ドネルケバブの発祥はトルコではなくベルリンだった!!
筆者は大学時代、カヌー部に所属していた。
この部活、なぜか個性の大洪水のようなメンバーが揃っており、毎回飲み会の度になにかしらの事件が起きていたのだが、その中でもとびきり異彩を放っていた後輩がいた。
しかし中身は、納豆も味噌汁も愛する純・日本人である。
彼の母親がドイツ・ベルリン出身ということで、ベルリンとは切っても切れぬ縁があるようだ。
そんな彼がよく言っていたのが、こちらである。
「ドネルケバブって、トルコ料理だと思ってる人多いっすけど、あれ、ベルリン発祥なんすよ!」
筆者「……は?いや、ウソやろ??」
ドネルケバブといえば、筆者もこれまで数々の国で食べてきた。
そしてどの屋台にも、中東系の顔立ちのお兄さんが立っていた。
「ヨーロッパ発祥」などという発想は、これまで一度たりとも浮かんだことがなかった。
だがしかし――事実は小説より奇なり。
なんと、ドイツのベルリンにはドネルケバブ発祥の地として多くのケバブ屋があるらしい。
その中でも「ムスタファズ・ゲミューゼ・ケバブ」という店がドネルケバブが産まれたお店として世界中から人が集まっているらしいのだ。
このお店、世界中のケバブファンが集う「聖地」とされており、開店前から長蛇の列ができる日も珍しくないという。
そして、ここが驚きポイントなのだが――
本来のトルコのケバブは、パンに挟まず皿に盛って食べるスタイルだった。
それを、ベルリンの屋台文化に合わせて「パンに挟んで、持ち歩けるようにアレンジ」したのが、現代のドネルケバブサンドのはじまりなのである。
つまり、トルコの味をベルリンがストリートフードに進化させたというわけだ。
あの巨大な肉の塊がグルグルしている理由は、語源からしてブレていない。
これはドネルケバブ、つまり肉の塊が回転している。
……ということは、今まで“トルコの屋台飯”だと思ってかぶりついてたケバブ、実は“ベルリンスタイル”だったってことになる。
世界は意外なところで繋がっている。