ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回はビザンティン建築について説明します。
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※明言しますが、西洋建築の勉強をしてからヨーロッパに行けば無学で行くより100倍楽しめます。
※「この部分がわかりにくいです」とか「これはどうなんですか?」などの質問やコメント等ありましたら遠慮なく下部のコメント欄からお問い合わせください!
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本記事は「ビザンティン建築の課題」を解説しています。
ビザンティン建築の課題
この章の特に重要な点を挙げると以下の4点になります↓
➀ビザンティン建築の課題
②スキンチ
③トロンプ
④ペンデンティブ
それぞれ解説します。
➀ビザンティン建築の課題
ではビザンティン建築の課題を紹介します。
参考書「西洋建築様式史」の本文をそのまま載せるとこうなります。
・・・(´・ω・`)?
なにが言いたいのか、全くわかりませんよね。
その気持ち非常にわかります(笑)
これに関して本書には、重要な用語として
・スキンチ
・トロンプ
・ペンデンティブ
が紹介されています。
では、小学生でもわかるくらい簡単に説明しましょう!
そもそも、円柱にドームを架けるのはそんなに難しくありませんよね?
とてもスムーズにドームを架けることができます。
しかし、立方体(正方形)にドームを架けるならどうでしょう?
なんかうまく載らないですよね。それが先ほど出てきた、
なのです。
つまり先ほどの難しい文を要約するとですね…
四角形(屋根)の上に円形(ドーム)を載せるのは難しい!
ということなんです。
これを克服するための技術が、
➀スキンチ
➁トロンプ
③ペンデンティブ
というわけなんです。
②スキンチ
スキンチ(別名「火打ち梁」)とは、正方形平面の上に円形のドームを載せる技術で、四角形の上面を八角形ないしはより円に近い多角形として接続する方法です。
これだけ聞いてもわからないと思うので、図解します↓
このスキンチは木組みで家などを建てる際にも使われる技術で、建物の水平方向のひずみを抑える役割があります。
まあ何となくイメージできますよね。
このスキンチを架けることで、平面的には正八角形になりますよね↓
ではこの正八角形にさらにもう一度スキンチをかけるとどうなるでしょうか?↓
ななななんと!!!
正16角形になり、より円形に近付きました。
こういうように、スキンチをかけていけばだんだんと円形に近付いていき、ドームを架けやすくなるのです↓
参考書の著者曰く、この方法は汎用性があまり高くないらしいんです。
参考書の説明文そのまま載せました↓
このスキンチの方法は、長くて大きな石材が採れない地方では用いることはできない。
大きな石が近くで採掘できず、煉瓦や小割石でしか建築を建てられない地方では、このスキンチをアーチに代えることでそれを解決した。
このスキンチ・アーチの方法をさらに押し進めて扇状にアーチを重ねて隅の部分を処理したのがトロンプである。
・・・。
はい、全く意味が分かりません(笑)
建築の専門家同士の会話でもこんな難しいこと言わないでしょう、意味不明ですƪ(˘⌣˘)ʃハハハ
ではこれからトロンプの説明に入ります。
③トロンプ
スキンチの派生形としてトロンプがありますが、まあ正直そんなに重要では無いです。
でもまあ一応説明するとこんな感じになります。
要はスキンチを架けた後の、
この四隅の角っこの黄色の部分をどうするかが問題なんです。
先ほどの図では、土台とドームが全くスムーズに繋がっていないのです!!!!
なぜならこの四隅の無駄な部分のせいで、地上からドームの頂点までのスムースな流動感が中断されてしまうからです。
まあ意味は分かりますよね、早い話「上に載っけただけですやん」ってことですよね。
これを克服したのがトロンプです↓
↑こんなんとか、
↑こんなんですね。
でも正直、
「努力は認めるけど、そないスムーズに繋がってないよ(;´・ω・)」
と思いますよね。
それをさらに改良したのがペンデンティブなんです。
④ペンデンティブ
ペンデンティブのイメージについて、写真を見せる前にちょっと想像してみましょう。
先に写真を見せると先入観が植え付けられますからね(´っ・ω・)っ
真面目一徹おちゃらけ要素0の本参考書の中で、珍しくこの部分だけ饅頭(まんじゅう)を使って例えています(笑)
➀正方形の壁体の上端に外接する半球形の饅頭をまず想定し…
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②切断された切り口は半円形となり、上に載っている半球の荷重が四隅に集中し、正方形の四つ角にそのまま力を伝えることができます。
③次に半円形の切り口の頂部に接するように饅頭を水平に切ると、その切り口は円になり、その円を基礎としたもう一つ半球形の饅頭を載せて、この方法は完成する。
④二段に積み上げられたドームの下の方は四隅に球形三角形だけが結局残るわけで、この部分が二重のドームの全ての荷重を受けることになり、この球形三角形をペンデンティブと呼んでいる。
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わかりましたか?
最後らへんはやっぱり難しいので、上の説明を図で表したいと思います。
が、筆者の未熟なパワポ技術では上手に図が描けなかったので、今回はミカオ建築館様のブログから図を引用致しました↓
(出典:Q ペンデンティブとは?)
このミカオ建築館の著者は、建築に関する大学教授でありながら不動産投資を行っている方らしいです。
まあとにかく、このペンデンティブの方法によって、荷重は四隅に集中され、それ以外の部分は構造的に解放されるので大きな開口部がとれるようになり、ドームの壮大な空間の中に明るい光を採り入れることができるようになったのです↓
このペンデンティブの技術を駆使してドーム建築を追究していったのがビザンティン建築なのです。
確かに…スゴイ!!
めでたしめでたし
では次に、ビザンティン建築の奇跡と呼ばれる「アヤ・ソフィア」についてお話したいと思います。
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