※注意
ぼくはプロカメラマンではありません。
さて、このフレーズから始まる本記事を果たして何人の方に読んで頂けるのか、甚だ疑問です(笑)
» 超簡単な自己紹介
しかし「やはり1から基本を勉強し、カメラを上手になりたい。一生付き合っていきたい」と考え、初めてカメラに関する本を買いました。
それが「写真のことが全部わかる本」でした↓
読んでみると、
わかっているようで知らなかったこと
曖昧だったこと
今まで気付かなかったこと
など多くのことを知ることができ、それらを自分の理解度をさらに深めるため、そして備忘録としてまとめるために本記事を書こうと思い立った次第です。
イラストも多く初心者向けなのでおススメです!
» 折りたたむ
さて、今回は構図です。
構図
センスがないので良い写真が撮れない・・・
と、写真を始めてすぐに挫折を味わう人も多いでしょう。でも大丈夫!確かに美的センスがあるに越したことはありませんがそれは知識と技術で大部分がカバー可能なのです。
その中でも簡単で最も効果があるのが構図です。よくある構図のパターンをいくつか覚えるだけであなたの写真はガラッと変わるはずです。
構図の概要
センス不要!基本となる”型”を身に付けよう
簡単そうに見える日の丸構図は実は一番センスが必要な構図だったりします。
では、本当に一番簡単な構図は何かというと「三分割構図」です。画面を縦横三分割して被写体を置く方法で世の中の多くの写真は、この三分割構図でできていると言ってもいいくらい汎用性の高い構図です。
さらにもう1つ”ナナメ”を意識するのも大事です。それが「対角線構図」。画面に対角線を引くように、写真の中にナナメの線を作ることでイキイキと動きを感じる写真になります。
もちろん、構図に絶対的な世界はありません。三分割線も対角線もあくまで目安として意識するだけで十分です。被写体を画面にどう配置するか、考えるきっかけにしてみましょう。
今回、本記事で扱う写真は全て僕が撮影したものです。
今まで構図なんて意識したことも無かったので、写真の中で「お、これは奇跡的にお手本通りに撮れてるな」とか「あーこれはもう少し伸びしろがあったなー」など、自分の写真の反省も含めて皆様にお伝えできればと思います。
※良い写真がなかなか無かったので探すのがとても大変でした(笑)今までいかに何も考えずに写真を撮ってきたか、思い知らされました。
1.日の丸構図
初心者が最もやりがちなのは撮りたいものだけに目が行ってしまい、被写体をひたすらど真ん中において撮影してしまうこと。これを日の丸構図と言います。
真ん中は一番被写体が目立つところだと思いがちですが、中途半端に真ん中に被写体を置いてもあまり目立ちません。そればかりか、全ての写真が同じような雰囲気になってバリエーションに乏しく、後で見返すとつまらない写真になってしまうのです。
写真例➀
クチバシが黄色で足が赤色の珍しいカラスを発見↓
(↑オーストリアの山ウンタースベルクにて)
周りがごちゃごちゃしていて、結局カラスが目立っていない。
写真例②
観光地にいる大道芸人を撮影↓
(↑オーストリアの古都ザルツブルクにて)
後ろの建物と同化して見にくい。
写真例③
白鳥がいたので撮影↓
(↑チェコの首都プラハにて)
超ありふれたつまらない写真になりました・・・
日の丸構図の正しい使い方➀
真ん中に被写体があると人間は無意識に周囲の余白(背景)に目を取られます。余白がゴチャッとしていると真ん中は目立たないのです。もし撮るなら、このように大きく↓
(↑静岡県の浜松餃子)
これが日の丸構図を上手に使うポイントです。
日の丸構図の正しい使い方➁
先ほどと同じく、真ん中に被写体があると人間は無意識に周囲の余白(背景)に目を取られます。余白がゴチャッとしていると真ん中は目立たないのです。もし撮るなら、このように大きく↓
(イタリア料理のカプレーゼ)
これが日の丸構図を上手に使うポイントです。
2.ナナメの線を生かした構図
「ナナメ」は写真に動きを加える最も簡単な方法です。
写真例➀
どっしり構えたエッフェル塔も斜めにすると軽やかに空に伸びていくイメージになります。
(↑フランスの首都パリにて)
写真例②
風が強く吹く地域の木は、育ちながら風の影響でこのように螺旋状になるようです↓
(↑アメリカのコロラド州にて)
3.フレーム構図
額の中にあるものは人間が無意識に注目し、視線を主題へと誘導することができるのがフレーム構図です。写真の中に四角い枠を作り、様々な物を額に入れて目立たせました。
※反省点としては、フレームをもっと明確に作ったほうが良かったですね。斜めから撮ってたり、水平が取れてなかったり、上下の額の大きさのバランスが悪かったり・・・
写真例➀
(↑デンマークの首都コペンハーゲンにて)
フレームをナナメにする意味がわからん!(自分の写真やけど)
写真例②
(↑フィンランドの首都ヘルシンキにて)
水平が適当過ぎる!(自分の写真やけど)
写真例③
(↑ベルギーの首都ブリュッセルにて)
フレームの上下の幅が適当過ぎる!(自分の写真やけど)
写真例④
(↑ポーランドのビルケナウ絶滅収容所にて)
フレームの上部が切れてる!(何してんねんオレ)
4.三分割構図
人間は周囲の余白(背景)に目を取られると言いましたが、その余白をうまく使うのが三分割構図の考え方です。被写体をあえて中央からずらし、大きな余白を作ることで見る人に空間の広がりを感じさせることができます。
あらゆる被写体に使える万能構図なのでまずはこれだけでも覚えておきましょう。三分割線の交点に被写体を配置したり、空と陸のバランスを三分割線を目安に決めたりと、様々な使い方ができます。
※今までの写真を見返してもかなりの数がこの三分割構図でした。それほど、無意識に撮ってしまうくらいの基本構図なんですね。
写真例➀
キューバの田舎町で見た、昔ながらの牛耕農法を撮影↓
(↑キューバの世界遺産の町ビニャーレスにて)
写真例②
オーストリアのある山頂で見た十字架を撮影↓
(↑オーストリアの山ウンタースベルク山頂にて)
写真例③
広大なオーストラリアの大地を撮影↓
(↑オーストラリアのメルボルン近郊にて)
写真例④
オーストラリアで初めて見たピンクレイクを撮影↓
(↑オーストラリアのピンクレイクにて)
写真例⑤
初めて見た、オーストラリアの砂漠の絶景を撮影↓
(↑オーストラリアの砂漠にて)
写真例⑥
丘の上にある教会の夜明け前の雰囲気を撮影↓
(↑スロヴェニアのサン・プリモス教会にて)
これは、もう少し教会の位置を交点に置いた方がバランスが良かったなーと思います。しかもブレてるし・・・三脚を使うべきでした。
写真例⑦
鳥取砂丘で、まるで人魚がいるように見えたので撮影↓
(↑鳥取県の鳥取砂丘にて)
写真例⑧
キューバではお馴染みのクラシックカーと町の雰囲気を撮影↓
(↑キューバの首都ハバナにて)
写真例⑨
イタリアのミラノに凱旋門があり、周りを少し暗くして主役を目立たせるように撮影しました↓
(↑イタリアのミラノにて)
写真例⑩
イタリアのミラノで不気味なミッキーが街を徘徊していたので、面白くて撮影↓
(↑イタリアのミラノにて)
三分割構図にも日の丸構図にも属さないどっちつかずの写真になってしまいました。
もう少し望遠側から撮影して背景をぼかし、三分割線の交点にもってきた方が良かったですね・・・
5.対角線構図
三分割構図は安定や安心を与えるため、写真が静的なイメージになりがち。それに対して画面に動きを加えるのが対角線構図です。
画面内で一番長い線を引ける対角線を目安にした構図の考え方です。写真の中にナナメを作ることでダイナミックさや奥行きを表現できるようになります。人間は生まれた時から水平・垂直の世界で生活しているので、写真にナナメが入っていると無意識に「おっ!」となるのです。
※ぼくのアルバムには、この対角線構図がほぼ1枚もなく探し出すのに非常に苦労しました。
写真例➀
(↑鳥取県大山(だいせん)にて)
写真例②
(↑鳥取県大山にて)
6.放射線構図
ある一点から複数の線が放射状に伸びていく構図を放射線構図と呼び、写真に奥行きや広がりを加えることができ、躍動感と迫力を伝えることができます。
写真例➀
カラフルな家が立ち並ぶオシャレな漁港で、風が無くなり水面が鏡のような役割を果たしていたので思わず撮影↓
(↑デンマークの首都コペンハーゲンの漁港ニューハウンにて)
写真例②
初めて北欧に来て、テンション上がったので適当に電車を撮影↓
(↑ノルウェーの首都オスロ)
写真例③
キューバという異国の雰囲気溢れる風景を撮影↓
(↑キューバの首都ハバナ)
写真例④
京都の伏見の千本鳥居で混雑がない時間を見計らって撮影↓
(↑京都の伏見稲荷大社)
写真例⑤
フランスのスキーリゾートで電車の終着駅を撮影↓
(↑フランスのシャモニー・モンブランにて)
おまけ➀ ~目線の先に空間を作る~
ここからは構図の話では無いのですが、知っておいた方が良い知識をお伝えします。
被写体の配置をずらすときに意識して欲しいのが被写体の向きです。どっちにずらせば良いか迷った時は向きを考えます。基本は被写体の向いている方や伸びている方に余白を作ることで、広がりを感じる画面構成になります。
写真例➀
山の日に富士山へ登山に行きました↓
(↑富士山山頂にて)
写真例②
アメリカでは普通の公園でリスを見ることができます↓
(↑アメリカのコロラド州にて)
しかも日の丸構図としても上手くいっているように見えます。
写真例③
うちでは柴犬を飼っているので、新しい単焦点レンズを買った時に試しに撮影してみました↓
(↑京都市内の実家にて)
写真例④
フランスのコルマールという町で、地面にニューヨーク(スタバ?)の方向を示す道標がありました↓
(↑フランスのコルマールにて)
写真例⑤
スロヴェニア人の友人とイタリアのミラノ大聖堂に上った時の写真です↓
(↑イタリアのミラノにて)
今回の場合、周りの背景がごちゃごちゃしているので、ここは望遠気味で後ろを少しぼかすか、広角側でも絞りを開いて後ろをぼかした方が良かったのかもしれません。
写真例⑧
ヨーロッパ最高峰のモンブランを指差している銅像↓
(↑フランスのシャモニーモンブランにて)
おまけ➁ ~前後の層を意識して奥行きを出す~
前後の「層」を意識してみると奥行きを出しやすくなります。手前の被写体と奥の被写体を別々に適切な位置に配置するイメージ。これを行うためにはカメラを振るだけでなく、自分の立ち位置を左右に変える必要があります。フォーカスロックしたまま体を左右にずらして背景の入り方を考えてみましょう。
写真例➀
お正月に伊勢神宮に行き、おかげ横丁でお雑煮を食べました↓
(↑三重県の伊勢神宮にて)
背景が同じくお雑煮ですが、いい感じにボケているのであまり目立たず中心のお餅に視線が誘導されます。
写真例②
欧米では、ホステルなどの人が集まる場所にはビリヤード台が置かれているのが普通です↓
(↑アメリカのコロラド州にて)
こちらも、奥がいい感じにボケているのであまり気にならずに視線が手前の15個のボールに誘導されます。
写真例③
子供連れた友達とビーチで遊んだ時の写真です↓
なんとなくビーチ感は伝わるものの、赤ちゃんの背景に自転車と木が重なっており、非常に見づらくなってしまいました。
写真例④
キューバの街中には、ネコやイヌ、ニワトリからウマなど様々な動物が徘徊しています↓
(↑キューバの首都ハバナにて)
背景がシンプルなので子猫がよく目立っています(が、露出が少し暗めになってしまいました)
おわりに
さて、こうして一応「構図」の勉強が終わりました。
こうして自分の写真を見返すと、本当に今まで構図とか考えずに写真撮ってきたのを痛感します。そりゃあ、確かにたまには奇跡的に上手く撮れている写真もありますが、「え、なぜ背景がこれなの?」とか「日の丸構図の割に対象物が目立っていない」など考えればキリがありませんでした。
こうして皆さんに紹介した写真も実はかなり厳選したので、ほとんどの写真が(プロから見れば)失敗写真だなーと感じました。
これからは一枚ずつ、理由を説明できる写真を撮っていきたいと思いました。
ここまで読んで頂いた方、ありがとうございました。
また、レンズワークと画角についてはこちらを参考にして下さい↓