【新約聖書➁】待望の救世主「イエスの誕生」とヘロデ大王の迫害

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ユダヤ教 旧約聖書 歴史

さて、本記事では、ユダヤ人の聖典である「旧約聖書」の続編――その名も新約聖書についてなるべく噛み砕いて解説していく。

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なにせ旧約の続きである。

いきなり続編から観るのはちょっと…という慎重派の読者諸君、まずは前作をざっくりチェックしてからのほうがいいかもしれない。

以下のリンクからどうぞ↓

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さて、本記事ではユダヤ人の聖書(=物語)である旧約聖書をなるべくわかりやすく解説してみました。大まかなお話は以下の記事で既に言及していますので、興味があればこちらからご覧ください↓[sitecard subtitle[…]

旧約聖書 まとめ わかりやすく
参考書は【眠れないほどおもしろい「聖書」の謎】【常識として知っておきたい世界の三大宗教】です。
ちなみに、本記事のビジュアル面はほぼ全て画像生成AIの力を借りている。
今回はちょっと趣向を変えて、漫画風のイラストで新約の世界を案内していくつもりだ。

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とりあえず堅苦しい話はナシ。

笑って読んで、ふと「へぇ~」とつぶやけたらそれで本望である。

前回の記事はこちらから。

では、いざ開幕。

新約の世界へレッツゴー٩( ”ω” )و

待望の救世主「イエスの誕生」とヘロデ大王の迫害

さて、前回の記事では聖母マリア様の生い立ちと超モテモテでリア充だったという話、そして最終的にヨセフを夫として選び処女なのに懐妊したという奇跡のエピソードをご紹介した。

そして生まれた子ども――
そう、ついに現れた救世主イエス

イエスの出生は祝福をもって迎えられた。

「ルカによる福音書」によると、ベツレヘム郊外で羊の群れを見張っていた羊飼いたちがいたそうだ。

時は深夜。
羊はモフモフしてるが、彼らの生活はガチでハードモード。

そんな彼らの前に、突如――光とともに天使が現れる!

ドッカーン!バァァァン!ピカーッ!

(※演出は筆者の脳内再生である)

そんな仰々しく登場した天使の第一声がこちら。

あなたがたの救世主が誕生しました。

その子は今、馬小屋の飼い葉桶の中に眠っています。

彼らはこの神秘体験にテンション爆上がり、さっそく現地ベツレヘムへダッシュ。

夜中に馬小屋へ突入し、赤ちゃんを見つけてこう言った。(知らんけど)

「この子が救世主か……イエーーース!!」

「東方の三博士」の来訪、"天使のお告げ"でエジプトへ逃避

「マタイによる福音書」では、東方の占星術の博士三人がエルサレムを訪れ、「ユダヤ人の王として生まれた方はどこにいらっしゃいますか?」と人々に聞いて回ったと記述されている。

東方で、この地に明るい星を見たと言うのだ。


「むぅ、あれは!!??」

その噂を聞いた当時の王「ヘロデ大王」は、いつかその赤子が自分の地位を脅かすだろうと案じ、博士らに

「私も一目拝みたい。その赤子を見つけたら自分の元に連れてきてほしい」

と命じた。

博士たちが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た件の明るい星が動き出し、ある場所で止まった。

星に導かれるように向かった三人は、一軒の家にたどり着いた。


三博士「なんじゃこの馬小屋は?」

中へ入ると、生まれたばかりのかわいらしい幼子がマリアの傍らで寝息を立てていたのだ。

賢者A「これが、新たな王か。おいたわしや~」

賢者B「じゃな!」

賢者C「ふむ!」

三人はひれ伏して幼子を拝み、そして宝の箱を開け、㋐黄金と㋑乳香(にゅうこう)、㋒没薬(もつやく)を贈り物として捧げた。

  • 乳香(にゅうこう)とは:カンラン科の常緑高木で燃やすと甘く優雅な香りを発し、天や神を祀る際に薫ずる
  • 没薬(もつやく)とは:カンラン科コンミフォラ属のとげをもつ低木から分泌される赤褐色のゴム樹脂。高価な香料、香水、化粧品の原料

選び方が、赤ちゃん相手とは思えない渋さである。

もうちょっとこう、ガラガラとか…赤ちゃんせんべいとか…なかったのか?

これらのエピソードから、イエスは弱い立場の者や、異国の者から賞賛をもって受け入れられる救世主であることが垣間見れる(と著者は語っている)。

その後博士たちは夢に現れた神のお告げもあり、ヘロデ大王の元には戻らず、そのまま自分たちの住む東方へと帰って行った。

さらにパパ役ヨセフの前にも、再び天使が出現。

ヘロデ大王がイエスを殺害しようとしていることを伝え、エジプトに逃げるよう忠告した。

なんという情報共有の速さ。

天使界、完全に即レス対応のカスタマーサポート状態である。

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案の定、ヘロデ王は賢者たちが自分をスルーして帰ったと知り、ブチギレる。

ヘロデ大王「やつら、ワシを騙しおったな!?もはや方法はこれしかない!」

天使の言葉通り、ヘロデ大王は「ベツレヘム付近にいる二歳以下の男子を全員殺害するように」と、完全に非人道的なお触れを出したのである。

イエスがただ者でないことを察知したのだろう。

完全にやりすぎである。
もう王というよりラスボスである。


「ぐむぅ、イエスめ。なかなかやりおるわい」

しかし一家はその頃既にエジプトへ逃れており、彼らが再び故郷のナザレへ戻ったのはヘロデ大王の死後。

イエスは天使たちの迅速な「神のスパイ活動」により、奇跡的にこの大虐殺を回避したのだ。

こうして一家はナザレに帰り、イエスはそこで静かに成長していくことになる。

……が、もちろんこのままでは終わらない。

十二歳にして"救世主としての自覚"!

新約聖書 聖母マリア 救世主 イエスキリスト

イエスが十二歳になる頃には、すでに救世主としての自覚が生まれていたと聖書には書かれている。

こんなエピソードがある。

過越祭(すぎこしさい=ユダヤ教の春の祭り)を祝うため、イエスは一家でエルサレムへ出かけた。

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過越しの祭り=祭りの期間(一週間)は、発酵食品を食することや見ることが禁止されている

さて、祭りが終わり、「さー帰るか」とナザレ方面に向かったマリアとヨセフ。

が、ここでとんでもない事態が起きる。

父ヨセフ「あれっっイエスは!!!!??」

母マリア「どこに行ったのぉぉぉぉぉ\(゜ロ\)(/ロ゜)/」

まさかの「推しの子」イエス、失踪事件発生。

両親は町中を駆け回り、一生懸命に探したがどうしても見つけることができない。


途方に暮れるヨセフとマリア

もはや絶望の淵に立つヨセフとマリア。

その三日後、両親はようやくイエスを発見した。

なんと彼は神殿で学者たちの真ん中に座り、話を聞いたり質問をしたりしていたのである。

しかもめっちゃ馴染んでる。

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学者A「この子、質問のレベルがガチだぞ…」

学者B「さっきのイエスの質問、答えが全くわからん。」

学者C「12歳とは思えぬ洞察力…もしかして未来から来た?」

イエスは大変機知に富み、ユダヤの様々な律法や預言書に目を通していたと言われている。

また、ヘブライ語とアラム語、ギリシア語の三つを巧みに操ることもできたとも伝えられている。


実はめちゃくちゃ優秀な青年イエス

マリア「ちょっとイエスぅ!どれだけ心配したと思ってるの!?なんで勝手に残ってるのよ!」

イエス「え、なんで探してたの?
父の家にいるのって当然のことじゃない?」

…これが伝説の中二覚醒セリフ第一弾である。(知らんけど)

完全に「救世主としての自覚、オン」である。

その後のイエスはさらに知識を身につけつつ、三十歳まで家業の大工を手伝いながらナザレで穏やかな日々を過ごすのだった。

たまに神様っぽいことを考えながら
木を切ったり釘を打ったりしていた。

でも、内なる使命感は静かに育ち続けていた。


次なるステージは、いよいよ「洗礼」と「宣教活動」!

救世主伝説、本格始動である――

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