⑨【図解でわかる】中期ルネサンス建築の解説【4/7】

この記事を読むのにかかる時間: 2

ルネサンス建築 中期

ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回はルネサンス建築について説明します。

» 恒例の挨拶(クリックで開きます)

※明言しますが、西洋建築の勉強をしてからヨーロッパに行けば無学で行くより100倍楽しめます。

キューバ 歴史
筆者
5回にわたってヨーロッパ30ヵ国以上を完全無学で周ってきた僕が言うので間違いありません(笑)

※「この部分がわかりにくいです」とか「これはどうなんですか?」などの質問やコメント等ありましたら遠慮なく下部のコメント欄からお問い合わせください!

» 折りたたむ

本記事は「中期ルネサンス建築」を解説しています。

中期ルネサンス建築

この章の特に重要な点を挙げると以下の2点になります↓

この記事のPOINT

➀パラッツォ・メディチ

②パラッツォ・ルチェルラーイ

初期ルネサンス建築が完成した頃に、新たなルネサンス建築が生まれ始めました。

それが、

➀アルベルティによる「パラッツォ・メディチ」(1444~1459)

➁「パラッツォ・ルチェルラーイ」(1446~1451)

です。

それぞれ解説します。

➀パラッツォ・メディチ

パラッツォ・メディチ(1444~1459)ではルスティカ(粗石積み)が全面的に採用されていますが、オーダーそのものはまだ使用されていません。

(※ルスティカについては後述します)

え、円柱は(。´・ω・)?

初期ルネサンス建築編で紹介した捨子養育院よりも古典系建築感を失っています。

初期ルネサンス 建築

(↑捨子養育院)

初期ルネサンスより中期ルネサンスの方がより攻めたということなんでしょうかね?

中期ルネサンスはそもそもオーダーの大原則、円柱が一本も無いので古典系建築とは全く言えませんね。

やっぱり円柱が無いとねぇ、そもそも古典系って呼んじゃダメですよね〜。

ギリシア建築

↑我々はこんなんを求めてるんですよね!

確かに窓とかは結構統一的に配置されてるし、何となく調和を大事にしている感はあるけどまだまだ足りません。

「ローマ建築を模範に・・・ってほんまか?(゚д゚)!」と思える仕上がりですね。

②パラッツォ・ルチェルラーイ

パラッツォ・ルチェルラーイ(1446~1451)になると、ピラスター(←円柱の代わり)もあってエンタブラチュアもありますし↓

窓の配置などはオーダーの原理(つまり比例調和的)に従って決められているのがわかります、よね?

このパラッツォ・ルチェルラーイ、実はコロッセオの立面を適用しているのです。

ブログ アイコン
筆者
イチイチ難しい言葉が使われてウンザリしますよね(笑)

「立面を適用している」とはどういうことかと言うと、「コロッセオの構成をそのままパクってる」ってことなんです。

これもローマ建築編で紹介しましたが、コロッセオは4階建てで各階のデザイン(柱頭装飾)が違うんです↓

ローマ建築

そのコロッセオの各階のデザインをそのままパクっている(オマージュしている?)ということです↓

パラッツォ・ルチェルラーイの各階の柱頭は、

1階:ドリス式ピラスター

2階:イオニア式ピラスター

3階:コリント式ピラスター

なのです。

コロッセオの立面も半円柱とピラスターの違いはありますが、構成は同じです。

コロッセオについては別記事で説明しているので参考にして下さい↓

関連記事

ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回はローマ建築について説明します。[show_more more=恒例の挨拶(クリックで開きます) less=折りたたむ color=#0066cc list=»][…]

ローマ建築 コロッセオ パンテオン

なのでパラッツォ・ルチェルラーイはローマ建築のより深い理解を示しています。

そこにはあるメッセージが込められています↓

ローマ建築まぢリスペクトっすよ、まぢパねえ

コロッセオの立面を適用するあたり、確かにローマ建築に敬意を払っている感は伝わりますが、まだ古典系建築と呼べるほどではありませんね。

だって大前提のオーダーが無いのですから。

もう嫌ってほど繰り返しますが、オーダーの大原則はあくまで「円柱の上にエンタブラチュア」です!!!!

ギリシャ建築 解説

そう、これ、これなんです!!!

中期ルネサンス建築家は円柱の代わりにピラスターを使ってオーダー感を残そうとしましたが、やっぱりオーダーとは呼べないのです!!!!

すみません、アツくなっちゃいました( ˘ω˘ )

まあ今は「古典建築に敬意を払いながらも、自分たちで考え出した新たな建築様式を模索している最中」ですから仕方ないのかもしれません。

キューバ 歴史
筆者
古典系建築の大原則である円柱を使わずに古典風を出そうとして失敗した、初期ルネサンスと同様これまた哀れな建築様式なんです(笑)
※筆者の個人的な見解であり、特定の人物・建築様式を誹謗中傷する意図はございません

では盛期ルネサンス建築の解説に移ります↓

関連記事

ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回はルネサンス建築について説明します。[show_more more=恒例の挨拶(クリックで開きます) less=折りたたむ color=#0066cc list=[…]

ルネサンス建築 テンピエット

また、西洋建築のトップに戻りたい方はこちらから↓

関連記事

ヨーロッパ約30ヵ国をバックパッカーとして旅をしていたある男がいた。帰国後、その男は徐々にある大きな後悔に頭を抱えるようになった。なんで西洋建築を勉強して行かなかったんだと。西洋建築を勉強した[…]

ヨーロッパ建築 わかりやすく
ルネサンス建築 中期
最新情報をチェックしよう!