信号のいらない交差点、それが「ラウンド・アバウト」
突然だが、下のような標識を見たことがあるだろうか?
これは、この先にラウンドアバウト(円形交差点)があるよという標識である。
筆者がヨーロッパ12ヵ国で計6,500km以上運転して最も驚いたのが、まさにこのラウンドアバウトだった。
最初は「信号がない=カオス」だと決めつけていた筆者も、数日後にはこう叫んでいた。
「これ以外の交差点、逆に不便やん…」
実際に走ってみると、あまりにスムーズで、待ち時間がなく、信号のストレスから解放される快感がそこにはあった。
信号機無しでどうやって車が行き来するの?
簡単に言えば、「信号のない一方通行の環状交差点」である。
中央に円形のスペースが設けられ、その周りを車がぐるっと回り、出たい道で左折するだけ。
日本の交差点が将棋なら、ラウンドアバウトはオセロくらいの単純さである。
国土交通省が出しているラウンドアバウトの現状も非常に勉強になる。
これは山梨県警が出しているラウンドアバウトの走行方法に関する説明画像である。
これを見ながら以下の説明文を読んで頂きたい。
➀ まず(日本の場合)交差点に進入する車は円形交差点手前の停止線で一時停止をします。
➁ ここで安全を確認してから交差点内に進入!
※基本的に円形交差点では(日本の場合)右からしか車両は来ないため右側の安全確認のみで大丈夫です。
が、何があるかわからないので左右確認しましょう。
高齢者ドライバーが逆走するかもわかりませんから。
③ そして出たい方向へ左折します。
- 左折したければ、左ウインカーを付けてそのまま左折
- 直進したければ、一つ目の左折を超えてすぐに左ウインカーを付けて左折
- 右折したければ、二つ目の左折を超えてすぐに左ウインカーを付けて左折
- Uターンしたければ、三つ目の左折を超えてすぐに左ウインカーを付けて左折
そう、全て左折の連続なのである。
まず、赤信号で意味もなくボーッと待つ必要がない。
車が来なければそのままスムーズに進入できる。
これは人類の勝利である。
しかも信号が存在しないため、大地震が来ようが大停電になろうが、動じることがない。
どんな災害時でも交通が止まらないタフネスさを誇っている。
ヨーロッパではこの円形交差点が至る所に設置されており、筆者の体感では交差点の9割以上がラウンドアバウトであると断言できる。
慣れるまでは「なんやこの謎サークル…」と戸惑うが、一度慣れればもう普通の信号交差点には戻れない。
いや、戻りたくない。
さあ日本でも導入されるのを待つばかりだ。
ちなみに、スイスの首都ベルンで撮ったラウンドアバウトの動画こちら。
世界で最も難しいと言われる円形交差点、パリの凱旋門周辺の様子がこちら。
また、スイスにはなんとアーティスティックなラウンドアバウトがあるらしいのだ。
オシャレだ…