旅行に至った経緯は前記事に書いているが、超簡単にまとめるとこうなる↓
来年(2023年5月)イタリアで結婚式をするにあたって、
どうしても対面マストの打ち合わせがあったため、
今夏(2022年8月)イタリアを訪問した。
以上。

その旅行中で発見した数々の衝撃を皆様にお伝えするべく本記事を執筆している。
さて前記事の最後では、朝食ブッフェのラインナップがパンにヨーグルトにフルーツにハムにチーズにサラミに・・・と、完全に欧米スタイルで日本食シックになったという話をした。
まあイタリアのホテルの朝食ブッフェなので、日本食が出てこないのは至極当たり前のことなのだが(-_-メ)




日本食に飢えていた筆者にとっては全く心躍らない朝食ブッフェであった(ノД`)・゜・。
では早速その続きを始めていきたいと思う。
コミンチャーモ !!( ← Let’s begin.のイタリア語)
ケチャップをもらうも…
ヨーロッパの食事は、アメリカと違ってケチャップもマヨネーズもまったく出番がない。
スクランブルエッグにも、ソーセージにも、ハムにも、チーズにも……なにもかけない。潔癖か。
筆者の奥様に至っては、サラダは塩とオリーブオイルだけ、目玉焼きには何もかけないという、もはや素材そのまま教の信者である。
しかし筆者としては、ソーセージやスクランブルエッグにケチャップがない朝食を一週間続けるのは正直つらかった。
というか、完全に飽きていた。

そこで意を決してウェイターを呼び止め、
ぷりーず ぎぶみー けちゃっぷ♡
と言ったわけである。ただ、どうやらケチャップを頼む客はほぼ絶滅危惧種らしく、
「……え、ケチャップ? んーー……あ、OK。ちょい待って」
という感じで、「どこに置いてあったかな…」と少し迷いながらもわざわざ厨房まで取りに行ってくれた。
その時点で若干申し訳なくなったが、背に腹は代えられない。

無事ケチャップを受け取り、皿の端にブチュチュッとやり、ソーセージやらスクランブルエッグやらに付けてみると、「あ、これ日本でもよくある味だ」と一瞬でホームシックが緩和された。
ヨーロッパ飯に飽き果てていた筆者は、この味変に感動しおかわりまで取りに行った。
そしておかわりを持って席に戻ると──テーブルにケチャップがない。
……え、なんで?(;・∀・)
ウェイターが勝手に持って行ったのか?いや、そんなわけはない。
なぜだ、なぜなんだ。
キョロキョロすると、見知らぬ欧米人(多分アメリカ人)が筆者のケチャップを堂々と横取りしていたのである。

しかもその男、山盛りケチャップをブチュブチュブチュブチュとぶっかけて、「いや、それ完全にケチャップが主食になっとるやん」という量を平然と消費していた。
取り返すのも面倒だったので、筆者はそれ以降ケチャップを使うのを諦めた。
まさか海外でケチャップを奪われるとは、予想の斜め上である。
「あー、ああいう味音痴の人ってほんとにいるんだな~。マヨとかケチャップを山盛りかけて食べてる..」とつい思ってしまったが、しかし思えば筆者も子どもの頃はそうだった。
- 焼肉のタレ+白米
- バター+醤油+白米
- マヨネーズ+白米
で食事を済ませていた時期がある。
つまり味覚的には、筆者も昔は同じ穴の狢だったのかもしれない……という恐ろしい事実に気付いてしまった。
ヨーロッパでは水が有料
朝食に満足できなかった筆者(正確にはヨーロッパ飯に飽きただけだが)は、その夜もお気に入りのパスタ屋へ向かった。
筆者と奥様の家族を合わせて総勢6名。ちょっとした親戚会レベルである。
さて、ヨーロッパのレストランでは水が有料だ。
席に座って「とりあえずお冷やで……」などと言おうものなら、「何を言ってるんだこの人は?」という顔をされる。
無料の水はこの大陸には存在しないらしい。砂漠か。

貧乏バッパー出身の筆者は、普段からスーパーで買った激安の水、もしくはホテルで詰めた再利用水をカバンに忍ばせるのが常である。
つまり、筆者のカバンの中にはほぼ確実に水が1本は眠っている。
まさに“歩く給水ポイント”である。
しかし欧米人にとっては「水が有料」は当たり前なので、値段など気にせず普通に注文する。
「高いなら飲まなければいいじゃない」という発想は彼らには一切ないようだ。
これも文化の違いである。
こういう瞬間、日本という国の“無料の水文化”の偉大さをひしひしと感じるのだ。
やはり日本は良い……(笑)
浮浪者のおじさん

食事中、通りに並ぶテーブルを一つずつ巡回しながら「花を買ってくれぇ〜」と声をかけてくる浮浪者のおじさんが現れた。
ヨーロッパでは、こうした光景はもはや日常風景である(・ω・)ノ

日本と違い、ヨーロッパには浮浪者が普通にいる。
ボロボロの服をまとった浮浪者が、路面電車の中で名称不明の楽器をかき鳴らし、蓋をくり抜いた空き缶を賽銭箱代わりにチャリンチャリンとお金を求めたりする。

これはベルギーの首都ブリュッセルの車内で募金を求めるおじさん
また、有名観光地の人通りの多い場所で、ただ座って「お金くれ〜」とだけ言い続けるおばあさんもいる。
しかもその腕にはボロボロの服の幼児、隣には大型犬……というパターンもあり、そのたび筆者は心の中で「お前が働けや!!」とツッコんでしまう。
そんな環境なので、花売りのおじいが我々のテーブルに来たときも、奥様の家族は当然のように無視であった。
対応としては、①完全無視、②「No」とだけ短く返す、のどちらかが一般的である。
ヨーロッパでは、浮浪者は基本的に“空気扱い”だ。
「くっさ!!!あっち行けや、クズが」などという無粋な言い方はせず、存在自体をスルーするのが礼儀(?)である。
しかし、人情に厚い筆者としては完全スルーはどうにも落ち着かない。
そこで渾身のイタリア語を投入したのである。
Non c’e bisogno.
(ノンチェビゾーニョ)
「ノンチェビゾーニョ」とは、筆者が知っている数少ないイタリア語で意味は「必要ありません」、つまり「いらん!!!」だ。
筆者が「ノンチェビゾーニョ」を発動した瞬間、浮浪者はスッとその場を立ち去り、奥様の家族からは賞賛の嵐。
周囲のテーブルの客はなぜか半笑いだった。
イタリアに行く予定がある方は是非この「ノンチェビゾーニョ」を活用してほしい。
部屋とカメラ
ここで、ささやかなイタリア語講座といこう。
イタリア語で「部屋」は camera(カメラ) と言う。
もちろん写真を撮るあの機械のことではない。

その瞬間、脳内ではどうしても“写真機”がよぎってしまう。

日本車のクオリティ
日本車のクオリティについて、イタリアに行くと強く実感させられる。
現地ではどうしてもイタリア車、つまり FIAT に乗る機会が多いのだが……。
詰めが甘すぎる!!!
やはり車は日本車に限ると痛感した。

筆者が乗ったFIATの印象を語り出すと長くなるが、まずは下の写真を見てほしい。

運転席のリクライニング、普通はレバー式か、今どきなら電動だろう。
筆者が日本で乗っている車も当然のように電動だ。
ところがこのFIAT、ハンドルをぐるぐる回して角度を調整する方式なのだ。

窓ではない。
運転席と助手席のリクライニングである。
しかもこれで 2018年製 ときた。

そして窓も当然のように手動である。
「とりあえず走ればいい」
――そんなイタリア人の価値観を見事に体現した一台であった(笑)
筆者が「現代でもこんな車あったのかwww」とつぶやくと、奥様は、
「確かに日本車のクオリティは非常に高いけど、不必要な機能を山ほど積んで軽自動車でも100万円超えてくるのは異常」
と冷静に分析していたƪ(˘⌣˘)ʃ
筆者としては「日本人は“高機能”という単語に弱いんですよね~」と返すほか無かった。
イタリアでは「走れば十分」というゴールが明確なので、「ナビは不要」「パワーシートも不要」「窓は手動でOK」など、必要な機能だけを選んで安く車を買う文化が根づいているようだ。
玄関で靴を脱がない
玄関で靴を脱がない文化は、やはり筆者にはどうしてもしっくりこない。
生まれも育ちも日本の筆者にとって、床に寝ころべない環境というのはなかなかのストレスである( ˘ω˘ )
欧米では、玄関でスリッパに履き替えることはあっても、基本的に家の中を土足で歩き回る。
そのため筆者の感覚では、どうしても 「床=汚い」 というイメージになる。



どれだけオシャレで清潔感のある家であっても、土足文化ゆえに床は外の延長。
結果として、椅子・ソファ・ベッド以外の場所には座る気になれない。
床は外の地面と同じ、つまり汚れている――そう考えてしまうのだ(笑)
欧米の住まいでは床でごろりと横になってまったりする、あの日本的な癒しタイムが存在しない。
筆者にとってはこれがかなり大きなストレスである。
つまるところ、筆者は日本の住宅文化がやはり好きなのだ。
床で寝転がりたいのである(笑)



そして筆者が欧米に永住できないと感じる最大の理由は、
- 食事
- 住宅事情
- 水回り設備
の3点に集約される。
次はその「水回り設備」について紹介しよう。
トイレ・洗面所・お風呂が一緒
トイレ・洗面所・お風呂が 一つの部屋に全部入り。
これが欧米住宅の標準仕様である↓

正直、これが本当に我慢できない(笑)

便器がすぐ横にある状態で湯船に浸かり、
( ´Д`)=3 フゥ♡
……などとリラックスできるはずがない。
見た目がどれだけ洒落ていようが、横にトイレがあるという事実だけで気分が台無しである。


※見た目は素敵だがトイレが横にあるのはやはり嫌だ
逆に欧米人は「トイレ・洗面所・風呂」が別々になっている日本式が想像できないらしく、そんな発想自体が存在しないようだ。
ちょうどその頃、筆者夫婦は京都で建てる新築の間取りを同時進行で考えていた。
奥様の実家で日本の住宅プランを説明したところ、家族全員が露骨に驚いていた。
はぁぁ!!!???
なんでトイレとお風呂と洗面所が別なのおぉぉぉ(;゚Д゚)
本気でこんなリアクションだった。

中には、シャワーだけが半ば隔離されているタイプの家もあるが、それでも便器は近距離に存在する。
結果、深呼吸すらためらわれる。
日本と欧米の違いは数多いが、筆者にとってこれはトップクラスに理解しがたい相違点なのだ( ˘ω˘ )
ヨーロッパのあの鍵

日本でこんな鍵を見たことがあるだろうか?
筆者にとっては、中世ヨーロッパを舞台にしたアニメで門番が腰からジャラつかせているような、そんなイメージの鍵である(笑)

まさか令和の時代に、この古めかしい鍵が現役バリバリで使われているとは思いもしなかった。
というより、ヨーロッパではこれが“鍵界のスタンダード”と言っていいほどである(;・∀・)

ホテル、住宅、マンション、公衆便所……どこへ行ってもこのタイプが主流。
日本のように、せめてツマミ(サムターン)を回すあのタイプは見たことがない。
ヨーロッパで「鍵」と言えば、ほぼ間違いなくこれである。

↑しかも鍵を抜けばこの通り。
手がかりすら消えてしまう。
一度ロックすると、鍵がないかぎり内側からも外側からも開けられないタイプも多く、筆者はヨーロッパで幾度も痛い目に遭ってきた。
(トイレに閉じ込められた経験がある人は意外と多いのでは?)
もちろん一流ホテルなどではカードキーやディンプルキーも使われているのだろうが、少なくとも筆者の行動範囲では、この“中世鍵”が圧倒的シェアを誇っていたのである。
キリスト教式結婚式の闇
キリスト教式結婚式の“闇”(と筆者が勝手に感じた部分)についてお話ししよう。
筆者は2023年5月、イタリアのキリスト教会で結婚式を挙げる予定であった。
そのため奥様の実家近くの結婚式を挙げる教会へ挨拶に行くことになった。

今回のイタリア渡航(=2022年夏)の最大の目的も実はその面会だった。
奥様のお母様に連れられて辿り着いたのはとある教会。
教会へ向かう道中、筆者は奥様に軽口を叩いていた。
信者のお布施とかでええもん飲み食いしまくってるからな(笑)
そんな冗談を言っていたら、裏口のチャイムを鳴らすと出迎えてくれた神父様が――

THE ちゅーにくちゅーぜい!!
思わず内心で「当たってしまった…」と思った。
キリスト教に限らず、ふくよかな聖職者を見るとなぜか憎しみが湧いてくる。
話せば長くなるが、筆者は「古代から宗教というのは民衆から搾取する道具として聖職者に利用されてきた」と考えているからだ。
頼むから聖職者と呼ばれる人間は貧相で痩せこけていてくれ。

が、それはさておき、事務所も実に立派である。
この事務所で1時間ほど面談が行われたのだが、これが筆者にとっては“結構な衝撃”だった。
完全にキリスト教の闇をみた気がした。
我々夫婦の宗教的な立場は以下のとおりである。
筆者:無宗派
奥様:無宗派(幼少期にキリスト教徒として登録されているので一応キリスト教徒だが本人の自覚は完全無宗派)
このような組み合わせとなっており、その神父は「キリスト教と異教徒との結婚の場合はこうすべし」というルールブックを読み始めたのだ。
「完全に正式なキリスト教の結婚式になります」とか「2人は愛し合うことを誓います」とか結婚式の宣誓に関する一般的な文面はまだ理解できたのだが、途中から筆者は固まった。
たとえば、

とか、

といったことまで記載されていたのである。
夫婦の性事情というプライベートな領域や、子どもの教育方針にまで口出しするなんてヤバすぎる…
コイツら正気か?(; ・`д・´)
筆者夫婦は心の中でザワザワザワザワが止まらなかった。

「え、おれ結婚したら勝手にキリスト教徒に登録されてんじゃね?」
そう疑ったが、よくよく聞いてみるとあくまで形式上のことらしい。
「あくまで形式的な書類であり、この紙にサインしたからといって宗教的な義務や束縛は一切無い」と明言された。
念のため、神父様に繰り返し確認し、その時の説明もこっそり録音しておいたので、おそらく問題ないはずである。
歴史的背景がある宗派も多く、複雑で深い世界ではあるが、個人的には距離を置いたうえで、儀式としての結婚式だけ関わらせてもらう、というスタンスである。
そもそもキリスト教の数ある宗派の中でも特にカトリックは、どれだけ勉強しても歴史的に誉められたことをしている気がしな…(;´Д`)オクチチャック
おわりに
さて、第6部が終了した。
今回も9つのネタ紹介という控えめな内容ではあったが、少しでも「旅ってやっぱり面白いな」と感じてもらえていれば幸いである( ˘ω˘ )
ともあれ、ここまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございました(”ω”)ノ
次の記事を公開次第、またこちらに貼らせていただく。
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