【図解でわかる】イタリア・スペインのロマネスク建築の特徴をまとめました!

それが

初期キリスト教の簡素なバシリカ式の建築様式を頑なに守っている

です。

» 更なる詳しい説明↓

フランスのように放射状の祭室や周歩廊によって複雑に変化させた後陣部分のようなものは全く見られません。

イタリア・ロマネスクの教会堂は、北方起源の高さへの憧憬多塔構想、双塔正面の構成とか、放射状祭室ー周歩廊ー内陣ー交差部採光塔にいたる段階的構成といった立体的建築構成には無関心で、もっとも単純なバシリカ式建築の形態を貫き通したのです。

(僕を含め)たぶん大勢の方が

「は?(・。・;」

状態だと思うので、実際に実例をみていきましょう。

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初期キリスト教建築

イタリア・ロマネスク建築の特徴についてお話する前に、

「キリスト教建築とは何ぞや?(゜-゜)」

という方のために軽く紹介しておきます。

初期キリスト教建築とは、キリスト教がローマ帝国で国教化された後、それまで隠れキリシタン的に秘かにキリスト教を信仰していた人たちがウワーっと日の目をみるようになりました。

国教化していきなり素晴らしいキリスト教建築を建てられるわけもなく、彼らはひとまず、古代ローマの各都市に建てられていたバシリカという集会施設を教会堂の代用とし、その平面形式と構造を基本として形式化していったのです。

そこのあなた、怖がらないで!

バシリカの平面形式とは↓のような感じです。

身廊があって側廊があってアプスがあります。

つまり、「初期キリスト教建築!」と難しく言っても、ロマネスク建築とかと平面形式は同じなんです。

※正確にいえばロマネスク建築とかが初期キリスト教建築の平面形式を真似したのですが

では初期キリスト教建築の特徴とは何なのでしょう?

ずばり、以下の3点が挙げられます↓

➀身廊も側廊も天井は木造

②身廊と側廊との間は円柱の列柱が並ぶ

③身廊と側廊の屋根の段差を利用して開口部を開け、採光している

➀以外は、他の教会堂にもありますよね?

というより、木造天井のみ初期キリスト教建築の名残と言えます↓

(初期キリスト教建築の代表例↑)

列柱の上に採光のためのクリヤストリー、天井は木造・・・

イタリア・ロマネスク建築はこの初期キリスト教建築の簡素な形式を頑なに守っているのです。

初期キリスト教建築を先に詳しめにお勉強したいという方はこちらをどうぞ↓

【図解でわかる】初期キリスト教建築ってなに?

では実際にイタリア・ロマネスクの実例をみていきましょう↓

ピサ大聖堂(1063年起工)

まずは有名なピサの斜塔に隣接する、ピサ大聖堂です。

え、ピサの斜塔の横に大聖堂あったん?

って思いましたが、実はあったんですね(笑)

本書には、

大小3つのバシリカを結合したようなプランと白・赤の大理石で外装し、西正面では上部の壁面に円柱を並べた小アーケードを4層に重ねる外観はフランスのものとは異質な形式であり、ビザンティンのモザイク、イスラムの尖頭アーチ、ロンバルディアの小アーケード、古代ローマの列柱など各種の建築要素を融合させて、イタリアらしい風格と明るさに満ち溢れている。

とあります。

大小3つのバシリカを結合したようなプラン

プラン」とは平面形式のことで、まあバシリカ式なので十字架形のことですね↓

(ピサ大聖堂のプラン↑)

これが「大小3つのバシリカが結合している」というんですから、恐らくこういうことですね↓

白と赤の大理石で外装

「白・赤の大理石で外装し」とあるので、恐らく建物外観のことですよね。

確かに屋根に赤い部分がうっすら見えます↓

白いのは解説するまでもないですが、赤が結構微妙です。

所々、うっすら白と赤が見えますがこれであってるかはわかりません。

また現地に行ってから確認してみたいと思います!

4層の小アーケード

「西正面では上部の壁面に円柱を並べた小アーケードを4層に重ねる外観はフランスのものとは異質な形式であり」

とあります↓

先述しましたがバシリカ式のキリスト教会堂の場合、入り口は西側にあるのでこれを西正面と呼びます。

ビザンティンのモザイク

ビザンティンのモザイクとは何か。本書には、

「ビザンティン建築には色大理石やガラス・モザイクによる装飾性も忘れてはならない。」

と書いてあります。恐らくこいつら↓でしょう。

確かに美しいガラス細工に見えます。

イスラムの尖頭アーチ

おっとー、イスラムの尖頭アーチですって・・・

尖頭(せんとう)アーチは上で説明していないので軽く紹介します↓

ゴシック建築

尖頭アーチは、普通のアーチより上部が尖っているアーチで↓

キリスト教会堂ではゴシック様式から使われ出した技術ですが、イスラム教建築ではキリスト教建築よりも遥か前からこの尖頭アーチを使用していたらしいです↓

ピサ大聖堂には、この尖頭アーチが使われているらしいです。

が!!!!

まーじーで全く見つかりません。どこにあるんでしょうか・・・

見つけた方おられたら教えてください(笑)

ロンバルディアの小アーケード

さて、ロンバルディアの小アーケードは先ほど説明しましたよね!

小さいアーチが壁面に連続しているあの「ロンバルディア帯」のことです。

ピサ大聖堂にはロンバルディア帯がいっぱいあるのでまた探してみてください。

古代ローマの列柱

「古代ローマの列柱」と聞いて、

・コリント式

・トスカナ式

・コンポジット式

と、咄嗟に出てくる人は素晴らしい!

わからない人は気にせず、飛ばしてもらって大丈夫です。

ピサ大聖堂に使われている円柱がこちら↓

これはローマ時代に多く用いられた柱頭装飾で、アカンサスの葉をモチーフにしたコリント式ですよね。

その他の施設

ピサ大聖堂では、上で述べたような各種の建築要素を融合させて、イタリアらしい風格と明るさに満ち溢れています。

ピサには大聖堂の他に、

➀洗礼堂(1153ー14世紀)

②鐘塔(1173ー1350頃)

③カンポサント(1278ー1464)

などが隣接して建てられており、素晴らしい建築複合体を作り上げています。

本書には聖堂内部については言及されておりませんが一応見てみましょう↓

ピサ大聖堂内部

イタリア・ロマネスク建築の代表例であるピサ大聖堂、初期キリスト教の簡素なバシリカ式の建築様式を頑なに守っています。

と言いたいところですが、完全にそうとは言えません↓

列柱やクリヤストリー、格天井↓(ごうてんじょう)は初期キリスト教建築そっくりです。

特にこの格天井に至っては感嘆するしかありませんよね↓

しかし、、、

なぜトリビューンを付け加えたのだ!!???

もし列柱のすぐ上にクリヤストリーがあれば、初期キリスト教建築風の簡素な建築様式と言っても差し支えなかったのですが、、、、

トリビューンはいらんやろーーーー(;´・ω・)

サン・ミニアト・アル・モンテ教会堂

もう一つイタリア・ロマネスクの代表例として、フィレンツェのサン・ミニアト・アル・モンテ教会堂があります↓

三廊式で木造天井の初期キリスト教バシリカ式教会堂の形式を踏襲し、明るい大理石のファサードと共にイタリア・ロマネスクの特徴を表しています↓

上の写真のどの部分が初期キリスト教建築バシリカ式教会堂の形式を踏襲しているのか。

ハッキリ言ってかなり初期キリスト教建築に似ています。

ではこのサン・ミニアト・アル・モンテ教会堂の内部を見てみましょう↓

どうですか?

トリフォリウムとかトリビューンとか全くありません。

これが1018年ー1062年の間に建てられたとは到底信じられませんね!!

恐らく何も知らずにパッと見たら、

「うーん、これは初期キリスト教建築の時代のもので、たぶんですけど3世紀から6世紀に建てられたものですね」

と言ってしまいそうです。そして、

「あ、これ1018年から1062年の間に建てられたやつなんですか(;・∀・)(うっわ、はっずー)」

となるやつです。

皆さんもイタリア・ロマネスクの特徴をはっきり理解して知ったかぶりにならないように努力しましょう(笑)

スペインのロマネスク建築の特徴

さて、ではスペインのロマネスク建築の特徴も見ていきましょう。

初めに言っておきますと、スペイン・ロマネスク建築の特徴はわかりません。

本書にはスペイン・ロマネスク建築については、わずか半ページだけ書いてあり、あまり詳しく載っていないんです・・・

本書にはスペイン・ロマネスク建築の特徴として

独特の浅浮き彫りの彫刻が施されている

とありますが、ぼくは全く意味が分かりませんでした。

まあこんな状況ですが、一応説明させて頂きます。

まず大前提ですが、スペインのロマネスク建築は、北部スペイン地方にしか建設されませんでした。

なぜならロマネスク時代を通してイベリア半島の南半分はイスラム教徒のムーア人に支配されており、キリスト教建築は建てられなかったからです。

ですが、イスラム支配下に誕生した東方的色彩の濃いキリスト教建築であるモザラブ建築が8世紀からプレ・ロマネスクの基礎となり、そこにサンチャゴ・デ・コンポステラ大聖堂(※)の巡礼路を経て伝播したフランスやイタリアのロマネスク教会堂の形式が重なり合って、スペインのロマネスク建築が誕生したと言えます。

サンチャゴ・デ・コンポステラ大聖堂への巡礼路↓

↑ヨーロッパ各地からサンチャゴ・デ・コンポステラ大聖堂目指して多くの巡礼者が訪れ、その際にロマネスク建築の技術も運ばれたんですね。

※サンチャゴ・デ・コンポステラ大聖堂とは、キリスト教の世界三大巡礼地の一つで、その巡礼路は世界遺産にも登録されています。残りの二つは「バチカン市国」と「エルサレム」です。

サンチャゴ・デ・コンポステラ大聖堂

フランス式の巡礼路教会堂から多大な影響を受けたサンチャゴ・デ・コンポステラ大聖堂は、西正面がバロック期に建て変えられ、ロマネスク期の姿がそのまま残っているわけではないが、南袖廊に開けられた銀細工師の扉口にはスペイン・ロマネスク独特の浅浮き彫りの彫刻が施され、遠方からやっとの思いで辿り着いた巡礼者たちの心を和ませたに違いない。

本書のスペイン・ロマネスク建築の説明は以上です。

一応書かれていた「南袖廊に開けられた銀細工の扉口」を調べてみました↓

ここに、スペイン・ロマネスク独特の浅浮き彫りの彫刻があると言ってはるんです↓

恐らくこいつら↑のことでしょう。

しかし、この彫刻が他の地域のロマネスク建築にある彫刻とどう違うかが全くわからないんです。

(以下、「西洋建築の歴史」より↓)

本書↑では付録としてヨーロッパ各地のロマネスク建築の彫刻を示しているんですが、上のスペイン・ロマネスク独特の彫刻がこれらとどう違うのか全くわかりません。

どなたか違いを説明できる方がおられましたら、是非ともコメントにて解説をお願い致します。

まとめ

ちょっとだいぶ混乱してきたので、最後にまとめを載せておきますね。

イタリア・ロマネスク建築の特徴は

初期キリスト教建築っぽくシンプルに仕上げている

ということでした。

実際は、ピサ大聖堂の外見を「シンプルに仕上げているなー」と思う人はいないと思うので甚だ微妙です。

しかし、特に木造天井に至っては、石造天井がほとんどのロマネスク建築の中でイタリア・ロマネスクの特徴では無いかなあとも思います。

おわりに

ということで、イタリア・スペインのロマネスク建築の特徴を記しました。

フランス、イタリア、ドイツなどでそれぞれ異なる特徴があるのは面白いですね。

また他の国のロマネスク建築の特徴もご参考になさってください↓

【図解でわかる】フランスのロマネスク建築の特徴をまとめました!

【図解でわかる】ドイツのロマネスク建築の特徴をまとめました!

イタリア ロマネスク建築
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