ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回はビザンティン建築について説明します。
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※明言しますが、西洋建築の勉強をしてからヨーロッパに行けば無学で行くより100倍楽しめます。
※「この部分がわかりにくいです」とか「これはどうなんですか?」などの質問やコメント等ありましたら遠慮なく下部のコメント欄からお問い合わせください!
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本記事は「東西ローマの分裂と東方教会」を解説しています。
東西ローマの分裂と東方教会
この章の特に重要な点を挙げると以下の3点になります↓
➀東西ローマの分裂とビザンティン建築
②東方教会の特徴
③東方教会の重要な要素
それぞれ解説します。
➀東西ローマの分裂とビザンティン建築
西暦330年5月11日、コンスタンティヌス帝が都をイタリアのローマから現トルコのイスタンブールであるコンスタンティノープルに移し、新首都建設のための大がかりな建築活動が開始されました↓
これ以降東ローマ帝国の地域を中心に発展した建築様式をビザンティン建築と呼びます。
この東ローマ帝国に広がったキリスト教は、ローマを中心とした西ヨーロッパのローマン・カトリックとは異なり、現在のギリシア正教とかロシア正教と呼ばれる東方教会です。
キリスト教の宗派カトリックやプロテスタント、東方正教会の違いに関する記事はこちら↓
カトリック信徒は離婚できないのが通例宗教は古代から世界中の人々の生活に根ざして信仰されたり利用されたりしてきました。その中でも現在の世界最大宗教といえばキリスト教です。キリスト教は、その教義の違いにより主に以下の[…]
②東方教会の特徴
この東方教会では、神の表現についてきわめて厳格であり、天国の階層序列がハッキリ決まっています。
例えば、
①最上位はもちろんイエス
②次にマリア(イエスのママ)
» 以下、興味のある方は↓
③次いで大天使ミカエルとガブリエル(神の言葉を伝える天使)
④福音史家(イエスの言行録「福音書」の著者たち)
⑤使徒たち(イエス・キリストの12人の高弟)
⑥旧約の預言者(本書には「旧訳の予言者」と書かれていますが、恐らく誤字だと思われます)
⑦聖者(殉教者や偉大な使徒)
⑧初期キリスト教時代の教父(カトリック教会に公認された聖なる神学者)
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の順に定められていました。
(イエス=神の子=神)
③東方教会の重要な要素
また、初期キリスト教のバシリカ式教会堂のアプス上の半ドームにキリスト教の勝利と栄光を図像学的表現としてきた伝統をさらに押し進めて、神の座としてのドームの象徴的意味がますます強く意識されることとなっていき、東方教会の教会堂ではドームがより重要な要素となっていきました。
「え、アプス?バシリカ式?(゜.゜)」
と思った方、初期キリスト教建築の記事読んでないでしょ!!
わたし、わかるんですよ(笑)
一応もう一度貼っておきます↓
ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回は初期キリスト教建築について説明します。[show_more more=恒例の挨拶(クリックで開きます) less=折りたたむ color=#0066cc lis[…]
これ読んでから戻って来てください。
じゃないと意味不明の用語が連発するのでこの記事読む価値ほぼ無いです(-_-メ)
まあ一応アプス上の半ドームについて説明しましょうか。
アプスとは教会堂の奥にある聖職者の専用空間のことです↓
このアプスの上部には大抵半ドームがあります↓
つまり、要約すると
東方教会では西ヨーロッパのカトリック教会よりもドームが重要になった
ということですね。
広間の方向性とドーム垂直性
参考書「西洋建築様式史」には以下のような説明があります↓
アプスへ向かう典礼行進が見栄えするような細長い広間の方向性と神の座を象徴するドームの垂直性をうまく組み合わせることがビザンティン建築の課題につながっていきます。
筆者はこの文の意味を理解するのに時間がかかりました( ˘•ω•˘ )
初期キリスト教建築編でも紹介しましたが、教会堂の平面形式を以下のように仮定すると↓
↑赤色矢印は信者が入り口から奥にあるアプスまで歩く方向性を示し、青色矢印はアプス上部の半ドームを見上げる際の垂直性になります。
この典礼行進の方向性とドームの垂直性をどうするかという課題が残ります。
つまり!
という大きな課題を抱えて、これから様々な構造的実験を繰り返していくのです。
ここまでOKでしょうか?
では次に、ビザンティン建築の課題についてお話したいと思います↓
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