さて、本記事ではユダヤ人の聖書(=物語)である旧約聖書をなるべくわかりやすく解説してみました。
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さて、遂にこの単元にやってきたかという感じです。世界を周るうえで必ず知っておくべき知識の一つ、それは宗教の基礎知識で宗教上のルール違反等を勉強せずに世界を旅することは危ないし勿体ないです。今回はユダヤ教の歴史をわかり[…]
さて、本記事ではユダヤ人の聖書(=物語)である旧約聖書をなるべくわかりやすく解説してみました。大まかなお話は以下の記事で既に言及していますので、興味があればこちらからご覧ください↓[sitecard subtitle[…]
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では早速始めます(”◇”)ゞ
「約束の地」カナン奪還とイスラエルの初代王サウル
前回のおさらいですが、エジプトからイスラエルの民を脱出させたモーセでしたが、志半ばにして倒れたんですよね。
結局生きてカナンの地に還ってこれたのは(エジプト脱出世代では)ヨシュアとカレブの二人のみ。
なんとかカナンの地にたどり着いたヨシュアとカレブ
モーセの死後、イスラエルの隊を率いたのはヨシュアでした。
ヨシュアらはなんとかカナンの地に到着しましたが、そこにはすでに異民族が住み着いていました。
なんとかたどり着いたカナンの地にはすでに異民族が跋扈していた…
そこでヨシュアは、武力を用いてカナンの地を奪うことにしました。
あっさりΣ(゚Д゚)
カレブ「おい、どうする?異民族がいるぜ…」
ヨシュア「ん?軍事力で解決だろ♡」
神は「十戒」で殺人を禁止しています、が、イスラエルの民のためならよしとしたようです。
この神のさじ加減もよくわかりませんよね。
「殺人」は十戒で明言している禁止行為なのに
ヨシュアらは神から様々な奇跡や加護を受け、カナン奪還に成功しました٩( ”ω” )و
ちなみにヨシュアらが葬った異民族の王の数は三十一人、歯向かってきた民族は根絶やしにしたという…
ヨシュアらに根絶やしにされた異民族たち…
これは彼らの武力の凄まじさと、それだけ広い土地を手に入れたことを意味しています。
なんせ葬った王の数が31人です、恐ろしい軍事力です。
そこでヨシュアが王となるのかと思いきや、、、土地は十二部族にくじ引きで分配されました。
どのロープが”当たり”なのだ(;゚д゚)ゴクリ…
くじが「神意を与える」と考えられたからです。
あくまでも勝利は「神から授かったもの」という考え方に、彼らの信仰の篤さがうかがえます。
ショート・ストーリーとして楽しめる「士師記」
ところが、ここで「めでたしめでたし♡」とならないのが旧約聖書のおもしろい部分です。
神の使い、それが"士師"である。
旧約聖書は十二部族の祖ヤコブ以降、イスラエル民族の歴史書の様相を呈することになりますが、どの時代を見てもとにかく神と民との関係が密接なのです。
この時代も例外ではありません。
すぐに神との契約「十戒」を忘れ、自分勝手に振る舞う民たちと、罰を与えながらも諦めずに見守り続ける神。
その様子はお互いを高め合っているようにさえ見えるのです。
たとえばカナンを手に入れたイスラエル人たちでしたが、蹴散らした他民族の襲来に備える毎日が続くなど、治世は安定したものではありませんでした。
敵の襲撃に怯えるイスラエルの民
そこで人々は豊穣の神バアルなど、異民族が信仰する神の存在も認め、次第に自分たちも祈りを捧げるようになっていくのです。
しかしそれを「イスラエルの神」が許すはずがありません。
神「十戒の一番初めに載っておるであろう、貴様らはわし以外の神を持たぬと!!!!」
※十戒の内容についてはこちらをクリック!!
神のご加護を失った領地には敵国が侵略し、イスラエル人たちは再び支配されてしまうのでした。
敵の襲撃に逃げまどうイスラエルの民
自分たちの過ちを思い知り悔い嘆く人々に神は「士師(=しし)」と呼ばれる、外敵を撃退するための指導者を送り民を救出するのです。
明らかに他とは雰囲気が違う、それが士師である。
しかし士師が亡くなると民はまた神を裏切る行為に出ます。
すると再び土地に異民族が襲いかかってくるのです…。
士師の時代にはこのサイクルがなんと七回も繰り返されるのでした。
この様子を描いたのが士師記で、士師たちは
- 主婦デボラ
- 一人娘を神に捧げたエフタ
- 貧弱なギデオン
- 愛する女デリラに裏切られ怪力を失ったサムソン
など、とにかく個性的でショートストーリーとしても非常におもしろいのです。
女性も士師として登場する!!!(↑唯一の女性士師デボラ)
代表的な士師は計12人と言われ、「他民族から民を救う英雄」である大士師6人と、「裁き人」としての役割が強い小士師6人に分けられます。
士師に関してはこんな記事を見つけたので詳しい話はこちらに譲ります↓
士師について知りたい方は必見!この記事では、聖書に登場するイスラエルの英雄である…
なぜイスラエルの民は「王」を待望したのか?
さて、いくら神から選ばれたとはいえ、士師は一代限りの民のリーダーに過ぎません。
敵国の侵攻が激しさを増す状況を危惧した民たちは、強力な指導力を持つ「王」の登場を切望するようになっていったのです。
この頃に登場したのが、最後の士師である預言者サムエルでした。
紀元前十一世紀の人です。
最後の士師、ラスト・サムエル
サムエル自身は「王とは神である」との考えから、民の中から王を選出することを良しとは考えていませんでした。
そのためイスラエル人に対して「王は必要ない」と熱心に説き続けていたようなのです。
しかし神は「彼らの言う通りにするといい」と、そこで当時三十歳の若者サウルを王として選出することにしたのです。
サムエルが選んだサウル(30歳)
サウルに王として求められた職務は、異民族との戦いにおける勝利でした。
サウルの軍は強く、どんなに不利な戦いでも圧倒的な力を見せつけ異民族を撃破し続けるのです。
その様子を見て、就任当初は認めようとしなかった民も、サウルに絶大な支持を寄せるようになりました。
民衆にも支持され始めたサウル王
そして当初は謙虚だったサウルも、王としての強い自信を持ち始めたのです。
参考書には載っていませんが、このサウルを初代王とする王国をヘブライ王国と呼ぶことが一般的です。
イスラエル王国と呼ぶ場合もあります。
世界の歴史まっぷさんの年表にもありました↓
もう少し拡大してみます↓
上の年表を確認しても、だいたい紀元前1000年頃に「ヘブライ王国」が成立していることがわかりますね。
まあすぐに二国に分裂するんですけどね(゚Д゚;)
そんなサウルにとっておもしろくないのが、預言者としてなお「神の言葉」を与え続けるサムエルの存在でした。
サウルに意見する士師『サムエル』
サムエル「サウルよ、南部の治水事業を進めよとの神のお言葉じゃ」
サウル「ふぅ、はいはい(チッ)」
サムエル「なに、北を攻めるじゃと?神は西の敵を討てと仰っている!」
サウル「わーったよ(こいついつまで生きてんだ)」
サムエル「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らずじゃ。謙虚さを常に忘れるな!」
サウル「...(また始まりやがった)」
事実、サウルはサムエルの言葉を一切無視するようになり、自分勝手に振る舞うようになりました。
神から受けた戦に対する忠告にも耳を貸さなくなったのです。
サウルの様子に失望したサムエルに、神は「サウルの後継者を見つけた」と告げます。
その人物はベツレヘムにいるという...。
そこで出会った羊飼いの少年こそ、次なる王ダヴィデでした。
ついに未来の王を見い出したサムエルじーちゃん
サムエルは「この少年こそ未来の王である」と確信し、その場でダヴィデの頭に油を注いだのです。
では次ページでは「イスラエル全盛期を築いたダビデ王とソロモン王」についてご紹介します。
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