さて、本記事では、ユダヤ人の“聖なる物語”――そう、旧約聖書という名の一大叙事詩を、なるべく分かりやすく、そしてちょっぴり笑える感じで解説していく所存である。
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さて、遂にこの単元にやってきたかという感じです。世界を周るうえで必ず知っておくべき知識の一つ、それは宗教の基礎知識で宗教上のルール違反等を勉強せずに世界を旅することは危ないし勿体ないです。今回はユダヤ教の歴史をわかり[…]
さて、本記事ではユダヤ人の聖書(=物語)である旧約聖書をなるべくわかりやすく解説してみました。大まかなお話は以下の記事で既に言及していますので、興味があればこちらからご覧ください↓[sitecard subtitle[…]
本書では、その記事で触れた内容をさらに掘りに掘って、スコップが折れる寸前まで深掘りした構成となっている。
読む際には、その覚悟を持って臨んでいただきたい。
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さて、本記事では、ユダヤ人の“聖なる物語”――そう、旧約聖書という名の一大叙事詩を、なるべく分かりやすく、そしてちょっぴり笑える感じで解説していく所存である。[show_more more=前置き(クリックで開く) less[…]
ではさっそく、神と人類の濃すぎる関係史をのぞいてみようではないか(”◇”)ゞ
※なお、本記事に登場する写真のほとんどは画像生成AIによる産物であり、「あれ?この人見たことある!」と思っても、たぶん気のせいである。
実在の人物とはほぼ無関係なので、そこんとこよろしく。
神による怒りの制裁~ノアの箱舟伝説~
「ノアの箱舟」伝説は、壮大なフィクションの様相を呈しながら、さまざまな場面でその実在性が議論にあがる、特異な物語である。
創世記の中でストーリーはこう展開していく。
時が流れ、アダムとエヴァの三男セトの子孫が地上にあふれんばかりに増えた。
ん?ふと思ったのだが、セトが子孫を残したということは実の母エヴァと姦淫を繰り返したということか?
なぜならこの世界の女性は、まだ母エヴァしかいなかったから…
ツッコミどころは多いが、そこは神話である。
あまり深追いしない方が良い。
人間、だいぶ増えたなぁ
しかし人間の数が増え、豊かになるにつれ、世の中には欲望や憎しみ、争い、悪徳が氾濫。
そう、再び人類が堕落し始めたのである。
当初「産めよ、増えよ。地に満ちよ」と人間を祝福した神だったが、その醜い様子に失望し、大洪水を起こして一掃しようと決意した。
神「さすがは人間、クズばっかりじゃのぉ。まったく…ブツブツ」
しかし、この世界にただ一人、善人で信仰深くまっすぐな男がいた。
名をノアという。
神は彼の誠実さを認め、こう語りかけた。
あなたと家族はみな箱舟に入りなさい。
あなたは全ての清い獣の中から雄と雌とを七つがいずつ取り、また空の鳥の中から雄と雌とを七つがいずつ取って、その種類が全地の表に生き残るようにしなさい。
七日の後、わたしは四十日四十夜、地に雨を降らせて、わたしの造ったすべての生き物を、地の表からぬぐい去ります。
と。
神の宣告は、シンプルかつ容赦がなかった。
大洪水が街も山々も全てを飲み込んだ!
ノアは極めて忠実な男であった。
神の言葉を疑うことなく信じ、指示されたとおりに箱舟の建造に取りかかった。
とはいえ、この舟には、膨大な数の生き物と人間が長期間生活できるだけの空間が必要であった。
その結果、完成した箱舟のサイズはまさに“とんでもスケール”であった。
- 長さ:三百アンマ(約350m)
- 幅:五十アンマ(約23m)
- 高さ;三十アンマ(約14m)
要するに、サッカー場より長い巨大木造船である。
どうやって造ったのか…とツッコミたくなるのは現代人の性であろう。
ちなみに、この箱舟は現代においても再現されており、世界各国に“レプリカ”が存在する。
オランダにあるノアの箱舟(出典:Noah’s Ark Replica Built In Netherlands)
アメリカにあるノアの箱舟(出典:Inside the Incredible Story Behind This Lifesize Replica of Noah’s Ark)
ブラジルにあるノアの箱舟(出典:Noah’s Ark replica could travel to Brazil this year)
こうした再現からも、人々の関心の高さがうかがえる。
一方その頃、ノアがコツコツと舟を作っていた間、周囲の人々はというと…
「洪水?来るわけねーだろ」
「木を切ってでっかい舟とかマジ草www」
「あいつ正気か?」
と、完全に嘲笑の的となっていた。
だがノアとその家族は神の言葉を信じ黙々と作業に従事した。
ノア「神が来ると仰ってるんだから、洪水は絶対に来るさ。なんでみんなは神の言うことを信じないのだろう…」
やがて舟は完成した。
そしてその瞬間、不思議なことが起きた。
どこからともなく動物たちが続々と集まり始めたのである。
ノアは動物たちをつがいで舟の中に入れ、妻と三人の息子夫婦に食料を持って乗り込むように促した。
これは多くの教会のステンドグラスにも描かれる、象徴的な名場面である。
そして最後に乗船したノアが入口をしっかりと閉ざした瞬間、天から怒涛の大雨が降り始めたのである。
神の予告どおり、大雨は四十日四十夜、昼夜を問わず降り続けた。
大雨はやがて濁流となり、街はもちろん山々も飲み込むほどの大洪水を引き起こした。
人間も、動物も、鳥も、すべてが溺れ、命を失った。
唯一、生き残ったのは――ノアの箱舟の中にいた者たちだけであった。
アララト山に漂着したノアが最初に取った行動とは?
怒涛のごとく降り続いた大雨は、ようやくその勢いを弱めた。
水が引き始めたのは、なんと150日後である。
長い。長すぎる。
そして、漂い続けた箱舟がゴトンと止まったのは、
トルコ・アルメニア・イランの国境にまたがるアララト山の山頂であった。
※アララト山は実在する山
ノア一行は山のてっぺんでようやく一息つくことになる。
が、当然のことながら、舟の外がどうなっているかは分からない。
そこで漂着から七日後、ノアは外の様子を知るための偵察隊として一羽の鳩を放した。
海原の遠くに飛び立った鳩は止まり木を見つけられずトコトコと戻ってきた。
ノア「おかえり、鳩ちゃん。まだダメか…(´・ω・`)」
さらに7日後、再び鳩を放つと――
なんと今回はオリーブの若枝をくわえて戻ってきた。
ノア「おぉ! 地面、出てる! 植物、生きてる! 鳩、すごい!」
そしてさらに7日後、3回目の出撃となった鳩は、ついに戻ってこなかった。
ノア「あれ、鳩ちゃんは(。´・ω・)?ポッポ」
つまり、鳩は安住の地を見つけたのだ。
神の命を受け、ようやく大地に降り立つことができたノアが最初に取った行動は、神に感謝を捧げるための祭壇造りだった。
筆者「ノアよ、なぜそんなに神が好きなのだ?」
そんな敬虔なノアの姿に胸を打たれた神はこう語る。
神「人に対して、大地を呪うことは二度としないでおこう。人が心に思うことは、幼い時から悪いのだ。わたしは二度と、生きたものを打つことをしない。」
と、まさかの人類リベンジチャンス宣言である。
そして神は再び、あのフレーズをノアに贈った。
神「産めよ、増えよ。地に満ちよ」
と祝福の言葉を述べたと言われている。
筆者「ん、デジャヴかな?」
950歳まで生きたノアと息子たちの「その後」
タイトルからしてツッコミ待ちのような展開だが、神に選ばれたノアの“その後”がまさかのクズエピソードとは思いもよらない。
箱舟の一件を経て農夫となって葡萄の栽培を始めたノアは、ある日葡萄酒を飲み過ぎ、服を全て脱いで裸のまま眠り込んでしまった。
結果――
ノア、全裸で寝落ち。
…神の祝福を受けた男、地に酒を受けて倒れる。
この様子を最初に発見したのは末っ子のハム。
彼はそれを面白がり、兄のセムとヤフェトに告げ口する。
ハム「兄貴ぃ、見てくれよ!親父、マジで裸で転がってっからwww 写メ案件だわwww」
一方、兄たちは違った。
セム&ヤフェト「いや、それ親父だぞ。笑いものにするってどういう神経してんだよ…。服、かけてやるぞ。」
二人はノアの裸を直接見ないように後ろ向きに歩き、そっと服をかけてあげた。
その後、その経緯を知ったノアはハムに対して突如ぶちギレ。
ノア「その子孫とともに呪われよ。奴隷のまた奴隷として、兄たちに仕えよ」
まさかの全方向逆ギレ制裁発動である。
ハム「……え、え? そんな悪いことした? おれ…」
ノアはハムに呪いの言葉を投げかけ、気遣いを見せたセムとヤフェトには祝福を与えた。
- その後ハムの子孫は南に移り、後にソドムとゴモラの街を築くカナン人となった、らしい。
- セムの子孫は山地に住む遊牧民族になり、ヤフェトの子孫は地中海やギリシアの島々に根付いたとされている。
このシーンをざっくり再現すると以下のような構図になる。
ノア「このブドウ酒めっちゃうめ~ヒャヒャヒャ、見ておれのビールっぱら~いやワイン腹か‼キャキャキャ」
→全裸で眠るノアおじさん
ハム「見てみぃや兄貴!親父、素っ裸で寝てらぁ、ばっかじゃねえのwwだれか写メ撮っとけよ」
セム&ヤフェト「は、おれらの親父だろ。笑いものにするって正気か?このバカ弟が」
ノア「なに、ハムがわしを笑いものに?ハム!!!貴様は子孫ともども呪われよ、永遠に奴隷となれ。」
ハム「ファッ?(゚Д゚;)無礼講のお酒の場でそんな悪いことした?おれ…」
ノアのポンコツっぷりがうかがえるシーンである。
酔っ払ってはっちゃけたのは自分のせいでしょ…
「ノア、おまえ何してんの?」
↑これは筆者のコメントである。
まさに老害。
ちなみにそんなクズ男っぷりが発揮されたノアはその後350年も生き、950歳で大往生したという。
筆者「もうええわ。」
余談だが、画像生成AIアプリ"Stable Diffusion"でこの時の「ノアと息子たちの様子」を表す画像を生成しようと思ったが、やはり思い通りの画像を作るのって非常に難しいことを知った。
葡萄酒を飲み過ぎてべろべろに酔っぱらった裸のおじさんの周りにたたずむ若い人
…そして出てきた画像がこちら。
確かにブドウの実があるけど…
なにこのシュールな絵、金持ち男色家たちの道楽かな?
今回のノアの一件に関しては画像生成を断念した。
では、次回は「なぜ『バベルの塔』は神の逆鱗に触れたのか?」について紹介する。
次回もお楽しみに。
さて、本記事では、ユダヤ人の“聖なる物語”――そう、旧約聖書という名の一大叙事詩を、なるべく分かりやすく、そしてちょっぴり笑える感じで解説していく所存である。[show_more more=前置き(クリックで開く) less[…]
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