ロマネスク建築の特徴4つを図解入りで紹介【5/5】

こちらは西洋建築のロマネスク建築を理解するために必要な、ロマネスク建築の特徴4つを解説している記事です。

ロマネスク建築の特徴4つだけ?実際はもっと多いよね。

はい、そうです!(小さい特徴まで言い出したらオマエ最後まで読まんやろ)

ロマネスク建築の特徴4つ

この章の特に重要な点を挙げると以下の4点になります↓

この記事のPOINT

➀重厚な石積みの外観

②トリフォリウム

③ヴォールト

④小さい窓、暗い堂内

それぞれ解説します。

➀重厚な石積みの外観

ロマネスク建築の特徴の一つ目は

重厚な石積みの外観

です↓

なぜ重厚な外観かと言うと、

めちゃくちゃ重い天井を支えるため

で、逆に言えば重厚な外観にならざるを得なかったとも言えます。

ヨーロッパ ブログ
筆者
石って実はとんでもなく重いんですよ(笑)

ロマネスク建築家「どうやったら、あんな重い石で天井を作れるんだ!!?」

また重い天井を支える分、壁を厚くしなければならなかったので高く造れなかったとも言えます。

初期のキリスト教教会(ロマネスク建築完成以前)では木造の露出小屋組↓とするのが普通でしたが、

ロマネスク建築

(↑初期のキリスト教会。屋根は木造、壁は石造)

ロマネスク建築では石造天井を架ける試みが熱心に行われました。

ロマネスク建築

この試みにより、教会をより「外界から隔離された建物」にしようとしたのです。

ロマネスク建築の基となった、初期キリスト教建築について↓

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ビザンティン建築
石造天井のせいで重厚な外観にならざるを得なかった!

②トリフォリウム

ロマネスク建築の特徴の二つ目は

トリフォリウム

です。

トリフォリウムとは身廊に面した壁面にみられる小アーチ列のことです↓

ゴシック建築ではこのトリフォリウムがアーケードとなって背後を壁内通路としますが↓

ロマネスク建築では盲アーチか単純な開口のまま↓です。

(↑下から大アーケード、トリフォリウム、クリヤストリーの三層構成)

つまり「実用的には何の意味もない窪み」です。

これが光を取り入れるための窓なら「クリヤストリー」ですよね。

また後で出てきますが、側廊の二階部分をトリビューンと呼び信徒が二階から典礼を見たりできるようになっています。

例えばこれは↓

(下から大アーケード、トリビューン、クリヤストリーの三層構成)

当然、トリビューンの上にトリフォリウムがある場合は身廊立面は四層構成になりますが、ロマネスク建築ではそんな構成は滅多に見られません。

トリビューンとトリフォリウムの違い

ここまでお読み頂いた方、きっとこう思うと思います。

「え、トリビューンとトリフォリウムの違いってなんや?ほぼ一緒やん!」

と。

僕も、この記事書いてて初めて「え?(゜.゜)」となりました。

本書には以下のように説明があります。

トリフォリウム:片流れ屋根を架けた側廊の屋根裏

トリビューン:側廊を2階建てとしたときの階上廊

要するに「屋根裏とみるか2階とみるか」という違いです。

ではトリフォリウムとトリビューンの違いを「ピサ大聖堂」↓を用いて説明します。

まず、このピサ大聖堂は4階建てとします↓(わかりやすいように2枚用意しました)

トリフォリウムの説明に出てきた「片流れ屋根」とは、片方に勾配が付いた屋根↓のことを指します。

トリフォリウムは「片流れ屋根を架けた側廊の屋根裏」なのですから、先ほど定義した3階の側廊にあたる部分になります。

という事は、通路にするには狭いですよね?屋根裏ですから。

反対にトリビューンは「側廊を2階建てとしたときの階上廊」なのですから、先ほど定義した2階の側廊にあたる部分になります。

こちらは2階ですので、当然通路にする空間がありますよね?
2階ですから。

何となくわかりますか?

重要なので再度言いますが、要するに「屋根裏とみるか2階とみるか」という違いです。

最後にもう一度確認します。

トリフォリウムは、片流れ屋根を架けた側廊の屋根裏ですので、

↑これらの小アーチ列の背後には片流れ屋根が架かっており、通路にするスペースがありません(屋根裏部屋としてのスペースはあるかも)

↓しかしトリビューンの場合、側廊を2階建てとしたときの階上廊ですので、

トリビューンの背後には片流れ屋根がなく人が通れる通路があり、恐らく上の写真の場合クリヤストリーとトリビューンの間くらいの位置に片流れ屋根が存在しているということですね。

少なくとも、トリビューンの背後には片流れ屋根はありません。

トリビューンとトリフォリウムはややこしい!!

③ヴォールト

ロマネスク建築の特徴の三つ目は

ヴォールト

です。

最も単純でよく行われた石造天井は半円筒形のトンネル・ヴォールトで、特にフランス中部/南部からスペインにかけて多くみられます↓

(天井は単純なトンネル・ヴォールト)

そしてトンネルヴォールトに一定間隔でアーチが走っているもの(横断アーチ)もあります↓

(天井はトンネル・ヴォールトに横断アーチ)

また、半円筒形を交差させてできる形状のヴォールト(交差ヴォールト)も用いられました↓

下から見るとこんな感じです↓

(※実は交差ヴォールトまではローマ建築時代から存在していた)


(ここからはゴシック建築のお話↓)

そして12世紀初期(ゴシック建築時代)に、この交差ヴォールトの稜線にリブを付けた交差リブヴォールト↓が現れました。

※リブ(rib)とは英語で肋骨

このリブは見た目上の問題だけでなく、天井の重さを壁では無くリブが繋がる四隅の柱で支えることができるので、壁自身を高く薄くすることができ、そこにステンドグラスなどを飾りました(←完全にゴシック建築の話)

ヴォールト構造もロマネスク建築の特徴!ただしリヴヴォールトは別

④小さい窓、暗い堂内

ロマネスク建築の特徴の四つ目は

小さい窓と暗い堂内

です↓

もう何度も言っていますが、基本的にロマネスク建築は石造天井を取り入れたことによってそれを支えるために壁を分厚くせざるを得ず、強度的な問題で大きな穴を開けることができませんでした。

つまり、窓が小さいので堂内にあまり光を取り入れることができません↓

(↑強度の問題で窓が小さい)

先述した通り、高い塔を作ることもできませんでした。

高くすればするほど、使わなければならない石材も多く、全体的な重量がトンデモナイことになり崩壊する危険があるからです↓

石造天井を採り入れたばかりに、強度の問題で大きな窓を開けることができなかった!

これでロマネスク建築編が終了です。

続いて、ゴシック建築に移りたいと思います↓

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