さて、本記事ではユダヤ人の聖書(=物語)である旧約聖書をなるべくわかりやすく解説してみました。
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さて、遂にこの単元にやってきたかという感じです。世界を周るうえで必ず知っておくべき知識の一つ、それは宗教の基礎知識で宗教上のルール違反等を勉強せずに世界を旅することは危ないし勿体ないです。今回はユダヤ教の歴史をわかり[…]
さて、本記事ではユダヤ人の聖書(=物語)である旧約聖書をなるべくわかりやすく解説してみました。大まかなお話は以下の記事で既に言及していますので、興味があればこちらからご覧ください↓[sitecard subtitle[…]
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では早速始めます(”◇”)ゞ
『旧約聖書』のハイライト!モーセの「出エジプト」と「十戒」
さて、前回までの記事でヤコブと12人の息子たちがエジプト移住をするところまでをお話しました。
エジプトへ向かうヤコブ一家
その後、物語の幕が再び開かれるのは数百年後。
イスラエルの人々がエジプトで迫害され、奴隷として扱われるようになった時代からです。
エジプトに定住したイスラエルの民は、どんどんその数を増やしていきました。
エジプトで増え続けるイスラエルの民
数は脅威です。
ヤコブの息子ヨセフがエジプトを大飢饉から救ったことを知らない世代になると、エジプトの人々はイスラエル人に対して恐れを抱くと同時に、嫌悪感を抱くようになっていきました。
イスラエルの民「我らの先祖のヨセフ様がエジプトの大飢饉を救ったんだ。いわばイスラエル人はエジプトの救世主さ」
エジプトの民「最近イスラエル人が増えすぎてない?あいつらエジプト乗っ取る気かよ、もうコワイ…」
ファラオ「むぅ、これはなんとかせねば…」
そこでファラオは、イスラエル人を奴隷の身分に落とし、虐待するようになりました。
奴隷として重労働を課せられたイスラエルの民
エジプト人「おらおら、イスラエル人は奴隷なんだ。馬車馬のように働け!!ピシッピシッ」
しかしイスラエルの民は厳しい労働にも耐え、それでも人口を増やし続けたのです。
ファラオはさらなる人口抑制政策として、一人っ子政策を行い…すみません、間違えました。
ファラオは人口抑制政策として、生まれてきた男の子を殺害するよう命令を下したのです。
ところが神の怒りを畏れた助産婦たちはそれを聞き入れなかったので、この政策はイマイチ効力を発揮しませんでした。
しかしこれで諦めるわけがありません。
なんせ大国エジプトの王、ファラオです(゚ω゚)
ついに本気を出したファラオ
ついにファラオは、新しく生まれたイスラエル人の男子をナイル川に投げ捨てるように、という非人道的な勧告を出したのです。
こんな恐ろしく切ない時代に生まれたのが、旧約聖書の中核を担うモーセでした。
エジプト王女に拾われ"最高の教育"を受けたモーセ
なんとか隠れて育てられていたモーセ
さて、モーセの両親は生後三カ月まではなんとか自分の元でモーセを育てていましたが、いよいよそれも難しくなってきました。
そこで、防水処理を施したパピルスでできた籠にモーセを入れ、ナイル川の岸辺の葦の中にそっと置き去ったのです。
両親「ごめんねモーセ、もうこうするしか無いの…素敵な人に拾われますように(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)」
それを見つけたのが、偶然水浴びに来ていたファラオの娘だったのです。
偶然ファラオの娘に拾われた超強運のベビーモーセ
モーセは王女に拾い上げられ、王族の中で最高の教育を与えられ、大切に育てられました。
最高の教育を受けるエリートヤングモーセ
成長したモーセはある日、強制労働の現場でイスラエル人を虐待しているエジプト人監督を目にします。
怒りで我を忘れたモーセは、気が付くとなんとそのエジプト人監督を殺してしまっていたのです。
おい!!おい、しっかりしろ!!
この事件はすぐにファラオの耳に入りました。
たとえモーセに非はなくても、イスラエル人がエジプト人を殺したとなれば極刑は免れません…
なんせ、イスラエル人は奴隷の身分ですからね、一応…
エジプトを出たモーセは放浪の末、ミディアン地方にたどり着き、祭司の娘と結婚して羊飼いとして過ごすこととなりました。
幸せを手に入れたモーセ
神は"奇跡を起こす杖"をモーセに授けた!
山での生活は素晴らしく、モーセは穏やかな日々を送っていました。
しかしある日、モーセはシナイ山で神から
「イスラエル人をエジプトから救い出し、カナンの地に連れ戻せ」
との命を受けました。
モーセ「え、私がですか?いえ、自分には荷が重過ぎます!!!」
エジプトでは相変わらずイスラエル人が酷使されていました。
馬車馬のようにこき使われるイスラエル人
とは言え、モーセがエジプトを離れて早くも四十年が経過しており、躊躇するモーセに神は奇跡を起こす杖を授けてこう言いました。
「わたしはある。わたしは"ある"という者だ」
↑参考書に書いてあることをそのまま記述しましたが、誤植でしょうか?、これに関しては筆者もマジで意味不明です(´・ω・`)
しかしモーセはそれでも何度も神に断りを入れ、その度に神から説得を受けていました。
エジプトに戻ることを悩むモーセ
このように、神を感じ、その声を聞きながらも「自分に救世主のようなことができるのだろうか」と思い悩むモーセの姿はなんとも人間的でおもしろいと著者は語っています。
ついにエジプトに戻ったモーセは、雄弁な兄アロンとともに、ファラオにイスラエル人を解放するよう直談判します。
モーセ「ファ、ファラオ様。イスラエル人の民を…」
「そんなこと許さん、この恩知らずがあぁぁぁぁ」と怒るファラオ
しかしイスラエル人は大事な労働力、ファラオは首を縦に振らず、そればかりかさらに厳しい使役を課すのでした。
間一髪でファラオをかわした!「葦の海の奇跡」
そこでモーセは神の意志を見せつけるべく、エジプト全土に十の災いをもたらしました。
- ナイル川を血に変える
- ぶよを発生させ、エジプト人だけを襲わせる
- 疫病を発生させ、エジプト人の家畜を苦しめる
- 天から雹を降らせ、作物を全滅させる etc…
いずれの災厄もエジプトにとっては大打撃でしたが、それでもファラオは了承しません。
ちなみに十の災いとはこちらです↓
- 血の災い
- 蛙の災い
- ブヨの災い
- アブの災い
- 疫病の災い
- 腫れものの災い
- 雹の災い
- イナゴの災い
- 暗闇の災い
- 長子皆殺しの災い
そこでモーセは「エジプト全土の全ての長子を殺す」という最終手段に打って出、ここにきてようやくファラオは屈服しイスラエル人の解放を許したのでした。
粘り勝ちのモーセおじちゃん
ファラオ「もうよい、行け」
モーセは成人男子だけで約六十万人という大集団を引き連れ、カナンに向かって移動を始めました。
これが出エジプトです。
しかしそれを知ったファラオは慌てふためき、(恥も外聞もありませんが)奴隷を失うことが急に惜しくなりました。
軍隊の先頭に立つファラオ
ファラオは前言撤回、自ら軍隊を率いて猛追、そしてついにモーセたちは葦の海の入り口でエジプト軍に追いつかれてしまいました。
海に追い詰められたイスラエル人
目の前は海、後ろは軍隊。
まさに「前門の虎、後門の狼」の如しです。
民A「ぎゃあぁぁぁぁ!!!!逃げろ逃げろ」
民B「バカ押すな!!海に落ちる!!!!!」
民C「エジプト軍がぁぁ((((;゚Д゚)))))))神よお助けください…」
逃げ場所を失ってパニックを起こすイスラエルの民に静かに近寄るファラオ。
イスラエル人を追い詰めたファラオ(剣の達人っぽい)
「モウ オワリニシヨウ」
モーセ一行にとっては絶体絶命の局面でしたが、モーセは海に向かいスッと手を挙げました。
すると海が真っ二つに割れ、そこに道が出現したのです!!!
間一髪、モーセの一行は海を渡ることでファラオの追撃から逃れることができました。
イスラエル人が渡り切ったと同時に海は閉じ、後を追ってきたエジプト兵たちは海の藻屑となって消えました。
これが「葦の海の奇跡」です。
紀元前十三世紀の後期に、モーセ率いるイスラエル人たちはこうしてエジプトから脱出することができたのです٩( ”ω” )و
海を割るモーセ、スペック高過ぎです。
シナイ山で神がモーセに与えた「十戒」には何が書かれていた?
さて、無事にエジプトを脱出できたイスラエル人たち、残るはカナンを目指すのみです。
民A「うっわー耐えたぁぁ(笑)」
民B「いやー、ほんまもうダメかと思ったわ〜(笑)」
民C「あとはカナンに帰るだけか〜長い旅だったなー(´༎ຶོρ༎ຶོ`)シミジミ」
安堵の表情を浮かべるイスラエルの民たちでしたが、その後の行程も過酷を極めました。
飢えや疲れなど数々の試練に耐えながら、一行は三カ月後にようやく聖なる山「シナイ山」の麓に到着しました。
エジプトからシナイ半島へ逃れたモーセ一行
ここでモーセは再び神から呼び出され、山頂で一人神の啓示を受けました。
イスラエルの民が神を信じ、神の言葉に従い、契約を守るなら彼らを聖なる民としよう
モーセが山の麓に戻り、その言葉を伝えると人々は一様に神の言葉に従いました。
そこで結ばれたのが、十の戒め「十戒」です。
- わたしのほかに、ほかの神があってはならない。
- 自分のために、偶像をつくってはならない。
- 主の御名をみだりに唱えてはならない。
- 安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ。
- 父と母を敬え。
- 殺してはならない。
- 姦淫してはならない。
- 盗んではならない。
- 隣人に対し、偽りの証言をしてはならない。
- 隣人の家のものを欲しがってはならない。
ちなみに、
一から四までの戒めは「神と人との間の契約」
五から十までの戒めは「人が守るべき倫理、道徳規範」
になっています。
確かに⑤〜⑩は良いことしか言ってません(*´∀`*)
なぜ、モーセは「カナンの地」を踏むことができなかったのか
ところがモーセと神がこの契約を結ぶのには四十日四十夜を費やしました。
余談ですが、「ノアの箱舟」のお話で神が大洪水を起こしたのも四十日四十夜の間ずっとでしたね…
なかなか姿を現わさないモーセを待ちきれなかった民は、「金の子牛の像を造りそれを崇める」という神が禁止した行為『偶像崇拝』を行い、契約を待たずして早速禁を破ってしまいました。
四十日四十夜を待てずに偶像崇拝してしまうイスラエルの民
神はこれに怒り狂い、像を造った民、三千人以上を殺してしまいました。
神「たった四十日四十夜も待てぬとは…愚民どもめが!!!」
こうして契約は始めからやり直されました。
再び四十日四十夜が費やされ、ようやくイスラエル人は「神の民」と呼ばれるようになったのです。
しかし神と人間の微妙な関係は続きます、というのも…。
人々はカナンを目指す過酷な旅の最中で、
「エジプトで奴隷をしている方がマシだった…」
などと、モーセはもちろん神に対してまで不満を口にし始めていたからです。
陰でリーダー抹殺を企む男たち
さらには、自分たちを率いたリーダーたちを指し、
「あいつらを殺してエジプトへ帰ろう」
などと言い出す始末。
これには神も激怒し、ついに民を滅ぼそうとしましたが、モーセの説得でなんとか思い留まったようです。
しかしおさまりがつかなかった神は、
不平を口にした二十歳以上の全員が死に絶えるまでの四十年間、お前たちは荒れ野をさまよい歩かなければならない
と宣告し、さらにリーダー殺しを企てた首謀者らを全滅させました。
この、時々神が預言者に諌められるシーンはなんなのでしょうか?笑
神もめっちゃ感情的になってるシーンは正直笑えますよね、全知全能のくせして。
さて、結局カナンの地に足を踏み入れることができたのは、エジプト脱出の世代ではヨシュアとカレブの二人だけだったのです。
出エジプトを乗り越えてカナンにたどり着いたのはヨシュアとカレブの二人のみ
つまり英雄モーセですら「民を統制できなかった罰」として、カナンに足を踏み入れることは叶わなかった(=許されなかった)のです(;゚Д゚)
その時モーセは百二十歳だったと旧約聖書には記されていますが、ここまで神に誠心誠意仕えてきたのです。
「約束の地=カナン」の空気を吸わせ、王に任命してやるくらいのご褒美をあげても良いのでは…?という気もしますが、この厳しさこそ、この地における「神」なのです。
では次ページでは「約束の地カナン奪還とイスラエルの初代王サウル」についてご紹介します。
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