【図解でわかる】ゴシック建築の3つの革新【3/6】

ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回はゴシック建築について説明します。

※明言しますが、西洋建築の勉強をしてからヨーロッパに行けば無学で行くより100倍楽しめます

キューバ 歴史
筆者
5回にわたってヨーロッパ30ヵ国以上を完全無学で周ってきた僕が言うので間違いありません(笑)

※「この部分がわかりにくいです」とか「これはどうなんですか?」などの質問やコメント等ありましたら遠慮なく下部のコメント欄からお問い合わせください!

今回は、「ゴシック建築の3つの革新」を解説している記事です。

ゴシック建築の3つの革新って、なんだっけ?

・・・。(今からその話するって、普通わかるよね?)

ゴシック建築の3つの革新

この章の特に重要な点を挙げると以下の3点になります↓

この記事のPOINT

➀ゴシック建築の革新

②交差リヴヴォールト

③尖頭アーチ

④フライング・バットレス(飛び梁)

それぞれ解説します。

➀ゴシック建築の革新

今まで見てきたように、ロマネスク建築の課題は

・重厚な外観

・背が低い

・窓が小さい

でした。

ゴシック建築の特徴で、ロマネスク建築に見られなかった外見的特徴として

交差リブヴォールト↓

ゴシック建築

尖頭アーチ↓

ゴシック建築

フライング・バットレス↓

ゴシック建築

の三つをただ挙げるブログや本が多いですが、(間違いではないにしろ)参考書の著者曰くそれは

教科書的ではあるが、いささか時代遅れ

とのことです。

本質を見ていないとの事なんです。

見分け方を知って「あーこれはロマネスク建築だな」とか「お、尖塔アーチがあるからゴシック建築か」などと、建築様式だけを見分けられても「だから何?」って感じですよね。

重要なのは

ロマネスク建築からゴシック建築へはどういう技術革新があり

どういう表現に主眼を置き

どういう過程でそうなったか

を知ることです。

上記の三つの特徴はあくまで結果であり、発明に至る過程を知ることが大事です。

その中で、著者が挙げている革新の本質は

線状要素と重量感の排除

で、ロマネスク建築が部分と部分の組み合わせで構成されているのに対し、ゴシック建築は全体的に統一されているのが特徴です。

では

交差リブヴォールト

尖頭アーチ

フライング・バットレス

のそれぞれの機能を見ていきましょう。

壁で支える方式を捨てて、骨組みで支える方式を得たことがゴシック建築完成の大きなポイントになります。

ゴシック建築は壁ではなく柱で支えている!

②交差リヴヴォールト

交差リブヴォールトは、交差ヴォールトの稜線上にリブを取り付けて補強したもので、ゴシック建築時代に発明されました。

まずはロマネスク時代のヴォールトを見てみましょう↓

↑ロマネスク時代の交差ヴォールトにはリブが無いので、天井の重さを支えるのは両側の壁と太い柱(ピア)になりますよね?

天井を高くしたければ、それに比例して柱や壁の厚みも太くしていかなければなりません。

また、この天井↑の✖になっている部分に重さが集中するので、ここを補強する必要もありました。

ここまでがロマネスク建築の限界でした。

ではゴシック時代に発明された交差リヴヴォールトを見てください↓

リブとは「肋骨」を意味する英語ですが、このリブを取り付けた交差ヴォールトを交差リヴヴォールトと呼ぶんです。

↑この写真の天井を見てください。

リブを取り付けると、リブが繋がっている柱で重さをもたせることができるので、そのぶん壁を薄くすることができます↓

サラっと非常に重要なことを言いましたので、もう一度言いますね!

柱さえ頑丈なら壁は薄くてもいいのです。

極端な話、柱さえ頑丈なら壁はあっても無くてもいいんです↓

壁で天井の重さを受けるのではなく、リブが繋がっている柱で重さを受けるようにしたのです。

合言葉は「壁で支える方式から骨組みで支える方式へ」

③尖頭アーチ

交差リブヴォールトによって天井の強度を上げることができました。

しかしその柱にアーチを付けようと思うと、重さがアーチの柱にかかって(推力によって)再び倒壊する可能性がありましたよね?

推力についてはこちらでお話しましたが↓

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ゴシック建築 ロマネスク建築 課題

早い話が、こーゆーことです↓

柱が細いと、天井の重さに負けて柱が折れるかもしれません↓

ゴシック建築

もしくはそのまま柱が横に押し倒されるかもしれません↓

ゴシック建築

この問題を解決したのが尖頭アーチです↓

※「せんとうアーチ」と読み、頭が尖っているアーチを指します↓

さあイメージしてください!

ゴシック建築

普通のアーチだと上から力がかかると推力(柱を横に押し倒そうとする力)が増すので倒壊の危険性があります(先ほどの図通り)

しかし尖頭アーチにすると、推力が弱くなり上からの力がそのまま黒い柱の足元にかかります↓

大地なら別に10トンの重さがかかっても大丈夫ですもんね。

なので、柱さえ頑丈なら天井を高くしても壁に大きな窓を開けても大丈夫!

徐々に壁の重要性が無くなってきていますね。

合言葉は「壁で支える方式から骨組みで支える方式へ」

④フライング・バットレス(飛び梁)

そしてゴシック建築の最も重要な革新がこのフライング・バットレスです。

通常、塔が高くなればなるほど推力は増し、建築物として不安定になっていきます。(ですよね?)

ゴシック建築

しかし塔を高くしても柱を横から支えるものがあれば安定します。

それがフライング・バットレス(別名「飛び梁」)なんです↓

フライング・バットレスは、ヴォールトの横圧を受け止めそれを控え壁へと流します。

ゴシック建築

このフライング・バットレスの発明により、身廊壁は荷重支持機能から解放され、薄くて高い、しかも大きな開口部のある身廊壁が可能となりました。

ゴシック建築

教会堂の外周部には、ピナクルと呼ばれる小尖塔をいただいた控え壁が、フライング・バットレスを受けるために林立しています。

ゴシック建築

あたかも針葉樹の森のような外観ですが、これは内部空間を実現するために、構造の仕組みを全て建物の外部に露出させた結果なんです。

ロマネスク建築編でも書きましたが、基本的に教会の装飾で大事なのは信者がお祈りをする『内部』です。

内部の不安定さを全て外部のフライング・バットレスで受けているので、外から見たらあまり軽やかには見えませんよね。

でもそれでいいんです。

ゴシック建築

↑内部はこんなにも軽やかに見えるんですから。

合言葉は「壁で支える方式から骨組みで支える方式へ」

では次に、ゴシック建築の無重量性についてお話したいと思います↓

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ゴシック建築 重量感

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