さて、本記事ではユダヤ人の聖書(=物語)である旧約聖書をなるべくわかりやすく解説してみました。
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さて、遂にこの単元にやってきたかという感じです。世界を周るうえで必ず知っておくべき知識の一つ、それは宗教の基礎知識で宗教上のルール違反等を勉強せずに世界を旅することは危ないし勿体ないです。今回はユダヤ教の歴史をわかり[…]
さて、本記事ではユダヤ人の聖書(=物語)である旧約聖書をなるべくわかりやすく解説してみました。大まかなお話は以下の記事で既に言及していますので、興味があればこちらからご覧ください↓[sitecard subtitle[…]
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では早速始めます(”◇”)ゞ
アブラハムが"信仰の父"と呼ばれる理由
さて、ここで改めての紹介ですが、旧約聖書を読むうえで絶対に外せない人物がいます。
それが「ソドムとゴモラ」の物語の中にも出てきた、アブラハムです。
ロトの叔父さんですよね。
ノアの後、神が人類救済の出発点として選び祝福した最初の預言者、それがアブラハムなんです。
神の声を聞きカナンからエジプトへ移住するアブラハム
アブラハムはユーフラテス川下流の町ウル(現在のイラク南部)に生まれましたが、父のテラと妻のサラ、甥のロトとともにウルを離れ、ハランの地(現在のトルコ南東部)に移り住んでいました。
ウルからハランまでは歩いて240時間、毎日12時間歩いて20日間の距離です。
ウル(Ulu)からハラン(Harran)までの道のりをGoogle mapsで調べてみた
そんなある日、アブラハムは神の声を聞きます。
あなたは生まれ故郷、父の家を離れて、わたしが示す地へ行きなさい。
わたしはあなたを大いなる国民にし、あなたを祝福し、あなたの名を高める、祝福の源となるように。
アブラハムは神の声に従い、妻と甥、そして召使いを連れてカナン(地中海とヨルダン川、死海に挟まれた地域)の地にたどり着きました。
この「カナン」の地はめちゃくちゃ重要です、後で出てきます。
実は「カナンの地」こそ現在の「パレスチナ地域」のことなのです!!!!
しかしここからアブラハムの気苦労の多い人生が再び幕を開けるのです。
アブラハムのイメージを画像生成AIで作成してみた→渋すぎた…
カナンにたどり着いたアブラハム一家でしたが、カナンを飢饉が襲ったためエジプトへと移住しました。
しかしアブラハムは、エジプトでは気苦労が絶えませんでした。
なぜなら、アブラハムの妻サラが並外れた美貌を持っていたからです。
美人過ぎるアブラハムの嫁
※中国のことわざに「傾国の美女」「傾城の美女」という諺があります。
君主がその美しさに夢中になって、国や城を傾けて(滅ぼして)しまうことに由来する、絶世の美女を表す言葉です。
サラはそんな感じだったのでしょう。
移住先のエジプト人男性に自分が殺されて妻を奪われるのではないかと危惧したアブラハムは、サラを「妹だ」と人々に紹介。
そこから偽りの日々が始まります。
アブラハムの予想通り、サラはエジプト中の男性を魅了し、ついに王家へ召し入れられることになりました。
王家から手厚い保護を受けていたアブラハム一家でしたが、やがて真実が明るみに出ると追い出され、カナンへと戻るはめになってしまいました。
カナンへと戻るアブラハム一行
さらにその道中、家畜のための水をめぐってアブラハムとロトの従者の間に争いが勃発しました。
結果、ロトは肥沃な低地ソドムへ移住、アブラハムは荒地に残ることになったのです。
そんなアブラハム夫妻にはある重大な悩みがありました。
子に恵まれなかったんです。
妻のサラはすでに八十歳に近く、とういて出産に耐えられる年齢ではありませんでした。
そこでサラはエジプト人の侍女ハガルにアブラハムの子どもを産ませようとしました。
アブラハム夫婦と侍女のハガル
妻公認の子作りタイムです。
侍女ハガルと子作りを行うアブラハム
兎にも角にもこれで「子どもができればアブラハム夫婦もハッピー♡」かと思いきや、事件が!!!
アブラハムとの子作りで権力を得たハガルの態度が一変、傾国の美女サラを軽んじ始めたのです。
サラを見下し始めた侍女のハガル
ハガル「ちょっとオバチャンどいてよ~、わたしアブラハム様との子作りで大変なんだから(笑)」
サラ「クッッ、クッソガァァァ…」
二人が対立を深める中、ハガルは息子イシュマエルを出産しました。
ようやくアブラハム待望の子どもが産まれました。
しかしその数年後にさらに事件は起きました。
サラが九十歳という高齢でありながら息子イサクを産んだのです。
そう、もはや彼女らほど疎ましい存在はないのです。
サラはアブラハムに二人を追い出すよう懇願しました。
サラ「ねぇあなた、ハガルとイシュマエルはもう、、、ね?わかるわよね?」
アブラハム「え、あ、、うん。ほら、とは言えまぁ一応わしの子じゃから…うほん、うん。」
ハガル「・・・(わたしたち殺されるかもしれない…)」
サラ「あなた!!!!さっさと決めてちょうだい!!!!!」
アブラハム「う、うーむ、うむむ…。」
思い悩むアブラハムに対し、神はこう告げました。
サラの言うことに聞き従いなさい。
イシュマエルもまた、国民の父となる。
彼もあなたの子であるからだ。
こうしてハガルとイシュマエルはわずかな食料を渡され、荒地へ放り出されてしまったのです。
放逐されたハガルとイシュマエル
一時は死を覚悟した二人でしたが、神の加護により一命を取り留めたかたちとなりました。
生き延びたイシュマエルは母と出身を同じくするエジプト人と結婚し、子孫を増やしました。
その子孫がアラブ人だと言われています。
カナン(=パレスチナ)をめぐってユダヤ人とアラブ人が対立し始めたのもこの頃からだと言われています。
ユダヤ人とアラブ人の対立の"根"はここにあった
またアブラハムは神と契約を交わし、彼と彼の子孫が祝福を受け、カナンの全ての土地を永久に与えられると告げられました。
この神から与えられた「カナンの地」というのが現在の「パレスチナ地域」なのです。
アラブ人とユダヤ人の対立はここから始まったのです。
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「パレスチナ地域はユダヤ人が神から与えられた土地である」
というユダヤ人側の主張と、
「パレスチナ地域に先祖代々住み続け、土地を守ってきたのはアラブ人である」
というアラブ人側の主張に折り合いがつかず、イスラエルとアラブ諸国が長年もめているのです。
詳しくはこちらの記事で↓
西暦132年、当時ローマ帝国に虐げられていたとある民族が故郷を奪われ世界中に散り散りになった。その民族は約1800年もの間世界中で迫害され続けたが、1948年に父祖伝来の地パレスチナに集い、様々な苦難の末に晴れて国家を建国することができ[…]
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そしてその「カナンを与えられる」という契約のしるしとして、生後八日目の男子に割礼(男性器の先端の皮を切り取ること)を施すことを約束したのです。
※つまりユダヤ人に真性包茎はいない
割礼(かつれい)とはつまり、包茎手術のことです。
さて、サラの息子イサクですが彼もまた試練を受けます。
神の命により、神への「生け贄」にされたのです。
アブラハムにとってイサクは自身が百歳の時にようやく得た、かわいい息子。
神に捧げるとはいえ、我が子を手にかけるのは断腸の思いだったでしょう。
しかし神の命令なのです。
イサク「やめてぇ、やめてよお父さん!!こわい、こわいよぉ」
アブラハム「グッ(大号泣)、神が、神が仰っているのじゃ…すまぬイサクよぉぉぉ」
アブラハムはイサクを山に連れ、祭壇にのせ、のど元にナイフを突き立てようとしました。
その瞬間、神の使いが声をかけました。
天使がギリギリで止めてくれたあぁぁ
その子に手をかけてはいけません。
お前が神を畏れる者だということは、よくわかりました。
神に対する信仰の篤さを証明したアブラハムとイサクは、
- 子孫が星の数ほど増えること
- 地上の全ての民の勝利者となること
を告げられたのでした。
では次ページでは「"神との戦い"に勝利!「イスラエルの祖」になったヤコブ」についてご紹介します。
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