水の都、イタリアのベネチア旅行記【11/16】

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2017年12月20日から2018年1月10日まで、カタール航空のモニター募集に合格し、ヨーロッパを無料で旅する機会を得た。

今回はその旅の中から、イタリアの運河の街ベネチアでの滞在についてお伝えする。

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このモニター旅は、書類審査でヨーロッパ旅行にかける思いを綴るところから始まった。

そこから、カタール航空の関係者との面接までをクリアし、数々の制約もすべて了承した上で、ヨーロッパ行きが実現した。

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モニター募集 合格

最もつらかったのは何だったか。

正直に言えば、「1日2回、指定されたハッシュタグ付きでSNSに近況報告を投稿する」という義務だった。

しかし、そのおかげで、今回の旅では全ての滞在地に自分の正直な感想が残されている。

それらの記録も参照しながら、本記事を書き進めていくことにする。

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ということで、モニターとしてヨーロッパに入った。

それでは、ベネチア滞在記をお楽しみいただきたい(∩´∀`)∩

ヴェネツィアは金太郎ストリート

金太郎ストリート──これは筆者の完全オリジナル造語である。

意味は、「どこを歩いても景色が同じで方向感覚がバグる通り」のことだ。

そう、切っても切っても同じ顔の金太郎飴の如し。

イタリア ヴェネチア

切っても切っても同じ顔、ってことです。

では、新年早々イタリアの迷宮都市・ヴェネツィアに突入する。

朝7時30分、スイスのツェルマットを出発。

列車でゴトゴトと揺られ続け、ようやくベネツィアに到着したのは午後3時ごろ。
日付は2018年1月1日──まさに年明け一発目の大移動であった。

筆者「今年はゴンドラの町からスタートか。うむ、悪くない。」

さて、問題はここからである。

この町、どこを歩いても景色が一緒。

運河、運河、レンガ、橋、橋、小道、運河、橋、レンガ……

「さっきもこの橋、渡ったような…いや、違うか? いや、同じか? ……誰か助けて」

という状態に陥る。

だが、それでも美しい。

この水の都、迷ってこそヴェネツィア。

方向音痴にとっては、もはや永遠に終わらないRPGのダンジョンである。

駅を出るとそこは迷路の入り口でした

ヴェネツィア・サンタ・ルチア駅。

駅舎を一歩出た瞬間、筆者は悟った。

筆者「……ん?ここ、もしかしてダンジョンの入り口では?」

イタリア ヴェネチア

地図上では確かに“水の都”と呼ばれていたはずだが、実際のところ“迷宮の都”である。

さあ、ホステルへ向かおう。

だが、ここで筆者に与えられたのはたったひとつの武器。

それは、スクリーンショットした地図1枚。

イタリア ヴェネチア

海外ローミング?ポケットWi-Fi?

そんな文明の利器は持っていない。

筆者は令和のネット難民である。

頼れるのはスマホ内に保存された、画質の荒いこのマップのみ。

筆者「ま、なんとなくで行けるやろ」

この慢心がすべての始まりだった。

このような粗雑なマップで目的地に辿り着けるほど、ベネツィアは甘くない!!

ヴェネツィア

ヴェネツィア未経験の方に申し上げたい。

この都市、完全に冒険者を殺しにかかっている。

まず道幅。

2人すれ違えば「おっと失礼」が発生するレベルがわんさかある。

そのくせ、急に行き止まり。

筆者「いや、道が川で終わっとるやないかい」

しかもこの道、直進しても目的地にたどり着けることはほぼない。

なぜなら、あらゆる道がジグザグかつ立体交差しているからである。

イタリア ヴェネチア

しかも“東へ進む”という唯一の情報が、ヴェネツィアでは無意味。

なぜなら、建物が高すぎて太陽が見えないからだ。

コンパス? 見てる余裕なんてない。

橋・橋・細道・橋・行き止まり──エンドレス地獄だ。

イタリア ヴェネチア

イタリア ヴェネチア

なんとなく真っすぐ東に向かっているつもりが、気付いたら真逆の西向きに歩いていた、みたいな「さすがに気付くやろ」という謎の方向感覚ロスに陥る。

イタリア ヴェネチア

筆者「おれ、いま……どこにいるの?」

もはやホステルより先に自分自身を見失うレベル。

イタリア ヴェネチア

イタリア ヴェネチア

イタリア ヴェネチア

ヴェネツィアとは、事前準備を怠った旅人に与えられる試練の地である。

地図を持っていようが、方向感覚に自信があろうが、関係ない。

ここでは”運”と”勘”と”靴の耐久力”がすべてだ。

筆者
「迷ったことすら思い出に変えてしまう、それがヴェネツィア」

そう無理やりポジティブに捉えたところで、ホステルはまだ見つかっていない。

日本は本当に便利な国

誰かに訊こうにもこの日は元旦。

観光客すらほとんどおらず、街はほぼ“ゴースト迷路”状態である。

ホステルまではたったの200〜300m。
だが、地図は頼りにならず、道も曲がりくねり、似たような風景が延々と続く。

結果的に到着まで約30分を要した。

筆者「え、これ時速500メートル……?」

25歳・健康体・現役空手家が、足腰ヨボヨボのおじいちゃんよりも遅いという悲劇。

ようやくたどり着いたホステルは、当然のように貸し切り状態である。

元旦のヴェネツィア、宿泊者ゼロ。
なんだこの静けさは。

筆者「ところで……このホステル、予約記録どこいった?」

そう、あまりに記憶があやふやすぎて、もはやどこに泊まったかすら思い出せない。

ブログに記録を残す旅人として致命的である。
すみません。

さて、気を取り直して自炊でも……と思ったら、

なんとヴェネツィア中のスーパーマーケットが全滅していた。

なんせ本日は2018年の元旦である。

唯一開いていたレストランで命をつなぐ。

「まだ開いててくれてありがとう」と、店員に心の中で拝み倒した。

筆者「ヨーロッパ、マジで日曜日と祝日は休む。ガチで働かない。」

コンビニが24時間営業、スーパーも元旦から開いてる日本に慣れた人間にとって、ヨーロッパは文明の空白地帯に思えることがある。

この日は結局、宿から徒歩5分圏内しか行動していない。

ヴェネツィアの美しい街並み?
まったく見ていない(笑)

しかし筆者はウキウキであった。
理由はただ一つ。

筆者「明日、夢の国フィンランドに行くからであるッ!!」

ヴェネツィアからフィンランドへ

さて、夢の国・フィンランドへ飛ぶべく、まずはヴェネツィアのマルコ・ポーロ空港へ向かわねばならない。

ホステルから空港までの最寄りバス停まで、距離にしてわずか1.3km。

「お、近いじゃん」と思ったそこのあなた、甘い。甘すぎる。

昨日の迷子タイムアタックの経験を活かし、今回は時速1.3kmという超安全設計で計画。

イタリア ヴェネチア

筆者「一般人が時速4kmだと言われるので、これはもはやカメ。」

──が、もはや迷うのにも慣れた(気がする)筆者、なんとか1時間弱で勝利を収める。

途中の写真はカット。

なぜなら、何十枚も運河と橋とよく分からん石畳しか写ってない。

イタリア ヴェネチア

ようやく視界が開け、この「運河」が見えた瞬間、勝利確信。

運河まで出ればこっちのものである。

そこから徒歩5分で巨大なバスステーションに到着。

ここが、ヴェネツィアの交通の要塞。

街から脱出したい者、空港に向かう者、すべてここを通る。

このバスに乗って、ついに──夢の国フィンランドへ!!!

筆者が子供の頃から夢見た地、北欧フィンランド

目的地は首都ヘルシンキである。

雪。オーロラ。サウナ。ムーミン。コーヒー。サンタクロース。

この国、なんかいろいろ詰め込みすぎではないか。

筆者の目的地一覧はこちら

  1. ムーミンカフェ(ガチで存在する)
  2. エロマンガという謎ネームの老舗ベーカリー(マジである)
  3. マリメッコ本社工場(服好きには聖地)
  4. なぜか寿司屋(何でもある)

フィンランドは冬の日照時間がわずか数時間であり、うっかり寝坊すると1日が終わっている。

それでも筆者はワクワクでいっぱいだ。

だってこれから、北欧の白銀世界で人生初の“極寒初体験”が始まるのである。

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