今回は、『世界一美しい湖畔の町』 と名高いオーストリアのハルシュタット(世界遺産)で、まさに奇跡としか思えない出来事が連続発生 した話をしようと思う。
いや、マジで。
自分で振り返っても「え、運命って本当にあるんじゃね?」と思わざるを得ないほどの出来事が続いたのだ。
そんなわけで、一言でまとめると「人と人との出会いって、ほんま奇跡なんやな〜」という話になる。
特に旅人界のカッコよすぎる代表みたいなスロヴェニア人女性・Ninaとの出会いは、筆者の旅観をガラリと変えるほどのインパクトを残してくれた。
ハッピーアクシデントも絡みつつ、お互いの旅に対する価値観を語り合う時間は、今でも色褪せない思い出だ。
とはいえ、
とツッコみたくなる人もいるかもしれないので、先に次の目的地ザルツブルク編の記事を貼っておく↓
RYOです(''◇'')ゞ3度目のヨーロッパ、2度目の独り旅(2016年)の復習として、オーストリアの塩の町『ザルツブルグ』での滞在を要約して思い出の出来事をつらつら綴りました。筆者あ~2度目の独り旅か~。今回も[…]
グダグダ語らないよう努力する所存ですが、まあ旅の話ってのはだいたいグダグダするものなので、その点はどうかご容赦を。
Hallstattの位置
ハルシュタット(=Hallstatt)はオーストリアの中北部に位置し、ドイツやチェコもすぐそこという絶妙な立地の町。
あのモーツァルトの故郷・ザルツブルクからも電車でたったの2時間!
この距離感ゆえに、観光客の多くは日帰りorせいぜい一泊で訪れる。
…というか、そもそも町がめちゃくちゃ小さい ので、実際1日もあれば余裕で制覇可能なのである!
ただし、景色の美しさに魅了されすぎて、気づけば何時間もぼーっとしてしまう可能性もある。
Hallstattは世界遺産
ハルシュタットは世界文化遺産に登録されており、登録名は
「ハルシュタット・ダッハシュタイン・ザルツカンマーグートの文化的景観」
である。
ザルツブルクの東南に位置するザルツカンマーグート地方はオーストリア帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世が別荘を設け、映画『サウンド・オブ・ミュージック』の舞台にもなった景勝の地。
なかでも真珠にたとえられるハルシュタット湖畔の美しい町ハルシュタットと、ヨーロッパアルプスの最東端の氷河を抱き、湖の南に連なる約2,995mを最高峰とするダッハシュタイン山塊が世界遺産に登録されています。
(出典:ハルシュタット/オーストリア)
まあ一文で表現するなら、ハルシュタットは、湖に映るアルプスの絶景と、中世から続く可愛らしい街並みが自慢の村──つまり、インスタ映えのために生まれたような世界遺産と言えるだろう。
Ninaとの出会い
では旅人Ninaとの出会いからお話ししよう。
これは旅の話というより、運命の話だ。
いや、ちょっと大げさかもしれないが人との出会いというのはまさに奇跡の連続なんだなと、この日しみじみ実感することになる。
Goodbye ヴィクトリノックス
※チェスキークルムロフ地区
2016年4月13日、筆者はチェコのチェスキークルムロフを旅立つことにした。
ここは"世界一美しい町"なんて称される場所で実際、石畳の町並みはため息が出るほど素敵だった。
そして次に向かうのは、これまた"世界一美しい湖畔の町"と名高いオーストリアのハルシュタット。
旅の始まりは朝早く、ホステルをチェックアウトするところから始まる。
筆者は高台にある鉄道駅を目指し、約40分間「おれ体力あるぜ」と無駄に頑張って休憩なしで登りきる。
(いや、めちゃくちゃしんどかった)
4月半ばのヨーロッパはすっかり春で、汗だくになりながら駅に到着。
ああ、これでチェスキークルムロフともお別れか…。
駅にはWi-Fiなんて洒落たものはないので、iPod ClassicでSunset Swishの「マイペース」 を流しながら、ただひたすら電車を待つ。
お、電車が来た。
ふぅ、ようやくだぜ。
そして電車に乗る直前に気付く。
「ん、キャップがない…?」
筆者、絶望する
そう、2週間前にスイスのジュネーブで購入したばかりのVictorinoxのキャップ(約4,000円)が忽然と姿を消していたのである。
置き忘れた場所は…あの石橋か。
写真を撮るためにキャップを外し(ツバが邪魔なため)、そのまま…?
電車に乗るか、キャップを取りに戻るか。
ユーレイルパスを持っていたので次の電車でも問題はない。
でも、あのキツい坂道をもう一度往復するのは、たとえ大木大樹であっても尻込みするだろう。
筆者「…諦めるか。」
結局、キャップは取りに戻らず、電車に乗ることにした。
結果的に、この選択が運命の出会いにつながるとは、当時の筆者は知る由もなかった…。
駅には出発のベルが鳴り響き今すぐにも電車の扉が閉まらんとするところだった。
結局キャップ帽を取りに帰ることはやめ、ハルシュタットへ向かう電車に乗った。
電車は、読み方すらわからない駅をただ無情に通り抜けていく。
筆者「シュタイナッハ・アードニン…?いや、何語?」
大学時代に学んだドイツ語を駆使してもどう読めばいいかわからない。
もう後戻りはできない。
悔やまれる、筆者の赤と黒が基調のヴィクトリノックスのキャップ帽よ。
わずか10日間の付き合いだったとは、悲しい、悲し過ぎるぞ!!!!
窓の外に広がるのは、オーストリアのヨーロッパアルプス。
4,000m級の山々、頂上に残る万年雪、そして透明度バツグンの湖。
筆者「…この景色を見るだけで、旅してる甲斐あるわ…。」
Google Mapsの地形図を見てもわかる通り、オーストリアにはヨーロッパアルプスが走っている。
つまり、車窓は非常に美しいの一言に尽きる。
ヨーロッパアルプスと言えば山。
本当に美しい車窓なのだ。
日本では絶対に感じることができない4,000m級の山々、そして山頂に残る万年雪が筆者を日常のストレスから解放させる。
そして、そんなことを考えていた筆者の前に、運命の旅人Ninaが現れる。
同じ車両に乗っていた女の子
車内は非常にガラガラだったが、ある瞬間にふと気付いた。
筆者「ん?通路の向こうに座ってるあの子…。めっちゃ可愛いんですけどぉぉぉ!?」
本を読んでいる彼女。
筆者には1ミリたりとも興味がなさそうだ。
知ってる、知ってるよ、このパターン。慣れっこだぜ…。
事前に確認していた予定表で言うと、チェスキークルムロフからハルシュタットまでは途中どこかの駅で一度乗り換えるはずであった。
結果から言えば、乗り換えはする必要が無く一本で行くことができたのだが。
しかし、その駅が近づくにつれ荷物を整理し始める筆者。
一方、例の読書女子は全く動かずにただただ本を読んでいる(くそぉ目的地は別か!!!)
そして駅に到着。
筆者は予定通りに乗り換えるべく、一度ホームへ降りる。
見渡す限り、人っ子一人いない。
人気目的地であるハルシュタット行きの電車に乗り換える人間がいないということはあり得ない。
…これはヤバい。
このままだとハルシュタットに辿り着けない可能性が出てくる。
さっき乗ってきた電車はもう出発する直前。
筆者「あかん!もう一回乗るしかない!!」
慌てて飛び乗る筆者。
…ふと、視線を感じる。
ちらっと見ると、さっきの可愛い読書女子が筆者を見て笑っている(ように見えた)。
「あのアジア人、一回降りたのにまた戻ってきたんですけどwww」
そんな彼女の心の声が、聞こえた気がした。
周りを見渡してもその子以外誰もいないので、筆者は窓を開けて写真を撮ったり車窓に寄りかかって風を感じながら音楽を聴いたりしていた。
傍から見れば変人だったかもしれない。向こうは明らかに、
「なにあの人…」
という、彼女の中で【おもしろい人】50%と【ヤバい奴】50%の間を行き交ってる雰囲気を感じた。
しかしここで一筋の光明が差す。
麻雀漫画アカギの有名なフレーズ「しかし矢木に電流走る――!」みたいな感じだった。
なんと車掌が検札に来た際、彼女がドイツ語ではなく英語で返答したのだ。
その時点で、
筆者「ほう。英語で返事をするあたり、やはり地元の子じゃないのだな」
とストーカーぎりぎりの分析力で彼女が地元の人間ではないと確信する。
オーストリアの公用語はドイツ語。
もし地元の子なら、普通ドイツ語で返すはず。
つまり、彼女も旅人。
筆者「これは…仲良くなれるチャンスかもしれない」
そのとき電車内アナウンスが流れる。
ナヒステ スタツィオン イスト ハルシュタット.
(次の駅はハルシュタットです)
筆者は荷物をまとめる。
すると、さっきまで読書に夢中だった彼女も本を閉じて荷物を整理し始めた。
筆者「やっぱりハルシュタットだったか…」
内心ガッツポーズしながら、筆者は出口付近へ。
すると 彼女も筆者の後ろに立つ。
話しかけようか?いや、がっつくと逆にドン引きされる可能性が。
ちくしょう、話しかけられない。
心の中で自問自答を繰り返しながら、到着してドアが開くのを待つ。
そして友達になる
筆者「何やってんだ、おれは…!
別にナンパじゃないんだ!
ただ、お友達になれたらいいなって…!」
そしてついに、電車のドアが開く。
…その瞬間。
「Hi, nice to meet you!
Where are you from?」
めっちゃ可愛い笑顔とともに、彼女から話しかけてきたぁぁぁぁ!!!
自分の運の良さにも感謝している。
ハルシュタット駅到着
彼女に「どこから来たの?」と聞かれた筆者。
筆者「ここは…堂々と!アイム ジャパニーズ!(ドヤ顔)」
…うん、中学英語で堂々と返した。
こういう時は自分が日本人であることに感謝する。筆者の経験上、アニメやラーメン天ぷらのおかげで日本に対して良い印象を受ける人の方が圧倒的に多いからだ。
なんとなく仲良くなれそうな雰囲気を感じながらも平静を装い、一緒にフェリー乗り場へと向かう。
ハルシュタット駅(上の地図右側)から湖を挟んだ町の中心部へ行くにはフェリーに乗る必要がある。
片道2€、往復4€だった。
今後も値上がりする可能性があるので最新情報(こちら)を要チェック。
筆者「フェリー代ケチりたい人は、湖をぐるーっと歩けば町まで行けますよー」
が、もちろん 筆者は2€を支払いフェリーへ。
フェリー乗り場に向かう
2€のボート代を払い乗船すると、5~10分くらいで対岸のハルシュタットの町に着く。
フェリーに揺られながら、筆者は彼女の名前を聞く。
しかし、発音が全くわからずカタカナにすらできない。
筆者 「え、ちょっと紙に書いてくれる?」
ちょうど筆者のポケットに折り畳まれて入っていたチェスキークルムロフの地図を渡す。
すると彼女がそこに「NINA SENEGAČNIK」と書いてくれた。
筆者「…見たことない記号が入ってるんですけど。」
カタカナ読みすれば 「ニーナ・セネガチュニク」 だが、たぶん発音は全然違うと思う。
また、チェスキークルムロフの地図を見た彼女が目を輝かせた。
Nina「えっ、ここ行ってきたの!?私もめっちゃ行きたい場所なの!」
早くも打ち解けれそうな雰囲気に密かに心躍る筆者。
やはり共通点を多く持つことは恋愛かんけ友人関係の構築に有利である。
筆者「チェスキークルムロフ、めっちゃ可愛い町だったよ。絶対行った方がいいよ!」
と無意識にマウントを取っていたかもしれないことを今になって後悔する。
そして、ここからハルシュタットでの奇跡の旅が始まるーー。
ハルシュタット到着
ハルシュタット。
「世界一美しい湖畔の町」と言われる場所。
しかし筆者、湖畔の景色を楽しむ余裕なし!
なぜなら、今はNinaと一緒にいるからだ!!!
この状況以上に筆者をワクワクさせることはこの世にない!!
ウキウキしながら、Ninaと一緒に"”City Info"(観光案内所)へ向かい、ハルシュタットに関するパンフレットをゲット。
この時、Ninaが筆者に唯一知っている日本語を披露した。
筆者「おお!日本語知ってるの!?」
Nina「日本語を勉強している友達に教えてもらったの!」
筆者「どんな言葉なんだろう…?」
Nina「××××××××××××××」
筆者「な、なんと!!!!!」
Nina「てへっ♡」
Ninaが知っていた唯一の日本語、それは後で紹介しよう。
さて、貧乏バッパー(バックパッカーの俗称)にとって、水や空気と同じくらい大切なものがある。
それは——
Free Wifi!!!
筆者「おっ!この辺、飛んでるな〜…!」
そう、筆者は無意識にWifiの電波を感じ取る特殊能力を持っている(気がする)。
その能力を発動し、電波がありそうなベンチに座る。
筆者「ここなら電波良好や!」
Free Wifiに囲まれながら、筆者とNinaはお互いの自己紹介を始めた。
自己紹介
ほとんど自己紹介をしていなかったので、まずは自己紹介で相手の情報を聞き出す。
敵を知り己を知れば百戦して危うからず、だ。
彼女の名前はNina(かわいい名前♡)
生まれも育ちもスロヴェニア(え、どこ?)
瞳の色は緑(初めて見た!!!!)
年齢が同じで誕生日は一ヵ月違い(え、運命?)
テントや寝袋、バーナーを持って旅をしている(ん、、、?)
ハルシュタットでも宿を予約していないので、テント場を探さないといけない(は、、、?)
年齢が同じで誕生日もめっちゃ近いとあってさすがに向こうも驚いていたようだった。
しかしそれ以上に彼女が、
という話はまさに目から鱗、寝耳に水、瓢箪から駒、つまりめっちゃ驚いた。
噂には聞いていたが、よもや身長155cmの小柄な美人さんがそのような旅をしていることが信じられなかった。
その瞬間、筆者の心にガツーン!!と衝撃が走る。。
確かに、澄み切った青空と心地良い春の風がハルシュタットを包み込み「こんな自然の中で星を見ながら寝れたら最高だろうな」とは漠然と思っていたが、ガチでやってる人が目の前にいるとは…。
宿に荷物を置き散歩
そんなNinaにグッと心惹かれていった筆者。
ハルシュタットの青空同様に筆者の心も晴れ渡っている。
と、その時
Nina「明日、なにか予定ある?」
(これはまさか…おれのことが…好き?)←典型的な非モテの勘違い
とはいえ、こんなチャンスを逃すわけにはいかない!!
筆者、全身全霊の中学英語で答える。

(明日も君と一緒に過ごしたい)
文字にすると不気味なくらい気持ち悪いが、筆者の英語力ではこれ以上複雑なことはどうせ言えなかっただろう。
とりあえず明日も会えることは間違いなさそうだ。
これでこそ旅である。
ここで筆者は確信した。
義務教育を終えた世の中のみんなに伝えたい!

世の中は中学英語で回っている!!!!
恐れずに今すぐ海外へ出ろ!
ベンチでたっぷり語り合った後、筆者の宿まで歩いて5~10分だったこと、2人とも重いバックパックを背負っていたこともあり、筆者が予約してたホテルに荷物を仮置き(←超重要)しハルシュタットの町を散策することに。
お土産屋さん寄ったり湖畔で話したり公園で遊んだり、そして今夜彼女がテントを張るための場所(=テン場と呼ぶ)探しにかかる。

とテン場は無事に確保。
🌱ただの芝生🌱
筆者「まじか、この子、本気だ…!!」
これでテン場もスーパーマーケットも見つかり、お互いの顔には「今日のミッション完了」という安堵の表情が浮かぶ。
しかし同時に「2人でいれるのも残りわずか」と、少し淋しくもなる。
恐らくNinaもそう思ったのだと今になって思う。

なんと嬉しい言葉ではありませんか!
喜びで飛び上がりそうなほどの舞い上がる気持ちを抑えて「そうしよっかな~」なんて話しながらお互い帰途につく。
と、その時は突然やってきた。
突然の嵐
夕方になり、辺りが徐々に薄暗くなる中、太陽が悠然と山の陰に消えていく。

と思い始めた、その瞬間。
突如、ハルシュタットに嵐が襲いかかる。
ズババババァァァァ!!!(←効果音)
そう、まさに嵐である。
つい先ほどまでのポカポカ陽気はどこへ?
「春はあけぼの、やうやう白くなりゆく山ぎわ…」などという言葉がつい出てしまうほど気持ちの良い天気。
そんな春の陽気からの急転直下。
土砂降り、ゲリラ豪雨、暴風雨。
筆者が知る限りのあらゆる悪天候ワードを詰め込んでも表現しきれないほどの大荒れっぷり!
まさにこんな感じの雨だった
「これが本場のヨーロッパの天気ってやつか…」
そんな感傷に浸る間もなく、筆者とNinaはダッシュ!!!
「うおおおおおお!!!」
もはやマラソン大会。いや、命がけの避難訓練。
傘なんて洒落たアイテムは持っていない。
ひたすら走る。宿まで走る。ずぶ濡れで走る、走る、走るううう!!!(←カイジ風)
途中、看板が風で吹き飛び、目の前をシュバッ!!と横切る。(←これガチ)
大雨の中、宿に着くまで5~10分ずぶ濡れになって走り続けた2人は笑いながら叫び合っていた。
これでこそ旅だ!!!
と。
トラブルがあってこそ旅
お互いに苦労を分かち合い、一緒に笑い合える人間と出会ってこそ旅!
旅と旅行では明らかに質が違う
と思っている。
軟球と硬球くらい違う(ちなみに筆者は野球経験ゼロ)
まあ暇だったら一読して感想を聞かして欲しい↓
こんにちは、常に旅人であり続けたいと思っているRYOです。筆者今回は「旅」と「旅行」の違いについて考えていきたいと思います!本トピックは皆さんが明確な答えを持っていないと思いますし、筆者自身誰もが納得でき[…]
↑筆者が3泊したホテル(最終日に撮影)
ようやく宿に辿り着いた筆者とNina。
二人はまるで水に飛び込んだ後のアザラシのようにずぶ濡れだった。
大雨の中でそしてとりあえず雨が止むまでの緊急避難という事で2人で(筆者が予約した)ホテルの部屋に入る。

1人部屋に男女2人
よく考えてみるとトラブルはどこにでもある、まさにこの時がそうだった。
Ninaと初めて荷物を置きに宿に行ったとき、宿の受付の女性にはこう説明した。
この子はテント泊するって事なんで、一時的に荷物だけ置かしてもらってまた帰って来ます。
もちろんこの子はぼくの部屋に泊まらないんで安心してください。
女性スタッフは笑顔で了解し、
「そういう事情なら分かりました、ぜんぜんOKですよ!受付は19時には閉まるのであとは渡した鍵で勝手に入って来てください」
と言われていた。
つまりNinaが筆者の部屋に泊まるとなると、Ninaも部屋代を払わないといけない(←当たり前の話だが)
確か1泊60€(約7,800円)、3日泊まる予定で事前に180€払っていた。
Ninaは一泊60€と聞いて目が飛び出すほど驚き、「やっぱり日本人はお金持ち」「RYOはヒルズ族だね」と言わんばかりの顔をしていたのを今でも思い出す。
この大雨の中に放り出すのもあまりにも気の毒、かと言って勝手にNinaを筆者の個室に招き入れるのも大きなリスク。
Ninaも十分にそれを理解していて「見つかったら終わり」を合言葉にし、ミッションインポッシブルのトム・クルーズばりの慎重さを出して3階の一番奥の筆者の部屋に到達した。
部屋に入るや否や、ふうっと一息ついてお互いのずぶ濡れの服を乾かし始めた。
↑最終日に撮影(筆者の部屋)
ちなみに現在はリノベーションして更に高級感が増した模様↓
(引用:公式HP GASTHOF HIRLATZ)
だが現実は違った。
Ninaはダブルベッドを見つめ、
「……このまま外に出てテント泊?ないない(笑)」
という表情をしていた。
(まあ、そうなるよね)
結果、自然な流れでNinaはそのまま宿泊決定。
隣の部屋から聞こえてくる声
2人で部屋に入ってからNinaがシャワーを浴びるまでの15分間、我々2人は靴や服を乾かしたり、荷物を置いて着替えを出したりしていた。
そして事件は起こる。
Ninaがシャワーを浴びる直前、隣の部屋から官能的な女性の声がanan聞こえてきた。
テレビも付いてない静かな筆者たちの部屋、どうしてもかき消せない声。
何かの気のせいだと思いたかった。
だが、このシチュエーションで「気のせい」はさすがに無理がある。
筆者の頭の中を様々な感情が行き交う。
人間は緊急時には様々な感情を一度に感じると言われるが、まさに蘇ったピクルと出会った瞬間のペイン博士の助手のような感覚だった。
するとNinaが筆者に静かにささやく。

筆者 「……え?」
犬?
どこをどう聞いたら犬の鳴き声になるんだ?
とは思ったが、Ninaは至って真面目。
しかし彼女は、隣の部屋から聞こえるアンアンを本当に犬のキャンキャンだと思い込んでいる様子。
苦しまぎれに、
「このホテルってペット同伴可能だったっけ?」
と訊くと

って真面目に答えてきた。
(…いや、そこじゃねぇ!!!)
彼女が本気で言っているのか、それとも動揺を隠すための天才的な演技なのか。
もしこれが演技なら彼女は絶対に女優になれる。
筆者はそんなことを考えながら、
「……まぁ、犬ってことにしとくか」
と苦笑いしつつ、その夜は静かに更けていった。
"my boy"は彼氏
彼女に「先にシャワー使ってもいいよ」と言い、筆者はとりあえず心を落ち着かせた。
何の興奮から心を落ち着かせたかは未だにはっきりとはわからないが、とんとん拍子で緑の瞳を持つ可愛い白人女性と2人きりでホテルに泊まるという状況
まさかその時に隣の部屋から喘ぎ声が聞こえてきたという事実に頭がパニックになっていたのは間違いなさそうだった。
↑これがその晩撮った唯一の写真である。
これは2人ともシャワーを浴びてお互いの旅の話をしている最中に撮った気がする。
机の上にはNinaが持っていた世界地図が置かれ、筆者はHとロゴの入ったお気に入りの比叡山高校時代の短パン(体操服)をはきながら、時にはお互いの好きな音楽を流して感想を言い合ったり、ドイツ語で簡単な会話を練習したりした夜だった。
結局筆者がシャワーを浴びて出てくると

と完全にパニックになっているNina。
テレビを付けて曲でも聞こうと提案し、無事に気まずい雰囲気も回避。
話している時に一つ忘れられないNinaの言葉があった。

この"Maribor(マリボル)"というのは彼女の母国スロヴェニアで首都リュブリャナに続いて2番目に大きな都市のことである。
※日本で言えば大阪かな?
正直"My boy"という表現はそれまで聞いたことが無かったが、咄嗟に思いついたのが彼氏か息子。
しかしMy boyfriendではなくMy boy。
結局は彼氏だったのだが(←そらそやろ)
マイボーイ=彼氏
マイガール=彼女
勉強になった、この表現は知らなかった。
さすがに寝るときは警戒したのか、ベッドの端っこで寝るNina。
それでもダブルベッドなので十分広々と寝れたようだった。
朝食バイキング
翌朝起きるとNinaも目が覚めたところだった、とりあえずの予定は朝食バイキングである。
ホテル自体の質の高さから予想できる朝食バイキングの質の高さにワクワクさせられる。
メロン?キャビア?和牛?
しかし問題はNinaが横にいるということだ。さすがに、

とは言えない。
どうしようか考えているうちに彼女の方から朝ごはんをどうするか訊いてきた。
一応このホテルには朝バイキングがあることを告げたうえで、

と尋ねると答えはNO

と、さも当たり前のことのように訊いてきた。
それが出来ないから悩んでいるんだよ?
もう二度見では全然足りない、三度見、四度見して彼女の反応をうかがう。

そういう問題ではない。そう、全くそんな問題ではないのだ。
いざ宿泊と朝食バイキングのタダ乗りがバレたとして、恐らくペナルティを課せられるのはNinaだけではない。
しかし、あまりにも強く言ってくるので仕方ない。
つい昨日に受付の女性と顔を突き合わして話し合ってた事も忘れ、2人で食堂へ向かう。
一応ミッションインポッシブルの気持ちは継続しており、フードをかぶって筆者と時間差で食堂に降りてくる。
通路や階段でどれだけ警戒しても、当の食堂の方が100倍危ないことをわかっていない、なぜなら食堂の横に受付があるからだ。
まさにハイリスク・ローリターンとはこのことだ。
予想通り食堂の内容は申し分ない。
「ご自由にお持ち帰りください」とバナナにリンゴにミカンが悠然と並べられている。
フレーク類もチョコにプレーンに色々な種類がある(まあ普通のヨーロッパのバイキングか)
Ninaもウキウキして皿に食事を盛っている。
ようやく食事しようという間際、昨日の受付で会話をした女性スタッフが食堂に入ってきた。

ヤバいNina!
ひとまずトイレに避難し…

(ドイツ語でおはよう)
軽快に挨拶して食卓に着いた。
いや、これは信じられん。
欧米人のNina単体ならバレなくても、筆者のようなアジア人はホテル内でも目立つし、「この子は泊まりませんので」とか言っていたのは昨日の昼である。
筆者と一緒に食事していることで
「あーーーあなた昨日の女の子じゃない!!!これは大問題よ、とりあえず別室に来なさい」
となるのは目に見えている。
正直笑顔で話しているのが信じられない↓
入り口近くの席でゆっくり30分近く話しながら食事を終わらせ部屋に帰る。
もちろん帰りもトム・クルーズになりきって三階の部屋まで向かう。
もうわけがわからない。
プロの芸人になった友人
ちょうど食後にトイレに行きスマホを見ると、FBだったかIGだったかで小学校からの友人がプロのお笑い芸人になったという報告を目にした。
暇なら是非チェックしてもらいたい↓
芸名は岡田桜井、桜井が筆者の小学校からの友人だ。
色々とあって中学卒業から成人式まで絶縁状態だったが今は何とか関係が元に戻っている。
漫才は何回か観たが、正直面白い方やと思う。
こいつは小中学校で学校一のモテ男(実際オシャレで爽やかで勉強もできておまけにサッカー部で運動もできたという神に選ばれた男だった)バカもめちゃくちゃやった名友と呼べる男だった。
そんな懐かしい桜井友朗氏に一言言いたい!
関西来いよ!全然舞台観に行けへんやんけ。
原口あきまさ・オードリー・スザンヌなどが所属する芸人・タレントなどのマネジメント会社。東京都渋谷区、ケイダッシュステージ…
とにもかくにも、食後に部屋に戻ると部屋のノブには「No Cleaning」の札がかかっていた、部屋にクリーニングが入ると2人分の荷物が目に入るからだ。
さすが抜け目がない、実はそこはかとなく彼女の聡明さも見え隠れする。
ハイキング
とりあえず荷物を置いたまま、市内にハイキングコースがあったのでケーブルカーを使わずに山の上までハイキングすることにした。
道中では今までにハイキングした山の名前を言い合った。
その時Ninaはスロヴェニア最高峰のトリグラウ山(2864m)にも登ったことがあるなどと話していた(←実は結構スゴイ)
筆者が空手やっているということで、何となく空手の突きを真似するNina↓
「Ninaよ、もう少し右の引手は上にした方が良いし左手も完全に伸ばし切っていると肘関節に負担がかかり怪我のリスクもある。足ももう少し左右に開かないと前後の動きには強くても左右の動きが弱くな・・・」
と思っていると、突然彼女が切り出した。

Thank youとYou’re welcomeは日本語ではどういうの?
是非教えて欲しい!!
と。様々な言葉が頭の中を行き交ったが結局選んだのがこれ↓
Thank you(ありがとう)→Arigatou
You’re welcome( ええよ、気にしんといて)→Eeyo, kini shin toite
ふむ、やはり関西人なら
ありがとう→おおきに
どういたしまして→ええよ
かとも思ったが、少し難しい方が良いかなとも思いこれにした。
正直彼女には難し過ぎたかもしれない(笑)
気にしんといてをローマ字表記にすると「Ki ni shi n to i te」となりかなりややこしい。
筆者は筆者で、スロベニア語のおはよう"Dobro jutro(ドブロ・ユートロ)"を何回教えられても覚えられなかった。
一応彼女のスマホのメモ帳にローマ字表記し、数回の実践練習をこなす。
そんなことをしている間に結構山の上まで登ってきた。
ここで真剣に考えてみた。

※異性としてじゃなく人間として←重要!

違う。
このノリの良さにこそ惹かれる理由がある↓
変な洞窟に落ちていた誰が被ったかわからないヘルメットを普通にかぶれる女の子、バカになれる女の子は素敵だ。
どんなに可愛くても性格が良くても一緒にばかなことをできない女性とは共に人生を楽しめる気がしない(とひそかに読者の女性たちに話しかけていることは内緒である)※現在の筆者は欧米人女性と結婚している。
少年よ大志を抱け、そして
Girls, be stupid !!
そしてあっという間に頂上に着く。
春のハイキング、当然汗をかく。
筆者はラーメン屋の兄ちゃんがごとく頭に白いタオルを巻いて登山をする。
Ninaに笑われながらも、「これがおれという人間だ、嫌なら去ってくれ」と言わんばかりにどや顔で恥ずかし気もなく振る舞う。
そんな汗で濡れたタオル、頂上に着くなりNinaが筆者の頭から取って自分の頭に巻き始めた↓

え、ちょ待って!
そのタオルおれの汗で濡れてんで!!
という制止を振り切り普通に頭に巻き終わり、写真を撮ろうと言ってくる↓
この状況が既に信じられないのは筆者だけではないだろう。
これがもし日本人の女の子だったらどうだろうか?
筆者はキャッキャッ言っているNinaの後姿を見ながら考えていた↓

きっもーい
ぜったいむりーー
うっわー
なんか濡れてるしー
まぢむりー
セクハラで訴えます
と言われておしまいだ、と思いながらタオルを取り返した。
ハルシュタットの町からハルシュタット駅へ向かうボートは毎日18時前後の便が最終だ。
もうお別れは近い。
一応最終便で去るという選択をしてくれたNinaに今更ながら感謝したい。

Hvala ‼
(スロヴェニア語でありがとう)
もう時間もないし山を下りよう。

(どういう教育を受ければこんな子に育つんだ…)
ノリの良さ、それこそ筆者が欧米人に心惹かれる最大の要素なのかもしれない。
別れの時

と言われれば押していたかもしれない↓
でもさすがにダチョウ俱楽部のノリがわかるとは思えない、と思いながらこの写真を撮った。

遂にその時がやってきた。
一度宿に荷物を取りに帰り、再び水上バス駅に向かう。
別れまであと少し、彼女が急にこんなことを聞いてきた。

What do you say in Japanese, “Today is the best day” ?
I wanna say it.
それを聞いた瞬間、本当に嬉しかった。
この2日間、恐らく筆者ら2人が共有していた瞬間はNinaにとってもかけがえのないものだったんだろう。
そしてNinaがある一つのスロヴェニア語の文を教えてくれた。
Danes je zelo lep dan.
(ダーネス ヤ ゼロ リップ ダン)
そう、もちろん直訳するとToday is really nice day.(最高の日だ)という意味。
ということで筆者も負けずに、
Saikou no hi da.(最高の日だ)
という、使用頻度は少なそうだが気持ちはとても伝わるシンプルなこのフレーズを教えることにした。
最高の日だ。
まさに今日この時に言うべき文だと実感した。
文字通り最高の日だった。
そして最後に、
Ninaが唯一知っていた日本語がこれだ↓
ワタシ ワ バカデス
いったい誰が教えたのか、なぜこれをチョイスしたのか、どうやって彼女はずっとこれを記憶できていたのか・・・謎だ。
Ninaに日本語を教えた人、一度連絡が欲しい(笑)
(水上バス駅前の駐車場にて)
↑水上バス乗り場
最後の写真を撮り、もうお別れかというその時。
彼女のハイリスク・ローリターン精神が再び燃え始める。

ボートが到着するまであと五分くらいあるわ!
もう少し散歩して自分の納得できる角度からハルシュタットの町を撮影したい
そう、カメラが好きというのも我々の共通点である。
カメラ好きなら当然わかるだろう。
あそこから撮りたいと思える場所があればある程度ボートが近づいていようがその場所が少々遠かろうが行くしかないというマインドセット。

そして2人で走って撮影スポットに行く。
その時に撮った写真がこれだ↓
おわかりだろうか?
こんな写真撮っている場合では無い。
完全にそんな場合ではない。
写真左側に見えている本日最終便のあのボートに乗り遅れるとまたトム・クルーズごっこをしなければならない。
確かに良い角度ではあるが、断じてそんな悠長にカメラを構えている場合ではないぞ、NINA!!
ボート乗り場へ急いで帰る。走る、走る、そして走る。
ん、ニーナの荷物?

もちろん筆者が持ちました。
何のために毎日厳しいトレーニングを行ってきたと思ってんだ!!!!
陽はだいぶ西に傾いてきており、山々を金色に染める。
もう最終便が出る時間だ。
ボートに乗る少し前までお互い見つめ合い「あなた素敵だったわ」「またいつかこの場所で」的な"Before Sunrise"のワンシーンのような言葉を交わし合う。
お互いに強くハグし合った後、Ninaはそのままボートに乗った。
そう、外国人にとってハグは至って普通だ。
これは、その後も何度も経験する。
筆者が奥様の実家(=イタリア)に行った際にも、ご家族のみならず紹介されるお友達とか親戚やらと数えきれないほどのチークキス(ほっぺたを合わせてチュッと音を立てるやつ)とハグを行った。
そう、欧米人はチークキスですら友人同士で当たり前にする。
ボートが出発しお互いの姿が目視できない位の距離になるまで手をずっと振り続けてくれた彼女

一石三鳥のプランティングシステム
帰り道、ある家に目が止まった。
これは雑草伸びっぱなしの汚い家ということではない。
むしろその逆、とても便利で筆者も将来の家はこうしたいと思える代物である。
ヨーロッパには多いのだが、このように木を家の壁面に沿わせて育てることで
➀夏は木が直射日光を遮って涼しい
②冬は寒風を防いでくれて暖かい
③更に虫が嫌がるハーブということで蚊などの害虫も近寄らない
という一石三鳥のメリットしかない環境保全的ガーデニング思想の最終形がこれである。

こういったこともパッシブ設計と呼べるかもしれない。
置き土産
Ninaと別れてから心が空っぽなままで2日間を過ごし、筆者自身もハルシュタットを去る時がとうとうやってきた。
パッキングを済まし、ガラスの丸テーブルの上に置いてあるパンフレットや地図などを手にした時に一片の書き置きを発見した。
どうやらNinaが最後に部屋を出る前に書き残したもので、わざとすぐに発見できないようにパンフレットの間に挟んでいたようだ。

HAVE A REALLY AWESOME TRAVEL, THANK YOU FOR LOVELY EVERYTHING. Regards, Nina. S.
(素敵な旅をしてくださいね。全ての素晴らしかった出来事に感謝しています。ニーナより)
この2日間、筆者はあるニーナの癖をネタにし常に2人で大笑いしていた。
それは何かというと、彼女は何か素晴らしい事があれば何でも"Lovely"と言うことだった。
無事に部屋に着いたらラブリー、朝食バイキングを見てラブリー、美味しかったらラブリー、美しい写真を見せたらラブリー…

彼女には癖になっていたらしく、こちらが指摘するまで気付いてすらいないようだった。
Ninaがラブリーと言うたびに笑う筆者、それを見て笑うNina。
この書き置きにLOVELYの文字があったのはそういう経緯もあったのだ。
帰国後
一ヵ月の旅を終えて日本に帰国後、色々な人に出会い友達になり笑い合ったことを思い返していた。
その中でも特に2つのことが頭から離れない↓
自給自足旅
Ninaと出会って感銘を受けたこと、それはいかに旅をするかということ。
・ホステルの12人部屋に泊まり、地元のレストランで夕食を食べ、夜はバーやクラブに行ってはっちゃける。
・テントで寝泊まりし、ご飯は地元のスーパーで食材を買って自分で調理、夜は誰もいない場所で孤独を楽しむ。
正直どちらも魅力的だと思う。
しかし言ってしまえば前者は誰にでもできることである。
筆者も散々やってきたし、早い話お金さえあれば誰にでもできる。
それならば経験として後者を選んでみたいと思うのがバックパッカーの性である
帰国後すぐにテントを買い、寝袋を買い、バーナーを買い、コッフェルを買う。
しかもこれらは登山にも必要なものであるため一石二鳥。
もちろんテントとなれば様々なデメリットがある↓
- 荷物が重くなる
- 人通りの多い場所では張れない
- 荷物を置いて遠出できない
- 雨が降ったら面倒
- 夜中の治安が心配
など挙げだしたらキリがないほど、はっきり言って面倒くさい(笑)
警察に職質される事も多く、地元のヤンキーにビール瓶や石を投げつけられて寝れない夜も過ごした。
しかし、それでもテント泊の魅力はすごい!

恐らくNinaと出会わなければこういう気持ちにはならなかったと思う。
人と人との繋がり
日本に帰国後、もう一つあることを決心した。
スロヴェニア語を勉強しよう
と。
理由は簡単、Ninaとスロヴェニア語で会話するため。
まあ外国語を学ぶのってそもそも非常に楽しいという大前提はあったのだが。
そこでまず日本に一種類しかない、唯一のスロヴェニア語のテキストを買い↓
最低限の知識はラミネートし常に記憶しようと心がける↓

テキスト内の例題をエクセルで打ち出し定期的に復習する↓
そして極めつけがスロヴェニア語の童話を読むこと↓
赤ずきんの話
子供用だからと言ってなめてはいけない。
その他、言語交換サイトなどを通じて数人のスロヴェニア人とも出会いネット上でやり取りをする。
しかし適当に何でもかんでも訊くのは相手に対しても失礼。
なので予習・復習は欠かさない。
この翌年である2017年1月後半、およそ10ヶ月間のスロヴェニア語学習を経て彼女が待つスロヴェニアを訪れる。
ハンガリーの首都ブダペストからレンタカーを借りて一週間のスロヴェニア旅、目的地はもちろん首都リュブリャナとNinaが住むスロヴェニア第二の都市マリボル。

Ninaには会えなかったものの、スロヴェニア語学習の過程で知り合ったKristinaとMonika(以降モニ)とは会うことができた。
2人とも日本が大好きで今では定期的にメッセージをやり取りしている仲だ。
とりわけモニとは非常に仲が良く、2017年末から2018年始にかけてカタール航空のモニターとしてヨーロッパに行った際にモニにも連絡をした。
イタリアに行くと言ったところ、わざわざ夜行バスでスロヴェニアからイタリアのミラノまで来てくれて3日間エアビーで予約した家に一緒に泊まって観光をするという、まさに人が人を紡ぐインフレスパイラル。
(モニとミラノにて 将来的に2人で一定期間旅をする予定(コロナで不明)からの中止決定)
(クリスティーナが経営する美容サロンにて ただで30分のマッサージをしてもらい、その後彼女の実家でご馳走になり泊めてもらった。お母さんにはお土産にワインまでもらった)
Ninaを出発点とし、大勢の素敵な生涯の友人と出会うことができた。

出会う人全員と上手く交友関係を保てるかは正直わからないが、文化も言語も国籍も何もかも違う2人が出会うとそこには必ずストーリーが生まれる。
外国に出ると確実に自分の中の世界観は広がり、日本という一億二千万人しかいないこの小さな島国から一生出ない、などという奇妙なプライドがいかに惨めでもったいない事かを再確認させてくれる。
おわりに
今回は筆者に似合わず小説風の構成になってしまいました。
まあ数多くある記事の中でいくつかはこんな感じで書くのも良いかなと思いました。
ここまで読んで頂いた方、本当にありがとうございました。
ハルシュタットを出て、次の目的地ザルツブルグに向かいました↓
RYOです(''◇'')ゞ3度目のヨーロッパ、2度目の独り旅(2016年)の復習として、オーストリアの塩の町『ザルツブルグ』での滞在を要約して思い出の出来事をつらつら綴りました。筆者あ~2度目の独り旅か~。今回も[…]