会いが、筆者の進路をパリからリールへと一変させたということだ。

そのまま二人で、成り行きで、会話の流れで、気づけばフランス北部の街「リール」へ。

旅慣れた筆者ですら、「まさかこんな展開があるとは」と思うほどの不思議な時間が流れていった。

果たしてこの即席バディ旅は、どこへ向かうのか?

次回――
「パリじゃなくてリールで良かったと思える瞬間」編、お楽しみに!

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